TOP > 国内特許検索 > 一軸磁気異方性バルク磁性材料及びその製造方法

一軸磁気異方性バルク磁性材料及びその製造方法 UPDATE コモンズ

国内特許コード P170014770
整理番号 N17038
掲載日 2017年12月25日
出願番号 特願2017-198361
公開番号 特開2019-075403
出願日 平成29年10月12日(2017.10.12)
公開日 令和元年5月16日(2019.5.16)
発明者
  • 佐藤 敏郎
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 一軸磁気異方性バルク磁性材料及びその製造方法 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】10MHz~数百MHz帯の周波数帯域において好適に使用することができる新規な磁性材料を提供する。
【解決手段】本発明の一軸磁気異方性バルク磁性材料は、一軸磁気異方性を備える扁平磁性粉末が、扁平磁性粉末の面方向を同一にして積層配向され、マトリックス材に充填されたバルク体として構成されている。一軸磁気異方性バルク磁性材料としては、扁平磁性粉末の外径をD、厚さをdとするとき、扁平比d/Dが1/10以下であるものが好適であり、扁平磁性粉末は、磁性粉末の表面が絶縁皮膜により被覆されている。
【選択図】図10
従来技術、競合技術の概要

現在、低炭素社会の実現に向け、次世代のパワーエレクトロニクスとして、10MHz~数百MHz帯域での使用を想定した超高周波電力変換技術の研究開発がはじまっている。このよう高周波領域での使用を想定した電力変換用デバイスとしてはGaNやSiC、次世代としてGa2O3やダイヤモンド系といったパワー半導体がある。
10MHz以上の高周波領域の電力変換回路において問題となるのが、高周波領域で使用することができるリアクトルやトランス用の磁性材料(磁心材料)である。これらの磁心材料にはさまざまな材料が存在するが、MHz帯以上の高周波域で使用できる可能性のある材料として現在知られているものは、Ni-Zn系フェライト材料のみである(非特許文献1、2)。

Ni-Zn系フェライト材料は105Ω・mという高い電気抵抗率を有し、高周波用磁心材料として通信回路の小信号用インダクタに多用されてきた。しかしながら、Ni-Zn系フェライト材料であっても、自然共鳴と言われる磁気共鳴現象により使用周波数の上限が制限される。フェライト組成や結晶粒径の微細化等で透磁率を下げ、自然共鳴周波数を高くして周波数帯域を高周波側に延ばしたとしても、100MHzまでの使用が限界である。また、Ni-Znフェライトは磁束密度に対するコアロスの非線形に強く、自然共鳴周波数以下の周波数でも、磁束密度振幅の大きな高周波電力変換回路に使用する場合は磁心による損失が大きく、電力変換効率を下げる大きな要因になる。Ni-Zn系フェライト材料は飽和磁束密度が0.3T以下と低く、キュリー温度が300℃前後であるため、耐熱温度も140℃程度に制限されるという問題もあり、実際上、10MHz以上の周波数帯域をねらう磁性材料としてNi-Zn系フェライト材料は大きな課題を抱えている。

産業上の利用分野

本発明は一軸磁気異方性バルク磁性材料及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一軸磁気異方性を備える扁平磁性粉末が、扁平磁性粉末の面方向を同一にして積層配向され、マトリックス材に充填されたバルク体として構成されていることを特徴とする一軸磁気異方性バルク磁性材料。

【請求項2】
前記扁平磁性粉末の外径をD、厚さをdとするとき、扁平比d/Dが1/10以下であることを特徴とする請求項1記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料。

【請求項3】
前記扁平磁性粉末は、磁性粉末の表面が絶縁皮膜により被覆されていることを特徴とする請求項1または2記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料。

【請求項4】
前記扁平磁性粉末が、Fe系アモルファス合金あるいはFe系ナノ結晶合金であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料。

【請求項5】
前記マトリックス材が、樹脂材料あるいは無機材料の少なくとも一つからなることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料。

【請求項6】
前記バルク体は、シート状であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料。

【請求項7】
前バルク体が、厚さ方向に複数層に積層されてなることを特徴とする請求項6記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料。

【請求項8】
下記のa)~c)の工程をこの順に備えることを特徴とする一軸磁気異方性バルク磁性材料の製造方法。
a)扁平磁性粉末とマトリックス材とを混錬してコンポジットスラリを調製する工程。
b)前記コンポジットスラリをシート状に成形し、コンポジットスラリに含まれている扁平磁性粉末を、面方向を同一にして積層配向させた半硬化シートを作製する工程。
c)半硬化シートを磁界中で熱処理し、半硬化シートを完全に熱硬化させるとともに一軸磁気異方性を備えるバルク体を作製する磁界中熱処理工程。

【請求項9】
前記半硬化シートを作製する工程b)の後工程として、
d)前記半硬化シートを複数枚積層し、半硬化シートの積層体を作製する工程
を備え、
前記c)工程において、前記半硬化シートの積層体に対して磁界中熱処理を施すことを特徴とする請求項8記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料の製造方法。

【請求項10】
前記b)工程と、c)工程とを繰り返し、半硬化シートが硬化した硬化シートを複数層に積層して形成することを特徴とする請求項8記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料の製造方法。

【請求項11】
前記b)工程においては、
一対のプレスプレート間に前記コンポジットスラリを供給し、前記プレスプレートによりコンポジットスラリを厚さ方向に加圧して前記半硬化シートを形成することを特徴とする請求項8~10のいずれか一項記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料の製造方法。

【請求項12】
前記b)工程においては、
ドクターブレード法を利用して前記コンポジットスラリをシート状に成形することを特徴とする請求項8~10のいずれか一項記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料の製造方法。

【請求項13】
前記a)工程においては、
球形の磁性粉末に扁平加工を施して扁平形状とした扁平磁性粉末を用いることを特徴とする請求項8~12のいずれか一項記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料の製造方法。

【請求項14】
前記球形の磁性粉末に扁平加工を施して扁平形状とした扁平磁性粉末を作製した後、
前記扁平磁性粉末に、大気中アニール処理を施して、扁平磁性粉末に残留する加工歪を除去するとともに、前記扁平磁性粉末の表面に絶縁皮膜として熱酸化膜を形成することを特徴とする請求項13記載の一軸磁気異方性バルク磁性材料の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2017198361thum.jpg
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」まで直接お問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close