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細胞の再プログラミング誘導方法、および多能性細胞の製造方法

国内特許コード P170014091
整理番号 (S2014-0954-N0)
掲載日 2017年5月9日
出願番号 特願2016-519244
登録番号 特許第6592846号
出願日 平成27年5月11日(2015.5.11)
登録日 令和元年10月4日(2019.10.4)
国際出願番号 JP2015063457
国際公開番号 WO2015174364
国際出願日 平成27年5月11日(2015.5.11)
国際公開日 平成27年11月19日(2015.11.19)
優先権データ
  • 特願2014-098213 (2014.5.11) JP
発明者
  • 太田 訓正
  • 伊藤 尚文
出願人
  • 国立大学法人熊本大学
発明の名称 細胞の再プログラミング誘導方法、および多能性細胞の製造方法
発明の概要 本発明の目的は、再生医療への応用において安全性が高い多能性細胞、およびその製造方法を提供することである。本発明の目的はまた、特には細胞の癌化の問題や、細胞内での菌の存在という、安全性に対する懸念がより少ない多能性細胞、およびその製造方法を提供することである。本発明により体細胞から多能性細胞を製造する方法が提供される。該方法は、体細胞に、生物由来のリボソーム分画を接触させることにより、細胞を再プログラミング誘導する工程を含む。本発明によりまた、生物由来のリボソーム分画を含む細胞再プログラミング誘導組成物が提供される。
従来技術、競合技術の概要

ES細胞は、胚性幹細胞と呼ばれ、1981年にはマウスの胚から、1998年にはヒ卜の胚から発見された。ES細胞は胎盤を構成する細胞以外のさまざまな種類の細胞に変化する能力(多能性)を持つ細胞として、それを用いた組織や器官を構築する研究が主に行われてきた。しかしながら、ES細胞は順調に成長すれば生命になる受精卵を利用しているため、倫理的に大きな問題を抱えている。もうひとつの大きな問題として、拒絶の問題がある。ES細胞をもとに作製した分化細胞や臓器を患者に移植しても、免疫系はこれらを非自己と認識し攻撃する可能性がある。

これらES細胞の問題を解決するために、京都大学の山中伸弥教授のグループは、通常は他の機能を持つ細胞に分化しない皮膚細胞からさまざまな種類の細胞に変化する能力を持つ細胞を開発し、iPS細胞と名付けた。山中ファクターと呼ばれる4つの因子(Oct3/4,Sox2,Klf4,c-Myc)をマウスやヒ卜の皮膚細胞にレ卜ロウイルスベクターを使って導入すると、細胞の初期化がおこり、ES細胞と同じく多能性を持つ細胞が作り出せることを示した[非特許文献1、および非特許文献2]。この時に用いる細胞は、患者自身の分化した皮膚などの体細胞に由来するため、iPS細胞から分化させた細胞を患者に移植しても免疫系はその臓器を自己と認識し移植が拒絶されることはない。iPS細胞の発見によりES細胞が抱えていた「生命倫理」と「拒絶反応」という2つの問題がクリアされたが、iPS細胞を標準化するための技術は開発途上にあり、細胞の癌化の問題を完全には払拭できていない。

また、特許文献1において、マイコバクテリウム・レプラエ菌またはその成分を用いて、再ブログラミングされた胚幹細胞(ES)様細胞を産生する方法が提案されている。特許文献1には、マイコバクテリウム・レプラエ菌そのものを、成人の分化細胞に接触・感染させることによる、再プログラミングされたES様細胞を産生する方法、この方法によって産生された細胞が記載されており、接触・感染させた菌は、産生されたES様細胞中に存在することが記載されている。しかしながら、マイコバクテリウム・レプラエ菌はらい菌であり、再生医療への応用には安全性の懸念がある。

また、本発明者により、発酵能を有する細菌である乳酸菌や納豆菌を、体細胞に感染させて、体細胞から多能性細胞を製造する方法が報告されている(特許文献2、非特許文献3)。さらに、本発明者らにより、乳酸菌からの粗抽出成分による、体細胞から多能性細胞を製造する方法が、PCT/JP2014/056948(国際公開公報WO2014/167943号公報)として特許出願されている。

産業上の利用分野

本発明は、細胞の再プログラミングを誘導する方法に関する。本発明はまた、そのような方法を用いて多能性細胞を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
単離された接着系細胞である哺乳類動物の体細胞またはがん細胞の再プログラミングを誘導する方法であって、以下の工程:
(a)細胞支持体上で培養または維持された該細胞を細胞支持体から剥離する工程、および
(b)工程(a)により得られた細胞を、原核生物又は真核性物から超遠心分離を含む精製手段を用いて調製された精製リボソーム分画を細胞の再プログラミングを誘導する物質として添加した培地中で培養する工程、
を含む該細胞の再プログラミングを誘導する方法、
ここで、前記精製リボソーム分画は、精製70Sリボソーム分画、精製80Sリボソーム分画、精製30Sリボソーム分画、および精製50Sリボソーム分画からなる群より選ばれる少なくとも一つの精製リボソーム分画である。

【請求項2】
前記体細胞またはがん細胞が、ヒト由来の細胞である請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記細胞を剥離する工程がトリプシン処理により行われる請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
前記細胞を剥離する工程が非酵素系細胞剥離液により行われる請求項1または2に記載の方法。

【請求項5】
前記精製リボソーム分画を添加した培地は、さらにメチル-β-シクロデキストリンが添加されている、請求項1~のいずれか一つに記載の方法。

【請求項6】
前記リボソーム分画が精製80Sリボソーム分画である、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。

【請求項7】
前記リボソーム分画が精製30Sリボソーム分画である、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。

【請求項8】
前記リボソーム分画が精製50Sリボソーム分画である、請求項1~5のいずれか一つに記載の方法。

【請求項9】
生物由来のリボソーム分画からなる細胞再プログラミング誘導用組成物であって、前記リボソーム分画は、遠心分離を含む精製手段を用いて調製された、精製70Sリボソーム分画、精製80Sリボソーム分画、精製30Sリボソーム分画、および精製50Sリボソーム分画からなる群より選ばれる少なくとも一つのリボソーム分画である組成物。

【請求項10】
ヒト由来の体細胞またはがん細胞の再プログラミング誘導のために用いられる請求項に記載の組成物。

【請求項11】
さらにメチル-β-シクロデキストリンを含む請求項または10に記載の組成物。

【請求項12】
前記組成物が、精製80Sリボソーム分画を含む、請求項11のいずれか一つに記載の組成物。

【請求項13】
前記組成物が、精製30Sリボソーム分画を含む、請求項11のいずれか一つに記載の組成物

【請求項14】
前記組成物が、精製50Sリボソーム分画を含む、請求項11のいずれか一つに記載の組成物

【請求項15】
請求項9~14のいずれか一つに記載の組成物を含む抗がん剤。

【請求項16】
単離された哺乳類動物由来の体細胞またはがん細胞から多能性細胞を製造するための培地に用いるための請求項9~14のいずれか一つに記載の組成物。

【請求項17】
請求項9~14のいずれか一つに記載の組成物を含む、単離された哺乳類動物由来の体細胞またはがん細胞から多能性細胞を製造するための培地。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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