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(In Japanese)多能性幹細胞再樹立法

Patent code P170014469
File No. (S2014-1604-N0)
Posted date Jul 20, 2017
Application number P2016-552363
Date of filing Oct 2, 2015
International application number JP2015078699
International publication number WO2016052759
Date of international filing Oct 2, 2015
Date of international publication Apr 7, 2016
Priority data
  • P2014-203679 (Oct 2, 2014) JP
Inventor
  • (In Japanese)遠藤 仁司
  • (In Japanese)長尾 恭光
  • (In Japanese)花園 豊
  • (In Japanese)冨永 薫
  • (In Japanese)大森 司
Applicant
  • (In Japanese)学校法人自治医科大学
Title (In Japanese)多能性幹細胞再樹立法
Abstract (In Japanese)本出願は、キメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する方法、及び当該方法により得られる細胞に関する。本発明の方法は、ヘテロな細胞集団から、キメラ形成能等を有する幹細胞をモノクローン化して高品質化する技術である。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

iPS細胞(人工多能性幹細胞)/ES細胞(胚性幹細胞)から臓器原基または臓器幹細胞を作製・供給することが、iPS細胞などを用いた再生医療の発展に必要である。たとえば、ヒトにiPS細胞/ES細胞より再生したヒト臓器/臓器原基を移植するためには、その細胞をブタやヒツジ等の異種の環境で目的臓器形成に誘導するステップが有効と考えられる。しかしながら、臓器原基/臓器幹細胞をインビトロで作製することは困難であるので、異種間のキメラ胚を作製し、キメラ胚より臓器原基または臓器幹細胞を採取する必要がある。そのためには異種間にわたって生着性があり、かつキメラ形成能を維持した高品質の幹細胞を臓器形成の出発細胞とする必要がある。

また、iPS細胞/ES細胞からクローン動物またはキメラ動物を作製することは、絶滅危惧種などの希少動物、ペットなどの愛玩哺乳動物、有用な商業動物の保存・再生・維持という観点から有用であると考えられる。この場合は、同種間または異種間で生着性があり、かつキメラ形成能を維持した高品質の幹細胞を出発細胞とする必要がある。

マウスやラットのES細胞は、一般にナイーブ型の多能性幹細胞として樹立されており、胚盤胞補完法によるキメラ動物の作製について複数の報告例がある。一方、ウサギ、ブタ、サル、ヒトなど中動物のiPS/ES細胞はコロニーが扁平であるプライム型の特徴を有しており、これを異種または同種の胚盤胞に移植してもキメラを形成することができないか、形成できたとしてもごくわずかな寄与率である。

このように、キメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する方法の重要性は、キメラ胚・キメラ動物の作製の成功率を高めるという観点から、よりいっそう増している。

キメラ形成可能なiPS細胞/ES細胞を得ることを目的としたこれまでの報告例の多くは、遺伝子導入等の手段でiPS細胞/ES細胞を確立するものであった(非特許文献1)。また、環境因子の添加など培地の改良により、質の高いiPS細胞/ES細胞を確立する例も報告されている(非特許文献2)。これらの報告例は、キメラ形成可能なiPS細胞/ES細胞を作製する技術ではあるが、作製されたiPS細胞/ES細胞がヘテロな細胞集団であり、キメラ形成能を持たない細胞が混在している可能性を十分否定できるだけの評価がなされていない。これらの技術は、iPS細胞/ES細胞のうちの「キメラ形成可能」な細胞の割合を高める技術であるといえる。

現状では、「キメラ形成可能」という特性を維持した細胞はiPS細胞/ES細胞樹立時に取得した全細胞のうちの一部に過ぎない。臓器形成等の出発細胞を得るためには、キメラ形成能の獲得性維持の観点から、樹立したiPS細胞/ES細胞をさらに選択して再樹立を行い高品質化する必要がある。

長尾ら(特許文献1)は、特定の遺伝子が変異または欠損し、該遺伝子が関与する機能を喪失した多能性細胞、および該多能性細胞以外の他の多能性細胞を含む2種類以上の細胞を動物の宿主胚に注入することを含む、キメラ動物の作製方法を開示している。特許文献1は、生殖細胞を形成しえないマウス胚からES細胞を樹立し、該ES細胞を動物の生殖器官由来の細胞と共培養することにより、効率的に生殖器官由来の細胞からES細胞を樹立させることを見いだしたことを記載している。同文献はまた、当該生殖細胞を形成できないマウス胚から樹立したES細胞を他のマウスES細胞、例えば遺伝子を改変したES細胞と共培養することにより、他のマウスES細胞の増殖能が改善することができることを見いだしたことを記載している。

しかしながら、同種・異種を問わず、キメラ形成可能なiPS/ES細胞の再樹立を可能にする方法については、現時点で報告例がない。

Field of industrial application (In Japanese)

本出願は、多能性(pluripotent)幹細胞または複能性(multipotent)幹細胞からキメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する方法に関する。当該方法は、多能性幹細胞または複能性幹細胞から、キメラ形成能を保持する等の特性を有する細胞を選抜・再樹立することにより、幹細胞の高品質化を行う技術である。本出願はまた、当該方法により再樹立したキメラ形成能を有する幹細胞に関する。本出願はさらに、本発明の方法により再樹立したキメラ形成能を有する幹細胞、または当該幹細胞を分化させて得られた体性幹細胞、臓器前駆細胞、または体性細胞を用いて薬効評価または病態解析を行う方法に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
異種間でキメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する方法であって、以下の工程:
(i)第一の哺乳類の種由来の多能性(pluripotent)幹細胞または複能性(multipotent)幹細胞を、第二の哺乳類の種由来の高品質な多能性幹細胞と共培養する;
(ii)工程(i)の共培養物において、細胞集合体を形成し、かつ、当該第一の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞に由来する幹細胞を含む細胞群を選別する;
(iii)工程(ii)の細胞群を第二の哺乳類の種由来の宿主胚と共培養する;
(iv)工程(iii)で共培養した宿主胚から内部細胞塊を分離する;および
(v)当該内部細胞塊から当該第一の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞に由来する幹細胞をクローニングすることにより、異種間でキメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する;
を含み、ここで当該第一の哺乳類の種と当該第二の哺乳類の種は異なる種であり、そして当該第一の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞は、齧歯類以外の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞であるか、齧歯類由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)または複能性幹細胞である、前記方法。

【請求項2】
 
さらに、工程(v)で再樹立した幹細胞を、第二の哺乳類の種由来の高品質な多能性幹細胞と合わせて細胞群を得て、工程(iii)~(v)を繰り返すことを含む、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
 
多能性幹細胞が、以下:ES細胞および人工多能性幹細胞(iPS細胞)からなる群より選択され、そして、複能性幹細胞が以下:栄養芽幹細胞(TS細胞)、エピブラスト幹細胞(EpiS細胞)、胚性生殖細胞(EG細胞)、多能性生殖細胞(mGS細胞)、クローン胚由来ES細胞(ntES細胞)、造血幹細胞、神経幹細胞、および、間葉系幹細胞、からなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
 
第一の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞が、ES細胞またはiPS細胞である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。

【請求項5】
 
高品質な多能性幹細胞が、ナイーブ型の多能性幹細胞である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。

【請求項6】
 
宿主胚が、初期胚、4倍体胚、雄性胚、単為発生胚、および胎盤に寄与するES細胞、からなる群より選択される、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。

【請求項7】
 
工程(iii)が、工程(ii)の細胞群を第二の哺乳類の種由来の初期胚または4倍体胚にマイクロインジェクションまたはアグリゲーションして共培養することにより行う、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。

【請求項8】
 
第一の哺乳類の種および第二の哺乳類の種がそれぞれ、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、サル、ヒトからなる群より選択される、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。

【請求項9】
 
異種間でキメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する方法であって、以下の工程:
(i)第一の哺乳類の種由来の多能性(pluripotent)幹細胞または複能性(multipotent)幹細胞を、第二の哺乳類の種由来の高品質な多能性幹細胞と合わせて細胞群を得る;
(ii)工程(i)の細胞群を、第二の哺乳類の種由来の宿主胚と共培養する;
(iii)工程(ii)で共培養した宿主胚から内部細胞塊を分離する;および
(iv)当該内部細胞塊から当該第一の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞に由来する幹細胞をクローニングすることにより、異種間でキメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する;
を含み、ここで当該第一の哺乳類の種と当該第二の哺乳類の種は異なる種であり、そして当該第一の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞は、齧歯類以外の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞であるか、齧歯類由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)または複能性幹細胞である、前記方法。

【請求項10】
 
工程(i)~(iv)を繰り返すことを含む、その際、2サイクル目以降の工程(i)は、その直前のサイクルの工程(iv)で再樹立した幹細胞を、第二の哺乳類の種由来の高品質な多能性幹細胞と合わせて細胞群を得ることにより行う、請求項9に記載の方法。

【請求項11】
 
第一の哺乳類の種由来の多能性幹細胞はヒトES細胞ではなく、そして第二の哺乳類の種はヒトではない、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法。

【請求項12】
 
同種間でキメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する方法であって、以下の工程:
(i)哺乳類の種由来の多能性(pluripotent)幹細胞または複能性(multipotent)幹細胞を、同種の哺乳類由来の高品質な多能性幹細胞と共培養する;
(ii)工程(i)の共培養物において、細胞集合体を形成し、かつ、前記多能性幹細胞または複能性幹細胞に由来する幹細胞を含む細胞群を選別する;
(iii)工程(ii)の細胞群を同種の哺乳類由来の宿主胚と共培養する;
(iv)工程(iii)で共培養した宿主胚から内部細胞塊を分離する;および
(v)当該内部細胞塊から前記多能性幹細胞または複能性幹細胞に由来する幹細胞をクローニングすることにより、同種間でキメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する;を含む、ここで、当該哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞は、齧歯類以外の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞であるか、齧歯類由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)または複能性幹細胞である、前記方法。

【請求項13】
 
さらに、工程(v)で再樹立した幹細胞を、同種の哺乳類由来の高品質な多能性幹細胞と合わせて細胞群を得て、工程(iii)~(v)を繰り返すことを含む、請求項12に記載の方法。

【請求項14】
 
同種間でキメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する方法であって、以下の工程:
(i)哺乳類の種由来の多能性(pluripotent)幹細胞または複能性(multipotent)幹細胞を、同種の哺乳類由来の高品質な多能性幹細胞と合わせて細胞群を得る;
(ii)工程(i)の細胞群を、同種の哺乳類由来の宿主胚と共培養する;
(iii)工程(ii)で共培養した宿主胚から内部細胞塊を分離する;および
(iv)当該内部細胞塊から前記多能性幹細胞または複能性幹細胞に由来する幹細胞をクローニングすることにより、同種間でキメラ形成能を有する幹細胞を再樹立する;
を含む、ここで、当該哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞は、齧歯類以外の哺乳類の種由来の多能性幹細胞または複能性幹細胞であるか、齧歯類由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)または複能性幹細胞である、前記方法。

【請求項15】
 
工程(i)~(v)を繰り返すことを含む、その際、2サイクル目以降の工程(i)は、その直前のサイクルの工程(iv)で再樹立した幹細胞を、同種の哺乳類由来の高品質な多能性幹細胞と合わせて細胞群を得ることにより行う、請求項14に記載の方法。

【請求項16】
 
哺乳類の種はヒトではない、請求項12ないし15のいずれか1項に記載の方法。

【請求項17】
 
幹細胞であって、齧歯類以外の哺乳類の種由来の多能性幹細胞もしくは複能性幹細胞、または齧歯類由来のiPS細胞もしくは複能性幹細胞から再樹立したものであり、そして、以下:
・キメラ形成可能;
・細胞集合体を形成可能;および
・内部細胞塊のニッチ環境に親和性が高い;からなる群より選択される特徴の1以上を有する、前記細胞。

【請求項18】
 
請求項1ないし16に記載の方法により再樹立した、請求項17に記載の細胞。

【請求項19】
 
細胞を用いた薬効評価または病態解析を行う方法であって、以下:
(i)細胞を得る工程:ここで当該細胞は、(A)請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法により再樹立したキメラ形成能を有する幹細胞であるか、(B)請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法により再樹立したキメラ形成能を有する幹細胞を分化させることにより得た体性幹細胞、臓器前駆細胞、または体性細胞であり、ここで当該体性幹細胞、臓器前駆細胞、または体性細胞は、以下の(a)~(c)のいずれかの方法により得られるものである:
(a)請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法により再樹立したキメラ形成能を有する幹細胞からキメラ胚またはキメラ胎児/胎仔を作製し、そして当該キメラ胚またはキメラ胎児/胎仔由来の体性幹細胞、臓器前駆細胞、または体性細胞を得る;
(b)(a)で得られたキメラ胚またはキメラ胎児/胎仔由来の体性幹細胞をインビトロで分化させて臓器前駆細胞または体性細胞を得る;
(c)請求項1ないし16のいずれか1項に記載の方法により再樹立したキメラ形成能を有する幹細胞をインビトロで分化させることにより、体性幹細胞、臓器前駆細胞、または体性細胞を得る;
(ii)工程(i)で得た細胞を用いて薬効評価または病態解析を行う工程;
を含む、前記方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
State of application right Published
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