TOP > 国内特許検索 > 超格子構造体、およびその製造方法

超格子構造体、およびその製造方法 UPDATE コモンズ

国内特許コード P170014371
整理番号 NU-676
掲載日 2017年7月3日
出願番号 特願2017-046570
公開番号 特開2018-149615
出願日 平成29年3月10日(2017.3.10)
公開日 平成30年9月27日(2018.9.27)
発明者
  • 鷲見 隼人
  • 田川 美穂
  • 宇治原 徹
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 超格子構造体、およびその製造方法 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】乾燥状態でも超格子の対称性が維持されるようにすること。
【解決手段】まず、ナノ粒子10が溶液に混合、分散されたコロイド溶液に、核酸11を含む溶液を混合し、ナノ粒子10の表面に核酸11を修飾する。次に、溶液を所定の温度まで加熱し、必要に応じて一定時間保持する。その後、室温まで徐冷し、ナノ粒子10の超格子構造体を形成する。次に、溶液中に凝集して沈殿した超格子構造体を溶液から取り出し、乾燥させる。この乾燥において、ナノ粒子10の粒径が14nm以上であれば、または、乾燥前の溶液中の超格子構造体におけるナノ粒子10の体積率が6%以上であれば、超格子構造体は、その対称性を維持したまま、乾燥する。
【選択図】図9
従来技術、競合技術の概要


ナノ粒子が規則的に配列された構造体(ナノ粒子の超格子)は、光学材料などの新規材料開発やナノテクノロジーにおいて重要である。近年、DNAにおける塩基配列の相補性を利用して、ナノ粒子の超格子構造体を得る研究がなされている(特許文献1、2、非特許文献1、2)。



これら文献には、ナノ粒子を、相補結合する一本鎖の結合部を先端に有したDNAで修飾し、DNAの相補性を利用して、DNAが選択的に二重らせんを形成するようにして、ナノ粒子を自己組織化により超格子構造とすることが記載されている。ナノ粒子の構造化には、ナノ粒子間の相互作用が重要であり、それはナノ粒子の種類、粒径、形状、DNAの塩基配列(全体の長さや結合部の長さなど)を変えることで制御することができる。これにより、ナノ粒子同士をプログラマブルに結合でき、超格子構造もプログラマブルに制御することができる。



このナノ粒子超格子構造体の作製方法は、他の作製方法に比べて非常に簡単であることが大きな利点である。具体的には、ナノ粒子をDNAで修飾して、100℃未満から室温領域でアニール(徐冷)するだけで作製することができる。この作製方法では、ナノ粒子が規則的に配列しているドメイン(単結晶ナノ粒子コロイド結晶)が、向きを変えて凝集した多結晶状態になると言われていたが、時間をかけてアニールを行うことで、数マイクロスケールの単結晶を作製することも可能となっている。



非特許文献2によれば、単結晶ナノ粒子コロイド結晶は、外形が菱形十二面体であり、各面においてナノ粒子が規則的に配列している様子が確認されている。この菱形十二面体は、体心立方格子の結晶が平衡状態のときに取る形状であり、この平衡形はウルフ多面体と呼ばれている。



DNAは溶液中では安定であるが、乾燥すると構造が変化する。DNAが修飾されたナノ粒子の超格子構造体においても、同様に溶液から取り出して乾燥すると、超格子構造が変化すると考えられてきた。電子顕微鏡による観察では、試料を乾燥させる必要があり、溶液中に存在する超格子構造体を直接観察することはできない。そこで、溶液中でDNAをレジンやシリカなどを用いて固定化し、超格子の対称性を維持したまま乾燥させる方法が開発されている。たとえば、前述の非特許文献2のウルフ多面体型の単結晶ナノ粒子コロイド結晶は、シリカでコーティングして電子顕微鏡観察を行った例である。

産業上の利用分野


本開示は、核酸で修飾されたナノ粒子が規則的に配列された超格子構造体に関する。またその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノ粒子が規則的に配列された超格子構造体の製造方法において、
前記ナノ粒子と、塩基配列の少なくとも一部に相補結合する相補結合部を有した核酸と、を溶液中に混合して、前記ナノ粒子の表面に核酸を修飾し、
所定温度まで加熱後に徐冷することで、前記ナノ粒子間を前記核酸の相補結合部により相補結合させて、前記ナノ粒子間を結合して超格子構造体を形成し、その超格子構造体における前記ナノ粒子の体積率が6%以上となるようにし、
前記溶液から前記超格子構造体を取り出して、超格子の対称性を維持したまま乾燥させる、
ことを特徴とする超格子構造体の製造方法。

【請求項2】
ナノ粒子が規則的に配列された超格子構造体の製造方法において、
粒径が14nm以上の前記ナノ粒子と、塩基配列の少なくとも一部に相補結合する相補結合部を有した核酸と、を溶液中に混合して、前記ナノ粒子の表面に核酸を修飾し、
所定温度まで加熱後に徐冷することで、前記ナノ粒子間を前記核酸の相補結合部により相補結合させて、前記ナノ粒子間を結合して超格子構造体を形成し、
前記溶液から前記超格子構造体を取り出して、超格子の対称性を維持したまま乾燥させる、
ことを特徴とする超格子構造体の製造方法。

【請求項3】
前記体積率は、前記ナノ粒子の粒径によって制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の超格子構造体の製造方法。

【請求項4】
乾燥後の前記超格子構造体における前記ナノ粒子の体積率は、溶液中の前記超格子構造体における前記ナノ粒子の体積率よりも高い、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の超格子構造体の製造方法。

【請求項5】
乾燥後の前記超格子構造体における前記ナノ粒子の体積率は、20%以上である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の超格子構造体の製造方法。

【請求項6】
前記乾燥は、自然乾燥である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の超格子構造体の製造方法。

【請求項7】
乾燥後の前記超格子構造体における前記ナノ粒子の最隣接粒子表面間距離は、4nm以上7nm以下である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の超格子構造体の製造方法。

【請求項8】
ナノ粒子が規則的に配列された超格子構造体であって、
前記ナノ粒子は、塩基配列の少なくとも一部に相補結合する相補結合部を有した核酸で修飾され、
前記超格子構造体に占める前記ナノ粒子の体積率が20%以上である、
ことを特徴とする超格子構造体。

【請求項9】
ナノ粒子が規則的に配列された超格子構造体であって、
前記ナノ粒子は、塩基配列の少なくとも一部に相補結合する相補結合部を有した核酸で修飾され、
前記超格子構造体における前記ナノ粒子の最隣接粒子表面間距離は、4nm以上7nm以下である、
ことを特徴とする超格子構造体。

【請求項10】
前記ナノ粒子の粒径は、14nm以上であることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の超格子構造体。

国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 2H148AA07
  • 2H148AA09
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2017046570thum.jpg
出願権利状態 公開
名古屋大学の公開特許情報を掲載しています。ご関心のある案件がございましたら、下記まで電子メールでご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close