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フェロセン化ナフタレンジイミド誘導体、テロメラーゼ活性検出キット、およびテロメラーゼ活性検出方法 UPDATE コモンズ 新技術説明会 外国出願あり

国内特許コード P170014652
整理番号 KIT16059
掲載日 2017年10月25日
出願番号 特願2017-108329
公開番号 特開2018-203652
出願日 平成29年5月31日(2017.5.31)
公開日 平成30年12月27日(2018.12.27)
発明者
  • 今若 直人
  • 松林 和彦
  • 小田 由貴子
  • 坂本 留美
  • 竹中 繁織
  • 佐藤 しのぶ
  • 田中 孝一
  • 宇野 卓矢
  • 信國 浩文
出願人
  • 島根県
  • 国立大学法人九州工業大学
  • 神戸天然物化学株式会社
発明の名称 フェロセン化ナフタレンジイミド誘導体、テロメラーゼ活性検出キット、およびテロメラーゼ活性検出方法 UPDATE コモンズ 新技術説明会 外国出願あり
発明の概要 【課題】テロメラーゼ活性測定化合物の提供。
【解決手段】式I(R1はC1~6アルキレン基;R2、R3及びR4はC1~3アルキル基;m及びnは0又は1で、少なくとも一方は1)ナフタレンジイミド誘導体。



【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


現在、癌の早期発見法の1つとして、癌マーカーを用いた診断が行われている。癌マーカーは、癌細胞が産生する物質または癌の存在に応じて非癌細胞が産生する物質である。癌マーカーの測定は、癌の存在を示唆し、臨床診断補助および/または転移・再発の早期発見に有用である。



近年、テロメラーゼが癌マーカーとして注目されている。テロメラーゼは、染色体の末端に存在するテロメア配列(ヒトの場合、6塩基からなる5’-TTAGGG-3’配列が数百回繰り返されている)を認識し伸長する酵素であり、鋳型RNAと触媒サブユニットタンパク質から構成されている。テロメア配列は、正常細胞であれば細胞分裂の度に短くなることが知られている。しかし、癌に冒された場合、テロメラーゼが活性を有し、テロメア配列は逆に伸長されることが知られている。したがって、患者のテロメラーゼ活性を調べることは、癌の早期発見に極めて有用である。



テロメラーゼ活性の検出方法としては、現在、テロメア反復増幅プロトコル(TRAP)法が広く用いられている(たとえば、非特許文献1参照)。TRAP法は大きく3つの工程からなる。最初の工程では、細胞から抽出したテロメラーゼによる伸長反応を行う。すなわち、テロメラーゼは、基質であるオリゴヌクレオチド(TS)の3’末端に相当数のテロメア配列(TTAGGG)を付加してTTAGGG鎖の伸長反応を行う。次の工程では、2種類のプライマー(TSプライマーとRPプライマー)を用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、伸長生成物を増幅する。最後の工程では、増幅産物を電気泳動し、6塩基ずつ増加する生成物のラダーを生成させ、そのラダーを32Pを用いた放射性検出法や蛍光色素を用いた蛍光検出法により検出する。これにより、高感度のテロメラーゼ活性の検出が可能となっている。



しかしながら、TRAP法は、伸長反応、PCR、電気泳動という多数の工程を必要とし、一連の操作に長時間を要するという問題がある。また、伸長生成物として、PCRによって伸長されたヌクレオチド鎖、および/またはプライマーダイマーが生成することにより、偽陽性が生じる可能性があるという問題もある。



一方、伸長されたテロメア配列は、特定の条件下では四重鎖構造(四本鎖Gカルテット構造)を示すことが知られている。四重鎖構造が形成されると、テロメラーゼがテロメア配列を認識できないため、伸長反応は起こらない。すなわち、四重鎖構造の形成を促進する化合物、および四重鎖構造を安定化する化合物は、テロメラーゼ阻害剤としての効果を有することになる。したがって、テロメラーゼ阻害剤の存在下では、腫瘍細胞由来の試料のテロメラーゼ活性を測定できない。そのため、四重鎖構造の有無に影響を受けないテロメラーゼ活性の検出方法が必要とされている。



また、テロメラーゼ阻害剤がPCRを阻害するような場合、TRAP法によるテロメラーゼ阻害剤のスクリーニングが困難となる。具体的に問題となる例は、PCRの有無を確認するインターナルコントロール配列が検出されるものの、テロメア配列に由来するラダーが検出されない場合である。この結果が、(a)テロメラーゼによるテロメアの伸長がされていないことに起因するのか、あるいは(b)テロメラーゼによるテロメアの伸長は行われたが、テロメラーゼ阻害剤によるPCRの阻害に起因するのかの判断が困難である。そのため、PCRを用いないテロメラーゼ活性の検出方法も必要とされている。



より簡便かつ迅速にテロメラーゼ活性を検出する方法として、電気化学的テロメラーゼ分析(ECTA)法が報告されている(たとえば、特許文献1および非特許文献2参照)。ECTA法は、電極上にテロメアDNAを固定化する工程(図1(a))と、電極上で伸長反応させることで伸長産物を調製する工程(図1(b))と、電解質処理によって伸長産物中に四重鎖構造を形成する工程(図1(c))と、電解質溶液中で電気化学活性プローブを四重鎖構造と反応させる工程(図1(d))と、電気化学活性プローブからの酸化還元電流を測定する工程(図1(e))とを含む。ここで、電気化学活性プローブとして、フェロセン化ナフタレンジイミド誘導体を用いることが提案されている。

産業上の利用分野


本発明は、フェロセン化ナフタレンジイミド誘導体、テロメラーゼ活性検出キット、およびテロメラーゼ活性検出方法に関する。より詳細には、本発明は、癌の早期発見に有用な電気化学活性プローブとして用いることができるフェロセン化ナフタレンジイミド誘導体、当該フェロセン化ナフタレンジイミド誘導体を含むテロメラーゼ活性検出キット、および当該フェロセン化ナフタレンジイミド誘導体を用いるテロメラーゼ活性の検出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(I)
【化1】


(式中、
1は炭素数1~6のアルキレン基を示し、
2、R3およびR4は、それぞれ独立的に、1~3炭素原子を有するアルキル基を示し、
mおよびnは、それぞれ独立的に、0または1であり、
mおよびnの少なくとも一方は1であり、および
2またはR3と結合しているNは、カチオン化されてもよい)
を有することを特徴とするフェロセン化ナフタレンジイミド誘導体。

【請求項2】
請求項1に記載のフェロセン化ナフタレンジイミド誘導体を含むことを特徴とする、核酸塩基配列を電気化学的に検出するための電気化学活性検出用組成物。

【請求項3】
前記核酸塩基配列が四重鎖構造を構成していることを特徴とする、請求項2に記載の電気化学活性検出用組成物。

【請求項4】
請求項1に記載のフェロセン化ナフタレンジイミド誘導体と、TTAGGGからなる塩基配列を3’末端に含むテロメラーゼ伸長用プライマーが固定された電極とを含むことを特徴とする、テロメラーゼ活性検出キット。

【請求項5】
(1) 電極上に、TTAGGGからなる塩基配列を3’末端に含むプライマーを固定する工程と、
(2) 前記プライマーに、テロメラーゼ活性を検出しようとする試料を作用させ、前記プライマーの伸長産物を形成する工程と、
(3) 前記伸長産物を形成した電極を、請求項1に記載のフェロセン化ナフタレンジイミド誘導体を含む電解質溶液に接触させ、前記伸長産物中に四重鎖構造を形成し、得られた四重鎖構造と前記フェロセン化ナフタレンジイミド誘導体との反応により電気化学活性プローブを形成する工程と、
(4) 前記電気化学活性プローブの酸化還元電流を測定する工程と
を含むことを特徴とする電気化学的テロメラーゼ活性検出方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
参考情報 (研究プロジェクト等) 九州工業大学 竹中研究室
詳細は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


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