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毒性予測方法及びその利用 コモンズ

国内特許コード P170014484
整理番号 GI-H29-01
掲載日 2017年8月4日
出願番号 特願2017-135877
公開番号 特開2019-020791
出願日 平成29年7月12日(2017.7.12)
公開日 平成31年2月7日(2019.2.7)
発明者
  • 澤田 敏彦
  • 和佐田 裕昭
  • 橋本 智裕
出願人
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 毒性予測方法及びその利用 コモンズ
発明の概要 【課題】精度及び信頼性が高く、且つその評価が容易な予測結果が得られる化合物毒性予測手段を提供することを課題とする。
【解決手段】(1)使用者が入力した供試化合物の構造情報を受信するステップと、(2)受信した前記構造情報に基づき、構造が最適化された3次元分子構造を生成するステップと、(3)前記3次元分子構造を用い、3次元分子記述子、4次元分子記述子及び量子化学分子記述子からなる群より選択される分子記述子を少なくとも一つ含む、1個以上の分子記述子の値を算出するステップと、(4)前記分子記述子の値を用いて前記供試化合物の毒性の有無の確率を毒性予測モデルが算出するステップであって、毒性有りの確率と毒性無しの確率を足し合わせると100%であるステップと、及び(5)算出した前記確率を出力するステップと、を実行し、化合物の毒性を予測する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


化合物の毒性は、in vitroやin vivoの試験によって、各種毒性指標(例えばhERG阻害、生分解性、変異原性)に基づき評価される。各毒性指標には固有の判定基準が設定され、当該判定基準に従い、毒性の有無が判定される。毒性評価のための試験には多くの時間と費用がかかるため、事前に毒性を予測し、試験に供する化合物(候補化合物)を事前に選定(絞りこむ)することが望まれる。即ち、実際の試験を行うことなく化合物の毒性を予測するニーズが存在する。予め毒性を予測できれば、候補化合物の数の低減に伴い、試験に要する時間及び費用を削減できる。その上、仮想の化合物に代表される、実際の試験が行えない又は困難な化合物の毒性も把握できることになる。この利点は、特に新規化合物の開発において重要であり、新規化合物の設計効率を高め、成功率向上と開発費削減に寄与する。化合物開発における動物実験抑制の世界的動向(REACH規則)を受けて、化合物の毒性予測に対する需要は一層高まっている。



これまでに開発された毒性予測システム/プログラム等では、一般に、供試化合物に毒性が有る又は無い、との判定結果を予測精度とともに出力する(例えば特許文献1~3、非特許文献1~5を参照)。予測精度として、交差検証又は外部検証における一致率が用いられることが多い。一致率の値が高いほど予測精度が高いと判断される。一致率は、(化合物の毒性予測結果と化合物の毒性試験結果が一致した数)/(毒性予測した化合物の全数)と定義される。交差検証では、データをトレーニングセットとテストセットに分け、トレーニングセットを用いて予測方法を構築し、構築した予測方法の予測精度を、テストデータを用いて検証する。外部検証では、交差検証に用いたデータから独立したデータを用い、構築した予測方法の予測精度を検証する。交差検証や外部検証を利用したとしても、定性的な判定(即ち、毒性が有又は無)にかわりはなく、化合物間の比較(優劣の判定)は難しい。また、化合物の構造との関係で判定するものではないことから、判定結果の信頼性は高いとはいえない。

産業上の利用分野


本発明は化合物の毒性予測に関する。詳しくは、化合物の毒性を予測する方法、システム及びプログラムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)使用者が入力した供試化合物の構造情報を受信するステップと、
(2)受信した前記構造情報に基づき、構造が最適化された3次元分子構造を生成するステップと、
(3)前記3次元分子構造を用い、3次元分子記述子、4次元分子記述子及び量子化学分子記述子からなる群より選択される分子記述子を少なくとも一つ含む、1個以上の分子記述子の値を生成するステップと、
(4)前記分子記述子の値を用いて前記供試化合物の毒性の有無の確率を毒性予測モデルが算出するステップであって、毒性有りの確率と毒性無しの確率を足し合わせると100%であるステップと、及び
(5)算出した前記確率を出力するステップと、
を含む、化合物の毒性を予測する方法。

【請求項2】
ステップ(4)が、以下のステップからなる、請求項1に記載の予測方法。
(4-1)前記分子記述子の値を正規化するステップ、及び
(4-2)正規化済みの値を用いて前記供試化合物の毒性の有無の確率を算出するステップ。

【請求項3】
前記3次元分子構造が、半経験的分子軌道法によって構造が最適化された3次元分子構造、非経験的分子軌道法によって構造が最適化された3次元分子構造、密度汎関数法によって構造が最適化された3次元分子構造、及び分子力学法、半経験的分子軌道法、非経験的分子軌道法又は密度汎関数法によって立体配座探索された3次元分子構造、分子力学法、半経験的分子軌道法、非経験的分子軌道法及び密度汎関数法の任意の組合せによって構造が最適された3次元分子構造、からなる群より選択される1個以上の3次元分子構造である、請求項1又は2に記載の予測方法。

【請求項4】
前記3次元分子構造が、半経験的分子軌道法によって構造が最適化された2個以上の3次元分子構造である、請求項1又は2に記載の予測方法。

【請求項5】
前記1個以上の分子記述子が、1個以上の3次元分子記述子と1個以上の量子化学分子記述子を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の予測方法。

【請求項6】
前記1個以上の分子記述子が、1個以上の3次元分子記述子、1個以上の量子化学分子記述子、1個以上の2次元分子記述子、1個以上の1次元分子記述子、1個以上の0次元分子記述子、を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の予測方法。

【請求項7】
前記毒性予測モデルが、毒性の有無が既知の複数の化合物の正規化済み分子記述子の値を用いた機械学習で構築した毒性予測モデルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の予測方法。

【請求項8】
前記機械学習が、サポートベクターマシン、ベイジアンネットワーク、ニューラルネットワーク、アダブースト、ランダムフォレスト及びアクティブラーニングからなる群より選択される一つ以上の機械学習である、請求項7に記載の予測方法。

【請求項9】
前記供試化合物の化学式を生成するステップを更に含み、
ステップ(5)では、生成した化学式と前記確率を関連づけて出力する、請求項1~8のいずれか一項に記載の予測方法。

【請求項10】
前記供試化合物が2個以上であり、
ステップ(5)では、供試化合物毎に前記確率を出力する、請求項1~9のいずれか一項に記載の予測方法。

【請求項11】
ステップ(5)において、前記確率とともに、前記供試化合物の毒性の有無の判定結果を出力する、請求項1~10のいずれか一項に記載の予測方法。

【請求項12】
ステップ(5)の出力が、表形式での表示である、請求項1~11のいずれか一項に記載の予測方法。

【請求項13】
前記毒性が、細菌を用いた復帰突然変異試験で判定される変異原性である、請求項1~12のいずれか一項に記載の予測方法。

【請求項14】
供試化合物の構造情報を入力するための入力手段と、
使用者が入力した供試化合物の構造情報を受信するための受信手段と、
受信した前記構造情報に基づき、構造が最適化された3次元分子構造を生成するための第1生成手段と、
前記3次元分子構造を用い、3次元分子記述子、4次元分子記述子及び量子化学分子記述子からなる群より選択される分子記述子を少なくとも一つ含む、1個以上の分子記述子の値を算出するための第1算出手段と、
前記分子記述子の値を用いて前記供試化合物の毒性の有無の確率を毒性予測モデルが算出するための算出手段であって、毒性有りの確率と毒性無しの確率を足し合わせると100%である第2算出手段と、及び
算出した前記確率を出力するための出力手段と、
を含む、化合物の毒性を予測するシステム。

【請求項15】
前記入力手段として機能する入力装置と、
前記第1生成手段、前記第1算出手段及び前記第2算出手段として機能する演算装置と、
前記出力手段として機能する出力装置と、
主記憶装置と、及び
システムの制御を行う制御装置と、
を含む、請求項14に記載のシステム。

【請求項16】
プログラムが格納される補助記憶装置を更に備える、請求項15に記載のシステム。

【請求項17】
使用者が入力した供試化合物の構造情報を受信する処理と、
受信した前記構造情報に基づき、構造が最適化された3次元分子構造を生成する処理と、
前記3次元分子構造を用い、3次元分子記述子、4次元分子記述子及び量子化学分子記述子からなる群より選択される分子記述子を少なくとも一つ含む、1個以上の分子記述子の値を算出する処理と、
前記分子記述子の値を用いて前記供試化合物の毒性の有無の確率を毒性予測モデルが算出する処理であって、毒性有りの確率と毒性無しの確率を足し合わせると100%である処理と、及び
算出した前記確率を出力する処理と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【請求項18】
請求項17に記載のプログラムを格納した、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 5L049DD01
画像

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JP2017135877thum.jpg
出願権利状態 公開
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