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簡便、迅速、高精度な皮膚pHの測定法

国内特許コード P170014774
整理番号 1808
掲載日 2017年12月27日
出願番号 特願2016-096685
公開番号 特開2017-203731
出願日 平成28年5月13日(2016.5.13)
公開日 平成29年11月16日(2017.11.16)
発明者
  • 逢坂 哲彌
  • 大橋 啓之
  • 黒岩 繁樹
  • 秀島 翔
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 簡便、迅速、高精度な皮膚pHの測定法
発明の概要 【課題】皮膚表面のpHを簡便、迅速かつ高精度に測定する測定方法を確立する。さらに、イオン感応性電界効果トランジスタを使用した皮膚表面pHの測定方法を確立する。
【解決手段】被験動物の皮膚表面成分を既知量の水分を含ませた採取器具を用いて採取した被験試料を用い、該被験試料のpHをpHメーターで測定し、該pH測定によって得られるpH値より皮膚表面pHを算出し決定するプロセスを含む被験動物の皮膚表面pHの測定方法を提供する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


皮膚のpHは、健常人ではpH4.0~4.9と弱酸性であり、皮膚のバリア機能に関与し、アトピー性皮膚炎を含む種々の疾患でpHが上昇していることが知られている(非特許文献1)。これは、pHの上昇により常在菌の増殖が抑制され、黄色ブドウ球菌等の病原菌の増殖が促進され、この増殖した病原菌への生体の免疫応答が、アトピー性皮膚炎の発症及び悪化の原因と考えられている(非特許文献2)。そして、この皮膚pH及び皮膚バリア機能の保持に皮膚角質層のフィラグリンが代謝分解されたアミノ酸代謝物が関与することが解明されてきている。また、角質層でのフィラグリンの代謝分解が、皮膚疾患により抑制されることが、さらにpHの上昇をもたらし、その結果、さらに皮膚炎等の皮膚障害が増悪すると考えられている(非特許文献3、4)。



さらに、上記アミノ酸代謝物の中で、皮膚角質層に存在するpKa1=3.85のウロカニン酸が皮膚のバリア機能、特に、その光照射によって生じる異性体がアトピー皮膚炎の抑制作用を有することが報告されている(非特許文献5)。



そして、日本では、厚生労働省の調査で、アトピー性皮膚炎患者が約50万人に達し、年齢別では、小学1年生の11.8%がアトピー性皮膚炎に罹患していると報告している。



また、日本でペットとして飼育されるイヌの実に25.7%が皮膚疾患を罹患していると報告され、疾患別罹患率で皮膚疾患がもっとも多く、ネコにおいても9.1%で疾患別罹患率で第3位である(非特許文献6)。



一方、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)は、参照電極を使用しないため測定前に校正が必ずしも必要なく、小型化可能なイオン感応性電界効果トランジスタが研究、開発されている(特許文献1)。しかし、このイオン感応性電界効果トランジスタを使用して、皮膚表面のpHを簡便、迅速かつ高精度に測定する測定方法は確立されていない。

産業上の利用分野


本発明は、簡便、迅速、高精度な皮膚pHの測定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被験動物の皮膚表面成分を既知量の水分を含ませた採取器具を用いて採取した被験試料を用い、該被験試料のpHをpHメーターで測定し、該pH測定によって得られるpH値より皮膚表面pHを算出し決定するプロセスを含むことを特徴とする、被験動物の皮膚表面pHの測定方法。

【請求項2】
被験動物の皮膚表面pHの測定方法であって、
前記被験試料は、2種類以上の既知の水分量で同一の動物個体の皮膚表面を採取器具で皮膚表面成分を採取して、それぞれの採取器具のpH値をpHメーターで測定するステップ、
前記pHメーターで測定して得られたpH値より102pH値を算出するステップ、
前記水分量と前記102pH値との一次回帰直線を求め、水分量が0のときの102pH値を一次回帰直線を用いて算定するステップ、及び、
前記回帰直線上の水分量が0のときの102pH値よりpH値を算出し、決定するステップ、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の測定方法。

【請求項3】
被験動物の皮膚表面pHの測定方法であって、
前記一次回帰直線を予め作成しておき、
被験動物に対して1種類の既知の水分量で採取した被験試料のpHをpHメーターで測定して得られるpH値より102pH値を求め、
前記予め作成した一次回帰直線に前記既知の水分量と前記102pH値とを適用し、水分量が0のときの102pH値より皮膚表面のpHを算出し決定するステップ
を含むことを特徴とする、請求項2に記載の測定方法。

【請求項4】
被験動物の皮膚表面pHの測定方法であって、
前記pHメーターがイオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)又はガラス電極であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の測定方法。

【請求項5】
被験動物の皮膚表面pHの測定方法であって、
前記採取器具が、スワブ、綿棒、脱脂綿又はガーゼから選択されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の測定方法。

【請求項6】
前記測定方法が、アレルギー疾患、皮膚疾患の診断若しくは補助診断、それらの疾患の予後診断、若しくは、それらの疾患への処置に対する被験動物の応答性の評価、又は、肌荒れの度合いの評価に用いられることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の測定方法。

【請求項7】
前記被験動物が、ヒト、イヌ、ネコ、サル、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ウサギ及びニワトリからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の測定方法。

【請求項8】
被験動物のアレルギー疾患及び/又は皮膚疾患の診断若しくは補助診断、これらの疾患の予後診断若しくはこれらの疾患への処置に対する被験動物の応答の予測、又は、肌荒れの度合いを評価するためのシステムであって、
該システムは、正常動物と皮膚疾患罹患動物からなる参照動物に対して、請求項1~7のいずれか1項に記載の測定方法で得られたpH値、測定時の水分量、測定部位、前記pH値と前記水分量から求めた一次回帰直線、該参照動物の症状、その予後及び/又は処置に対する参照動物の応答性、又は肌荒れの度合いの評価に関する観測情報を含む参照動物観測データセットと、該参照動物の動物種、性別、年齢及び/又は既往歴の個体の属性に関する情報である参照動物属性データセットが格納される参照動物情報格納手段と、
前記参照動物情報格納手段に格納される参照動物情報より、皮膚疾患の診断、補助診断、予後診断及び/又は処置に対する応答性、又は、肌荒れの度合いの評価に対する予測アルゴリズムを作成し、該予測アルゴリズムを適用させる予測アルゴリズム適用手段と、
被験動物に対して請求項1~7のいずれか1項に記載の測定方法で被験試料を測定して得たpH値、測定時にスワブに含有させた水分量、測定部位、及び/又は他の1つ以上の観測データを含む被験動物観測データ、並びに、当該被験動物の個体の属性に関する被験動物個体情報との被験動物情報データセットを前記予測手段に入力する入力手段、又は、前記被験動物情報データセットの送信手段及び該送信手段より送信された被験動物情報データセットを受信し入力する受信入力手段と、
前記入力手段又は受信入力手段より入力された被験動物観測データと被験動物個体情報とに対応する参照動物観測データと参照動物個体情報とを含む参照動物情報を、皮膚疾患の診断若しくは補助診断、予後診断若しくは処置への応答の予測、又は、肌荒れの度合いの評価に対して前記予測アルゴリズム適用手段の予測アルゴリズムに適用し、被験動物の異常状態を予測し決定する被験動物異常情報予測決定手段と、
前記被験動物異常情報予測決定手段で得られた情報である異常情報に対する送信手段及び/又は表示手段とを具備する、
ことを特徴とする予測システム。

【請求項9】
前記予測システムにおいて前記被験動物の異常情報が皮膚表面のpH値であり、前記予測システムを被験動物の皮膚表面のpH値の取得に使用されることを特徴とする、請求項8に記載の予測システム。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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