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組換えベクター、該ベクターで形質転換された微生物を利用した一酸化窒素消去を抑制する化合物のスクリーニング方法及び細胞内一酸化窒素濃度の測定方法 NEW

国内特許コード P180014797
整理番号 S2016-0831-N0
掲載日 2018年1月24日
出願番号 特願2016-114134
公開番号 特開2017-216944
出願日 平成28年6月8日(2016.6.8)
公開日 平成29年12月14日(2017.12.14)
発明者
  • 松本 明郎
  • 清水 健
  • 野田 公俊
出願人
  • 国立大学法人千葉大学
発明の名称 組換えベクター、該ベクターで形質転換された微生物を利用した一酸化窒素消去を抑制する化合物のスクリーニング方法及び細胞内一酸化窒素濃度の測定方法 NEW
発明の概要 【課題】
本発明は、簡便かつ迅速に多数の試験化合物を同時並行で評価することのできる、微生物が持つNOに対する自己防御機構を減弱させる化合物をスクリーニングする方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、NorRタンパク質をコードする遺伝子と、norオペロンプロモーターの制御下にある生物発光タンパク質をコードする遺伝子と、構成的プロモーターの制御下にある蛍光タンパク質をコードする遺伝子とを含む組換えベクター、及び該ベクターで形質転換した微生物を用いた、NOに対する自己防御機構を減弱させる化合物をスクリーニングする方法に関する。本発明によれば、簡便かつ迅速に、高感度かつnMレベルの生理的な濃度範囲を含む広いダイナミックレンジで微生物細胞内のNO濃度変化を測定することができ、多数の試験化合物を短時間で評価することが可能となる。
【選択図】図1
産業上の利用分野


本発明は、組換えベクター、該ベクターで形質転換された微生物細胞内の一酸化窒素消去を抑制する化合物をスクリーニングする方法及び細胞内一酸化窒素濃度の測定方法に関する。



微生物の感染に対する生体防御の一つに、マクロファージが関与する細胞性免疫が挙げられる。細胞性免疫において中心的に作用する貪食細胞(マクロファージ及び好中球など)は、一酸化窒素(Nitric Oxide;NO)又は活性酸素種(ROS)を産生し、貪食後の殺菌に活用している。その一方、貪食を受ける微生物は、NOやROSを微生物細胞内で消去する機構を有し、自己防御に活用している。



微生物の排除のために生体のNO産生量を増大させようとすることは、自然な発想である。しかしながらNOは、生体に対しても細胞障害性及び発癌性等の毒性作用を持ち、さらに心血管系及び中枢神経系において様々な生理作用を示す重要な分子であることから、生体のNO産生量を増大させる試みは、予期しない又は望ましくない副次的効果をもたらすおそれがある。



このため、微生物のNOに対する自己防御機構を減弱させる化合物は、生体における望ましくない影響を回避し、貪食細胞が産生するNOによる殺微生物効率を向上させることが可能な感染症治療薬となり得るものと期待されている。



微生物のNOに対する自己防御機構を減弱させる化合物を取得するには、微生物細胞内、特に病原性微生物細胞内のNO濃度を簡便に測定する技術が必要である。



これまでに、NO濃度に依存して活性化する大腸菌タンパク質NorRの発現を利用した微生物細胞内のNO濃度を測定する技術が報告されている。例えば非特許文献1は、タンパク質NorRをコードする遺伝子とそれによって転写が調節されるプロモーター領域の下流にβ-ガラクトシダーゼ遺伝子とを有する発現プラスミドで形質転換させた大腸菌を提供している。この大腸菌は、曝露されたNO濃度に応じてβ-ガラクトシダーゼ産生量を変化させるので、β-ガラクトシダーゼ活性を指標として微生物細胞内NO濃度を測定することができる。しかし、非特許文献1に記載のNO濃度の測定法は、酵素反応により生じる発色を分光光度計で測定するために、感度及びダイナミックレンジに限界がある。



酵素反応の利用に代わる方法として、特許文献1は、非特許文献1におけるβ-ガラクトシダーゼ遺伝子に代えて発光タンパク質をコードする遺伝子を用いた、曝露されたNO濃度に応じた発光強度を指標とした微生物細胞内NO濃度を測定する方法を提供している。しかし、発光強度の測定は高感度及び広いダイナミックレンジでの測定を可能としたものの、測定中に形質転換微生物が増殖することによる微生物細胞数の変動が発光強度に影響を与えるという問題が依然として残っている。

特許請求の範囲 【請求項1】
NorRタンパク質をコードする遺伝子と、norオペロンプロモーターの制御下にある生物発光タンパク質をコードする遺伝子と、構成的プロモーターの制御下にある蛍光タンパク質をコードする遺伝子とを含む組換えベクター。

【請求項2】
生物発光タンパク質をコードする遺伝子がluxCDABE遺伝子である、請求項1に記載の組換えベクター。

【請求項3】
請求項1又は2に記載の組換えベクターを含む微生物。

【請求項4】
微生物が大腸菌、サルモネラ及び赤痢菌よりなる群から選択される微生物である、請求項3に記載の微生物。

【請求項5】
以下の工程(a)~(d):
(a)NorRタンパク質をコードする遺伝子と、norオペロンプロモーターの制御下にある生物発光タンパク質をコードする遺伝子と、構成的プロモーターの制御下にある蛍光タンパク質をコードする遺伝子とを含む組換えベクターで形質転換した微生物、試験化合物及びNOドナーを含む溶液をインキュベートする工程、
(b)生物発光タンパク質の発光強度と蛍光タンパク質の蛍光強度とを測定する工程、
(c)蛍光強度で補正した比発光強度を算出する工程、並びに
(d)試験化合物を含まない対照溶液と比較して比発光強度の減少を抑制した試験化合物を選択する工程
を含む、微生物細胞内のNO消去を抑制する化合物のスクリーニング方法。

【請求項6】
工程(a)において使用する微生物が、予め定められた基準値以上の蛍光強度を示す微生物である、請求項5に記載のスクリーニング方法。

【請求項7】
工程(a)における溶液中のNOドナーの濃度が溶液中で5nM~50μMのNO濃度を与える濃度である、請求項5又は6に記載のスクリーニング方法。

【請求項8】
前記微生物が、大腸菌、サルモネラ及び赤痢菌よりなる群から選択される微生物である、請求項5~7のいずれかに記載のスクリーニング方法。

【請求項9】
以下の工程(e)~(g):
(e)NorRタンパク質をコードする遺伝子と、norオペロンプロモーターの制御下にある生物発光タンパク質をコードする遺伝子と、構成的プロモーターの制御下にある蛍光タンパク質をコードする遺伝子とを含む組換えベクターで形質転換した微生物の生物発光タンパク質の発光強度と蛍光タンパク質の蛍光強度とを測定する工程、
(f)蛍光強度で補正した比発光強度を算出する工程、及び
(g)比発光強度に対応する細胞内NO濃度を算出する工程
を含む、微生物細胞内のNO濃度を測定する方法。

【請求項10】
工程(e)において使用する微生物が、予め定められた基準値以上の蛍光強度を示す微生物である、請求項9に記載の測定方法。

【請求項11】
前記微生物が、大腸菌、サルモネラ及び赤痢菌よりなる群から選択される微生物である、請求項9又は10に記載の測定方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016114134thum.jpg
出願権利状態 公開
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