TOP > 国内特許検索 > 吸放湿性膜を備えたデバイス及び吸放湿性膜を備えたデバイスを備えた水蒸気分離器及び熱交換器

吸放湿性膜を備えたデバイス及び吸放湿性膜を備えたデバイスを備えた水蒸気分離器及び熱交換器

国内特許コード P170014269
整理番号 (S2013-1183-C0)
掲載日 2017年6月23日
出願番号 特願2015-528361
登録番号 特許第6352915号
出願日 平成26年7月25日(2014.7.25)
登録日 平成30年6月15日(2018.6.15)
国際出願番号 JP2014069739
国際公開番号 WO2015012398
国際出願日 平成26年7月25日(2014.7.25)
国際公開日 平成27年1月29日(2015.1.29)
優先権データ
  • 特願2013-154984 (2013.7.25) JP
発明者
  • 渡邊 裕
  • 堀部 明彦
出願人
  • 国立大学法人 岡山大学
発明の名称 吸放湿性膜を備えたデバイス及び吸放湿性膜を備えたデバイスを備えた水蒸気分離器及び熱交換器
発明の概要
【課題】シックハウス症候群など健康に悪影響を及ぼす可能性のある高密閉・断熱型の住居、オフィス、工場などで、空気混合の発生が無く、かつ高効率な水蒸気の交換、熱の交換(換気)技術を提供する。
【解決手段】担持体として板材11を用い、その開口部12に水蒸気選択透過性を有する吸放湿剤14を含んだ膜部13が形成された吸放湿性膜を備えたデバイス10を用いて熱交換を行う。この構成により、室内からの空気と室外からの空気との間で、二酸化炭素やアンモニア等の有害物を遮断するにもかかわらず水分の移動を可能として熱交換を行う。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、地球温暖化や化石燃料の価格高騰、原子力発電所の事故に起因する停電等が問題になってきており、その対策として、エネルギーの高効率使用や省エネルギー活動等が進められている。
その一方で、民生分野(家庭、業務)の空調設備は導入件数ならびに使用頻度が増加しつつあり、エネルギー使用量は拡大しつつあるため、その削減に向けた空調機器・システムの効率改善は喫緊の課題である。



例えば、エアコンによる室内除湿空調では、空気を露点以下に冷却除湿して水蒸気を分離した後に、低温となった空気を再度加熱して相対湿度調整を実施するなど効率の悪い調湿が行われている。



エネルギーの高効率使用の一環として、居住空間の高気密化がなされている。そのため、住居、事務所、商業施設、体育館、イベント会場、工場、自動車などの室内空間を、高気密化を達成しつつ衛生的な空気環境に保つことが求められている。しかし、高気密化を行うことで、居住環境の換気が疎かになると空気質悪化に起因するシックハウス症候群が誘発されるおそれがある。このため、室内あるいは車内に人間が居る条件においては、24時間連続の換気が望ましい。



しかしながら、換気を強化すると、空気質の悪化は防ぐことができるものの、換気を行うことによる室内空調負荷、とりわけ除湿や加湿などの潜熱負荷の増大を招いてしまう。従って、省エネルギーという目的に反して空調に要するエネルギーが大きくなるという弊害が生じている。



上記弊害を解消するために、和紙などの水分透過性を有する薄膜を備えた熱交換用構造体を介して接する2つの流通路のうち一方の流通路に室内からの空気を流通させて排気し、他方の流通路には室外からの空気を流通させて室内に導入するという換気装置が全熱交換器として市販されている。



この換気装置では、室内からの空気と室外からの空気との間で、上記構造体に備えられた和紙等を介して熱交換及び水分の移動が行われる。例えば冬期においては室内の空気は高温かつ高湿度となっており、外気は低温かつ低湿度となっている。換気装置で熱交換を行うことで、室内からの空気により室外からの空気が暖められ、更に、室内からの空気に含まれる水蒸気が和紙を通じて室外側の空気に移動し、水分の移動もなされる。従って、外気は室内からの空気により加温及び加湿されて室内へと導入される。
夏期においては、この逆に、室内からの低温低湿度空気と室外からの高温高湿度空気との間で熱交換及び水分移動が行われ、室外からの空気は相対的に低温低湿となったうえで室内へと導入される。



しかしながら、このような従来技術で用いられる熱交換用構造体においては、水蒸気を透過する膜である和紙等は気密性を有するものではなく、二酸化炭素やアンモニアガスは和紙等を通過してしまう。その結果、この構造体を用いた熱交換器では、室外からのフレッシュな空気に、室内からの空気から移動した二酸化炭素やアンモニアガス等の汚染成分が混合してしまうという難点がある。熱交換器における混合問題、つまりコンタミの発生を防止するために、和紙等の厚さや枚数を増すことも可能ではあるが、この場合、顕熱交換性能と潜熱交換(水蒸気交換)性能が低下すると言う難点も生じる。



また、熱交換を行うことは必須ではないが、一方の気体から他方の気体へと水分を移動させることが望まれることもある。
例えば、自動車からの酸素が希薄化されている排気ガスを再度エンジンに再供給することで、排気中のNOを減少させる技術が知られている。この技術においては、酸素濃度を低く保ったままで排気ガスの湿度を低くすることが強く望まれている。従って、排気ガスと外気との間で、排気ガスの水蒸気を外気に移動させ、かつ、外気に含まれる酸素は排気ガスに移動させないことが望ましい。
従って、一定以上の気密性を保ちながら水蒸気を選択的に透過させるための吸放湿性膜を備えたデバイスも望まれている。



これらの問題点を解決するために、例えば下記特許文献1には、吸湿剤を板材などの表面に担持させて相対湿度の高い空気に接触させ水蒸気を吸着し、その後相対湿度の低い空気と吸湿剤を担持した板材を接触させることで加湿対象の空気へ水蒸気を移動させるデシカント換気システムが提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、熱交換を行う技術に関し、主に顕熱及び潜熱の双方の熱交換を行うための吸放湿性膜を備えたデバイス及びこの吸放湿性膜を備えたデバイスを備えた水蒸気分離器及び熱交換器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
気体が流通される流通路を備えた水蒸気分離で用いられる、吸放湿性膜を備えた水蒸気分離器用デバイスであって、
前記吸放湿性膜は、開口部が形成された担持体と、水分を吸放湿する吸放湿剤が担持されるとともに前記担持体に覆われてかつ前記開口部で露出される担持部材と、を有し、
前記担持体と前記担持部材とを固定するとともに前記担持体の表面又は前記担持部材の表面から突出する突出部を備えた固定具とを備え、
前記水蒸気分離器用デバイスを重ねた際に前記突出部により前記水蒸気分離器用デバイス間に間隙が形成され、この間隙部によって前記流通路の少なくとも一部が形成可能とされている、水蒸気分離器用デバイス。

【請求項2】
開口部が形成された担持体と、水分を吸放湿する吸放湿剤が担持されるとともに前記担持体に覆われてかつ前記開口部で露出される担持部材と、を有する吸放湿性膜を備えたデバイスと、
互いに前記デバイスを介して接すると共に、それぞれ気体が流通される第1流通路及び第2流通路と、
を有する水蒸気分離器であって、
前記デバイスは、前記担持体と前記担持部材とを固定するとともに前記担持体の表面又は前記担持部材の表面から突出する突出部を備えた固定具を備え、
前記第1流通路及び前記第2流通路は、前記デバイスを重ねた際に前記突出部により前記デバイス間に形成された間隙によって形成される、水蒸気分離器。

【請求項3】
前記吸放湿性膜を備えたデバイスはチューブ状とされ、前記チューブ内に形成される流通路が前記第1流通路、前記チューブ外に形成される通路が前記第2流通路とされてシェルアンドチューブ型水蒸気交換器を構成する、請求項に記載の水蒸気分離器。

【請求項4】
前記水分を吸放湿する吸放湿剤は、水分を吸放出し、かつ、アンモニアは吸放出しないものであり、
水蒸気分離時には、前記第1流通路を流れる気体と前記第2流通路を流れる気体との間で、一方の流通路を流れる気体中の水分が、前記開口部で前記一方の流通路に露出された前記担持部材の一方の表面で、前記担持された吸放湿剤により吸湿され、その後に前記担持部材内を水分子として移動して前記担持部材の他方の表面から気化することで前記他方の流通路を流れる気体に移動し、かつ、アンモニアは前記担持された吸放湿剤を透過しない、請求項2に記載の水蒸気分離器。

【請求項5】
前記担持体は、第1担持体と第2担持体とを含み、前記デバイスは、前記第1担持体と前記第2担持体との間に前記担持部材が設けられており、前記突出部は、前記第1担持体の表面及び第2担持体の表面から突出されている、請求項2又は4に記載の水蒸気分離器。

【請求項6】
前記第1担持体の開口部と前記第2担持体の開口部とは、前記担持部材を挟んだ状態で少なくとも一部が重なるように設けられている、請求項2、4又は5のいずれか一項に記載の水蒸気分離器。

【請求項7】
前記担持部材は、繊維体からなるシート状の担持部材に高分子吸放湿剤を担持させたものである、請求項2、4、5又は6のいずれか一項に記載の水蒸気分離器。

【請求項8】
前記第1担持体と前記第2担持体とは、可撓性を有する素材で形成されている、請求項2、4、5、6又は7のいずれか一項に記載の水蒸気分離器。

【請求項9】
前記突出部は、平頭状の頭部を有する、請求項2、4、5、6、7又は8のいずれか一項に記載の水蒸気分離器。

【請求項10】
前記突出部は、丸頭状の頭部を有する、請求項2、4、5、6、7又は8のいずれか一項に記載の水蒸気分離器。

【請求項11】
開口部が形成された担持体と前記開口部に形成されて水分を吸放湿する吸放湿剤を含む膜部とを有する吸放湿性膜を備えて気密性を有するデバイスと、
互いに前記吸放湿性膜を備えたデバイスを介して接すると共に、それぞれ気体が流通される第1流通路及び第2流通路と、
を有する水蒸気分離器であって、
前記開口部は、前記担持体における開口率が50%以上で、かつ、等価水力直径が5mm以下で形成されて前記膜部におけるひび割れの発生を防ぐ大きさで複数形成されており、
前記第1流通路を流れる気体の流通方向と前記第2流通路を流れる気体の流通方向は、互いに向流をなしており、
水蒸気分離時には、前記第1流通路を流れる気体と前記第2流通路を流れる気体との間で、その相対湿度差に応じて一方の流通路を流れる気体中の水蒸気が、前記膜部の一方の表面で前記吸放湿剤により吸湿され、その後に前記膜部内を液相の水として移動して前記膜部の他方の表面に移動し、前記他方の表面で気化することで前記他方の流通路を流れる気体に移動する、水蒸気分離器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2015528361thum.jpg
出願権利状態 登録
特許内容に関しての問い合せ窓口は岡山大学連携機構知的財産部門です。

技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close