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(In Japanese)濃縮された生着能をもつ未分化生殖細胞を用いた生殖細胞系列への分化誘導方法

Patent code P170014501
File No. (S2014-0738-N0)
Posted date Aug 16, 2017
Application number P2016-548529
Date of filing Mar 25, 2015
International application number JP2015001690
International publication number WO2016042684
Date of international filing Mar 25, 2015
Date of international publication Mar 24, 2016
Priority data
  • P2014-187702 (Sep 16, 2014) JP
Inventor
  • (In Japanese)林 誠
  • (In Japanese)定家 咲子
  • (In Japanese)吉崎 悟朗
  • (In Japanese)矢澤 良輔
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人東京海洋大学
Title (In Japanese)濃縮された生着能をもつ未分化生殖細胞を用いた生殖細胞系列への分化誘導方法
Abstract (In Japanese)代理親魚養殖方法において、移植した生殖細胞の宿主生殖腺への生着能を
向上させ、移植効率を増大した、実用化に適応した分離生殖細胞の生殖細胞
系列への分化誘導方法を提供することを課題とし、魚類の精巣又は卵巣から
分離された、魚類由来の分離生殖細胞を、孵化前後の宿主魚類の腹腔内への
移植により宿主魚類個体に移植することからなる分離生殖細胞の生殖細胞系
列への分化誘導方法において、予め、宿主生殖腺への生着能を有する未分化
生殖細胞を特異的に認識する抗体を取得し、該抗体を用いて、宿主魚類の腹
腔内への移植に用いる魚類由来の分離生殖細胞から、宿主生殖腺への生着能
を有する精原細胞を分離、濃縮し、該分離生殖細胞を孵化前後の宿主魚類の
腹腔内へ移植することにより、生殖細胞の宿主魚類生殖腺への生着能を向上
させ分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法を提供することにより、
該課題を解決する。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

近年の世界的な規模での健康意識の高まりを背景に、日本食、中でも、良質の脂質とタンパク質を含む魚類の消費は世界的に上昇している。その結果、特に需要の高いクロマグロをはじめとする大型高級魚は、生存数の減少が著しく、種類によっては絶滅が危惧される状況にまで至っている。クロマグロ等の大型高級魚資源を保護する手段の一つとして、人為的な管理の下で生産した人工種苗(稚魚)を天然海域に放流する、いわゆる栽培漁業が有効であるとされている。しかし、大型魚の放流用の人工種苗の生産に必要な卵や精子を入手するのは、技術的及びコスト的に大きな問題があった。すなわち、特定の疾患による全滅の弊害や、それらの人工種苗が成長した後に互いに交配を行った場合の弊害を避けるために、人工種苗の個体は遺伝的な多様性を保持している必要性があることを考慮すると、多数の親魚から卵や精子を採取することが望まれるが、クロマグロのように親魚が数百kgにまで達する魚種や、チョウザメのように卵や精子の成熟に長い年月を要する魚種では、多数の親魚を人為的な管理の下で育成して卵や精子を採取することは技術的及びコスト的に極めて困難であった。

魚類の人工種苗の生産に対応できる技術として、本発明者らは、宿主(レシピエント)魚類とは異系統又は異種の魚類由来の生殖細胞である分離生殖細胞を、孵化前後の宿主魚類の腹腔内への移植によって、宿主魚類個体に移植することにより、生殖細胞を、生殖細胞系列へ分化誘導することができること、即ち、魚類のような脊椎動物由来の分離生殖細胞を、宿主脊椎動物の孵化前後の魚類個体へ移植することにより、該生殖細胞を生殖細胞系列へ分化誘導することが可能であることを見い出し、異系統又は異種の宿主魚類による分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導に成功した(特許第4300287号公報)。この技術は、クロマグロ等の大型魚類の卵や精子を、宿主魚類の代理親魚養殖技術によって調製することを可能とするものであり、大型魚等の人工種苗(稚魚)の生産に適用して、人為的な管理の下での人工種苗(稚魚)の生産を可能とするものである。

上記のような魚類の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法、すなわち代理親魚技術を実施するに際しては、まず、宿主魚類に移植する生殖細胞を調製することが必要となる。該宿主魚類に移植する生殖細胞の調製には、生殖細胞を供給する魚類の精巣又は卵巣をトリプシン等のタンパク質分解酵素処理により解離(分散処理)することによって行われるが、該生殖細胞の調製においては、酵素処理により解離した細胞から、精巣に含まれる体細胞や分化生殖細胞を除去する等の処理を行って、生殖細胞を分離、濃縮することが必要となる。上記特許第4300287号公報の方法では、導入する生殖細胞を緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein:GFP)や、EGFP(Enhanced Green Fluorescent Protein)で可視化し、蛍光を発している生殖細胞と蛍光を発していない他の体細胞とを、セルソーターにより、分離することにより、精製する方法が採られている。しかしながら、該生殖細胞自体、GFP遺伝子導入によって可視化された細胞であるため、該生殖細胞によって分化誘導される種苗(稚魚)は、遺伝子導入種苗となり、食用魚や放流種苗の実用化生産技術としては適さないという問題がある。

また、代理親魚技術を実施するに際して、分離生殖細胞の移植に際しては、上記のように、宿主生殖巣に取り込まれた魚類の分離生殖細胞の生着或いは増殖・成熟を確認することが必要となり、そのための宿主由来の生殖細胞と、移植された魚類の分離生殖細胞とを区別し、検出することが必要となる。従来、そのための方法として、遺伝子マーカーとして、魚類生殖細胞に特異的に発現するVasa遺伝子の発現を検出する方法が開示されている。例えば、特開2008-263967号公報、WO2010/035465には、マグロ、マサバ、ゴマサバ、スマ、及びニベのVasa遺伝子配列を決定し、マグロVasa遺伝子にのみ内在する制限酵素配列を特定し、PCRと制限酵素処理を組み合わせて、マグロ生殖細胞を特異的に検出する方法が開示されている。また、該開示のものでは、クロマグロに特異的な、アミノ酸配列を抗原として用いることにより、クロマグロに由来する始原生殖細胞、精原細胞、卵原細胞又は卵母細胞を特異的に認識するモノクローナル抗体を作製することも開示されている。

一方、WO2009/118778(特許第5408802公報)には、魚類の生殖腺や精巣から始原生殖細胞等の未分化な生殖細胞のみを分離し、移植に用いるために、上記特許第4300287号公報の方法のように、始原生殖細胞特異的に発現するVasa遺伝子の調節領域にGFP遺伝子を連結した組み替え遺伝子を導入し、未分化な生殖細胞のマーカーとして用いる方法に代えて、ニジマスの精原細胞に特異的に発現する細胞表面抗原を同定し、この抗原に対する抗体を作製する方法が開示されている。すなわち、ニジマスの精原細胞等の未成熟な生殖細胞で特異的に発現し、かつ、in situ等でマーカーとして使用し得るクローンを得、該クローンからcDNAを特定し、完全膜貫通型糖タンパク質をコードするCD205遺伝子を取得する方法が開示されている。該方法では、ニジマス由来のCD205遺伝子をニジマス以外の魚類(ゼブラフィッシュ、クロマグロ、ソウダカツオ、マサバ、ブリ、ヒラメ、マダイ、マハタ、ニベ)のCD205遺伝子と比較し、各種の魚類で保存されている領域からペプチド抗原を作製し、該ペプチド抗原に対する抗体を作製し、該抗体を用いて、性分化直後のニジマスの未熟な精巣について免疫染色を行って、未熟な生殖細胞に特異的に結合する抗体を取得する方法が開示されている。

また、生殖細胞に特異的に結合する抗体の取得に関連して、精原細胞、卵原細胞に特異的に発現している抗原タンパク質についても報告されている。すなわち、#4017抗原タンパク質をコードする遺伝子が、精原細胞、卵原細胞に特異的に発現していることが報告されており、該遺伝子の塩基配列を特定したことが報告されている(「平成20年度日本水産学会春季大会講演要旨集」、Vol.2008, p.195, 2008)。該報告では、抗原タンパク質から作製した抗体を用いて、代理親魚技術において、従来法のように、遺伝子導入魚を用いずに生殖細胞を単離することが示唆されている。

上記のように、従来の代理親魚技術においては、宿主魚類に導入する生殖細胞の調製の際に、全精巣細胞の中から生殖細胞のみを分離、濃縮するために、生殖細胞特異的に発現するVasa遺伝子の調節領域にGFP遺伝子を連結した組換遺伝子を導入したVasa-GFP遺伝子導入魚から、フローサイトメーター(FCM)等により、生殖細胞の分離、濃縮を行う方法が採られていたが、該方法は、遺伝子導入魚を用いる方法であるため、代理親魚技術の実用化技術、すなわち、該技術を食用魚や放流種苗に適用するには、望ましくないという問題があり、また、該フローサイトメーター(FCM)を用いた方法は、FCM自体が高額なうえ、その操作が煩雑であることもあって、実用化技術としては採用しにくいという問題があった。

一方、前記GFP遺伝子を利用する方法以外に、CD205遺伝子の各種の魚類で保存されている領域からペプチド抗原を作製して、該ペプチド抗原に対する抗体を作製し、該抗体を用いる方法も開示されており、該抗体を用いて、性分化直後の未熟な精巣について免疫染色を行って、未分化な生殖細胞に特異的に結合する抗体を取得する方法も開示されており、該方法は、遺伝子導入魚を用いる方法とは相違するので、実用化技術として遺伝子導入魚を用いた場合の問題を回避することはできるが、調製された抗体は、宿主生殖巣への生着能を有する精原細胞を特異的、効果的に検出し、分離、濃縮できるものではないため、代理親魚技術の実用化のために用いられる抗体として、十分満足のいくものには至っていない。

他方で、代理親魚技術に関連して、宿主に導入した細胞の生着を促進する方法も開示されている。すなわち、特開2011-200169号公報には、魚類の分離生殖細胞を、宿主魚類個体に移植することからなる分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法において、宿主魚類の腹腔内への移植に用いる魚類由来の分離生殖細胞を、魚類の精巣をトリプシン処理により解離した後、解離した細胞を培養容器中において、生殖細胞が培養容器にゆるく接着するまでの短期間培養し、該培養した生殖細胞を分離・採取することによって調製し、該分離・採取した分離生殖細胞を孵化前後の宿主魚類の腹腔内へ移植することにより、生殖細胞の宿主魚類生殖腺への生着能を向上した分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法が開示されている。該方法は、解離した細胞を培養容器中の短期間培養によって、接着能を調整し、宿主魚類生殖腺への生着能を向上したものであるが、宿主魚類への生殖細胞の導入に際して、宿主生殖巣への生着能を有する生殖細胞を分離、濃縮し、宿主生殖巣への生着を向上するという技術とは、相違する手法を採るものである。

代理親魚技術においては、当初、特許第4300287号公報の技術のように、宿主個体に移植し、これを生殖細胞系列へ分化誘導する際に用いるべき細胞(すなわち、宿主個体に移植後、卵子又は精子に分化し、次世代個体に改変可能な細胞)として、将来生殖細胞に分化することが決定付けられている稚魚期の生殖細胞、すなわち始原生殖細胞であることがつきとめられ、魚類の、孵化前後の胚から分離した始原生殖細胞を用い、宿主の孵化前後の魚類個体への移植を、孵化前後の発生段階にある宿主の腹腔内腸管膜への移植により行われていた。しかし、該方法では、移植に用いる分離生殖細胞の確保に限度があり、代理親魚技術の実用化に向けて、障害となっていた。これに対して、性分化後の精巣或いは卵巣からも、移植における生着の可能な精原細胞や、卵原細胞のような未分化生殖細胞を得ることが可能であることが報告され(“Proceedings of the National Academy of
Sciences of the U. S. A. ”:PNAS, 103(8), 2725-2729, 2006. ;“Development”, 137(8), 1227-1230, 2010.)、代理親魚技術における移植用未分化生殖細胞の多量確保の可能性が示唆された。しかしながら、精巣や、卵巣から分離される生殖細胞には、体細胞や、分化生殖細胞が混在し、該細胞から移植生着能を有する未分化生殖細胞を有効に分離し、濃縮することが、代理親魚技術における実用化に向けての移植効率の確保に重要な課題となっている。

以上のとおり、代理親魚技術を食用魚や放流種苗に適用して、需要を満たす稚魚の生産を実用化するためには、宿主魚類に移植した生殖細胞の宿主魚類生殖腺への生着能を向上し、必要な卵や精子の提供を可能とすることが必用となる。そのための手段として、宿主魚類へ移植する生殖細胞について、宿主生殖巣への生着能を有する精原細胞を効果的に検出し、分離、濃縮することにより、宿主生殖巣への生着を向上することが重要となる。上記のとおり、従来より、生殖細胞表面抗原に対する抗体を作製して、該抗体による生殖細胞の検出、分離、濃縮を行う法が開示されているが、取得された抗体は、生着能を有する精原細胞を効果的に検出し、分離、濃縮できる抗体としては、まだ十分なものではない。したがって、宿主生殖巣への生着能を有する精原細胞を効果的に検出し、分離、濃縮できる抗体を取得し、該抗体を用いて、宿主魚類へ導入した生殖細胞の宿主生殖巣への生着を向上させ、十分な種苗(稚魚)の生産を可能とすることが代理親魚技術の実用化に向けての課題となっている。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、宿主魚類を用い、宿主魚類とは異系統又は異種の魚類の分離生殖細胞を宿主魚類に移植して生殖細胞系列への分化誘導を行う代理親魚養殖方法において、移植した生殖細胞の宿主生殖腺への生着能を向上させるために、従来法のように遺伝子マーカーを付与した遺伝子導入魚による未分化生殖細胞濃縮法を用いることなく、生着能を有する未分化生殖細胞を分離、濃縮し、該分離生殖細胞の移植による生殖細胞系列への分化誘導により、移植効率を増大する実用化に適応した分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法を提供することに関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
魚類の精巣又は卵巣から分離された、魚類由来の分離生殖細胞を、孵化前後の宿主魚類の腹腔内への移植により宿主魚類個体に移植することからなる分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法において、予め、宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞の細胞表面抗原に対する抗体であって、該未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体を取得し、該抗体を用いて、宿主魚類の腹腔内への移植に用いる魚類由来の分離生殖細胞から、宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞を分離、濃縮し、該分離、濃縮した分離生殖細胞を孵化前後の宿主魚類の腹腔内へ移植することにより、生殖細胞の宿主魚類生殖腺への生着能を向上させたことを特徴とする分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項2】
 
宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞が、未分化精巣から分離された未分化精原細胞であるA型精原細胞、成熟を開始した精巣或いは成熟精巣から分離されたA型精原細胞、或いは、卵巣から分離された卵原細胞であることを特徴とする請求項1に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項3】
 
魚類の精巣又は卵巣から分離される、宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞の細胞表面抗原に対する抗体であって、該未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体の取得が、(1)vasa-GFP蛍光を指標に単離した、単離直後の生きた未分化生殖細胞を抗原とし、該抗原を免疫源とする抗体産生ハイブリドーマを作製し、(2)該ハイブリドーマが産生する抗体について、該抗体が生殖細胞を認識する抗体であることを検出するために、生殖細胞特異的にGFPを発現するvasa-GFP遺伝子導入魚を用いて、該抗体のvasa-GFP陽性生殖細胞への標識能を、該GFPを指標に検出し、(3)該生殖細胞を認識する抗体が、未分化生殖細胞を認識するものであることを検出するために、未分化生殖細胞特異的にGFPを発現するvasa-GFP遺伝子導入魚の未分化精巣或いは卵巣を用いて、該未分化生殖細胞への抗体による標識能を検出することにより、行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項4】
 
魚類の精巣又は卵巣から分離される、宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞の細胞表面抗原に対する抗体であって、該未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体が、未分化精巣におけるA型精原細胞、成熟を開始した精巣或いは成熟精巣におけるA型精原細胞、或いは、卵巣における卵原細胞からなる未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体であることを特徴とする請求項3に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項5】
 
請求項3において取得した宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞の細胞表面抗原に対する抗体であって、該未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体において、分化生殖細胞を含む、成熟を開始した精巣或いは成熟精巣において、未分化生殖細胞であるA型精原細胞を特異的に認識する抗体を検出し、取得するために、生殖細胞特異的にGFPを発現するvasa-GFP遺伝子を導入した魚類の精巣生殖細胞を用いて、GFP強陽性の未分化精原細胞が特異的に標識されている抗体を検出、取得することを特徴とする請求項3又は4に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項6】
 
未分化精巣、或いは分化生殖細胞を含む、成熟を開始した精巣或いは成熟精巣において、未分化生殖細胞であるA型精原細胞を特異的に認識する抗体が、抗体産生ハイブリドーマNo.80(NITE AP-01936:BP-01936)又はハイブリドーマNo.95(NITE AP-01937:BP-01937)が産生するモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項5に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項7】
 
請求項3において取得した宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞の細胞表面抗原に対する抗体であって、該未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体において、卵巣において、未分化生殖細胞である卵原細胞を特異的に認識する抗体を検出し、取得するために、生殖細胞特異的にGFPを発現するvasa-GFP遺伝子を導入した魚類の卵巣細胞中に含まれるわずかなGFP陽性の生殖細胞を特異的に標識する抗体を検出、取得することを特徴とする請求項3又は4に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項8】
 
卵巣において、未分化生殖細胞である卵原細胞を特異的に認識する抗体が、抗体産生ハイブリドーマNo.172(NITE AP-01938:BP-01938)又はハイブリドーマNo.189(NITE AP-01939:BP-01939)が産生するモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項7に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項9】
 
vasa-GFP蛍光を指標に単離した、単離直後の生きた生殖細胞を抗原とし、該抗原を免疫源とする抗体産生ハイブリドーマの作製が、単離直後の生きた精原細胞をマウスに免疫し、回収したリンパ節由来の細胞と、ミエローマ細胞とを融合させたハイブリドーマの作製からなることを特徴とする請求項3に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項10】
 
ハイブリドーマが産生する抗体について、該抗体が生殖細胞を認識する抗体であることを検出するために、生殖細胞特異的にGFPを発現するvasa-GFP遺伝子導入魚を用いて、該抗体のvasa-GFP陽性の生殖細胞への標識能を検出する方法が、GFPを指標に、単離した生殖細胞のハイブリドーマが産生する抗体による標識能を化学発色法による検出によって行ものであることを特徴とする請求項3に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項11】
 
ハイブリドーマが産生する抗体について、生殖細胞を認識する抗体が、未分化生殖細胞を認識するものであることを検出するために、生殖細胞特異的にGFPを発現するvasa-GFP遺伝子導入魚の未分化精巣或いは卵巣を用いて、該未分化生殖細胞への抗体による標識能を検出する方法が、GFP陽性の未分化生殖細胞の抗体による標識を、蛍光免疫染色により検出するものであることを特徴とする請求項3に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項12】
 
ハイブリドーマが産生する抗体について、該未分化生殖細胞を認識する抗体が、分化生殖細胞を含む成熟を開始した精巣或いは成熟精巣において、未分化生殖細胞であるA型精原細胞を特異的に認識する抗体を検出する方法が、生殖細胞特異的にGFPを発現するvasa-GFP遺伝子を導入した魚類の精巣生殖細胞を用いて、GFP強陽性の未分化精原細胞が特異的に標識されている抗体による特異的標識能の検出を、蛍光免疫染色及びフローサイトメーターにより行うものであることを特徴とする請求項6に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項13】
 
ハイブリドーマが産生する未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体において、卵巣において、未分化生殖細胞である卵原細胞を特異的に認識する抗体の検出を、生殖細胞特異的にGFPを発現するvasa-GFP遺伝子を導入した魚類の卵巣細胞中に含まれるわずかなGFP陽性の生殖細胞を特異的に標識する抗体を、蛍光免疫染色により検出するものであることを特徴とする請求項7に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項14】
 
魚類の精巣又は卵巣から分離された、魚類由来の分離生殖細胞を、孵化前後の宿主魚類の腹腔内への移植により宿主魚類個体に移植することからなる分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法において、未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体を取得し、該抗体を用いて、宿主魚類の腹腔内への移植に用いる魚類由来の分離生殖細胞から、宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞の分離、濃縮を、未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体を用いた磁気細胞単離法を用いた生着能を有する未分化生殖細胞の分離、濃縮により行うことを特徴とする請求項1に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項15】
 
魚類由来の分離生殖細胞が、宿主魚類とは異系統又は異種の魚類由来の生殖細胞であることを特徴とする請求項1~14のいずれかに記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項16】
 
宿主魚類が、サケ科魚類、ニベ、及びサバ科から選択され、異種の魚類がマグロであることを特徴とする請求項15に記載の分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法。

【請求項17】
 
請求項5に記載の方法により作製され、分化生殖細胞を含む、成熟を開始した精巣或いは成熟精巣において、未分化生殖細胞である未分化A型精原細胞を特異的に認識する抗体である、抗体産生ハイブリドーマNo.80(NITE AP-01936:BP-01936)又はハイブリドーマNo.95(NITE AP-01937:BP-01937)が産生するモノクローナル抗体。

【請求項18】
 
請求項7に記載の方法により作製され、卵巣において、未分化生殖細胞である卵原細胞を特異的に認識する抗体である、抗体産生ハイブリドーマNo.172(NITE AP-01938:BP-01938)又はハイブリドーマNo.189(NITE AP-01939:BP-01939)が産生するモノクローナル抗体。

【請求項19】
 
魚類の精巣又は卵巣から分離された、魚類由来の分離生殖細胞を、孵化前後の宿主魚類の腹腔内への移植により宿主魚類個体に移植することからなる分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法において、用いる分離生殖細胞を、予め、宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞の細胞表面抗原に対する抗体であって、該未分化生殖細胞を特異的に認識する抗体を取得し、該抗体を用いて、宿主魚類の腹腔内への移植に用いる魚類由来の分離生殖細胞から、宿主生殖腺への生着能を有する未分化生殖細胞を分離、濃縮することからなる、生着能を向上させた分離生殖細胞の生殖細胞系列への分化誘導方法に用いる分離生殖細胞の分離、濃縮方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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