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(In Japanese)修飾RNAを含有する分子集合体及びそれを用いたRNA送達システム UPDATE_EN

Patent code P170014534
File No. (S2015-0127-N0)
Posted date Aug 24, 2017
Application number P2016-557827
Patent number P6586103
Date of filing Nov 6, 2015
Date of registration Sep 13, 2019
International application number JP2015081352
International publication number WO2016072500
Date of international filing Nov 6, 2015
Date of international publication May 12, 2016
Priority data
  • P2014-227611 (Nov 8, 2014) JP
Inventor
  • (In Japanese)大槻 高史
  • (In Japanese)松浦 栄次
  • (In Japanese)小渕 浩嗣
  • (In Japanese)赤星 彰也
  • (In Japanese)小関 英一
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人岡山大学
  • (In Japanese)株式会社島津製作所
Title (In Japanese)修飾RNAを含有する分子集合体及びそれを用いたRNA送達システム UPDATE_EN
Abstract (In Japanese)本発明は、生体内投与によって、siRNAやshRNAといった機能性RNAを細胞内に導入すること及び疾患部位へ送達することを可能とする、該機能性RNAを含有する新規な分子集合体を提供することを主な課題とする。
本発明としては、例えば、サルコシン鎖を含む親水性ブロックと乳酸鎖を含む疎水性ブロックとを有する両親媒性ブロックポリマーA、ポリ乳酸鎖又はポリ乳酸・ポリサルコシンコポリマー鎖などの長鎖疎水性基を有する化合物により修飾されているRNA、細胞膜結合性化合物(CPP等)、左記一以上の成分に結合していてもよい光増感剤を必須成分として含むことを特徴とする、分子集合体を挙げることができる。本発明は、腫瘍細胞質内へのRNA送達システム(DDS)として、また癌の予防剤又は治療剤として有用である。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

水溶性薬剤の一種であり、DNAやRNAなどの核酸を骨格に持つ核酸医薬品は、いずれも遺伝子上の特定の塩基配列に結合し作用するため、特異性が高く、これまで治療が困難とされていた癌、遺伝性疾患などへの治療応用が期待されている。
従来の低分子化合物では、特定のターゲットに結合する候補化合物を選定する必要があるため、化合物探索に過大な労力を有し、その上市確率はわずか30000分の1程度である。一方、核酸医薬品は、疾患関連遺伝子そのものを直接ターゲットとし疾患原因タンパク質の発現を抑制可能であるため、低分子化合物と比較し汎用性が高いと考えられている。
核酸医薬品の代表例であるsiRNA(small interfering RNA)は、21~23塩基対からなる低分子二本鎖RNAであり、RNA干渉と呼ばれる、mRNAの発現を抑制する現象であり、2006年にノーベル生理学医学賞受賞のテーマにもなった。
しかしながら、全世界でこれまでに承認に至った核酸医薬品は極めて少ない。その大きな要因は、核酸分子の生体内での不安定性や自然免疫応答の惹起による副作用の誘発と考えられている。すなわち、核酸分子を生体内で効率よく目的組織・細胞に運び、その効果を安全かつ有効に発揮するためには、適切な薬物送達技術、いわゆるDDS(ドラッグデリバリーシステム)が必要となる(非特許文献1、2参照)。

siRNA等の機能性RNAを細胞内に送達するためのDDS技術として、カチオン性リポソームにRNAを内包する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。カチオン性リポソームは、その構成脂質が正に荷電しているため、負に荷電しているRNAと静電的相互作用により容易に複合体を形成することができ、その複合体が細胞膜と融合すると共に、RNAも細胞内に侵入すると考えられる。
また、カチオン性リポソームと同様に、静電的相互作用によりカチオン性ポリマーとRNAとを結合させ、RNAを細胞内に導入するDDS技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、RNAとカチオン性ポリマー等の静電的結合を用いる方法の問題点は、生体内のアニオン性分子(硫酸化多糖など)やカチオン性分子により阻害されること、カチオン性ポリマーそのものが細胞内に付着・侵入する能力を持ち一般的に細胞毒性が高いことが挙げられる。

近年、疎水性のポリ乳酸鎖と親水性のポリサルコシン鎖とからなる両親媒性ブロックポリマーで構成されるナノレベルの高分子ミセルが、優れたDDS効果を発揮しうるものとして提案されている。例えば特許文献3及び非特許文献3には、疎水性ブロックがポリ乳酸鎖、親水性ブロックがポリサルコシン鎖である直鎖型の両親媒性ブロックポリマーが、水溶液中において自己組織化し、粒子径が30nm以上のポリ乳酸-サルコシン系高分子ミセルを形成することが開示されている。

非特許文献4には、上記の疎水性ブロックがポリL-乳酸(PLLA)鎖、親水性ブロックがポリサルコシン鎖である直鎖型の両親媒性ブロックポリマーからなるポリ乳酸-サルコシン系高分子ミセルに、立体化学の異なる3種のインドシアニングリーン(ICG)標識ポリ乳酸(ICG-PLLA、ICG-PDLA、及びICG-PDLLA)をそれぞれ包含させて、3種のポリ乳酸-サルコシン系高分子ミセルを調製したことが開示され、生体内におけるICG標識ポリ乳酸の立体化学が及ぼす挙動が開示されている。非特許文献4で使用されている高分子ミセルの粒子径は35nm以上である。

特許文献3並びに非特許文献3及び4に開示された直鎖型両親媒性ブロックポリマーを用いるポリ乳酸-サルコシン系高分子ミセルは、高い血中滞留性を有するほか、それまでに既に開発されていた高分子ミセルと比べて肝臓への集積量が著しく減少することが報告されている。また、これらのポリ乳酸-サルコシン系高分子ミセルは、血中に滞留している、粒子径が数十~数百nmのナノ粒子が著しく血管透過性の亢進している腫瘍(癌)組織や炎症部位に蓄積しやすいという性質(Enhanced Permeation and Retention effect(EPR効果))を利用することによって、腫瘍又は炎症部位を標的とした分子イメージング又は薬剤搬送用のナノキャリアとして適用可能なものである。

特許文献4には、両親媒性ブロックポリマーを、親水性ブロックが複数本のサルコシン鎖から構成される分岐構造を有するよう分子設計することによって、該ポリマーの自己組織化で形成される分子集合体が開示されている。また特許文献4にはポリ乳酸鎖を有する機能性物質を配合することによる分子集合体の機能化、及び該分子集合体に直鎖型両親媒性ポリマーを配合することによる粒子径制御技術が開示されている。
特許文献5には、サルコシン鎖を含む分岐した親水性ブロックと、ポリ乳酸鎖を有する疎水性ブロックとを有する分岐型両親媒性ブロックポリマーA、及び機能性部位とポリ乳酸鎖とを有する機能性物質Fを含む分子集合体が開示されている。特許文献3の分子集合体では、前記両親媒性ブロックポリマーAの疎水性ブロックを構成するポリ乳酸鎖がL-乳酸単位から構成され、前記機能性物質Fに含まれるポリ乳酸鎖がD-乳酸単位から構成されているか、又は、前記両親媒性ブロックポリマーAの疎水性ブロックを構成するポリ乳酸鎖がD-乳酸単位から構成され、前記機能性物質Fに含まれるポリ乳酸鎖がL-乳酸単位から構成されている。
上記特許文献3~5等は、RNAの細胞内送達について特に述べていない。即ち、特許文献3~5等に記載の分子集合体が、RNAの細胞内送達に有効か否かについては不明である。

一方、機能性RNAを細胞内へ導入する技術として、細胞膜透過性ペプチド(CPP)およびRNA結合性蛋白質(RBP)を含むキャリア蛋白質と、該キャリア蛋白質のN末端側またはC末端側に連結した、近赤外線領域の波長を有する光で機能する光増感剤(PST)とからなる構造を有するキャリア分子が提案されている(特許文献6参照)。このキャリア分子のRBPにRNAを結合した複合体を細胞に接触させ、近赤外光を照射すると、該RNA複合体は細胞質内に拡散され、RNAの機能が発現される。この技術は、RNAを細胞質内に侵入させ、機能を発現させるが、該RNA複合体を生体内に投与しても、体内にある分解酵素(RNase)により直ちに分解されてしまうおそれがある。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、ライフサイエンス、バイオテクノロジー、及び臨床医療の技術分野に属する。本発明は、高分子修飾RNAを含有する分子集合体、それを含む治療剤、及びそれを用いたRNA送達システム等に関するものである。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
次の1~4に記載の成分を必須として含むことを特徴とする、分子集合体。
1)サルコシン鎖を含む親水性ブロックと乳酸鎖を含む疎水性ブロックとを有する両親媒性ブロックポリマーA
2)長鎖疎水性基を有する化合物により修飾されているRNA
3)細胞膜結合性化合物
4)上記1~3の一以上の成分に結合していてもよい光増感剤。

【請求項2】
 
上記成分3及び4が、光増感剤を結合した細胞膜結合性化合物であって、
当該細胞膜結合性化合物により所定の細胞の細胞壁に吸着してエンドソーム内に取り込まれ、当該光増感剤に光が照射されることで崩壊して当該RNAが当該細胞内に拡散される一方で、当該光が照射されるまでの間、体内酵素による影響が抑えられるものである、請求項1に記載の分子集合体。

【請求項3】
 
両親媒性ブロックポリマーAが、20~300個のサルコシン単位を含む親水性ブロックと、10~100個の乳酸単位を含む疎水性ブロックとを有するものである、請求項1又は2に記載の分子集合体。

【請求項4】
 
長鎖疎水性基を有する化合物が、ポリ乳酸、ポリ乳酸・ポリサルコシンコポリマー、又はジメトキシトリチルオキシ-ヘキシルジチオヘキサンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の分子集合体。

【請求項5】
 
ポリ乳酸又はポリ乳酸・ポリサルコシンコポリマーのポリ乳酸が、10~60個の乳酸単位からなり、ポリサルコシンが、0~100個のサルコシン単位からなるものである、請求項4に記載の分子集合体。

【請求項6】
 
RNAが、遺伝子発現抑制効果を有するものである、請求項1~5のいずれか一項に記載の分子集合体。

【請求項7】
 
遺伝子発現抑制効果を有するRNAが、siRNA、shRNA、miRNA、アンチセンスRNA、アプタマーRNA、又はリボザイムである、請求項6に記載の分子集合体。

【請求項8】
 
siRNAが、ATP-binding cassette transporter G2(ABCG2)遺伝子をノックダウンし、その発現を抑制するsiRNA、若しくはフェロケラターゼ遺伝子をノックダウンし、その活性を阻害するsiRNAであるか、又はその両者併用物である、請求項7に記載の分子集合体。

【請求項9】
 
ABCG2遺伝子をノックダウンし、その発現を抑制するsiRNAが、次のセンス鎖及びアンチセンス鎖からなる二本鎖核酸である、請求項8に記載の分子集合体。
センス鎖(配列番号10):
5’-CGAUAUGGAUUUACGGCUUdTdT-3’
アンチセンス鎖(配列番号11):
5’-AAGCCGUAAAUCCAUAUCGdTdG-3’

【請求項10】
 
フェロケラターゼ遺伝子をノックダウンし、その活性を阻害するsiRNAが、次のセンス鎖及びアンチセンス鎖からなる二本鎖核酸である、請求項8に記載の分子集合体。
センス鎖(配列番号12):
5’-GCAUUUACCAGUGACCAUAdTdT-3’
アンチセンス鎖(配列番号13):
5’-UAUGGUCACUGGUAAAUGCdTdA-3’

【請求項11】
 
細胞膜結合性化合物が、細胞膜透過性ペプチドである、請求項1~10のいずれか一項に記載の分子集合体。

【請求項12】
 
細胞膜透過性ペプチドが、
配列番号1:GALFLGFLGAAGSTMGAWSQPKKKRKV
配列番号2:YGRKKRRQRRRG
配列番号3:RRRRNRTRRNRRRVR
配列番号4:YGRRARRRRRRR
配列番号5:KETWWETWWTE
配列番号14:RKKRRRESRKKRRRESC
配列番号15:YARAAARQARAC
配列番号16:KETWWETWWTEWSQPKKKRKVC、又は
配列番号17:LIRLWSHLIHIWFQNRRLKWKKKC
である、請求項11に記載の分子集合体。

【請求項13】
 
光増感剤が、450nm~1300nmの波長を有する光で機能するものである、請求項1~12のいずれか一項に記載の分子集合体。

【請求項14】
 
450nm~1300nmの波長を有する光で機能する光増感剤が、フルオレセイン系色素、インドシアニン色素等のシアニン系色素、ローダミン系色素、ポルフィリン系色素、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)750、DY750、DY751、DY780、エオシン、ローズベンガル、IRDye(登録商標)800CW、又はカルボキシフルオレセイン(FAM)である、請求項13に記載の分子集合体。

【請求項15】
 
粒子径が10~100nmである、請求項1~14のいずれか一項に記載の分子集合体。

【請求項16】
 
請求項1~15のいずれか一項に記載の分子集合体を用いることを特徴とする、腫瘍細胞質内へのRNA送達システム。

【請求項17】
 
請求項1~15のいずれか一項に記載の分子集合体を含むことを特徴とする、癌の予防剤又は治療剤。

【請求項18】
 
請求項17に記載の予防剤又は治療剤、及びそれに含まれる分子集合体中の光増感剤を励起させるための励起光を照射する手段を備えた装置を含む、癌の予防又は治療システム。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2016557827thum.jpg
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技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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