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(In Japanese)生体由来組織片を用いたがんの検出方法、および生体外での生体由来組織片中の細胞の維持方法

Patent code P170013997
File No. (S2014-0432-N0)
Posted date Apr 7, 2017
Application number P2015-559976
Patent number P6406715
Date of filing Jan 28, 2015
Date of registration Sep 28, 2018
International application number JP2015052350
International publication number WO2015115478
Date of international filing Jan 28, 2015
Date of international publication Aug 6, 2015
Priority data
  • P2014-015735 (Jan 30, 2014) JP
Inventor
  • (In Japanese)山田 勝也
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人弘前大学
Title (In Japanese)生体由来組織片を用いたがんの検出方法、および生体外での生体由来組織片中の細胞の維持方法
Abstract (In Japanese)本発明は、がん診断におけるHE染色標本に代わるあるいはそれを補助する、新たな組織サンプルにおけるがんのイメージング法を提供することを目的とする。本発明はまた、生体外での生体由来組織片を生きた状態に維持する方法を提供することを目的とする。生体から採取した組織片を、29~33℃の温度にて少なくとも30分以上処理し、その後、35.5~37.5℃の温度にすることにより、組織の生理機能が正常な状態に維持できる方法が提供される。加えて、そのような組織を2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-L-グルコース(2-NBDLG)存在下で処理することにより、生体由来組織片中のがんをイメージングにより検出する方法が提供される。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

がんを精度よく検出することは、その発見や治療のために重要である。通例、がん組織は一様な性質を示す細胞の集合ではなく、様々な形態的あるいは機能的な特徴、分化の程度を示す細胞の集合である。また正常細胞の中に混在して存在する場合もある。そこで、がん診断では、診断を確定するために生検標本の病理診断を行い、細胞レベルで異常細胞の評価を行うことが必要となる。しかし、生検標本の病理診断においては、特に早期がんであるほど、がん細胞もしくは前がん状態にある細胞が見落とされる可能性、すなわち誤って陰性(False Negative、偽陰性)と診断される可能性が存在する。特に、内科診断時に組織を取り出す生検を行なう場合、このような偽陰性の診断がなされてしまい、その後に病状が進行してしまってから初めて気づく危険性をいかに小さくするかが課題となっている。同様の問題は、手術後の再発の有無の評価においても大きな課題となっている。

消化管がんでは、一般に消化管内腔の組織表層(粘膜層)にある上皮細胞に最初に異常が発生する。経過観察の結果、もしも組織深く、すなわち粘膜下層から更に深い筋層においても異常細胞がみられるようになると、転移の可能性が増大する。転移すると根治が難しくなるため、こうした事態となる前に「組織表層の病変の性質と範囲」を正確に判定することが求められている。
組織学的に異常細胞を判定する場合、内視鏡などを用いて消化管内腔表面を観察して病変部と思われる部位の一部を採取する(生検)。生検組織はホルマリン等で固定した後に厚さ5ミクロン程度にまで薄切し、多数の標本(プレパラート)を作製、色素等で組織染色を行う。こうして得られた病理組織標本を、専門の病理医が、細胞核(nucleus)と細胞質(cytoplasm)の比(N/C比)の増大、細胞質内の核の位置と形の異常、細胞組織構築の異常の様相、等の形態学的特徴に注目して、正常であるか、あるいはがんやがんに移行する可能性が疑われる異常を示しているか診断する。

しかし、がんの病理診断は、長年の経験を積んだ病理医が主観に基づいて下すものであることから、がんとアデノーマ(良性腫瘍)との境界状態にあるような組織や、核形態だけでは判断できないような場合等において、病理医により意見が分かれることも少なくない。また、表層に留まる早期の病変の判定基準は、欧米と日本で異なるなどの問題も指摘されている。実際、早期の病変であればあるほど、「がんとなる恐れのある病変」と、「がんとなる恐れのない病変」の線引きは難しい。

そこで、臨床サイドからはこうした主観的側面をもつ現在の病理診断に代わり得る客観的な尺度、あるいは経験に乏しい医師であっても判断できるような明確な指標が求められている。また、高齢化し絶対数の不足する病理医のサイドからは、日々蓄積する膨大なヘマトキシリンーエオシン染色(HE染色)標本の中から、「ここをよく見てほしい」と指し示すガイドとなるような指標、あるいはHEによる診断を補うような指標がほしいという要望がある。

現在の病理診断のもう一つの問題として、上記した異常判定が、固定後死んだ細胞を対象とするため、専ら「形態学的な異常」の判定に留まり、細胞の「機能的な異常」を見ていないという点がある。一見正常な細胞組織構築を示す領域の細胞が、機能的に正常であるか否かは、通常の病理組織学的検査ではわからない。病理学者が形態的に正常と判断しても、既に細胞は感染して機能的異常が開始しているような場合、形態的に異常が明らかになるまで待っていては治療が後手に回ってしまう可能性もある。このような細胞の「機能的な異常」を見るためには、生検鉗子等で体外に摘出した不定形のがん組織を生かした状態に保つことが必要である。

HE染色標本以外のがんの検出手段として、D-グルコースに緑色の蛍光基NBDを結合した2-NBDGを用いたイメージングが報告されている。がん組織の生検もしくは手術時摘出標本に2-NBDGを用いた例として、口腔がん(非特許文献1)、乳がん(非特許文献2)およびバレット食道がん(非特許文献3)の例が報告されている。しかしながら、程度の差はあるとはいえ、2-NBDGは非がん細胞にも取り込まれて非がん細胞をイメージングしてしまう。また、生検鉗子等で体外に摘出した不定形のがん組織を生かした状態に保ち、蛍光グルコース誘導体を投与して、細胞内への取り込みの様子を連続的に蛍光観察する技術は確立されておらず、これらの報告は再現性や技術的信頼性に乏しいと言わざるを得ない。従って、これらの技術も、上記の問題や要望に応えるものとはなっていない。

本発明者らは、L-グルコースを緑色の蛍光基NBDで標識した蛍光L-グルコース誘導体(2-NBDLG)を開発した(特許文献1)。そして、がん細胞内への2-NBDLGの特異的な取り込みによりがん細胞を検出する方法を報告している(特許文献2)。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、生体由来組織片を用いたがんの検出方法に関する。本発明はまた、生体外での生体由来組織片中の細胞を生きた状態で維持する方法に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
生体由来組織片中のがんを検出するための方法であって、以下の工程、
a.生体から採取した組織片を、29~33℃の温度にて少なくとも30分以上処理する工程、
b.前記工程aで処理した組織片を、35.5~37.5℃の温度にて、蛍光分子団として7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール基又はその誘導体を分子内に有するL-グルコース誘導体に20分以内にわたり適用することで、処理する工程、および
c.前記L-グルコース誘導体を前記組織片から10分以上かけて洗い流した後に、組織片中の細胞内に存在する該L-グルコース誘導体を検出する工程、
を含み、
組織片が、腺組織を含む検出方法。

【請求項2】
 
前記L-グルコース誘導体が、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-L-グルコース(2-NBDLG)である請求項1に記載の検出方法。

【請求項3】
 
工程aが、生体から採取した組織片を、約0℃に冷却した後、29~33℃の温度にて少なくとも30分以上処理する工程である、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
 
程cにおける検出が、蛍光強度の時間経過による変化を指標として行う、請求項1~3のいずれか一つに記載の検出方法。

【請求項5】
 
生体由来組織片中のがんを検出するための方法であって、以下の工程、
a.生体から採取した組織片を、29~33℃の温度にて少なくとも30分以上処理する工程、
b.前記工程aで処理した組織片を、35.5~37.5℃の温度にて、2-[N-(7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)アミノ]-2-デオキシ-L-グルコース(2-NBDLG)および2位にスルホローダミン101をスルホンアミド結合した2-アミノ-2-デオキシ-L-グルコース(2-TRLG)に20分以内にわたり適用することで、処理する工程、および
c.前記L-グルコース誘導体を前記組織片から10分以上かけて洗い流した後に、組織片中の細胞内に存在する2-NBDLGおよび/または2-TRLGを検出する工程、
を含み、
組織片が、腺組織を含む検出方法。

【請求項6】
 
工程aが、生体から採取した組織片を、約0℃に冷却した後、29~33℃の温度にて少なくとも30分以上処理する工程である、請求項5に記載の方法。

【請求項7】
 
前記工程bにおける処理を10分以内で行う請求項5または6に記載の検出方法。

【請求項8】
 
前記工程cにおける検出が、蛍光イメージングされた細胞の蛍光色調の時間経過による変化を指標にして行う、請求項5~7のいずれか一つに記載の検出方法。

【請求項9】
 
前記工程bの後に、組織片を約0℃において1~24時間保存した後、工程cを行う、
請求項1~8に記載の方法。

【請求項10】
 
細胞内のL-グルコース誘導体の検出を行った後に、さらに組織片から病理標本を作製して病理標本に基づくがんの検出を行う、請求項1~9のいずれか一つに記載の方法。

【請求項11】
 
前記L-グルコース誘導体の検出が寒天中に固定された組織片を用いて行う、請求項10に記載の方法。

【請求項12】
 
請求項1~11のいずれかの検出方法において、工程bにおいてまたは工程bの後に、任意の化合物の存在下で組織を処理することにより、該化合物のがん細胞に対する効果を評価することを、含むスクリーニング方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2015559976thum.jpg
State of application right Registered
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