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ロボットハンド装置 UPDATE コモンズ

国内特許コード P170013896
整理番号 GI-H28-50
掲載日 2017年3月24日
出願番号 特願2017-039423
公開番号 特開2018-144130
出願日 平成29年3月2日(2017.3.2)
公開日 平成30年9月20日(2018.9.20)
発明者
  • 毛利 哲也
  • 川▲崎▼ 晴久
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 ロボットハンド装置 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】駆動部に関する作動状態パラメータと該駆動部により作動する指部材に関する作動状態パラメータとの関係が非線形の関係となっているロボットハンドの指部材の作動をフィードバック制御で制御する際に、その制御精度を向上することができるロボットハンド装置を提供する。
【解決手段】ロボットハンド制御装置20は、フィードバック制御で得られる演算値に対して、第1行列と第2行列の積の逆行列を乗算して得られた結果を駆動モータ60のドライバ12へ出力する。第1行列は、リンク機構を介して指部材に動力を伝達する直動体の作動状態パラメータと指部材の関節の作動状態パラメータのヤコビ行列とする。また、第2行列は、駆動モータの作動状態パラメータと直動体の作動状態パラメータのヤコビ行列とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


本出願人は、特許文献1のロボットハンドを提案している。図2は前記ロボットハンドを構成している各指を作動させる構成の原理図である。同図に示すように、指部材50の基端は関節となる関節軸52にて、隣接する指支持部材54に回動自在に支持されている。なお、前記指支持部材54は、隣接する他の指部材、または、掌部材である。指部材50は、前記指支持部材54に設けられた回転式モータである駆動モータ60、及び駆動モータ60の動力を伝達する伝達機構70により作動する。



伝達機構70は、ギヤヘッド72、ギヤヘッド72の入力軸と駆動モータ60の出力軸間に設けられた平歯車列74、ギヤヘッド72の出力軸とボールネジ78の入力軸間に設けられた平歯車列76、ボールネジ78により直動する直動体(例えばナット体)80、直動体80と関節軸52間に連結された一対のリンク81、82とを有している。リンク81,82、ボールネジ78、及び直動体80は、スライダークランク機構を構成する。駆動モータ60が回転すると、平歯車列74、ギヤヘッド72、及び平歯車列76が作動してボールネジ78が回転し、ボールネジ78の回転により、直動体80が移動することにより、一対のリンク81、82及び関節軸52を介して指部材50が回転する。



上記のように構成された指部材50(指)を有するロボットハンドの従来の制御方法について説明する。まず、この制御方法において、関係する各種のパラメータについて説明する。ボールネジ78により生じる直動体80の移動量xは、下記の通りである。



【数1】


モータトルクτにより生じるボールネジ78の推力F式(2)に示す。なお、ここより下の式には機構等の効率は含まれていない。



【数2】


次に直動体80の移動量xにより生じる関節角度θを式(3)に示す。なお、下付き「j」は、ロボットハンド10(図7参照)の関節の数である。



【数3】




【数4】




【数5】




【数6】




【数7】




【数8】


直動体80の推力Fにより生じる関節トルクτを式(9)に示す。



【数9】


関節角度θにより生じる指先位置xを式(10)に示す。なお、下付の「f」はロボットハンド10の指先の数である。



【数10】


関節トルクτにより生じる指先力Fを式(11)に示す。



【数11】




【数12】


駆動モータ60の回転角度θと指先位置xの関係は、式(10)により、非線形であることが分かる。また、駆動モータ60のモータトルクτと指先力Ffとの関係も式(12)により非線形であることが分かる。



<関節角度の制御>
図7の制御ブロックで示すように、従来の一般的な関節角度のフィードバック制御では、例えばPID制御により行っている。



このPID制御について説明すると、図7に示すように、減算器100により、図示しない上位制御部から出力された目標値であるθjdと、関節角度θとの偏差が算出され、該偏差は比例演算部110で比例ゲインが乗算されてその算出結果が加算器160に出力される。



なお、関節角度θは、演算器180により式(1)、式(3)等に基づいて算出される。また、回転角度θは、駆動モータ60に設けられた図示しない検出部(ロータリーエンコード等)により検出される。式(1)、式(3)及びこれらの式に関するパラメータは、固定値、または、式(5)~式(8)で算出される値である。前記固定値は、前記制御ブロックを実現する図示しない制御装置の記憶部に記憶される。以下、他の制御で使用される式、及び固定値も同様である。また、前記偏差は、積分器120及び積分ゲイン演算部130にて演算されてその演算結果が加算器160に出力される。また、前記偏差は、微分器140及び微分ゲイン演算部150にて演算されてその演算結果が加算器160に出力される。加算器160は、比例演算部110、積分ゲイン演算部130、及び微分ゲイン演算部150の出力値を加算して得たトルク指令uを、ロボットハンド10の各指をそれぞれ駆動する駆動モータ60の図示しないドライバに出力する。



図7に示す関節角度の制御(PID制御)で得られるトルク指令uは、式(13)で表わすことができる。



【数13】


<指先位置の制御>
次に、従来の指先位置の制御について説明する。図8の制御ブロックで示すように、従来の一般的な指先位置のフィードバック制御では、例えばPID制御により行っている。このPID制御について説明すると、図8に示すように、減算器200により、図示しない上位制御部から出力された目標値であるxfdと、ロボットハンド10の指先位置xとの偏差が算出される。



なお、指先位置xは、駆動モータ60に設けられた図示しない検出部(ロータリーエンコード等)が検出した回転角度θを入力した演算器280により式(10)、及び式(10)に関連したパラメータを算出する式(3)~式(8)等に基づいて算出される。



前記偏差は、比例演算部210で、比例ゲインが乗算されるとともにトルク変換されてその算出結果が加算器260に出力される。また、前記偏差は、積分器220で積分されて、積分ゲイン演算部230で積分ゲインが乗算されるとともにトルク変換されてその演算結果が加算器260に出力される。また、前記偏差は、微分器240で微分されて、微分ゲイン演算部250で微分ゲインが乗算されるとともにトルク変換されてその演算結果が加算器260に出力される。



加算器260は、比例演算部210、積分ゲイン演算部230、及び微分ゲイン演算部250の出力値を加算して得たトルク指令uを、ロボットハンド10の各指をそれぞれ駆動する駆動モータ60の図示しないドライバに出力する。



図8に示す関節角度の制御(PID制御)で得られるトルク指令uは、式(14)で表わすことができる。



【数14】


<関節トルクの制御>
従来の関節トルクの制御について説明する。図9の制御ブロックで示すように、従来の一般的な関節トルクのフィードバック制御では、例えばPI制御により行っている。図9に示すように、減算器300により、図示しない上位制御部から出力された目標値であるτjdと、関節トルクτとの偏差が算出される。前記関節トルクτは、図示しないモータトルクの検出部(例えばモータ電流の検出部)から出力したモータトルクτを入力する演算器380によって算出される。具体的には、演算器380は、式(9)及び式(9)中のパラメータを算出する式(2)~式(8)等に基づいて、関節トルクτを算出する。



前記偏差は比例演算部310で、比例ゲインが乗算されてその算出結果が加算器360に出力される。また、前記偏差は、積分器320及び積分ゲイン演算部330により演算されてその演算結果が加算器360に出力される。加算器360は、比例演算部310、及び積分ゲイン演算部330の出力値を加算して得たトルク指令uを、ロボットハンド10の各指をそれぞれ駆動する駆動モータ60の図示しないドライバに出力する。



図9に示す関節角度の制御(PI制御)で得られるトルク指令uは、式(15)で表わすことができる。



【数15】


<指先力の制御>
従来の指先力の制御について説明する。図10の制御ブロックで示すように、従来の一般的な指先力のフィードバック制御では、例えばPI制御により行っている。図10に示すように、減算器400により、図示しない上位制御部から出力された目標値であるFfdと、指先力Fとの偏差が算出される。前記指先力Fは、図示しないモータトルクの検出部(例えばモータ電流の検出部)から出力したモータトルクτを入力する演算器480によって算出される。具体的には、演算器480は、式(12)及び式(12)中のパラメータを算出する式(2)、式(9)等に基づいて、関節トルクτを算出する。前記偏差は比例演算部410で、比例ゲインが乗算されるとともにトルク変換されて加算器460に算出結果が出力される。



また、前記偏差は、積分器420で積分されて、積分ゲイン演算部430で積分ゲインが乗算されるとともにトルク変換されてその演算結果が加算器460に出力される。また、目標値であるFfdは、トルク変換部440でトルク変換されて、その演算結果が加算器460に出力される。加算器460は、比例演算部410、積分ゲイン演算部430及びトルク変換部440の出力値を加算して得たトルク指令uを、ロボットハンド10の各指をそれぞれ駆動する駆動モータ60の図示しないドライバに出力する。



図10に示す関節角度の制御(PI制御)で得られるトルク指令uは、式(16)で表わすことができる。



【数16】


産業上の利用分野


本発明は、ロボットハンド装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
指部材と、前記指部材を関節により揺動自在に支持する指支持部材と、を備え、前記指支持部材には、直動自在に設けられた直動体と、前記直動体の動力を前記指部材に対して非線形で伝達して揺動を付与する伝達機構と、前記直動体に動力を付与する駆動部と、前記指部材または前記関節の作動状態を示すパラメータを取得する作動状態取得部と、を有するロボットハンドと、
前記指部材を、前記パラメータに基づいて、前記駆動部を介して前記指部材の作動をフィードバック制御する制御部を備えたロボットハンド装置であって、
前記制御部は、前記フィードバック制御で得られる演算値に対して、第1行列と第2行列の積の逆行列を乗算して得られた結果を前記駆動部のドライバへ出力するものであり、
第1行列は、前記直動体の作動状態パラメータと前記関節の作動状態パラメータのヤコビ行列であり、
第2行列は、前記駆動部の作動状態パラメータと前記直動体の作動状態パラメータのヤコビ行列であるロボットハンド装置。

【請求項2】
前記駆動部は回転式モータであり、前記直動体は前記回転式モータに作動連結されたボールネジにより直動するものであり、前記伝達機構はリンク機構である請求項1に記載のロボットハンド装置。

【請求項3】
前記駆動部は前記直動体を直動する直動モータであり、前記伝達機構はリンク機構である請求項1に記載のロボットハンド装置。

【請求項4】
前記作動状態取得部は、前記関節の作動状態を示すパラメータとして前記関節の関節角度を検出または演算により取得するものであり、
前記駆動部の作動状態パラメータは、前記駆動部の作動量であり、
前記直動体の作動状態パラメータは、前記直動体の移動量であり、
前記関節の作動状態パラメータは、関節角度である請求項2または請求項3に記載のロボットハンド装置。

【請求項5】
前記作動状態取得部は、前記指部材の作動状態を示すパラメータとして前記指部材の先端位置を検出または演算により取得するものであり、
前記駆動部の作動状態パラメータは、前記駆動部の作動量であり、
前記直動体の作動状態パラメータは、前記直動体の移動量であり、
前記関節の作動状態パラメータは、関節角度である請求項2または請求項3に記載のロボットハンド装置。

【請求項6】
前記作動状態取得部は、前記関節の作動状態を示すパラメータとして前記関節の関節トルクを検出または演算により取得するものであり、
前記駆動部の作動状態パラメータは、駆動部トルクであり、
前記直動体の作動状態パラメータは、前記直動体の推力であり、
前記関節の作動状態パラメータは、関節トルクである請求項2または請求項3に記載のロボットハンド装置。

【請求項7】
前記作動状態取得部は、前記指部材の作動状態を示すパラメータとして前記指部材の先端力を検出または演算により取得するものであり、
前記駆動部の作動状態パラメータは、駆動部トルクであり、
前記直動体の作動状態パラメータは、前記直動体の推力であり、
前記関節の作動状態パラメータは、関節トルクである請求項2または請求項3に記載のロボットハンド装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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JP2017039423thum.jpg
出願権利状態 公開
岐阜大学産官学連携推進本部では、岐阜大学における知的財産の創出・管理・活用のマネジメントをしています。上記の特許・技術に関心のある方は、下記問い合わせ先に整理番号とともにご相談下さい。


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