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骨障害の存在の検出方法、骨障害治療剤及び骨障害治療剤のスクリーニング方法

国内特許コード P170014402
整理番号 P15-009
掲載日 2017年7月12日
出願番号 特願2016-111385
公開番号 特開2017-216882
出願日 平成28年6月2日(2016.6.2)
公開日 平成29年12月14日(2017.12.14)
発明者
  • 檜井 栄一
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 骨障害の存在の検出方法、骨障害治療剤及び骨障害治療剤のスクリーニング方法
発明の概要 【課題】骨障害が生じる機構の詳細を解析して、骨障害の検出方法、骨障害の治療剤及び骨障害治療剤のスクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】Mek/Erk5/Smurf2/Smad/Sox9カスケードが骨格形成(軟骨形成)を制御するために重要な役割を有することを新規に見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


(骨形成)
骨は、胚及び生後の骨格形成の間に、2つの異なるプロセスである膜内及び軟骨内骨化によって形成される{非特許文献1:Annual review of cell and evelopmental biology 25, 629-648 (2009)、非特許文献2:Cold Spring Harb Perspect Biol 5, a008334 (2013)}。頭蓋骨の扁平骨、鎖骨及び下顎骨は、骨を形成する骨芽細胞に直接分化する間葉系幹細胞を含む結合組織内骨化によって骨化される{非特許文献3:Molecular cell biology 13, 27-38 (2012)}。前肢(上腕骨、橈骨及び尺骨)、後肢(大腿骨、脛骨及び腓骨)、足及び手(中足骨、中手骨及び基節骨)における長骨等の他の骨は、軟骨内骨化により形成される{非特許文献4:Cell 90, 631 979-990 (1997)}。軟骨内骨化において、間葉系幹細胞は、軟骨のテンプレート(cartilaginous template)から軟骨細胞に分化する。軟骨細胞は、肥大軟骨細胞の領域において、痕跡器官の中心領域周辺で、休止し、増殖し、肥大化し、石灰化する段階を進行しながら、分化し、軟骨マトリックス石化(cartilage matrix mineralisation)を引き起こす。石化後、多くの肥大軟骨細胞は、新しい骨を産生するために、アポトーシスを経て、毛細血管、破骨細胞、骨髄細胞及び骨芽細胞の軟骨マトリックスへの侵入を引き起こす{非特許文献5:Nature 423, 332-336 (2003)、非特許文献6:Calcif Tissue Int 92, 307-323 (2013)}。



(細胞外シグナル制御キナーゼ5)
細胞外シグナル制御キナーゼ5(Extracellular signal-regulated kinase 5;Erk5)は、Erk1/2、c-Jun アミノ末端キナーゼ及びp38を含む、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)ファミリーに属する。Erk5は、MAPK/Erkキナーゼ-5(Mek5)により特異的にリン酸化されて、活性化される。Erk1及びErk2は、アイソフォーム特異的な効果(Erk1及びErk2それぞれに固有の効果)の報告はされているが、高度の類似性を示し、また、機能的に同等であると考えられている{非特許文献7:Current Opinion in Cell Biology 9, 180-186 (1997)}。
Erk5は、2つのプロリンリッチ領域及び1つの核局在化シグナルをコードする、固有のC末端伸長により、他のErk酵素よりも大きな分子量(Erk1/2の約2倍)を有する{非特許文献8:EMBO Rep 7, 782-786 (2006)、非特許文献9:The Journal of biological chemistry 280, 2659-2667 (2005)}。マウスの遺伝学研究は、「軟骨細胞分化の連続的段階の制御による骨格発達において、Erk1/2経路が、本質的な役割を果していること」を示している{非特許文献10:Molecular and cellular biology 29, 5843-5857 (2009)、非特許文献11:Journal of bone and mineral research : the official journal of the American Society for Bone and Mineral Research 30, 765-774 (2015)、非特許文献12:Biochem Soc Trans 42, 1584-1589 (2014)}。さらに、Erk1/2 MAPK経路におけるシグナル分子における突然変異が、ヌーナン(Noonan)症候群、コステロ(Costello)症候群及びcardio-facio-cutaneous症候群を含む、多くのヒト骨格障害(骨形成障害)を引き起こすことを明らかにした{非特許文献13:Annu Rev Genomics Hum Genet 14, 355-369 (2013)、非特許文献14:Science 311, 1287-1290 (2006)、非特許文献15:Nature medicine 12, 283-285 (2006)}。
しかし、Erk5は、Erk1/2とは異なり、骨格形成における役割に関しては、知られていない。



(先行特許文献)
本発明の先行特許文献として、以下を例示することができる。
特許文献1は、「個体の血液中のBMP-1イソ型のプロファイルを確定すること、および該プロファイルを種々の欠損および障害に関連したBMP-1イソ型の標準血液プロファイルと比較することを含む、個体の骨または軟組織における欠損または障害を診断する方法」を開示している。
特許文献2は、「骨または軟骨障害を診断し、および/または検出するための方法であって、試験試料中のポリペプチドの発現レベルが前記ポリペプチドに特異的に結合する抗体と試験試料を接触すること、および前期試験試料に対する前期抗体の結合を測定することによって測定される方法」を開示している。
特許文献3は、「女性の爪を検体とし、エストロゲン受容体発現遺伝子、LDL受容体関連タンパク5発現遺伝子、及びI型コラーゲン発現遺伝子の少なくとも1つの発現遺伝子における塩基置換を検出することを特徴とする、骨粗鬆症、骨形成不全症、又は骨密度形成不良症の発症リスクを診断する方法」を開示している。
しかしながら、特許文献1~3は、本発明の骨障害の存在の検出方法の各工程を開示又は示唆していない。

産業上の利用分野


本発明は、骨障害の存在の検出方法、骨障害治療剤及び骨障害治療剤のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験者由来生体試料中の以下のいずれか1以上を検出することを特徴とする骨障害の存在の検出方法。
(1)Smurf2のリン酸化
(2)Smurf2のユビキチンE3リガーゼ活性
(3)Smad1、Smad2及び/又はSmad3発現量
(4)Mek5のキナーゼ活性
(5)Erk5のキナーゼ活性

【請求項2】
前記生体試料は、間葉細胞である請求項1に記載の検出方法。

【請求項3】
前記Smurf2のリン酸化の検出は、コントロールと比較して低いことを指標とする請求項1又は2に記載の検出方法。

【請求項4】
前記Smurf2のリン酸化の検出は、Smurf2のN末端から249番目のセリンがリン酸化されているかどうかを検出することである請求項1又は2に記載の検出方法。

【請求項5】
前記骨障害は、骨形成不全症、タナトフォリック骨異形成症、骨粗鬆症、骨減少症、骨軟化症、骨骨髄腫、骨形成異常、パジェット病、骨硬化症、再生不良性骨障害、体液性高カルシウム血症骨髄腫、多発性骨髄腫、クルゾン症候群、オプシスモ異形成(成熟遅延骨異形成症)、濃化異骨症、又は、大理石骨病である請求項1~4のいずれか1に記載の検出方法。

【請求項6】
前記骨障害は、Mek/Erk5/Smurf2/Smad/Sox9カスケード不全によるものである請求項1~5のいずれか1に記載の検出方法。

【請求項7】
以下の(1)~(4)いずれか1を有効成分とする骨障害治療剤。
(1)Smurf2遺伝子又はSmurf2タンパク質
(2)抗Smad1抗体、抗Smad2抗体及び/又は抗Smad3抗体
(3)Smad1、Smad2及び/又はSmad3の発現を抑制するsiRNA又はshRNA
(4)Smad1、Smad2及び/又はSmad3の発現を抑制する化合物

【請求項8】
以下の(1)~(3)のいずれか1から選択される骨障害治療剤のスクリーニング方法。
(1)Smurf2のリン酸化を促進させる試験化合物を選択する
(2)Smurf2のユビキチンE3リガーゼ活性を促進させる試験化合物を選択する
(3)Smad1、Smad2及び/又はSmad3発現量を低下させる試験化合物を選択する
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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