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GLO1の発現が関与する疾患の存在の検出方法、該検出方法に使用するマーカー、GLO1酵素活性向上剤及びGLO1酵素活性低減剤。

国内特許コード P170014401
整理番号 P15-072
掲載日 2017年7月12日
出願番号 特願2016-096027
公開番号 特開2017-201945
出願日 平成28年5月12日(2016.5.12)
公開日 平成29年11月16日(2017.11.16)
発明者
  • 山本 靖彦
  • 棟居 聖一
  • 原島 愛
  • 山本 博
  • 伏田 奈津美
  • 山村 優果
  • 高山 秀雄
  • 横山 理菜
  • 内潟 安子
  • 三浦 順之助
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
  • 学校法人東京女子医科大学
発明の名称 GLO1の発現が関与する疾患の存在の検出方法、該検出方法に使用するマーカー、GLO1酵素活性向上剤及びGLO1酵素活性低減剤。
発明の概要 【課題】GLO1の発現の詳細を解析して、GLO1の発現が関与する疾患の検出方法、該検出方法に使用するマーカー、GLO1酵素活性向上剤及びGLO1酵素活性低減剤を提供すること。
【解決手段】GLO1プロモーター領域内のチミン反復配列内に存在する8種類の遺伝子多型が存在すること、チミン数15個の遺伝子多型がGLO1の転写活性の亢進に関与すること、さらには該遺伝子多型割合がGLO1の発現が関与する疾患と相関することを新規に見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


(生体内反応)
生体内に存在するすべてのタンパク質は、非酵素的に糖化反応を受ける可能性がある。糖化反応は、グルコース等の還元糖のカルボニル基とタンパク質のアミノ基が非酵素的に反応しシッフ塩基を形成し、その後アマドリ転位化合物に至る前期反応と、酸化・脱水・縮合・転位・架橋形成を特徴とする後期反応からなる。最終的には後期糖化反応生成物(advanced glycation end-products, AGE)の生成に至る。AGE形成に至る前駆体で反応性の高いα-ジカルボニル化合物メチルグリオキサール(MG)は、解糖系の中間産物であるグリセルアルデヒド-3-リン酸から非酵素的に産生される。MGは、それ自身が強力な細胞毒性を有していることでも知られ、ミトコンドリアの呼吸を選択的に抑制し、細胞にアポトーシスを誘導する作用もある。また、MGは、タンパク質のアルギニンやリジンと反応してargpyrimidineやNε-carboxyethyl-lysine(CML)などのAGEを形成する。これら形成したAGEは、AGE受容体(receptor for AGE, RAGE)に認識され細胞内シグナル伝達を引き起こし、炎症性サイトカイン、酸化ストレス、反応性酸素種ROS(reactive oxygen species)を産生し組織障害を誘導する。



(GLO1)
MGの代謝系としては2つの酵素glyoxalase1(GLO1)、glyoxalase2(GLO2)からなるglyoxalase systemが知られている。GLO1はMGをS-D-lactoylglutathioneに代謝し、GLO2はS-D-lactoylglutathioneをD-lactateに代謝する。GLO1は、バクテリア、原虫そしてヒトに至るまで、進化の過程でも保存されており生命体にとってGLO1の存在意義は重要である。



(各疾患におけるGLO1の発現)
GLO1の発現は、糖尿病状態においては低下しており、これにより体内でのAGEの蓄積は増加し、糖尿病合併症が増悪すると考えられている(参照:非特許文献1、J Clin Invest 101, 1998)。また、統合失調症患者の一部ではGLO1タンパク質が欠失していることが報告されている(参照:非特許文献2、Arch Gen Psychiatry 67, 2010)。
一方、GLO1は大腸癌、肺癌、前立腺癌や抗癌剤に耐性を示す培養がん細胞株などの多くのがんで共通して高発現していることが報告されている(参照:非特許文献3、Clin Cancer Res 7, 2001)。



(先行特許文献)
本発明の先行特許文献として、以下を例示することができる。
特許文献1は、「38種類の遺伝子から選ばれる少なくとも1種以上の遺伝子の塩基配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸及び/又は該遺伝子のいずれかにコードされるタンパク質と結合する特異抗体若しくはその断片からなる、2型糖尿病診断剤」を開示している。
特許文献2は、「生体試料中の糖化最終産物受容体[例えば膜結合型(mRAGE)あるいは可溶型(sRAGE)などの量を測定し、得られる測定結果と統合失調症とを関連づけることを特徴とする統合失調症の検出方法」を開示している。
しかしながら、特許文献1及び2は、「本発明のGLO1の発現が関与する疾患の存在の検出方法、該検出方法に使用するマーカー、GLO1酵素活性向上剤及びGLO1酵素活性低減剤」を開示又は示唆していない。

産業上の利用分野


本発明は、GLO1の発現が関与する疾患の存在の検出方法、該検出方法に使用するマーカー、GLO1酵素活性向上剤、GLO1酵素活性低減剤、並びにGLO1酵素活性向上剤及びGLO1酵素活性低減剤のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験者由来生体試料中のGLO1プロモーター配列のチミン反復配列のチミン数15個の割合を検出することを特徴とするGLO1の発現が関与する疾患の存在の検出方法。

【請求項2】
前記割合を検出することは、コントロールと比較して高いことを指標とする請求項1に記載の検出方法。

【請求項3】
前記GLO1の発現が関与する疾患は、糖尿病性合併症、糖尿病、統合失調症、がん、神経変性疾患、不安障害又はてんかんである請求項1又は2に記載の検出方法。

【請求項4】
以下のいずれか1以上を有効成分とするGLO1酵素活性向上剤。
(1)H1cタンパク質
(2)H1eタンパク質
(3)H1c遺伝子
(4)H1e遺伝子
(5)アセチル化促進化合物
(6)チミン15形成誘導化合物
(7)GLO1プロモーター配列中に存在する配列を標的化するためのガイドRNA若しくは該ガイドRNAをコードするDNA、前記ガイドRNAと相互作用して前記GLO1プロモーター配列中に存在する配列を部位特異的に切断する酵素及び前記切断の修復中に標的部位において染色体配列と置換され、若しくは染色体配列中に挿入され得る15個のチミン反復配列を含むポリヌクレオチド

【請求項5】
以下のいずれか1以上を有効成分とするGLO1酵素活性低減剤。
(1)抗H1c抗体
(2)抗H1e抗体
(3)H1c発現を抑制するsiRNA又はshRNA
(4)H1e発現を抑制するsiRNA又はshRNA
(5)脱アセチル化合物
(6)チミン15形成阻害化合物
(7)15個のチミン反復配列を標的化するためのガイドRNA又は該ガイドRNAをコードするDNA、前記ガイドRNAと相互作用して15個のチミン反復配列を部位特異的に切断する酵素、並びに、前記切断の修復中に標的部位において染色体配列と置換され、又は染色体配列中に挿入され得る、13個、14個、16個、17個、18個、19個若しくは20個のチミン反復配列を含むポリヌクレオチド

【請求項6】
H1c又はH1eが15個のチミン反復配列に結合することを促進させる試験化合物を選択することを特徴とするGLO1酵素活性向上剤のスクリーニング方法。

【請求項7】
H1c又はH1eが15個のチミン反復配列に結合することを阻害する試験化合物を選択することを特徴とするGLO1酵素活性低減剤のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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