TOP > 国内特許検索 > キメラ抗原受容体

キメラ抗原受容体 UPDATE

国内特許コード P170014053
整理番号 S2016-1096-N0
掲載日 2017年4月21日
出願番号 特願2016-182078
公開番号 特開2018-042531
出願日 平成28年9月16日(2016.9.16)
公開日 平成30年3月22日(2018.3.22)
発明者
  • 今井 千速
  • 笠原 靖史
出願人
  • 国立大学法人 新潟大学
発明の名称 キメラ抗原受容体 UPDATE
発明の概要 【課題】新たな抗原を標的とする新規キメラ抗原受容体を提供する。
【解決手段】NKp44の免疫グロブリンドメインと、膜貫通ドメインと、活性化シグナル伝達ドメインとを含む、キメラ抗原受容体。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


近年、がんに対する治療方法として、キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor:CAR)遺伝子を導入したT細胞(CAR-T)を用いる養子免疫療法が注目されている。CARは、単鎖抗体などを抗原結合部位とする人工受容体であり、1993年に、イスラエルのEshharらが初めてCARのコンセプトを確立した(非特許文献1)。CARは、リガンド結合ドメインと、膜貫通ドメインと、活性化シグナル伝達ドメインとを有し、リガンド結合ドメインにリガンドが結合することにより、活性化シグナルがT細胞内に伝達される。



CARの臨床効果としては、リガンド結合ドメインに、CD19に結合する一本鎖抗体(single chain variable fragment:scFv)を使用したCARを導入したT細胞(特許文献1、非特許文献2)が、難治性・再発性B細胞性白血病に対して劇的な効果を示したことが報告されている(非特許文献3)。しかしながら、CD19はB細胞のみに発現する抗原であり、固形腫瘍等には適用できない。また、他の腫瘍抗原を標的とするCARの研究も進められているが、十分な臨床効果が得られていないのが現状である。



固形腫瘍を含む悪性腫瘍に対して臨床効果を示すCARを開発するためには、抗原の選択が重要である。CARが標的とする抗原は、腫瘍細胞表面に存在する抗原である必要があり、かつ正常細胞では発現していないか極めて低発現の抗原である、若しくは喪失しても生体の生存に影響のない細胞に発現が限定されている抗原である必要がある。CAR-Tは、標的抗原を細胞表面上に有する細胞に対して、極めて高い細胞傷害活性を示す。そのため、抗体薬では問題とならなかったような正常細胞における低レベルの発現であっても、CAR-T療法においては、重篤な副作用を引き起こす恐れがある。したがって、既に抗体医薬の標的として実用化されている抗原であっても、CAR-T療法の標的抗原として使用できるもの限られている。このような標的抗原の少なさが、CAR-T療法の臨床応用における大きな障壁となっている。



また、従来、CARのリガンド結合ドメインには、標的抗原に結合するscFvが使用されてきた。そのため、新たな抗原を標的とするCARを作成しようとする場合には、まず当該抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体を取得し、さらに当該モノクローナル抗体の可変領域からscFvを作成する必要があった。



一方、リガンド結合ドメインにscFvを使用せず、ナチュラルキラー(NK)細胞の細胞傷害性受容体(natural cytotoxicity receptor:NCR)の1種であるNKp30のリガンド結合ドメインを、CARのリガンド結合ドメインとして使用する方法が報告されている(特許文献2)。NCRは、NKp30のほかにNKp44及びNKp46が知られており、NK細胞の腫瘍細胞に対する細胞傷害性に重要な役割を果たしている。これらのNCRにリガンドが結合すると、NK細胞内に活性化シグナルが伝達されて、NK細胞が活性化され細胞傷害性顆粒の放出やサイトカイン産生が起こる。NKp30のリガンド結合ドメインを使用した場合、CARの作成にあたってscFvを取得しなくてもよいという利点がある。

産業上の利用分野


本発明は、キメラ抗原受容体、キメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド、キメラ抗原受容体を発現する細胞、及び前記細胞を含む医薬組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
NKp44の免疫グロブリンドメインと、膜貫通ドメインと、活性化シグナル伝達ドメインとを含む、キメラ抗原受容体。

【請求項2】
細胞外ヒンジドメインをさらに含む、請求項1に記載のキメラ抗原受容体。

【請求項3】
共刺激シグナル伝達ドメインをさらに含む、請求項1又は2に記載のキメラ抗原受容体。

【請求項4】
前記活性化シグナル伝達ドメインがCD3ζの活性化シグナルドメインを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のキメラ抗原受容体。

【請求項5】
前記膜貫通ドメインが、NKp44、CD8α、及びCD28からなる群より選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のキメラ抗原受容体。

【請求項6】
前記細胞外ヒンジドメインが、NKp44、CD8α、及びCD28からなる群より選択されるタンパク質の細胞外ヒンジドメインを含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のキメラ抗原受容体。

【請求項7】
配列番号2に記載のアミノ酸配列のN末端から22~329番目のアミノ酸配列を含む、請求項1に記載のキメラ抗原受容体。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のキメラ抗原受容体をコードするポリヌクレオチド。

【請求項9】
請求項8に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。

【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載のキメラ抗原受容体を発現する細胞。

【請求項11】
T細胞又はナチュラルキラー細胞である、請求項10に記載の細胞。

【請求項12】
請求項8に記載のポリヌクレオチド又は請求項9に記載のベクターを細胞に導入する工程を含む、キメラ抗原受容体を発現する細胞の製造方法。

【請求項13】
前記細胞がT細胞又はナチュラルキラー細胞である、請求項12に記載の製造方法。

【請求項14】
請求項10又は11に記載の細胞を含む、医薬組成物。

【請求項15】
請求項10又は11に記載の細胞を含む、腫瘍を治療又は予防するための医薬組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」までお問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close