TOP > 国内特許検索 > 太陽電池の性能劣化回復装置および方法

太陽電池の性能劣化回復装置および方法 コモンズ

国内特許コード P170013897
整理番号 GI-H28-57
掲載日 2017年3月24日
出願番号 特願2017-036400
公開番号 特開2018-143047
出願日 平成29年2月28日(2017.2.28)
公開日 平成30年9月13日(2018.9.13)
発明者
  • 吉田 弘樹
  • 野々村 修一
  • 大橋 史隆
  • 志知 拓弥
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 太陽電池の性能劣化回復装置および方法 コモンズ
発明の概要 【課題】PID現象により出力低下したモジュールの出力を回復する方法であって、既設の太陽電池モジュールを接地した状態のままで処理することが可能な方法を提案すること。
【解決手段】太陽電池セルの電極間に対して-3~-15Vの範囲で逆電圧を印加する電源を有し、発電効率の劣化を回復する劣化太陽電池の回復装置およびそれを利用した劣化太陽電池の回復方法。
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


太陽光発電システムは、設置後十年前後でようやく設置コストの回収ができると言われており、長期間の安定した出力が求められている。しかし太陽光発電で先行するヨーロッパ等では、PID現象とよばれる太陽電池モジュールシステムの性能劣化が発生するという問題が報告されている。PID現象とは、太陽電池モジュール内部回路で電荷の分極が生じ、セル内部での電子の移動が妨げられることで出力の著しい低下が起こる現象である。



PID現象は、高電圧化した太陽光発電設備において、接地されたフレームと太陽電池モジュール内部回路との間に大きな電位差が発生するようになり、これに湿度、温度等の外部要因が作用し、或いはモジュールに用いられるガラス基板からのアルカリ金属イオンが拡散して、モジュールの内部回路とフレーム間に漏れ電流が生じることが原因といわれている。



本明細書において、太陽電池の基本単位で太陽電池素子そのものを太陽電池セルといい、このセルを必要枚数配列して、屋外で利用できるように樹脂や強化ガラスなどで保護し、パッケージ化したものを太陽電池パネルという。また太陽電池パネルを複数枚並べて接続したものを太陽電池モジュールと定義する。太陽電池セル単位でみると、該セルの一部分に劣化現象が発生し、それが太陽電池パネル一枚の性能劣化へとつながり、さらに太陽電池モジュールを構成する直列に接続された太陽電池パネルのうち、一枚でもこのような性能劣化を起こすと、システム全体の発電効率の低下を招いてしまう。



このようなPID現象を抑制する方法として種々の提案がなされている。例えば、所定レベル以上の高い絶縁性を有する太陽電池用封止膜を利用するもの(特許文献1)、環状オレフィン系樹脂のフィルムと、エチレン・α-オレフィンゴム共重合体(A)とエチレン・アクリル酸共重合体(B)を所定の配合比でブレンドした組成物に有機過酸化物課教材を含む材料でモジュールを封止するもの(特許文献2)、エチレン・極性モノマー共重合体と、シランカップリング剤と、ヒンダードアミン系光安定剤を含む封止用樹脂を提供するもの(特許文献3)などがある。これらの技術は、封止膜により結晶シリコン等のセルを保護しようとするものである。



また、太陽光発電システムに使用する電力変換装置に絶縁トランスを追加し、かつ負極に接地することによりPIDの発生を防止する方法(特許文献4)や、太陽電池モジュールとパワーコンディショナの間に出力低下予防回復装置と発電回路との切り替え手段を設けて、太陽電池モジュール内部に正電圧を印加する電源と前記モジュールを接地する接地手段を備えた装置(特許文献5)などの提案もある。これらの技術はPID現象を効果的に抑制するものではあるが、既に設置済みの太陽電池モジュールに適用することは困難である。



一方、既設の太陽電池モジュールの劣化を回復する手段として、例えば40℃で1000Vの電圧を100時間かけることでPIDを起こさせたのち、逆の電圧を同温度、同時間かけることでPIDが回復したという結果(非特許文献1)や、600Vの逆電圧あるいは250℃で2.5時間の処理により回復するという報告(非特許文献2)がある。これらの方法によれば回復可能であるかも知れないが、太陽電池モジュールを再利用する場合のように、一旦設備を分解するなどして回収することが必要となる。



なお、一定期間使用された太陽電池パネルについて出力を回復するための補修装置として、直流通電により太陽電池パネルに発生した発熱箇所を赤外線カメラで撮影・解析し、レーザーを照射して加熱する方法(特許文献6)があるが、熱疲労によるはんだクラックにより出力低下した太陽電池パネルの回復手段に関するものであり、同じ手法がPIDの回復に適用できるか否かは不明である。

産業上の利用分野


本発明は、太陽光発電システム設置後のPID(potential-induced degradation)現象などによる出力低下を回復する装置およびそれを用いた回復方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
太陽電池セルの電極間に対して-3~-15Vの範囲で逆電圧を印加する電源を有し、発電効率の劣化を回復する劣化太陽電池の回復装置。

【請求項2】
前記太陽電池パネルの電極と電源との間に、電流を連続的に通電するか、断続的に通電するかを制御可能な電流制御装置を有する請求項1に記載の装置。

【請求項3】
(1)太陽電池モジュールを構成する太陽電池パネル間の接続を解放し、各パネルに並列に接続されているダイオードに対する電気的回路を遮断するステップ、
(2)電流を連続的に通電するか断続的に通電するかを制御可能な電流制御装置を介して、前記太陽電池パネルのプラス電極にマイナスの電位を、マイナス電極にプラスの電位を接続するステップ、
(3)前記太陽電池セルに対して-3~-15Vの範囲で、逆方向の電圧を印加するステップ、を含むことを特徴とする劣化太陽電池の回復方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2017036400thum.jpg
岐阜大学産官学連携推進本部では、岐阜大学における知的財産の創出・管理・活用のマネジメントをしています。上記の特許・技術に関心のある方は、下記問い合わせ先に整理番号とともにご相談下さい。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close