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(In Japanese)抗原提示を促進するエピトープ間配列を含むT細胞誘導ワクチン

Patent code P170014000
File No. (S2013-1527-N0)
Posted date Apr 7, 2017
Application number P2015-540520
Patent number P6558699
Date of filing Oct 1, 2014
Date of registration Jul 26, 2019
International application number JP2014076286
International publication number WO2015050158
Date of international filing Oct 1, 2014
Date of international publication Apr 9, 2015
Priority data
  • P2013-206639 (Oct 1, 2013) JP
Inventor
  • (In Japanese)珠玖 洋
  • (In Japanese)原田 直純
  • (In Japanese)村岡 大輔
  • (In Japanese)秋吉 一成
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人三重大学
  • (In Japanese)国立大学法人京都大学
Title (In Japanese)抗原提示を促進するエピトープ間配列を含むT細胞誘導ワクチン
Abstract (In Japanese)複数個のエピトープを有する長鎖ペプチド抗原おいて、各エピトープの抗原提示を有効に誘導するエピトープ間配列を提供すること。複数個のエピトープを有する長鎖ペプチド抗原を備えたワクチンにおいて、各エピトープ間配列は、2個~10個の連続するチロシン、2個~10個の連続するスレオニン、2個~10個の連続するアラニン、2個~10個の連続するヒスチジン、2個~10個の連続するグルタミン及び2個~10個の連続するアスパラギンからなる群から選択される一つであることを特徴とするワクチンによって達成される。このワクチンは、抗がんワクチン、抗菌ワクチン及び抗ウイルスワクチンからなる群から選択される一つであることが好ましい。また、ワクチンは、ペプチドワクチン、DNAワクチン、mRNAワクチン、樹状細胞ワクチンからなる群から選択される少なくとも一つのものであることが好ましい。
【選択図】
  図1
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

がんに対する免疫応答に関する長年の研究の結果、がん宿主の腫瘍拒絶における細胞性免疫の重要性が明らかになった。特に、CD8キラーT細胞(CD8細胞傷害性T細胞)は腫瘍を直接破壊する作用を有するエフェクター細胞であること、CD4ヘルパーT細胞はCD8キラーT細胞や抗原提示細胞の働きを増強する重要な調節細胞であること、ならびに樹状細胞やマクロファージといったプロフェッショナルな抗原提示細胞はT細胞に抗原を提示し刺激すると共に、CD80やCD86などの共刺激分子やサイトカイン等を介してT細胞を活性化することが明らかとなり、以下に述べるように、腫瘍に対する細胞性免疫応答を担う各細胞の役割や位置付けが確立された(非特許文献1)。

腫瘍細胞由来のタンパクは、抗原提示細胞に貪食されたあと、細胞内のプロテアソームやプロテアーゼ、ペプチダーゼにより種々の長さのペプチドへと切断される。生じたペプチドのうち、8~10アミノ酸のペプチドは主要組織適合遺伝子複合体(major histocompatibility complex, MHC)クラスI分子に抗原エピトープペプチドとして搭載され、抗原提示細胞の表面で提示され得る。CD8キラーT細胞は、T細胞受容体(T cell receptor, TCR)を用いてこのMHCクラスI/抗原ペプチド複合体を特異的に認識し活性化する。活性化したCD8キラーT細胞は、腫瘍細胞上にも存在するMHCクラスI/抗原ペプチド複合体を検出し、グランザイムやパーフォリンなどのエフェクター分子を用いて腫瘍細胞を破壊する。
CD8キラーT細胞の十分な活性化には、CD4ヘルパーT細胞の働きは重要である(非特許文献2)。抗原提示細胞に取り込まれた抗原タンパクは細胞内のプロテアーゼやペプチダーゼにより種々の長さに切断されるが、そのうち15~20アミノ酸の抗原ペプチドはMHCクラスII分子と複合体を形成し抗原提示細胞上で提示され得る。CD4ヘルパーT細胞はこれを特異的に認識し活性化する。活性化CD4ヘルパーT細胞は、インターフェロン(interferon, IFN)‐γやインターロイキン(interleukin, IL)‐2等のサイトカインの分泌を介して、CD8キラーT細胞の分化や増殖、機能を増強する。またCD4ヘルパーT細胞は、CD40リガンド/CD40経路を介して抗原提示細胞を活性化する働きも有し、CD4ヘルパーT細胞により活性化された抗原提示細胞はCD8キラーT細胞に対する刺激能力が向上する(非特許文献3)。CD4ヘルパーT細胞にはB細胞の抗原特異的IgG抗体産生を増強する作用もあることは従来から良く知られている。

以上のT細胞免疫応答の理解に基づき、腫瘍特異的抗原をワクチン抗原として反復投与し、腫瘍特異的なCD8キラーT細胞を患者体内に誘導することでがんの増殖や転移、再発を抑えるがんワクチン療法が考案されている。がんワクチンの抗原の形態は合成ペプチドや組換えタンパク、加工した細胞など様々なものが知られている。発明者らはかつて、腫瘍抗原タンパクの組換え全長タンパクを抗原とするがんワクチンを作製した。全長タンパクには、CD8キラーT細胞及びCD4ヘルパーT細胞が認識する多様な抗原ペプチドが含まれており、両T細胞を同時に活性化すると期待される。しかしながら、外因性(細胞外)の抗原タンパクではMHCクラスII経路を介したCD4ヘルパーT細胞の活性化は進行しやすいが、MHCクラスI経路を介したCD8キラーT細胞の活性化は進行しにくい。これは抗原提示細胞における外因性抗原タンパクの取り込みと抗原プロセシングの機構上の理由による(非特許文献4)。
そこで国内外では、短鎖のペプチド、主としてCD8キラーT細胞が認識する8~10残基のエピトープペプチドを化学合成し、これを抗原とするワクチンを臨床応用する試みが多くなされている。短鎖ペプチド抗原は抗原提示細胞内への取り込みと抗原プロセシングを経ずに細胞表面のMHC分子に直接結合するため、T細胞への提示は起こりやすい。また、短鎖ペプチドは化学合成による製造が可能で、遺伝子組換え生物を用いる必要がある組換えタンパクの製造に比べて簡便であるという利点がある。

しかし、短鎖ペプチド抗原が抗原提示細胞内への取り込みと抗原プロセシングを経ずに、細胞表面のMHC分子に直接結合することについて、免疫学上の問題が指摘されている(非特許文献5)。外因性の抗原タンパクでは、共刺激分子(CD80、CD86など)を備えた樹状細胞やマクロファージのようなプロフェッショナルな抗原提示細胞に貪食され、細胞内でプロセシングされ、適切な濃度と共刺激を伴う様式でT細胞に抗原提示される。一方、短鎖ペプチド抗原は細胞表面のMHC分子に直接結合するため、抗原の取り込み能力(貪食能力)を持たず共刺激分子も発現しない一般の体細胞でも短鎖ペプチド抗原が大量かつ共刺激を欠く不適切な様式で提示され得る。この場合、短鎖ペプチド抗原とMHCの複合体を認識するT細胞は消耗や細胞死を起こしやすくなり、結果として目的抗原に対する免疫寛容を招く可能性がある。
こうした短鎖ペプチドワクチンの課題を鑑み、長鎖の合成ペプチド抗原の有用性が注目されている(非特許文献5)。長鎖ペプチド抗原は、T細胞の認識エピトープペプチドを少なくとも二つ以上含むような数十残基のポリペプチドである。長鎖ペプチド抗原は短鎖ペプチドと異なり、そのままではMHC分子に直接結合できない。長鎖ペプチド抗原ではタンパク抗原と同様、樹状細胞やマクロファージといった貪食能を有するプロフェッショナルな抗原提示細胞に取り込まれ、細胞内でプロセシングを経ることで、初めて長鎖ペプチド抗原に含まれるT細胞エピトープペプチドがMHC分子と複合体を形成し、T細胞に適切な濃度と共刺激を伴う様式で提示される。抗原の貪食能を欠く一般の体細胞では長鎖ペプチド抗原はワクチン抗原として機能しないため、短鎖ペプチドワクチンと異なりT細胞への不適切な抗原提示を生じることがない。また、長鎖ペプチド抗原の製造には化学合成法を用いることができるため、短鎖ペプチド抗原と同様に製造が比較的容易であるという長所も持つ。

化学合成で製造する長鎖ペプチド抗原は、配列の自由な設計が可能であることも大きな利点である。長鎖ペプチド抗原は2個以上のT細胞エピトープを一本のペプチドに含むように設計されるが、それらT細胞エピトープは単一のがん抗原タンパク由来でも、複数のがん抗原タンパク由来でもよい。また、それらT細胞エピトープは単一のMHCに拘束性でもよく、複数のMHCに拘束性でもよい。CD8キラーT細胞が認識するエピトープとCD4ヘルパーT細胞が認識するエピトープを、長鎖ペプチド抗原が同時に含むように設計することも可能である。長鎖ペプチド抗原は、このように多様なT細胞を誘導できる高性能のワクチン抗原として機能し得る。ただ、長鎖ペプチド抗原に含まれる一連のエピトープがT細胞に効率良く提示されるためには、抗原提示反応の機構に基づき、抗原提示細胞内でプロテアソームやプロテアーゼ、ペプチダーゼによって長鎖ペプチド抗原上の各エピトープ間の配列が適切に切断され、MHC分子に結合できる長さと配列のエピトープペプチドとして切り出される必要がある。
CD4ヘルパーT細胞が認識するMHCクラスII結合性エピトープペプチドについては、MHCクラスII分子上のエピトープペプチド結合溝の末端が開放状態にあり、様々な長さのエピトープペプチドがMHCクラスII分子に結合し得る(非特許文献6)。よって、MHCクラスII結合性エピトープペプチドでは長さの制限は比較的緩やかである。一方、CD8キラーT細胞が認識するMHCクラスI結合性エピトープペプチドでは、MHCクラスI分子上のエピトープペプチド結合溝の末端が閉鎖状態にあり、8~10残基と厳密に限定された長さのエピトープペプチドのみがMHCクラスI分子に結合し得る。よって、特にMHCクラスI結合性エピトープペプチドでは、適切な長さのペプチドが抗原提示細胞内で産生されることが肝要である。

MHC分子に結合するエピトープペプチドの長さと配列は、細胞内のプロテアソームや種々のプロテアーゼ、ペプチダーゼが関わる複雑な切断反応で決定される。MHCクラスI結合性エピトープペプチドの産生では、細胞質に存在するプロテアソームが初めに抗原タンパクや長鎖ペプチド抗原を大まかに切断する。生じたペプチド断片の末端をその他のプロテアーゼやペプチダーゼが、一定の基質配列特異性に基づいて切断し、適切な長さになるまで削る(トリミング反応)。この過程でペプチド断片のN末端をトリムする酵素群は存在するが、C末端をトリムする酵素は知られておらず、MHCクラスI結合性エピトープペプチドのC末端の決定は最初のプロテアソームによる切断反応のみに依拠している(非特許文献7)。しかし、プロテアソームの基質配列特異性は詳細には明らかになっておらず、プロテアソームに切断されやすいペプチド配列を予測するのは困難である。
以上のエピトープ産生機構を鑑みれば、長鎖ペプチド抗原に含まれるエピトープの間の配列が細胞内のプロテアソームやプロテアーゼ、ペプチダーゼによりいかに切断されるかが、その前後のエピトープペプチドの産生を大きく左右し、その結果、長鎖ペプチド抗原を用いるワクチンによるT細胞の誘導を規定する非常に重要な因子になると考えられる。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、抗原提示を促進するエピトープ間配列を含むT細胞誘導ワクチンに関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
複数個のエピトープを有する長鎖ペプチド抗原を備えたワクチンにおいて、各エピトープ間配列は、4個~8個の連続するチロシン、4個~8個の連続するスレオニン、4個~8個の連続するアラニン、4個~8個の連続するヒスチジン、4個~8個の連続するグルタミン及び4個~8個の連続するアスパラギンからなる群から選択される一つであることを特徴とするワクチンと、デリバリーシステムとして疎水化多糖とを備え、
前記長鎖ペプチド抗原のアミノ酸長が28個~46個であることを特徴とする組合せワクチン。

【請求項2】
 
前記ワクチンは、抗がんワクチン、抗菌ワクチン及び抗ウイルスワクチンからなる群から選択される一つであることを特徴とする請求項1に記載の組合せワクチン。

【請求項3】
 
前記ワクチンは、ペプチドワクチン、DNAワクチン、mRNAワクチン、樹状細胞ワクチンからなる群から選択される少なくとも一つのものであることを特徴とする請求項1または2に記載の組合せワクチン。

【請求項4】
 
前記エピトープ間配列は、6個の連続するチロシン、6個の連続するグルタミン及び6個の連続するアスパラギンからなる群から選択される一つであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の組合せワクチン。

【請求項5】
 
前記ワクチンは、抗がんワクチンであり、かつペプチドワクチンであることを特徴とする請求項1または4に記載の組合せワクチン。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2015540520thum.jpg
State of application right Registered
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