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(In Japanese)生体染色剤

Patent code P170013884
File No. (S2013-0820-N0)
Posted date Mar 21, 2017
Application number P2015-508813
Patent number P6281913
Date of filing Mar 28, 2014
Date of registration Feb 2, 2018
International application number JP2014059351
International publication number WO2014157703
Date of international filing Mar 28, 2014
Date of international publication Oct 2, 2014
Priority data
  • P2013-074953 (Mar 29, 2013) JP
  • P2013-075150 (Mar 29, 2013) JP
  • P2013-075256 (Mar 29, 2013) JP
Inventor
  • (In Japanese)溝口 明
  • (In Japanese)藤原 武志
  • (In Japanese)田中 光司
  • (In Japanese)王 淑杰
  • (In Japanese)崔 煌植
  • (In Japanese)木村 一志
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人三重大学
Title (In Japanese)生体染色剤
Abstract (In Japanese)多光子レーザ顕微鏡下で観察するための生体染色剤であって、可食性の1又は複数の色素化合物を含んで成る生体染色剤。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

癌診断では、様々な診断法が用いられており、近年では、内視鏡(ファイバースコープのような軟性鏡と気管支鏡のような硬性鏡の両者を含む)を用いて患部細胞を観察し、消化器系、呼吸器系、腎泌尿器系、子宮卵巣生殖器系、および脳脊髄神経系などの疾患や、特に腫瘍の癌細胞が存在するかを確認する非侵襲的な診断方法が開発されている。

日本人の死亡原因として1981年に癌が脳卒中を抜いて以降、癌による死亡者数は増え続けている。そのため、癌死亡患者数の抑制は社会的に急務となっている。癌は発生後時間の経過とともに進行するため、その治療には早期発見が重要と考えられている。消化器癌の早期発見において、内視鏡検査は重要な役割を果たしている。

乳癌の研究から明らかになったように、多くの癌は発生から6年後に直径5ミリ程度に達する。現行の内視鏡ではこの程度の大きさの癌を検出するのは極めて困難である。その後、7年目には直径10ミリほどの早期癌と呼ばれる状態となるが、この時点で検出できれば内科医による内視鏡を用いた粘膜切除手術により治療可能な場合が多い。しかしながら、かかる検出限界のため、内視鏡検査では7年プラスマイナス半年の時期に検診を受けられた患者の早期癌しか発見できない。

このように、早期癌として発見可能な時期は限られている。その時期を過ぎて進行癌となった場合には内視鏡による治療は難しく、2期、3期の進行癌では外科医による癌切除開腹手術に頼らざるを得ない。更に癌が4期まで進行すると、癌は肝臓、肺、脳など消化管外の臓器に遠隔転移している可能性が高く、内科医による化学療法・放射線療法が必要になる。従って、内視鏡の癌発見性能が早期癌の発見率、延いては癌の治療可能性を決定すると言える。

消化器官の病理組織診断において、病変を直接観察することができる内視鏡検査は重要な役割を果たしている。近年では、粘膜表層の毛細血管、粘膜微細模様を強調表示する狭帯域光観察(Narrow Band Imaging (NBI))(登録商標)内視鏡システムの開発により、微細病変の早期発見が実現されつつある。しかしながら、NBIでも個々の細胞を観察することはできず、病変の正確な診断には生検(バイオプシ)が必要とされる。

そのため、生検組織診断は胃癌等の消化管疾患の診断において尚も重要な役割を果たしている。生検組織診断は、内視鏡検査により採取された問題部位の組織をヘマトキシリン・エオシン染色(HE染色)することで作成された標本を病理医師が組織診断することで行われる。しかしながら、生検は侵襲的な処置である上、費用も高額であり、診断結果を得るまでに10日程度かかるという問題がある。

生体細胞を染色してその細胞画像から病気を診断する試みも長年提案されているが、使用する色素の安全性が問題になる。特に、新規な色素を開発するためには、候補色素が投与時に有害作用を示さないか否かを証明することが法的にも要求される。この安全性証明作業に、新規の色素化合物の場合、1化合物について最低10年の歳月と数十億円のコストが必要とされる。

生体組織の深部を観察する方法として、特許文献1~3に記載のような多光子レーザ顕微鏡を用いた診断方法も提案されている。多光子レーザ顕微鏡では、多光子励起現象を利用して組織内部に超短パルスレーザ光を集光させ、集光位置において超短パルスレーザ光によって励起されて発せられる蛍光を観察する。多光子レーザ顕微鏡は、原理上、ピンポイント励起が可能であるので、超短パルスレーザを走査させつつ蛍光を検出し、画像処理を行うことで、高解像度の蛍光画像を取得することができる。
多光子レーザ顕微鏡による細胞内に存在するFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)の可視化は、細胞や分子の挙動を低浸襲的に解析することができることから、内視鏡技術への応用が期待されている。多光子レーザ顕微鏡によれば、730nm程度の波長で細胞内フラビンが可視化されるため、細胞を染色することなく自家蛍光画像を取得することができる(Rogart, J. N., et al., "Multiphoton imaging can be used for microscopic examination of intact human gastrointestinal mucosa ex vivo", Clin Gastroenterol Hepatol 2008 January; 6(1): 95-101)。しかしながら、多光子レーザ顕微鏡下で得られる画像は低コントラストである。また、多光子レーザの照射により生体内で紫外線が発生するため、DNA損傷の危険性からヒトへの応用は承認されていない。また、細胞の自家蛍光の強さは、臓器によって大きく異なり、自家蛍光の強い大腸などの消化管上皮細胞は、現在市販されている多光子レーザ顕微鏡を用いて細胞画像を可視化しうるが、自家蛍光が弱い卵巣上皮細胞や膀胱上皮細胞は、現在市販されている多光子レーザ顕微鏡を用いて細胞画像の可視化が困難である(Cruz, J., et al. BIOMEDICAL OPTICUS EXPRESS 1, 5, 1320-1330, 2010年)。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、多光子レーザ顕微鏡下で使用される新規の生体染色剤及び当該染色剤を用いた細胞の観察方法、多光子レーザ顕微鏡下で使用される新規の生体染色剤の選定、評価方法、該方法により選定された新規の細胞染色剤、多光子レーザ顕微鏡下で使用される新規の腫瘍細胞染色剤及び当該染色剤を用いた腫瘍細胞の検出方法、並びに多光子吸収現象を用いて患者の組織の観察を行うと共に当該組織の一部を選択的に破壊するための多光子レーザ診断治療装置に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
多光子レーザ顕微鏡下で観察するための生体染色剤であって、米国FDA(Food and Drug Administration)認可済または日本の厚生労働省認可済の食品添加物である可食性の1又は複数の色素化合物を含んで成り、
ここで前記色素化合物はタール系色素、イリドイド系色素、カロテノイド系色素、フラボノイド系色素、キノイド系色素及びベタライン系色素を含む蛍光色素化合物群から選択され、かつ
前記タール系色素は、赤色3号(エリスロシン)、赤色104号(フロキシン)、赤色106号、緑色3号(ファストグリーンFCF)又は青色2号(インジゴカルミン)であり、
前記カロテノイド系色素は、アナトール(アンナットーN2R25、紅の木の実:ビキシン、ノルビキシン)、クロシンG150(クチナシ黄色素)、クロシンL(クチナシ黄色素)、βカロテン又はアンナットーWA-20(アナトール色素べにの木の種子:ノルビキシン)であり、
前記フラボノイド系色素が、ハイレッドV80(紫芋色素:シアニジンアシルグルコシドおよびペオニジンアシルグルコシド)、マルビジン(青いスイートピー色素)、トリセチニジン(紅茶色素)、ペツニジン(レッドベリー色素)、クルクミン、スルフレチン、ミリセチン(ブドウ、玉ねぎ色素)又はクェルセチン(玉ねぎ、柑橘類色素)であり、
前記ベタライン系色素がハイレッドBL(赤ビート色素:ベタニン、イソベタニン)であり、
管腔の上皮細胞・腺細胞系及び/又は結合組織・毛細血管系の癌細胞を染色する、生体染色剤。

【請求項2】
 
前記色素化合物が700nm以上の多光子レーザで励起される、請求項1に記載の生体染色剤。

【請求項3】
 
請求項1又は2に記載の生体染色剤を用いて、被験者より得られた細胞又は培養細胞を観察する方法であって、
1)当該細胞に当該生体染色剤を適用し、
2)多光子レーザ顕微鏡下で当該細胞を観察すること、
3)前記細胞間の染色性の差異に基づき正常細胞と癌細胞とを識別すること、
を含んで成る、細胞を観察する方法。

【請求項4】
 
多光子レーザ顕微鏡下での観察により生体染色剤の細胞染色特性を評価する方法であって、
前記染色剤が米国FDA(Food and Drug Administration)認可済または日本の厚生労働省認可済の食品添加物のなかから選択された1または複数の染色剤であり、
a)癌細胞と正常細胞とを混合し、
b)前記混合物を約90%コンフルエントな状態になるまで培養し、
c)評価すべき染色剤を前記培養物に適用し、
d)前記染色剤が
i)癌細胞を特異的に染色するか、又は
ii)正常細胞を特異的に染色するか、又は
iii)癌細胞も正常細胞もいずれも染色するか
を判定する、
ことを含んでなり、
前記多光子レーザ顕微鏡の波長が700nm以上である細胞染色特性を評価する方法。

【請求項5】
 
前記工程b)において、前記混合物を癌細胞が優先的に増殖する条件下で約90%コンフルエントな状態になるまで培養する、請求項4記載の細胞染色特性を評価する方法。

【請求項6】
 
前記癌細胞がRasV12を発現するイヌ腎臓尿細管上皮細胞(MDCK-RasV12)であり、テトラサイクリンの添加により該癌細胞の優先的な増殖が図れる、請求項5に記載の細胞染色特性を評価する方法。

【請求項7】
 
癌細胞が特異的に染色されるか否かを評価するため、
癌細胞をレポーター遺伝子で標識し、レポーター遺伝子の発現と、染色剤による染色とを対比させることを行うことを含み、
前記レポーター遺伝子がGFP遺伝子であり、
前記多光子レーザ顕微鏡の波長を複数の波長に変更して照射し、
前記複数の波長が750、800,850、900nmであり、赤色可視光領域で判定することを特徴とする、
請求項4~6のいずれか1項に記載の細胞染色特性を評価する方法。

【請求項8】
 
多光子レーザ顕微鏡下で観察するための、正常細胞に比べ癌細胞を特異的に染色する染色剤であって、メクロサイクリンスルフォサルチル酸塩、メタサイクリン塩酸塩、メルブロミン、ファストグリーンFCF、赤色3号(エリスロシン)及び赤色104号から成る群から選択される1又は複数の色素化合物を含んで成る細胞染色剤。

【請求項9】
 
多光子レーザ顕微鏡下で観察するための、癌細胞に比べ正常細胞を特異的に染色する染色剤であって、ミトキサントロン二塩酸塩及びドキソルビシン塩酸塩から成る群から選択される1又は複数の色素化合物を含んで成る細胞染色剤。

【請求項10】
 
多光子レーザ顕微鏡下で観察するための、正常細胞と癌細胞を同等に染色する染色剤であって、ピルビニウムパモエート、シカゴスカイブルー6B、アシッドレッド及びハイレッドV80(ムラサキイモ色素)から成る群から選択される1又は複数の色素化合物を含んで成る細胞染色剤。

【請求項11】
 
多光子レーザ顕微鏡下で観察するための、正常細胞に比べ癌細胞を特異的に染色する染色剤であって、メクロサイクリンスルフォサルチル酸塩、メタサイクリン塩酸塩、メルブロミン、ファストグリーンFCF、赤色3号(エリスロシン)及び赤色104号から成る群から選択される1又は複数の色素化合物を含んで成る細胞染色剤と、正常細胞と癌細胞を同等に染色する染色剤であって、ピルビニウムパモエート、シカゴスカイブルー6B、アシッドレッド及びハイレッドV80(ムラサキイモ色素)から成る群から選択される1又は複数の色素化合物を含んで成る細胞染色剤との混合物を含んでなる、細胞染色剤。

【請求項12】
 
前記細胞染色剤が染色剤の総濃度において0.1μM~10μMの濃度で使用される、請求項8~11のいずれか1項記載の細胞染色剤。

【請求項13】
 
粘膜除去剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、増粘剤、防腐剤、香料及び/又は粘着剤の中から選択される1または複数をさらに含有する、請求項8~12のいずれか1項記載の細胞染色剤。

【請求項14】
 
前記細胞が管腔の上皮細胞・腺細胞系及び/又は結合組織・毛細血管系の細胞である、請求項8~13のいずれか1項記載の細胞染色剤。

【請求項15】
 
前記色素化合物が700nm以上の前記多光子レーザ顕微鏡の多光子レーザで励起される、請求項8~14のいずれか1項記載の細胞染色剤。

【請求項16】
 
請求項8~15のいずれか1項に記載の細胞染色剤を用いて、被験者より得られた細胞又は培養細胞における癌細胞を検出する方法であって、
1)当該細胞に当該癌細胞染色剤を適用し、
2)多光子レーザ顕微鏡下で、染色性の差異に基づき正常細胞と癌細胞とを識別すること、を含んで成る癌細胞を検出する方法。

【請求項17】
 
3)前記癌細胞を前記多光子レーザ顕微鏡の多光子レーザ照射により排除すること、を更に含んで成る、請求項16に記載の癌細胞を検出する方法。

【請求項18】
 
前記培養細胞がiPS細胞、ES細胞又はMUSE細胞から分化された細胞であることを特徴とする請求項16または17のいずれかに記載の癌細胞を検出する方法。

【請求項19】
 
多光子レーザ顕微鏡下での観察により生体染色剤の多能性幹細胞由来細胞の染色特性を評価する方法であって、
前記染色剤が米国FDA(Food and Drug Administration)認可済または日本の厚生労働省認可済の食品添加物のなかから選択された1または複数の染色剤であり、
評価すべき染色剤を多能性幹細胞由来の正常分化細胞と未分化細胞が混在した培養物に適用し、前記染色剤が
i)未分化細胞を特異的に染色するか、又は
ii)正常分化細胞を特異的に染色するか、又は
iii)正常分化細胞、未分化細胞のいずれも染色するか
を判定することを含んでなり、
前記多光子レーザ顕微鏡の波長が700nm以上である、染色剤の染色特性を評価する方法。

【請求項20】
 
前記多能性幹細胞がiPS細胞、ES細胞又はMUSE細胞であり、
多能性幹細胞由来の未分化細胞あるいは正常分化細胞が特異的に染色されるか否かを
評価するため、
多能性幹細胞にレポーター遺伝子を導入し、正常に分化した細胞にレポーター遺伝子
が発現するか、または未分化細胞にのみレポーター遺伝子が発現して、染色剤による染色とを対比させることを行うことを含み、
前記多光子レーザ顕微鏡の波長を複数の波長に変更して照射し、
前記未分化細胞が癌細胞であり、
前記複数の波長が750、800,850、900nmであり、赤色可視光領域で判定することを特徴とする、請求項19記載の染色剤の染色特性を評価する方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2015508813thum.jpg
State of application right Registered
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