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非アルコール性脂肪性肝炎検出方法、該肝炎の重篤度判定方法及び該肝炎の治療評価判定方法

国内特許コード P170014412
整理番号 P16-042
掲載日 2017年7月12日
出願番号 特願2017-027560
公開番号 特開2018-132471
出願日 平成29年2月17日(2017.2.17)
公開日 平成30年8月23日(2018.8.23)
発明者
  • 酒井 佳夫
  • 金子 周一
  • 餅田 初音
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 非アルコール性脂肪性肝炎検出方法、該肝炎の重篤度判定方法及び該肝炎の治療評価判定方法
発明の概要 【課題】非アルコール性脂肪性肝疾患が肝炎を伴わない単純性脂肪肝ではなく、炎症や肝細胞障害を伴い肝硬変へ進展する非アルコール性脂肪性肝炎であるかどうかを判定する方法、さらには該肝炎に進行するかを予測するための方法を開発すること。
【解決手段】非アルコール性脂肪性肝炎モデルと単純性脂肪肝モデルでの遺伝子発現を比較し、非アルコール性脂肪性肝炎モデルで発現が向上している遺伝子を特定した。そして、該遺伝子を検出することを特徴とする非アルコール性脂肪性肝炎検出方法を完成した。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


(慢性肝疾患)
慢性肝疾患では、肝内炎症と肝細胞障害が持続し、それに伴い肝線維化が進展し、終末状態では肝硬変に至る(参照:非特許文献1)。肝硬変では、門脈圧亢進症による食道静脈瘤破裂など様々な重篤な合併症発症、さらに肝不全へ進行する。また、肝硬変は肝細胞癌発生の高危険状態である。これらのため、肝硬変では、生活の質の著しい低下、予後の悪化が大きな問題である。慢性肝疾患には、B型、C型ウイルス肝炎、アルコール性肝障害、非アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎等がある。



(非アルコール性脂肪性肝疾患)
非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD:non alcoholic fatty liver disease) は、アルコールの飲酒歴がないにも関わらず、アルコール性肝炎類似の大滴性の脂肪沈着を呈する疾患である。該疾患には、肝炎を伴わない単純性脂肪肝(SS:simple steatosis)と、炎症や肝細胞障害を伴い肝硬変へ進展する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:non alcoholic steatohepatitis) が含まれる。肥満・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病がNASHの病態に関与していることが示唆されている。
近年、生活習慣病増加に伴い慢性肝疾患に占めるNASHの割合が増加している。現在のところNASHの発症、病態進展の機序が明らかにされておらず、NASH発症予防、NASHから肝硬変への進展の抑制や、肝発癌を抑制する確立した予防・治療法はない。



(先行技術)
以下の先行技術が知られている。
特許文献1では、「被験者の生体試料における、sCD40、HMGB1、sPLA2groupIIA及びsPLA2活性からなる群より選ばれる1以上の因子をマーカーとして測定する工程を含む、非アルコール性脂肪肝炎の検出を補助するための方法」を開示している。しかし、特許文献1に記載の非アルコール性脂肪性肝炎関連マーカーは、本発明で使用するマーカーとは異なり、さらに非アルコール性脂肪性肝炎と単純性脂肪肝ではない健常者との比較により得られたものである。

産業上の利用分野


本発明は、非アルコール性脂肪性肝炎検出方法、該肝炎の重篤度判定方法及び該肝炎の治療評価判定方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験者から得られた生体試料中の以下の(1)~(51)のいずれか1以上から選ばれたマーカーを測定する工程を含む、非アルコール性脂肪性肝炎の検出方法又は検出を補助する方法、
(1)T細胞サブセット分泌シグナルに関与する遺伝子、
(2)Native CD4+ T細胞分化に関与する遺伝子、
(3)G-proteinsignaling_Cross-talk between Ras-family GTPasesに関与する遺伝子、
(4)関節炎におけるサイト/ケモカイン発現におけるPDE4調節に関与する遺伝子、
(5)Th17、Th22及びTh9細胞分化に関与する遺伝子、
(6)酸化的リン酸化に関与する遺伝子、
(7)加齢黄斑変性におけるNALP3インフラマソーム活性に関与する遺伝子、
(8)SLEにおけるB細胞の役割に関与する遺伝子、
(9)IL-10シグナルパスウェイに関与する遺伝子、
(10)COPDにおける細胞間関連に関与する遺伝子、
(11)Tヘルパー細胞の免疫反応ICOSシグナルパスウェイに関与する遺伝子、
(12)アテローム性動脈硬化症に関与する遺伝子の発現の制御におけるZNF202の役割に関与する遺伝子、
(13)上皮間葉転換(EMT)の発生制御に関与する遺伝子、
(14)SLEにおけるNETosisに関与する遺伝子、
(15)IL-1シグナルパスウェイに関与する遺伝子、
(16)ストレス誘導抗ウイルス性細胞反応におけるPKRの役割に関与する遺伝子、
(17)抗原提示細胞(APC)のSLE遺伝マーカー特異的パスウェイに関与する遺伝子、
(18)脂質代謝の制御{脂肪代謝のG-アルファ(q)制御}に関与する遺伝子、
(19)RNAウイルス感染への先天性免疫反応に関与する遺伝子、
(20)CD8+ T細胞の分化及びクローン増殖に関与する遺伝子、
(21)ストレス誘導アポトーシスにおけるPKRのアポトーシス及び生存の役割に関与する遺伝子、
(22)MAPKsを介した炎症誘発性サイトカインのP物質刺激発現に関与する遺伝子、
(23)IL-33シグナルパスウェイに関与する遺伝子、
(24)ユビキノン代謝に関与する遺伝子、
(25)MIF媒介性グルココルチコイド制御に関与する遺伝子、
(26)加齢黄斑変性の病因における脂質輸送異常及び代謝異常に関与する遺伝子、
(27)IL-18シグナル伝達に関与する遺伝子、
(28)HGFシグナルパスウェイに関与する遺伝子、
(29)Th17細胞分化に関与する遺伝子、
(30)肝細胞におけるIL-6誘導性急性期応答に関与する遺伝子、
(31)IL-23シグナルパスウェイに関与する遺伝子、
(32)慢性関節リウマチに関与する遺伝子、
(33)炎症性皮膚疾患における細胞/ケモカイン発現のPDE4制御に関与する遺伝子、
(34)鎌状赤血球症における物質P媒介性炎症及び疼痛に関与する遺伝子、
(35)樹状細胞成熟及び移動におけるHMGB1の役割に関与する遺伝子、
(36)HMGB1/RAGEシグナルパスウェイに関与する遺伝子、
(37)転写サイレンシングにおけるヘテロクロマチンタンパク質1(HP1)ファミリーの役割に関与する遺伝子、
(38)HSP60及びHSP70/TLRシグナルパスウェイに関与する遺伝子、
(39)CF中のTh17細胞に関与する遺伝子、
(40)乾癬IL-23/T17発症軸の役割に関与する遺伝子、
(41)タイプ2免疫におけるIL-4応答性遺伝子に関与する遺伝子、
(42)脂肪細胞分化におけるフタル酸ジエチルヘキシル及びトリブチルスズの役割に関与する遺伝子、
(43)アレルギー性接触皮膚炎のT細胞動員の開始に関与する遺伝子、
(44)結腸直腸癌に関与する遺伝子、
(45)C5a誘導走化性に関与する遺伝子、
(46)緑内障における網膜神経節細胞損傷に関与する遺伝子、
(47)免疫反応におけるPGE2シグナル伝達に関与する遺伝子、
(48)TLR3及びTLR4誘導TICAM1-特異的シグナルパスウェイに関与する遺伝子、
(49)ビスフェノールAによる脂肪細胞分化の刺激の推定経路に関与する遺伝子、
(50)JAK/STAT、p38、JNK及びNF-kBを介したIL-3シグナル伝達に関与する遺伝子、及び
(51)骨粗鬆症関与遺伝子の制御におけるVDRの役割に関与する遺伝子。


【請求項2】
測定したマーカーの測定値が、単純性脂肪肝の患者から得られた生体試料中の測定値よりも高い、請求項1に記載の方法。


【請求項3】
さらに、CD29、CD45及び/又はCD44を検出することを含む請求項1又は2に記載の方法。


【請求項4】
前記マーカーは、以下のいずれか1以上から選ばれる請求項1~3のいずれか1に記載の方法:
IL-6、IL-10、MIP-1-beta、IL-17F、IL-17、Amphiregulin、IL-1 alpha、IFN-gamma、TNF-beta、TNF-alpha、AHR、ROR-gamma、CD80、c-Maf、CD40(TNFRSF5)、RAP-1A、RalA、p120GAP、M-Ras、PI3K cat class IA、DBS、RhoGAP5、PLD1、IP10、Bcl-6、IL23R、PAK1、BRCC36、Caspase-1、C1q、IL-18R1、CARD5、Fc gamma RII beta、IFN-alpha、OX40(TNFRSF4)、COX-2(PTGS2)、Hemeoxygenase 1、HPGD、I-TAC、CCR2、Cytochrome c、NDUFA7、NDUFS5、NDUFAB1、UQCR11、UQCRB、NDUFB3、NDUFA2、NDUFA13、ATP5H、NDUFA5、NDUFC2、NDUFC1、ATP5I、Beta-adrenergic receptor、ABCA1、PEMT、SDP1、LPL、HDL proteins、HGF、IL-1RI、Endothelin-1、HGF receptor(Met)、NOTCH4、Vimentin、PAI1、PDGF-D、Frizzled、Histone H2、Histone H2A、TLR7、Histone H4、HistoneH1、COX-2 (PTGS2)、TLR3、IFN-beta、TRIF (TICAM1)、MDA-5、LXR-alpha、cPLA2、APOC2、APOC1、CD36、PLC-beta、TANK、CD137ligand(TNFSF9)、ATF-3、eIF4E、PI3K cat class IA (p110-beta)、CCL13、VCAM1、Histone H2B、eNOS、Apaf-1、CXCL16、PLAU(UPA)、Syndecan-1、AGP1 (ORM1)、SAA1、SAA2、MxA、Cyclin A2、HP1 alpha、HP1gamma、HP1、DNMT3A、CD69、HSP70、Eotaxin-2、CCL7、A-FABP、C/EBPalpha、ALPHA-PIX、HSP27、BAD、Factor H、EDNRB、GATA-2、ID1、Calcitonin、VDR、及びRANK(TNFRSF11A)。


【請求項5】
被験者から得られた生体試料中のCD29、CD45及びCD44のいずれか1から選ばれたマーカーを測定する工程を含む、非アルコール性脂肪性肝炎の重篤度判定測定方法又は重篤度判定測定を補助する方法。


【請求項6】
非アルコール性脂肪性肝炎治療中の患者から得られた生体試料中のCD29、CD45及びCD44のいずれか1から選ばれたマーカーを測定する工程を含む、非アルコール性脂肪性肝炎の治療評価判定方法又は治療評価判定方法を補助する方法。


【請求項7】
以下のいずれか1以上に対する抗体又は抗体フラグメントを含む、非アルコール性脂肪性肝炎検出キット:
IL-6、IL-10、MIP-1-beta、IL-17F、IL-17、Amphiregulin、IL-1 alpha、IFN-gamma、TNF-beta、TNF-alpha、AHR、ROR-gamma、CD80、c-Maf、CD40(TNFRSF5)、RAP-1A、RalA、p120GAP、M-Ras、PI3K cat class IA、DBS、RhoGAP5、PLD1、IP10、Bcl-6、IL23R、PAK1、BRCC36、Caspase-1、C1q、IL-18R1、CARD5、Fc gamma RII beta、IFN-alpha、OX40(TNFRSF4)、COX-2(PTGS2)、Heme oxygenase 1、HPGD、I-TAC、CCR2、Cytochrome c、NDUFA7、NDUFS5、NDUFAB1、UQCR11、UQCRB、NDUFB3、NDUFA2、NDUFA13、ATP5H、NDUFA5、NDUFC2、NDUFC1、ATP5I、Beta-adrenergic receptor、ABCA1、PEMT、SDP1、LPL、HDL proteins、HGF、IL-1RI、Endothelin-1、HGF receptor(Met)、NOTCH4、Vimentin、PAI1、PDGF-D、Frizzled、Histone H2、Histone H2A、TLR7、Histone H4、HistoneH1、COX-2 (PTGS2)、TLR3、IFN-beta、TRIF (TICAM1)、MDA-5、LXR-alpha、cPLA2、APOC2、APOC1、CD36、PLC-beta、TANK、CD137ligand(TNFSF9)、ATF-3、eIF4E、PI3K cat class IA (p110-beta)、CCL13、VCAM1、Histone H2B、eNOS、Apaf-1、CXCL16、PLAU(UPA)、Syndecan-1、AGP1 (ORM1)、SAA1、SAA2、MxA、Cyclin A2、HP1 alpha、HP1gamma、HP1、DNMT3A、CD69、HSP70、Eotaxin-2、CCL7、A-FABP、C/EBPalpha、ALPHA-PIX、HSP27、BAD、Factor H、EDNRB、GATA-2、ID1、Calcitonin、VDR、及びRANK(TNFRSF11A)。


【請求項8】
以下のいずれか1以上に対する抗体又は抗体フラグメントを含む、非アルコール性脂肪性肝炎の重篤度判定キット:
CD29、CD45及びCD44。


【請求項9】
以下のいずれか1以上に対する抗体又は抗体フラグメントを含む、非アルコール性脂肪性肝炎の治療評価判定キット:
CD29、CD45及びCD44。
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 公開
(有)金沢大学ティ・エル・オーは、金沢大学の研究者の出願特許を産業界へ技術移転することを主目的として、金沢大学の教官の出資により設立された技術移転機関です。
ご興味のある方は、下記「問合せ先」へ整理番号と共にご連絡願います。
なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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