Top > Search of Japanese Patents > (In Japanese)被毛微生物

(In Japanese)被毛微生物 UPDATE_EN

Patent code P170014026
File No. (S2013-1417-N0)
Posted date Apr 10, 2017
Application number P2015-534325
Patent number P6562512
Date of filing Aug 29, 2014
Date of registration Aug 2, 2019
International application number JP2014072735
International publication number WO2015030171
Date of international filing Aug 29, 2014
Date of international publication Mar 5, 2015
Priority data
  • P2013-179948 (Aug 30, 2013) JP
Inventor
  • (In Japanese)堀 克敏
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人名古屋大学
Title (In Japanese)被毛微生物 UPDATE_EN
Abstract (In Japanese)三量体オートトランスポーターアドヘシンに接着又は凝集以外の機能を持たせることを課題とする。三量体オートトランスポーターアドヘシン又はその一部にペプチド又は蛋白質からなる機能分子が結合又は融合してなる機能性ファイバーを細胞表面に発現した微生物が提供される。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

本発明者が以前にバイオフィルターから単離したAcinetobacter sp. Tol 5(アシネトバクター属細菌Tol 5株)は、細胞自己凝集性が高く、また、疎水性の各種プラスチック担体から親水性のガラス、金属表面まで、様々な材料表面に対して高い付着性を示す非病原性のグラム陰性細菌である。他の微生物では報告例のないこのような付着特性をもたらす因子として、細菌細胞表層に存在する新規のバクテリオナノファイバーを発見し、さらにナノファイバーを構成する新しい蛋白質を同定した。この蛋白質は三量体オートトランスポーターアドヘシン(TAA)ファミリーに属しており、本発明者がAtaAと名付けた(非特許文献1)。TAAは種々のグラム陰性病原性細菌が宿主の細胞やコラーゲン、フィブロネクチン、ラミニンといった細胞外マトリックスに特異的に接着し、宿主に感染するために有する病原性因子として知られている(非特許文献2)。TAAファミリーに属する蛋白質はホモ三量体を形成し、アミノ末端からカルボキシル末端に向かって、シグナルペプチド-ヘッド-ネック-ストーク-メンブレンアンカーという共通の基本構造をとる。メンブレンアンカードメインはトランスロケータードメインともいい、外膜にベータバレルを形成し、ペリプラズムでシグナルペプチドが切断された後のヘッド-ネック-ストークから成るパッセンジャードメインを細胞外に輸送、ファイバーとして細胞表層に提示させる機能を有する。パッセンジャードメインのヘッド側がファイバーの先端になり、成熟蛋白質のアミノ末端側にあたる。しかしTAAには、シングルペプチド鎖のアミノ酸残基数が300ほどの小さなものから3000を超える大きなものまで存在し、アミノ酸配列、特にパッセンジャードメインを構成するドメインやモチーフの種類と並びは多様である。本発明者が見つけたAtaAのペプチド鎖は3630アミノ酸から成り、TAAの中でも最大級である。長いストークに複数の長い繰返し配列がモザイク状に並ぶユニークな一次構造をしている。この繰返し配列は、何種類ものモチーフが反復、混在して形成されている。ヘッドもファイバーの先端以外にストークの途中、メンブレンアンカー寄りにもう一つ繰り返す。そして、AtaAのみが様々な表面に対し非特異的で高い接着性を示す。また、TAAの研究は病原性細菌に集中しており、Tol 5のような非病原性細菌についてのTAAの研究例は皆無である。以上の研究成果に基づき、本発明者は、AtaAをコードする遺伝子を導入することによって標的微生物に非特異的付着性及び/又は凝集性を付与又は増強する方法を報告した(特許文献1)。尚、特許文献1ではAtaA及びそれをコードする遺伝子(ataA遺伝子)をそれぞれAadA及びaadA遺伝子と呼称していた。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は機能性ファイバーを細胞表面に発現する微生物及びその作製方法等に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
アシネトバクターsp. Tol5株のAtaA又はその一部に蛋白質からなる機能分子(但し、ペプチド及びペプチドタグ分子を除く)が挿入又は融合してなる機能性改変AtaAホモ三量体を細胞表面に発現した微生物であって、
前記微生物がグラム陰性菌であり、
前記機能分子の挿入又は融合の位置が、シグナルペプチドとアミノ末端側ヘッドドメインの間、アミノ末端側ヘッドドメインとTrpリングドメインの間、Trpリングドメインとカルボキシル末端側ヘッドドメインの間、カルボキシル末端側ヘッドドメインとメンブレンアンカードメインの間のいずれか、又はこれらのうちの複数個所である、微生物。

【請求項2】
 
前記機能分子が、酵素、蛍光蛋白質、抗原、電子伝達系蛋白質及び受容体蛋白質からなる群より選択される一又は二以上の機能分子である、請求項1に記載の微生物

【請求項3】
 
前記酵素がβ-グルコシダーゼであり、前記蛍光蛋白質が緑色蛍光蛋白質である、請求項2に記載の微生物。

【請求項4】
 
アシネトバクターsp. Tol5株のAtaA又はその一部に、プロテアーゼ認識配列、或いは、タグ分子、酵素認識配列、酵素、蛍光蛋白質、抗原、電子伝達系蛋白質及び受容体蛋白質からなる群より選択される一又は二以上の機能分子とプロテーゼ認識配列の組合せ、からなる機能分子が挿入又は融合してなる機能性改変AtaAホモ三量体を細胞表面に発現した微生物であって、
前記微生物がグラム陰性菌であり、
前記機能分子の挿入又は融合の位置が、シグナルペプチドとアミノ末端側ヘッドドメインの間、アミノ末端側ヘッドドメインとTrpリングドメインの間、Trpリングドメインとカルボキシル末端側ヘッドドメインの間、カルボキシル末端側ヘッドドメインとメンブレンアンカードメインの間のいずれか、又はこれらのうちの複数個所である、微生物。

【請求項5】
 
前記タグ分子がHisタグ又はFLAGタグであり前記酵素認識配列がソルターゼ認識配列であり前記プロテアーゼ認識配列がHRV 3Cプロテアーゼ認識配列であり前記酵素がβ-グルコシダーゼであり、前記蛍光蛋白質が緑色蛍光蛋白質である請求項4に記載の微生物。

【請求項6】
 
前記機能分子の挿入又は融合の位置が、シグナルペプチドとアミノ末端側ヘッドドメインの間、又はカルボキシル末端側ヘッドドメインとメンブレンアンカードメインの間、あるいはその両方である、請求項1~5のいずれか一項に記載の微生物。

【請求項7】
 
前記機能分子の挿入又は融合の位置が、以下の(a)又は(b)、あるいはこの両方である、請求項1~5のいずれか一項に記載の微生物:
(a)配列番号1で表される塩基配列の178位から310位までの部位から翻訳されるペプチド領域中、
(b) 配列番号1で表される塩基配列の9445位から10671位までの部位から翻訳されるペプチド領域中。

【請求項8】
 
前記機能分子の挿入又は融合の位置が前記(a)であり、
前記機能性改変AtaAホモ三量体を構成するAtaAホモ三量体部分が、配列番号1で表される塩基配列から、以下の(i)~(iv)のいずれかの領域を削った配列のDNAでコードされる、請求項7に記載の微生物:
(i)前記機能分子の挿入又は融合の位置に対応する塩基の直後から322位までの領域、
(ii)前記機能分子の挿入又は融合の位置に対応する塩基の直後から1020位までの領域、
(iii)前記機能分子の挿入又は融合の位置に対応する塩基の直後から4728位までの領域、
(iv)前記機能分子の挿入又は融合の位置に対応する塩基の直後から7563位までの領域。

【請求項9】
 
削られる領域が、301位から1020位までの領域、301位から4728位までの領域、又は301位から7563位までの領域、である、請求項8に記載の微生物。

【請求項10】
 
前記微生物がガンマプロテオバクテリアである、請求項1~9のいずれか一項に記載の微生物。

【請求項11】
 
前記微生物がアシネトバクター又は大腸菌である、請求項1~9のいずれか一項に記載の微生物。

【請求項12】
 
アシネトバクターsp. Tol5株のAtaAをコードするDNAに、蛋白質からなる機能分子(但し、ペプチド及びペプチドタグ分子を除く)をコードするDNAが挿入又は付加されてなる機能性改変AtaAホモ三量体DNAを、標的微生物に導入するステップ、を含む、機能性改変AtaAホモ三量体を細胞表面に発現した微生物の作製方法であって、
前記標的微生物がグラム陰性菌であり、
前記機能分子をコードするDNAの挿入又は付加の位置が、シグナルペプチドをコードするDNA配列とアミノ末端側ヘッドドメインをコードするDNA配列の間、アミノ末端側ヘッドドメインをコードするDNA配列とTrpリングドメインをコードするDNA配列の間、TrpリングドメインをコードするDNA配列とカルボキシル末端側ヘッドドメインをコードするDNA配列の間、カルボキシル末端側ヘッドドメインをコードするDNA配列とメンブレンアンカードメインをコードするDNA配列の間のいずれか、又はこれらのうちの複数個所である、作製方法。

【請求項13】
 
前記機能分子が、酵素、蛍光蛋白質、抗原、電子伝達系蛋白質及び受容体蛋白質からなる群より選択される一又は二以上の機能分子である、請求項12に記載の作製方法。

【請求項14】
 
前記酵素がβ-グルコシダーゼであり、前記蛍光蛋白質が緑色蛍光蛋白質である、請求項13に記載の作製方法。

【請求項15】
 
前記機能分子をコードするDNAの挿入又は付加の位置が、シグナルペプチドをコードするDNA配列とアミノ末端側ヘッドドメインをコードするDNA配列の間、又はカルボキシル末端側ヘッドドメインをコードするDNA配列とメンブレンアンカードメインをコードするDNA配列の間、あるいはその両方である、請求項12~14のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項16】
 
前記機能分子をコードするDNAの挿入又は付加の位置が、以下の(a)又は(b)、あるいはこの両方である、請求項12~14のいずれか一項に記載の作製方法:
(a)配列番号1で表される塩基配列の178位から310位までの部位中、
(b)配列番号1で表される塩基配列の9445位から10671位までの部位中。

【請求項17】
 
アシネトバクターsp. Tol5株のAtaAをコードする前記DNAが、以下の(a)、(b)、(d)及び(e)のいずれかのDNAである、請求項12~16のいずれか一項に記載の作製方法:
(a)配列番号1で表される塩基配列からなるDNA、
(b)配列番号1で表される塩基配列からなるDNAと90%以上の同一性を有する塩基配列からなり、細胞外に分泌されてホモ三量体構造物を形成する蛋白質をコードするDNA
(d)配列番号1で表される塩基配列のシグナルペプチドに相当する部位(1~177位)を残し、178位から310位までの間の特定の位置から323位までの領域、178位から310位までの間の特定の位置から1020位までの領域、178位から310位までの間の特定の位置から4728位までの領域、又は178位から310位までの間の特定の位置から7563位までの領域、を削った塩基配列からなるDNA、
(e)(d)のDNAと90%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNA。

【請求項18】
 
前記(d)において削られる領域が、301位から1020位までの領域、301位から4728位までの領域、又は301位から7563位までの領域、である、請求項17に記載の作製方法。

【請求項19】
 
前記機能性改変AtaAホモ三量体DNAと一緒に、以下の(A)又は(B)のDNAも前記標的微生物に導入する、請求項12~18のいずれか一項に記載の作製方法:
(A)配列番号3で表される塩基配列からなるDNA、
(B)配列番号3で表される塩基配列と95%以上の同一性を有する塩基配列からなり、機能性改変AtaAホモ三量体の形成能を向上させるDNA。

【請求項20】
 
前記標的微生物がガンマプロテオバクテリアである、請求項12~19のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項21】
 
前記標的微生物がアシネトバクター又は大腸菌である請求項12~19のいずれか一項に記載の作製方法。

【請求項22】
 
請求項12~21のいずれか一項に記載の作製方法で得られた、機能性改変AtaAホモ三量体を細胞表面に発現した微生物。

【請求項23】
 
請求項45又は22に記載の微生物から回収された、機能性改変AtaAホモ三量体。

【請求項24】
 
以下のステップ(1)及び(2)を含む、機能性改変AtaAホモ三量体の回収方法:
(1)請求項4又は5に記載の微生物に対して、前記プロテアーゼ認識配列を認識するプロテアーゼを作用させるステップ、
(2)切断された機能性改変AtaAホモ三量体を回収するステップ。

【請求項25】
 
アシネトバクターsp. Tol5株のAtaAをコードするDNAに、蛋白質からなる機能分子(但し、ペプチド及びペプチドタグ分子を除く)をコードするDNAが挿入又は付加されてなる機能性改変AtaAホモ三量体DNAを、アシネトバクター又は大腸菌である標的微生物に導入するステップを含む、機能性改変AtaAホモ三量体を細胞表面に発現した微生物の作製方法、によって作製された微生物から回収された、機能性改変AtaAホモ三量体。

【請求項26】
 
前記機能分子が、酵素、蛍光蛋白質、抗原、電子伝達系蛋白質及び受容体蛋白質からなる群より選択される一又は二以上の機能分子である、請求項25に記載の機能性改変AtaAホモ三量体

【請求項27】
 
アシネトバクターsp. Tol5株のAtaAをコードする前記DNAが、以下の(a)、(b)、(d)及び(e)のいずれかのDNAである、請求項25又は26に記載の機能性改変AtaAホモ三量体:
(a)配列番号1で表される塩基配列からなるDNA、
(b)配列番号1で表される塩基配列からなるDNAと90%以上の同一性を有する塩基配列からなり、細胞外に分泌されてホモ三量体構造物を形成する蛋白質をコードするDNA
(d)配列番号1で表される塩基配列のシグナルペプチドに相当する部位(1~177位)を残し、178位から310位までの間の特定の位置から323位まで、178位から310位までの間の特定の位置から1020位まで、178位から310位までの間の特定の位置から4728位まで、又は178位から310位までの間の特定の位置から7563位まで、を削った塩基配列からなるDNA、
(e)(d)のDNAと90%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNA。

【請求項28】
 
前記(d)において削られる領域が、301位から1020位までの領域、301位から4728位までの領域、又は301位から7563位までの領域、である、請求項27に記載の機能性改変AtaAホモ三量体。

【請求項29】
 
以下のステップ(1)及び(2)を含む、機能性改変AtaAホモ三量体の回収方法:
(1)アシネトバクターsp. Tol5株のAtaAをコードするDNAに、プロテアーゼ認識配列、或いは、タグ分子、酵素認識配列、酵素、蛍光蛋白質、抗原、電子伝達系蛋白質及び受容体蛋白質からなる群より選択される一又は二以上の機能分子とプロテーゼ認識配列の組合せ、からなる機能分子をコードするDNAが挿入又は付加されてなる機能性改変AtaAホモ三量体DNAを、アシネトバクター又は大腸菌である標的微生物に導入するステップ、を含む、機能性改変AtaAホモ三量体を細胞表面に発現した微生物の作製方法、によって作製された微生物を用意し、該微生物に対して、前記プロテアーゼ認識配列を認識するプロテアーゼを作用させるステップ、
(2)切断された機能性改変AtaAホモ三量体を回収するステップ。

【請求項30】
 
アシネトバクターsp. Tol5株のAtaAをコードする前記DNAが、以下の(a)、(b)、(d)及び(e)のいずれかのDNAである、請求項29に記載の回収方法:
(a)配列番号1で表される塩基配列からなるDNA、
(b)配列番号1で表される塩基配列からなるDNAと90%以上の同一性を有する塩基配列からなり、細胞外に分泌されてホモ三量体構造物を形成する蛋白質をコードするDNA
(d)配列番号1で表される塩基配列のシグナルペプチドに相当する部位(1~177位)を残し、178位から310位までの間の特定の位置から323位まで、178位から310位までの間の特定の位置から1020位まで、178位から310位までの間の特定の位置から4728位まで、又は178位から310位までの間の特定の位置から7563位まで、を削った塩基配列からなるDNA、
(e)(d)のDNAと90%以上の同一性を有する塩基配列からなるDNA。

【請求項31】
 
前記(d)において削られる領域が、301位から1020位までの領域、301位から4728位までの領域、又は301位から7563位までの領域、である、請求項30に記載の回収方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
State of application right Registered
(In Japanese)名古屋大学の公開特許情報を掲載しています。ご関心のある案件がございましたら、下記まで電子メールでご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close