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細胞機能体及びその製造方法 UPDATE コモンズ

国内特許コード P170014749
整理番号 N17010
掲載日 2017年12月25日
出願番号 特願2017-117591
公開番号 特開2019-001902
出願日 平成29年6月15日(2017.6.15)
公開日 平成31年1月10日(2019.1.10)
発明者
  • 鈴木 大介
  • 乾 滉平
  • 松井 秀介
  • 湊 遥香
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 細胞機能体及びその製造方法 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】 生体細胞と同様な同期現象を発現する機能を備え、生体細胞の機能等の解析に利用することができる細胞機能体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る細胞機能体は、液滴の表面を膜状に包囲する配置に、BZ(Belousov-Zhabotinsky)反応の機能を備える多数個のゲル微粒子が配列されてなることを特徴とする。前記ゲル微粒子としては、酸化還元反応にともなって体積変化する振動ゲル微粒子を使用することができる。振動ゲル微粒子は、ゲルを構成するポリマーにBZ機能を奏する金属錯体を導入して得られる。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


生体では心臓の拍動やバイオリズムといった周期的な現象がみられる。これらの周期的な現象には、生体を構成する細胞集団の振動現象が関わっていると考えられている。細胞集団における「周期」と「同期」の秩序形成は、細胞間コミュニケーションに由来する。細胞には、クオラムセンシングと呼ばれる情報伝達機構がある。クオラムセンシングとは、細胞が集団行動を起こす際に必要な細胞密度を感知し、ある特定の遺伝子発現を調節する現象のことである(非特許文献1)。細胞は周囲の細胞密度を感知するためにオートインデューサーというシグナル伝達物質を細胞体外に放出しており、このオートインデューサーを感知して細胞数がある一定値を超えたことを認識すると、一斉に集団行動を開始する。生物のこのような機能は自然発生的に生まれ、化学反応の幾重にも及ぶ絡み合いから複雑に構築されている。



生物分野の研究では、細胞のような複雑系において、予測の裏付けを法則に則して理解することには限界がある。このため、細胞の機能を単純化したモデルを用いて細胞に関わる現象を解析する方法が考えられる。これまで、細胞に関わる現象に共通する普遍性を抽出するために、数学的観点から、シミュレーションによる論理的予測が行われている(非特許文献2)。しかしながら、物理化学的観点からの研究はあまり発展しておらず、その予測に則った細胞同期現象の人工物による再現は未だ達成されていない。



なお、細胞の自律的な動作に類似した作用をなす粒子として、Belousov-Zhabotinsky(BZ)反応(非特許文献3)の周期的な酸化還元変化に同期して体積を変化させる振動ゲル微粒子が報告されている(非特許文献4、5)。この振動ゲル微粒子はpoly(N-isopropyl acrylamide) (pNIPAm)ゲル微粒子内にBZ反応の金属触媒であるルテニウムトリスビピリジン錯体(Ru(bpy)3)を共有結合したものである。ルテニウム錯体のかわりに鉄-ビピリジン錯体(Fe(bpy)3 )をBZ反応触媒として使用する自励振動ゲルについての報告もある(特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は細胞と同様な機能を備える細胞機能体及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
液滴の表面を膜状に包囲する配置に、BZ(Belousov-Zhabotinsky)反応の機能を備える多数個のゲル微粒子が配列されてなることを特徴とする細胞機能体。

【請求項2】
前記ゲル微粒子が、酸化還元反応にともなって体積変化する振動ゲル微粒子であることを特徴とする請求項1記載の細胞機能体。

【請求項3】
前記振動ゲル微粒子が、ゲルを構成するポリマーにBZ機能を奏する金属錯体が導入されたものであることを特徴とする請求項2記載の細胞機能体。

【請求項4】
前記金属錯体が、ルテニウム錯体、セリウム錯体、マンガン錯体、鉄-フェナントロリン錯体のいずれか一つであることを特徴とする請求項3記載の細胞機能体。

【請求項5】
前記振動ゲル微粒子が、化学架橋されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項記載の細胞機能体。

【請求項6】
前記液滴が、BZ反応基質を内包することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項記載の細胞機能体。

【請求項7】
前記BZ反応基質として、硝酸(HNO3)及び臭素酸ナトリウム(NaBrO3)を含むことを特徴とする請求項6記載の細胞機能体。

【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項記載の細胞機能体が油中に分散してなる細胞機能体のエマルション。

【請求項9】
液滴の表面を膜状に包囲する配置に、BZ反応の機能を備える多数個のゲル微粒子が配列されてなる細胞機能体の製造方法であって、
前記ゲル微粒子としてBZ反応の機能を備える振動ゲル微粒子を作製する工程と、
前記ゲル微粒子の分散液と油とを攪拌する工程と、
を備えることを特徴とする細胞機能体の製造方法。

【請求項10】
前記振動ゲル微粒子を作製する工程において、
ゲルを構成するポリマーとBZ反応の機能を奏する金属錯体とを用いて水系沈殿重合法により振動ゲル微粒子を作製することを特徴とする請求項9記載の細胞機能体の製造方法。

【請求項11】
前記振動ゲル微粒子を作製する工程において、
前記振動ゲル微粒子間を化学架橋する架橋剤を導入することを特徴とする請求項9または10記載の細胞機能体の製造方法。

【請求項12】
前記振動ゲル微粒子を作製する工程において、
ゲル微粒子にBZ反応基質を導入することを特徴とする請求項9~11のいずれか一項記載の細胞機能体の製造方法。


国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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