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SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉及びその製造方法 UPDATE コモンズ

国内特許コード P170014755
整理番号 N16097
掲載日 2017年12月25日
出願番号 特願2017-151599
公開番号 特開2019-033114
出願日 平成29年8月4日(2017.8.4)
公開日 平成31年2月28日(2019.2.28)
発明者
  • 佐藤 敏郎
  • 曽根原 誠
  • 杉村 佳奈子
  • 藪 直希
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉及びその製造方法 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】従来よりも膜厚が安定しており絶縁性が高く安価な絶縁皮膜を有する金属磁性粉末を提供する。
【解決手段】Si含有Fe基合金粉を準備すること、前記Si含有Fe基合金粉をリン酸水溶液に浸漬し、前記リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe-O-Si-P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ること、及び前記Fe-O-Si-P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を塩酸水溶液に浸漬し、前記塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ること、を含む、SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の製造方法。
【選択図】図8
従来技術、競合技術の概要

従来、パワー半導体としてSi半導体が主に用いられているが、これに代えて、オン抵抗が低くスイッチング速度が速く且つ高温で動作可能なSiCまたはGaNパワー半導体の利用が検討されている。SiCまたはGaNパワー半導体を用いることで、ACアダプタ、VRM(電圧レギュレータモジュール)、サーバー電源等のDC-DCコンバータのスイッチング周波数を数MHz~数十MHzに高周波化することができる。DC-DCコンバータのスイッチング周波数の高周波化とともに、高周波数領域に対応可能なトランスやインダクタ等の受動部品の開発が進められているが、高周波数領域で低損失な磁性材料の開発は遅れているのが現状である。

トランスやインダクタ等の磁気部品には軟磁性材料が用いられているが、図48に示すように、1MHzを超えるような高周波数領域で十分に対応可能な磁性材料がない。例えば、水アトマイズ法やガスアトマイズ法で作製される軟磁性金属粉末を用いたダストコアはハイブリッド自動車や電気自動車のパワートレーン系のDC-DCコンバータに用いられているが、数100kHz以下の周波数領域で用いられており、1MHz以上の高周波数領域には対応しない。Mn-Zn系フェライトは絶縁型DC-DCコンバータのメイントランスに用いられ、微結晶化や焼結条件の改良により2MHz程度まで利用できるように改良が進んでいるが、これ以上の周波数では残留損失の急増により使用は困難になる。また、Ni-Zn系フェライトは、1MHz以上の周波数領域に対応し通信用に多くの実績があるものの、大振幅励磁される高周波電力変換用としての性能は必ずしも十分ではない。そのため、現状では、Siパワー半導体を用いた数十kHz~数百kHzスイッチングのDC-DCコンバータが大半を占めており、SiCやGaNパワー半導体デバイスの特徴を活かした小型軽量で高効率の高周波スイッチングDC-DCコンバータを実現し、普及させるためには高周波低損失の軟磁性材料とそれを用いたインダクタやトランスの開発が急務となっている。

一方、金属軟磁性粉末をバインダとともに高圧プレス成型して作製されるダストコア技術をベースに10μm以下の微細な金属磁性粉末を用いて樹脂と複合化したコンポジット磁性材料の開発が進められており、超微細な金属磁性粉末を採用することで1MHz以上の周波数でも損失の少ない軟磁性材料を実現できる。この際、金属磁性粉末内部にうず電流を閉じ込めて微細粉末の効果を発揮させるには、粉末表面の絶縁皮膜処理が必要になる。

絶縁皮膜によってうず電流を金属磁性粉末に閉じ込めた場合のコンポジット磁性材料のうず電流損は、下記の式(1):
e=K(πdBmf)2/20ρ(W/m3) (1)
(式中、Kは複合材料中の金属磁性粉末の充填率、dは、金属磁性粉末の粒子径、Bmは最大磁束密度、fは周波数、ρは金属磁性粉末の電気抵抗率である)で算出される。

式(1)から分かるように、うず電流損は、粉末粒子径の二乗に比例し、磁性粉末の電気抵抗率ρに反比例する。そのため、10μm以下の範囲の粒径が小さい磁性粉末を用いること、及び電気抵抗率の高い磁性粉末の採用がコンポジット磁性材料のうず電流損の低減に有効である。

金属磁性粉末を用いた場合は、表面に絶縁皮膜を形成し、うず電流が磁性粒子内のみを流れるようにする必要がある。絶縁皮膜を形成する方法として、アンモニアを触媒として用いてTEOS(有機シラン)を加水分解して磁性金属粒子の表面にSiO2被膜を形成することが提案されている(非特許文献1)。また、酸素を含む雰囲気中で加熱することによって磁性金属粒子の表面を酸化して、磁性金属粒子の表面に酸化膜を形成する方法が提案されている(非特許文献2)。

産業上の利用分野

本開示は、SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Si含有Fe基合金粉を準備すること、
前記Si含有Fe基合金粉をリン酸水溶液に浸漬し、前記リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe-O-Si-P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ること、及び
前記Fe-O-Si-P系被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を塩酸水溶液に浸漬し、前記塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉を得ること、
を含む、SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項2】
前記SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉が、前記Si含有Fe基合金粉の本体と前記SiO2含有被膜との間に、Fe-O-Si-P系被膜を有する、請求項1に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項3】
前記SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉は、前記SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の全質量を基準にして、3.0~18.0wt%のSiを含む、請求項1または2に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項4】
前記Si含有Fe基合金は、多結晶合金、アモルファス合金、または金属ガラスである、請求項1~3のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項5】
前記Si含有Fe基合金は、アモルファス合金粉または金属ガラス粉である、請求項1~4のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項6】
前記リン酸水溶液は0.00001~10.00wt%の濃度を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項7】
前記塩酸水溶液は0.50~10.00wt%の濃度を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項8】
(A)前記SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉をフッ酸処理して前記SiO2含有被膜を取り除き、前記準備したSi含有Fe基合金粉よりも寸法が小さい第2のSi含有Fe基合金粉を得ること、
(B)前記第2のSi含有Fe基合金粉を、リン酸水溶液に浸漬し、前記リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe-O-Si-P系被膜を備えた第2のSi含有Fe基合金粉を得ること、及び
(C)前記Fe-O-Si-P系被膜を備えた第2のSi含有Fe基合金粉を塩酸水溶液に浸漬し、前記塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えた第2のSi含有Fe基合金粉を得ること、
を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項9】
前記フッ酸処理、リン酸水溶液への浸漬及び乾燥、及び塩酸水溶液への浸漬及び乾燥をさらに繰り返すことを含む、請求項8に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉の製造方法で得られたSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉をフッ酸処理して前記SiO2含有被膜を取り除き、前記準備したSi含有Fe基合金粉よりも粒子の寸法が小さい第2のSi含有Fe基合金粉を得ることを含む、Si含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項11】
請求項10に記載の製造方法で得られた第2のSi含有Fe基合金粉を、リン酸水溶液に浸漬し、前記リン酸水溶液から取り出して乾燥して、Fe-O-Si-P系被膜を備えた第3のSi含有Fe基合金粉を得ること、
前記Fe-O-Si-P系被膜を備えた第3のSi含有Fe基合金粉を塩酸水溶液に浸漬し、前記塩酸水溶液から取り出して乾燥して、表面にSiO2含有被膜を備えた第3のSi含有Fe基合金粉を得ること、及び
前記第3のSi含有Fe基合金粉をフッ酸処理して前記SiO2含有被膜を取り除き、前記第2のSi含有Fe基合金粉よりも粒子の寸法が小さい第3のSi含有Fe基合金粉を得ることを含む、Si含有Fe基合金粉の製造方法。

【請求項12】
表面にSiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粒子からなるSi含有Fe基合金粉。

【請求項13】
前記Si含有Fe基合金粒子が、前記Si含有Fe基合金粒子と前記SiO2含有被膜との間に、Fe-O-Si-P系被膜を有する、請求項12に記載のSi含有Fe基合金粉。

【請求項14】
前記Si含有Fe基合金粒子は、前記SiO2含有被膜を備えたSi含有Fe基合金粉の全質量を基準にして3.0~18.0wt%のSiを含む、請求項12または13に記載のSi含有Fe基合金粉。

【請求項15】
前記Si含有Fe基合金は、多結晶合金、アモルファス合金、または金属ガラスである、請求項12~14のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉。

【請求項16】
前記Si含有Fe基合金は、アモルファス合金または金属ガラスである、請求項12~15のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉。

【請求項17】
請求項12~16のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉を含むコンポジット磁性材料。

【請求項18】
請求項12~16のいずれか一項に記載のSi含有Fe基合金粉を含むコンポジット磁性材料コア。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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