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シクロデキストリン繊維集合体及びその製造方法 コモンズ

国内特許コード P170014766
整理番号 N17033
掲載日 2017年12月25日
出願番号 特願2017-175313
公開番号 特開2019-052380
出願日 平成29年9月13日(2017.9.13)
公開日 平成31年4月4日(2019.4.4)
発明者
  • 吉田 裕安材
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 シクロデキストリン繊維集合体及びその製造方法 コモンズ
発明の概要 【課題】 シクロデキストリンが備える化合物を包接する機能を有効かつ複合的に備えるシクロデキストリン繊維集合体を提供する。
【解決手段】 シクロデキストリンからなるファイバを含む繊維集合体であって、前記シクロデキストリンからなるファイバが、グルコースの数が異なる複数種のシクロデキストリンからなることを特徴とする。
前記シクロデキストリンからなるファイバが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンの少なくともいずれか2種からなることを特徴とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

溶融紡糸、湿式紡糸、エレクトロスピニングといった紡糸法においては、一般的に、分子間相互作用や分子の絡み合いが大きな高分子が利用されてきた。これに対し、近年、低分子であるリン脂質(レシチン)を、エレクトロスピニングを用いることでファイバ化が可能であるという報告がなされた。この報告では、溶液中で形成されるワーム状ミセルが、高分子のように絡み合うことでファイバ形成を可能にしていると説明しており、臨界ミセル濃度(35 wt%)以上に濃度を設定することでファイバ形成が可能であると報告している。この報告により、比較的弱い相互作用しか持たない低分子であっても、紡糸条件を適切に制御することでファイバ化が可能であることが明らかとなり、低分子化合物を用いたエレクトロスピニングによりファイバ作製に成功した報告が多数なされるようになってきた。

また、用いられる化合物も多様化してきているが、中でも、シクロデキストリン(CD)によるエレクトロスピニングは多様な分野で利用されてきたシクロデキストリン自体の学術的・産業的価値のために、研究が活発化している。トルコのUyarらは、2011年に世界で初めて全メチル化シクロデキストリンがエレクトロスピニングによりナノファイバ化できることを報告しており(非特許文献2)、その後2013年に未修飾シクロデキストリンのエレクトロスピニングに成功している(非特許文献3、4)。
また、2013年には韓国の研究グループ(非特許文献5)、2014年に吉田らが同様の現象を報告している(非特許文献6)。
これらの報告における大きな違いは紡糸時に用いる溶媒であり、揮発性や誘電性、シクロデキストリンの溶解度などが紡糸に多大な影響を与えることが知られている。

シクロデキストリンは、複数のD-グルコースがα-1,4-グリコシド結合により結合した環状オリゴ糖である。D-グルコースが6、7、8単位のものはそれぞれα-シクロデキストリン(α-CD)、β-シクロデキストリン(β-CD)、γ-シクロデキストリン(γ-CD)と呼ばれる。それぞれの環の内径は4.7-5.3、6.0-6.5、7.5-8.3オングストロームであり、第一級水酸基側(Primary face)の内径の方が狭く,第二級水酸基(Secondary face)の内径の方がやや広い構造となっている。
また、異なるのは環のサイズだけでなく、溶媒への溶解性もかなり異なっている。例えば、水への溶解度では、α-CDが14.5 g/100mL、β-CDが1.85 g/100mL、γ-CD が23.2 g/100mLと、β-CDが特に低い。これは、環の水素結合や立体構造に起因していると言われている。

シクロデキストリンのその環の内部はCH基に覆われているため疎水性を示すのに対し、環の外部は多数の水酸基に由来した親水性を示す。この特徴によりシクロデキストリンは、疎水性相互作用を利用して環内部に分子を包接させることが可能であり、包接した分子の溶解度の向上、酸化や光分解、熱などに対する安定性の向上、薬や香りの徐放のコントロールなどに利用され、食品、薬品、化粧品や環境保護など様々な用途に用いられてきている。

産業上の利用分野

本発明はシクロデキストリン繊維集合体及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
シクロデキストリンからなるファイバを含む繊維集合体であって、
前記シクロデキストリンからなるファイバが、グルコースの数が異なる複数種のシクロデキストリンからなることを特徴とするシクロデキストリン繊維集合体。

【請求項2】
前記シクロデキストリンからなるファイバが、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンの少なくともいずれか2種からなることを特徴とする請求項1記載のシクロデキストリン繊維集合体。

【請求項3】
ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を溶媒として複数種のシクロデキストリンを含む混合溶液を調製する工程と、
前記複数種のシクロデキストリンを含む混合溶液をエレクトロスピニング法により射出し、複数種のシクロデキストリンからなるファイバを含む繊維集合体を作製する工程と、
を備えることを特徴とするシクロデキストリン繊維集合体の製造方法。

【請求項4】
前記混合溶液を調製する工程において、
複数種のシクロデキストリンについて、各々のシクロデキストリンをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解した溶液を個別に調製する工程と、
個別に調製したシクロデキストリンの溶液を所定の混合比で混合することにより、複数種のシクロデキストリンを含む混合溶液を調製する工程と、
を備えることを特徴とする請求項3記載のシクロデキストリン繊維集合体の製造方法。

【請求項5】
前記複数種のシクロデキストリンを含む混合溶液を調製する工程において、
α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンの少なくともいずれか2種を含む混合溶液を調製することを特徴とする請求項3または4記載のシクロデキストリン繊維集合体の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017175313thum.jpg
出願権利状態 公開
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