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路網ルート設計装置及びそのプログラム、並びに路網ルート生成表示システム

国内特許コード P170014773
整理番号 1805
掲載日 2017年12月27日
出願番号 特願2016-095747
公開番号 特開2017-201936
出願日 平成28年5月12日(2016.5.12)
公開日 平成29年11月16日(2017.11.16)
発明者
  • 白井 裕子
  • 野澤 直樹
  • 藤井 祥万
  • 佐藤 隆哉
  • 加藤 卓哉
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 路網ルート設計装置及びそのプログラム、並びに路網ルート生成表示システム
発明の概要 【課題】現場の技術者個人の経験や勘に依存することなく、路網の作設範囲における地形条件や、路網の新設工事に必要なコストや路網の新設によって見込まれる収入を考慮して、現実性の有る路網計画を自動生成すること。
【解決手段】本発明に係る路網ルート設計装置11は、予め記憶された山林内の地図情報と作業道を通行する作業車両のスペックに関する車両情報とに基づき、予め指定された作設範囲内で候補となる候補ルートを複数生成する候補ルート生成手段19と、各候補ルートの長さを求めるルート長さ算出手段20と、各候補ルートそれぞれにつき、ルートの長さと各種の条件設定に基づき、作業道の新設により見込まれる収入から作業道の新設工事に必要なコストを差し引いた想定利益をルート選択用の指標として求める想定利益算出手段22と、各候補ルートの中から、想定利益に基づき選択されたルートを決定ルートとするルート決定手段23とを備えている。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


現在、林業における路網整備は、大山林所有者や自伐林家内に留まった手法により行われており、現場の技術者個人の経験や勘に依存し、数値化や可視化がなされていない。このため、路網整備のノウハウや情報が広範に共有できず、路網作設時に非効率であるばかりか、手法自体も未熟なまま改善や向上させることが困難であり、作設された作業道に土砂崩れ等の不具合が発生することもある。以上の問題を解決するには、地形等の自然条件等から路網計画を自動的に生成するシステムの出現が必要となる。また、作業道の新設工事にかかるコストや作業道の新設によって見込まれる収入を考慮した路網計画も必要であり、これらコストや収入を考慮した路網計画を自動的に行うためのシステムは、これまで全く存在しなかった。



ところで、特許文献1には、設計者の長年の経験と勘を不要とし、森林内の既存路網と接続する新設経路を自動生成する新設経路生成装置が開示されている。この新設経路生成装置では、新設経路を生成する対象地域の森林簿に基づいて新設経路が生成される。

産業上の利用分野


本発明は、路網ルート設計装置及びそのプログラム、並びに路網ルート生成表示システムに係り、更に詳しくは、山林の地形情報やユーザの利益を考慮し、山林内に新設される路網のルート設計を自動的に行い、当該ルートをユーザに提示する路網ルート設計装置及びそのプログラム、並びに路網ルート生成表示システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
山林内に新設される路網のルートを設計する装置において、
予め記憶された山林内の地図情報と前記路網を通行する作業車両のスペックに関する車両情報とに基づき、予め指定された前記路網の作設範囲内で候補となる前記路網の候補ルートを複数生成する候補ルート生成手段と、前記各候補ルートの長さを求めるルート長さ算出手段と、前記各候補ルートそれぞれにつき、前記ルート長さ算出手段で求めたルートの長さと各種の条件設定に基づき、前記路網の新設により見込まれる収入から前記路網の新設工事に必要なコストを差し引いた想定利益をルート選択用の指標として求める想定利益算出手段と、前記各候補ルートの中から、前記想定利益に基づき選択されたルートを決定ルートとするルート決定手段とを備えたことを特徴とする路網ルート設計装置。

【請求項2】
前記候補ルート生成手段は、前記候補ルートの経由地で木材の集積場所となり得る土場候補地を複数箇所抽出する土場候補地抽出部と、前記土場候補地の位置情報と前記作設範囲内に存在する既設林道の位置情報に基づいて、前記候補ルートの起点と終点を決定する起終点決定部と、前記車両情報に基づき前記路網の設計条件を設定する設計条件設定部と、前記起点及び前記終点の位置情報及び前記設計条件に基づき、前記候補ルートを生成するルート生成部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の路網ルート設計装置。

【請求項3】
前記土場候補地抽出部では、前記作設範囲内で、等高線に交差する複数の仮想線を配置し、前記等高線と前記仮想線とで区分される各区画について面積がそれぞれ求められ、所定の閾値以上の面積を有する区画の中から前記土場候補地を抽出することを特徴とする請求項2記載の路網ルート設計装置。

【請求項4】
前記起終点決定部では、前記既設林道から最も近くに位置する前記土場候補地における一地点が暫定的な前記起点である仮起点とされ、前記等高線情報に基づき、前記仮起点から最も勾配が緩やかなルートで接続された前記既設林道の地点を前記起点として決定するとともに、前記既設林道から最も遠くに位置する前記土場候補地における一地点が前記終点として決定されることを特徴とする請求項2記載の路網ルート設計装置。

【請求項5】
前記設計条件設定部は、設計する前記路網の最小道幅を設定する道幅設定部と、設計する前記路網の勾配の上限値を設定する勾配上限設定部と、前記作業車両での森林施業を可能にする路網密度の下限値を設定する路網密度設定部とにより構成されることを特徴とする請求項2記載の路網ルート設計装置。

【請求項6】
前記ルート生成部は、前記作設範囲内で前記路網の折り返し地点となり得る折り返し地点の候補を探索する折り返し地点候補探索部と、前記設計条件設定部で設定された前記設計条件に基づき、前記折り返し地点の候補の中から前記折り返し地点を折り返し回数とともに決定する折り返し決定部と、決定された前記折り返し地点の位置情報及び前記土場候補地抽出部で抽出された前記土場候補地の位置情報から、これら折り返し地点及び土場候補地を通る最適ルートを求める最適ルート導出部とを備えたことを特徴とする請求項2記載の路網ルート設計装置。

【請求項7】
前記ルート生成部は、前記最適ルート導出部で求めた前記最適ルートでの各折り返し地点の補正処理を行う折り返し地点調整部を更に備え、
前記折り返し地点調整部では、前記各折り返し地点での曲率が求められ、当該曲率が所定値以上のときに、当該曲率が前記所定値未満になるように曲線部分を緩やかにし、或いは、スイッチバック部分を設けることを特徴とする請求項6記載の路網ルート設計装置。

【請求項8】
前記折り返し地点候補探索部では、前記地図情報に基づき、前記作設範囲内に存在する自然障害物に路網が交差しないように、当該自然障害物の若干内側となる位置に前記折り返し地点の候補が設定されることを特徴とする請求項6記載の路網ルート設計装置。

【請求項9】
前記設計条件設定部では、設計される前記路網の最小道幅、設計される前記路網の勾配の上限値、及び山林の単位面積当たりの前記路網の総面積を表す路網密度が決定され、
前記折り返し決定部では、前記折り返し地点候補探索部で設定された前記折り返し地点の候補の中から、前記最小道幅以上、且つ、前記路網密度の下限値以上になるように、複数箇所の前記折り返し地点の組み合わせが選択され、当該組み合わせのパターンが複数抽出されることを特徴とする請求項6記載の路網ルート設計装置。

【請求項10】
前記最適ルート導出部では、前記折り返し地点の組み合わせのパターン毎に、前記地図情報を利用し、前記土場候補地抽出部で抽出された前記各土場候補地を通り、且つ、前記勾配の上限値以下となる前記最適ルートが求められ、当該最適ルートが前記候補ルートとされることを特徴とする請求項9記載の路網ルート設計装置。

【請求項11】
前記想定利益算出手段は、前記想定利益を求める上で必要となる各種の仮定条件が設定される仮定条件設定部と、前記仮定条件から前記コストを算出するコスト算出部と、前記仮定条件から前記収入を算出する収入算出部と、前記収入から前記コストを差し引いて前記想定利益を求める想定利益決定部とにより構成されることを特徴とする請求項1記載の路網ルート設計装置。

【請求項12】
前記コスト算出部は、前記路網の作設時に切り倒される支障木の集材作業における前記作業車両の燃料費を計算する燃料費計算部と、前記路網の新設工事に必要な人件費を計算する人件費計算部と、前記燃料費と前記人件費とを合計して前記コストを求めるコスト決定部とにより構成されることを特徴とする請求項11記載の路網ルート設計装置。

【請求項13】
前記収入算出部は、前記路網の作設時に切り倒される支障木の販売によって見込まれる収入を求める支障木販売収入計算部と、前記路網の開設後の森林施業により得られた当該路網周囲の伐採木の販売によって見込まれる収入を求める伐採木販売収入計算部と、前記支障木及び前記伐採木の販売によって見込まれる収入に、前記仮定条件設定部で設定された補助金情報を加えることで、前記路網の新設により見込まれる収入を決定する収入決定部とにより構成されることを特徴とする請求項11記載の路網ルート設計装置。

【請求項14】
前記ルート決定手段では、前記各候補ルートの中から、前記想定利益が最も大きい候補ルートを前記決定ルートとして抽出することを特徴とする請求項1記載の路網ルート設計装置。

【請求項15】
山林内に新設される路網のルートを設計する装置において、
予め記憶された山林内の地図情報と前記路網を通行する作業車両のスペックに関する車両情報とに基づき、予め指定された前記路網の作設範囲内で候補となる前記路網の候補ルートを複数生成する候補ルート生成手段を備え、
前記候補ルート生成手段は、前記候補ルートの経由地で木材の集積場所となり得る土場候補地を複数箇所抽出する土場候補地抽出部と、前記土場候補地の位置情報と前記作設範囲内に存在する既設林道の位置情報に基づいて、前記候補ルートの起点と終点を決定する起終点決定部と、前記車両情報に基づき前記路網の設計条件を設定する設計条件設定部と、前記起点及び前記終点の位置情報及び前記設計条件に基づき、前記候補ルートを生成するルート生成部とを備えたことを特徴とする路網ルート設計装置。

【請求項16】
前記作設範囲内において前記既設林道に繋がる前記路網の作設が可能か否かを判定する車両系集材可否判定手段を更に備え、
前記車両系集材可否判定手段では、前記作業車両の移動を妨げる勾配の有無の観点から、前記地図情報に基づいて、前記路網が既設林道に接続可能となる部分が存在するか否かが判定され、当該接続可能な部分が存在すれば、前記路網の作設が可能と判定されることを特徴とする請求項1又は請求項15記載の路網ルート設計装置。

【請求項17】
山林内に新設される路網のルートを設計する路網ルート設計装置に組み込まれるコンピュータのプログラムであって、
予め記憶された山林内の地図情報と前記路網を通行する作業車両のスペックに関する車両情報とに基づき、予め指定された前記路網の作設範囲内で候補となる前記路網の候補ルートを複数生成する候補ルート生成手段と、前記各候補ルートの長さを求めるルート長さ算出手段と、前記各候補ルートそれぞれにつき、前記ルート長さ算出手段で求めたルートの長さと各種の条件設定に基づき、前記路網の新設により見込まれる収入から前記路網の新設工事に必要なコストを差し引いた想定利益をルート選択用の指標として求める想定利益算出手段と、前記各候補ルートの中から、前記想定利益に基づき選択されたルートを決定ルートとするルート決定手段として前記コンピュータを機能させることを特徴とする路網ルート設計装置のプログラム。

【請求項18】
請求項1記載の路網ルート設計装置を含む路網ルート生成表示システムにおいて、
前記路網ルート生成装置で設計された前記決定ルートを前記作設範囲とともに表す画像を生成してユーザに提示する画像生成提示装置を備え、
前記画像生成提示装置は、前記作設範囲の画像に前記決定ルートを表示した提示画像を生成する画像生成手段と、前記提示画像をユーザに提示する表示手段とを備えたことを特徴とする路網ルート生成表示システム。

【請求項19】
システム内に所定の情報を入力する入力装置を更に備え、
前記路網ルート設計装置では、前記決定ルートが抽出された後で、前記入力装置を通じて前記条件設定を変更することにより、フィードバック処理がなされて前記決定ルートが更新されることを特徴とする請求項18記載の路網ルート生成表示システム。
国際特許分類(IPC)
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