TOP > 国内特許検索 > 画像強調処理の方法及び画像強調処理システム

画像強調処理の方法及び画像強調処理システム UPDATE

国内特許コード P170014654
整理番号 H27-046
掲載日 2017年10月30日
出願番号 特願2016-189190
公開番号 特開2018-055319
出願日 平成28年9月28日(2016.9.28)
公開日 平成30年4月5日(2018.4.5)
発明者
  • 三池 秀敏
  • 長 篤志
  • 鈴木 将
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 画像強調処理の方法及び画像強調処理システム UPDATE
発明の概要 【課題】人の視覚作用としての移動する物を鮮鋭化するモーションシャープニング現象を再現し、動画像のうちに移動しない対象についてマッハバンド現象を生成可能にする形で動画像の画像強調処理を提供する。
【解決手段】画像を構成する複数の画素に対応する非線形反応素子が二次元的に配置され、各々の非線形反応素子を特徴づける活性因子濃度及び抑制因子濃度が相互に関連して時間発展するように関連づけられた反応拡散モデルによる非線形反応素子アレイ3を用いる。非線形反応素子アレイに対して画像強調処理に適切なパラメータを設定し、各々の非線形反応素子に対応する入力画像の画素の画素値を反応拡散モデルを表す式における外部入力として入力し、反応拡散モデルを表す式による時間発展により変化した活性因子濃度の値から各々の非線形反応素子に対応する画素の画素値を表す出力値を求め、この出力値を各々の画素の画素値とする出力画像を生成する。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要


撮影により取得された被写体の画像を再生表示装置で見た場合に、直接被写体を見るのと異なる印象を受けることが多い。これは画像の取得-再生表示系の特性と、一般的に人が視認する感性とが必ずしも同等にはなっていないことによるのであるが、再生表示装置で見られる画像が直接被写体を見た時と同じような印象を与えるために、取得された画像に対し、人の感性に応じた効果を与えるように画像処理を行った上で再生表示することになる。



一般的には動画を再生表示するテレビジョンについて見れば、放送されている同じ画像データを異なる再生表示装置で見た場合に、再生表示装置ごとに「画質」、「明瞭さ」、「見映え」等に関して異なった印象を受けるのが一般的である。これは再生表示装置のハード的構成によるとともに、取得された画像を再生表示する段階での画像データの処理、調節にも関係し、画質、明瞭さ、見映え等による印象度を高めるためには、取得された画像に対し画像鮮鋭化、画像強調の処理を行うことになる。



また、診断、治療で使用される内視鏡で患部を観察する場合、再生表示装置で表示される患部の画像において病変部位が明瞭に識別できるのが望ましいことであり、そのためには、撮像部で得られた画像に対し画像の鮮鋭化、境界部の強調のような画像処理を行うのがよい。



従来用いられている鮮鋭化画像処理の手法として、アンシャープマスキング(USM)によるものがある。これは銀塩フィルムの時代から行われている鮮鋭化画像処理の手法であるが、原画像に対しぼかしを加えたネガポジ反転画像をアンシャープ・マスクとし、これを原画像に重ねて合成することで、画像における高空間周波数成分が強調され、物体の境界がより鮮明になり、この手法は静止画像に対する鮮鋭化処理に用いられる。



動画像の鮮鋭化に関して種々の画像処理技術が提案されており、特許文献1には、動画像の画像処理のための処理速度を得つつ、画像処理された動画像の画質を安定化させる手法として、動画像のフレーム画像から被写体の動きの位相を解析し、解析された位相に対応する画像処理パラメータに応じて鮮鋭化処理、ノイズ抑制等の画像処理をフレーム画像に対して実行することが記載されている。



特許文献2には、動画の複数画像の各画素に対して時間軸方向の平均を算出し、複数画像中で処理対象とする画像の平均値からの偏差を増幅し時間軸方向の平均に加算して強調画像を得ることが記載されており、また、特許文献3には、内視鏡画像の入力画像における散布された色素液に対応する特定の色成分の画像を抽出しこれを強調する色フィルタ処理を施して特定色強調画像を生成し、入力画像に特定色強調画像を合成して内視鏡画像における解像感、コントラストを向上させることについて記載されている。



鮮鋭化処理、画像強調処理を行った画像を人が観察する場合、視覚特性に則って画像を強調することが自然な見えを得るために重要であり、人の視覚特性に関し、次のことが注目され、検討されている。



(a)マッハバンド現象
濃淡のグラデーション図形を目にした時、濃淡の境界付近で実際には存在しない明るさの帯が見えるというように濃淡値を実際よりも強調する視覚作用である。図5に示すような濃淡画像についてこれを説明すると、上側の濃淡の画像の濃度値は、その下側のような単純な折れ線状に変化しているが、この画像を見た人の視覚上では、一番下の折れ線グラフのように、濃淡の境において帯状に濃度値が変化する部分が感じられるというものであり、それにより人が物体の輪郭をとらえ易くする効果があるという視覚作用が生じることになる。この視覚作用は神経細胞群が互いに抑制し合う視覚の側抑制によって引き起こされると考えられている。



(b)モーションシャープニング現象
移動している物体を観察した時、静止した状態を見た時よりも物体の輪郭が鮮鋭に観察されるという現象で、視覚のインパルス応答により説明されると考えられる。
このうち動画に関して人の視覚特性に近似した画像の鮮鋭化を行う上では、(b)モーションシャープニング現象を特に考慮することが重要になる。



また、本発明者らは、画像を構成する画素の活性因子濃度及び抑制因子濃度の時間発展を示す反応拡散モデルによって視覚のインパルス応答を再現できることを示しており、このモデルを拡張することによって、人間の視覚特性に近いモーションシャープニング現象を画像処理によって実現できる可能性を示している(非特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は、画像強調処理の方法及び画像強調処理システムに関し、より詳細には、人の視覚特性に関する近似精度が高く、印象がよい画像となるようにした画像強調処理の方法及び画像強調処理システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
動画像を構成する複数のフレームのうちの特定のフレームまたは連続する複数のフレームの画像に対して画像強調処理を行う方法であって、
画像を構成する複数の画素に対応して非線形反応素子が二次元的に配置された非線形反応素子アレイであって、該非線形反応素子アレイの各々の非線形反応素子を特徴づける活性因子濃度及び抑制因子濃度が相互に関連して時間発展するように関連づけられた反応拡散モデルによる非線形反応素子アレイを用意することと、
前記非線形反応素子アレイの各々の非線形反応素子に対して画像強調処理に適切なパラメータを設定することと、
前記活性因子濃度及び抑制因子濃度を関連づける反応拡散モデルを表す式における外部入力として、前記非線形反応素子アレイの各々の非線形反応素子に対応する入力画像の画素の画素値に対応する値を入力することと、
前記各々の非線形反応素子に対して外部入力が入力された上で前記反応拡散モデルを表す式による時間発展により変化した活性因子濃度の値から各々の非線形反応素子に対応する画素の画素値を表す出力値を求めることと、
前記求められた出力値を各々の画素の画素値とする出力画像を生成することと、
からなることを特徴とする画像強調処理を行う方法。

【請求項2】
請求項2に記載の画像強調処理を行う方法であって、
前記反応拡散モデルを表す式がそれぞれ各非線形反応素子(i,j)に関する活性因子濃度uij及び抑制因子濃度vijの時間発展を表す2つの式
【数1】


で表され、ここでC,a,bは定数パラメータ、D,Dは拡散係数であり、
Iは各非線形反応素子に関する入力I(i,j,t)として
【数2】


で表され、
該外部入力I(i,j,t)に応じた出力fout(i,j,t)が
【数3】


で表されるものであることを特徴とする画像強調処理を行う方法。

【請求項3】
動画像を構成する複数のフレームの画像をうちの特定のフレームまたは連続する複数のフレームの画像のデータを記憶する記憶手段と、
前記特定のフレームまたは連続する複数フレームの各フレームの画像について画像を構成する各画素の画素値を入力する手段と、
前記入力された各画素の画素値に対し非線形フィルタリング処理の演算を行う非線形フィルタリング処理演算手段と、
前記非線形フィルタリング処理演算手段により算出された各画素の画素値を、出力画像を構成する各画素の画素値として出力する出力手段と、
前記求められた出力値を各々の画素の画素値とする出力画像を生成する出力画像生成部と、
を備えた画像強調処理システムであって、前記非線形フィルタリング処理演算手段は、画像を構成する複数の画素に対応して非線形反応素子が二次元的に配置された非線形反応素子アレイであって、該非線形反応素子アレイの各々の非線形反応素子を特徴づける活性因子濃度及び抑制因子濃度が相互に関連して時間発展するように関連づけられ、各々の非線形反応素子に対して画像強調処理に適切なパラメータを設定可能な反応拡散モデルによる非線形反応素子アレイを有し、反応拡散モデルを表す式における外部入力として入力された前記非線形反応素子アレイの各々の非線形反応素子に対応する画素の画素値に対し前記反応拡散モデルを表す式による時間発展により変化した活性因子濃度の値から各々の非線形反応素子に対応する画素の画素値を表す出力値を求める演算を行うものであることを特徴とする画像強調処理システム。

【請求項4】
請求項3に記載の画像強調処理システムであって、
前記反応拡散モデルを表す式がそれぞれ各非線形反応素子(i,j)に関する活性因子濃度uij及び抑制因子濃度vijの時間発展を表す2つの式
【数1】


で表され、ここでC,a,bは定数パラメータ、Du,Dvは拡散係数であり、
Iは各非線形反応素子に関する入力I(i,j,t)として
【数2】


で表され、
該外部入力I(i,j,t)に応じた出力fout(i,j,t)が
【数3】


で表されるものであることを特徴とする画像強調処理システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2016189190thum.jpg
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close