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超伝導加速装置とその製造方法

国内特許コード P180014810
整理番号 S2017-0790-N0
掲載日 2018年2月27日
出願番号 特願2017-139081
登録番号 特許第6365997号
出願日 平成29年7月18日(2017.7.18)
登録日 平成30年7月13日(2018.7.13)
発明者
  • 近藤 良也
出願人
  • 大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
発明の名称 超伝導加速装置とその製造方法
発明の概要 【課題】安定した伝熱性能を有するサーマルアンカーを備えた、超伝導加速装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の超伝導加速装置100は、超伝導加速空洞101と、超伝導加速空洞101を内包する冷媒槽102と、冷媒槽102を連通するビームパイプ103と、冷媒槽102の外壁に接続された冷媒ガス導入手段104および蒸発ガス排出手段105と、冷媒槽102を囲む周波数調整機構106と、冷媒槽102の外壁に取り付けられた温度計測手段107と、を備え、温度計測手段107が、温度計素子10と計測線20とを、サーマルアンカー30を介して接続してなり、サーマルアンカー30が、可撓性基板の一方の主面側に、線状パターンを複数有する金属膜、絶縁膜を順に積層してなり、可撓性基板の他方の主面側が、冷媒槽102の外壁に貼り付けられている。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


超伝導現象を利用して荷電粒子のビーム加速を行う次世代の加速器として、超伝導加速空洞を備えた加速装置が知られている。超伝導加速空洞は、ニオブ等の金属材料からなり、これを冷却して超伝導状態とすることにより、空洞内表面におけるビーム加速用の電磁波エネルギーの損失をほぼなくすことができ、効率的なビーム加速を実現することができる。



超伝導加速装置を動作させる場合、超伝導加速空洞を内包する冷媒槽の表面温度を正確に測定して管理することが必要とされており、温度計と測定対象物との熱接触状態、測定対象物以外のもので発生した熱の混入に留意して、測定誤差を極力小さくすることが求められる。特に、超伝導現象が発生するような超低温領域においては、計測線からの入熱による影響が無視できない。そこで、一般的には、サーマルアンカーとして計測線自身を温度計装着位置の近傍で這わせ、測定対象物と計測線の温度をほぼ等しくすることにより、計測線からの入熱を除去する等の対策がとられている(特許文献1、2)。



ただし、従来のサーマルアンカーの施工には、様々な問題点がある。従来のサーマルアンカーは、熱侵入を防ぐために強度に乏しい細線構造を有する計測線を、折り曲げ加工したものである。そのため、従来のサーマルアンカーでは、折り曲げ加工時の過度の歪の影響による断線発生率が高く、このことが、温度計測手段としてのサーマルアンカーの信頼性を低下させる一つの要因となってる。



また、従来のサーマルアンカーの構造そのものは単純であるが、その施工はすべて手作業で行われ、複雑・煩雑な現場作業を要するため、短時間で大量に施工することは難しい。また、得られるサーマルアンカーの伝熱性能が作業者の技量に左右されるため、作業者が熟練者であることが求められる。



また、通常の場合、超伝導加速装置の製造過程における温度計の装着は、クライオスタット内の配管・機器類の組込がある程度完了した、いわば半完成の時点で行われることが多い。そのため、温度計を装着する時点では、既に組み込まれている配管・周辺機器類に遮られて、装着箇所に手が入り難くなっており、良好な作業姿勢を取れない場合が多く、その結果として工数・作業時間の更なる増大を招くことになる。

産業上の利用分野


本発明は、超伝導現象を利用して電子や陽電子のビームを加速させるための超伝導加速装置とその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
中空のダンベル形状を有し、両端が開口した複数の部材を、開口部同士が重なるように連結してなる超伝導加速空洞と、
前記超伝導加速空洞を内包する筒状の冷媒槽と、
前記冷媒槽を長手方向に連通するビームパイプと、
前記冷媒槽の外壁に接続された冷媒ガス導入手段と、
前記冷媒槽の外壁に接続された蒸発ガス排出手段と、
前記冷媒槽を周方向に囲む周波数調整機構と、
前記冷媒槽の外壁に取り付けられた温度計測手段と、を備え、
前記温度計測手段が、温度計素子と計測線とを、サーマルアンカーを介して接続してなり、
前記サーマルアンカーが、可撓性基板の一方の主面側に、所定の線状パターンを有する金属膜、絶縁膜を順に積層してなり、
前記可撓性基板の他方の主面側が、前記冷媒槽の外壁に貼り付けられていることを特徴とする超伝導加速装置。

【請求項2】
前記温度計測手段が、前記外壁の複数の位置に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の超伝導加速装置。

【請求項3】
前記温度計測手段が、伝熱部材で覆われていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の超伝導加速装置。

【請求項4】
前記サーマルアンカーの積層方向における厚みが、150μm以上250μm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の超伝導加速装置。

【請求項5】
前記線状パターンのパターン長が400mm以上であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の超伝導加速装置。

【請求項6】
請求項1~5に記載の超伝導加速装置の製造方法であって、
可撓性基板の一方の主面に所定のパターンを有する金属膜を形成する工程と、
前記可撓性基板の一方の主面の露出部分および前記金属膜上に絶縁膜を貼り付ける工程と、を経てサーマルアンカーを製造し、
温度計素子と計測線とを、前記サーマルアンカーを介して接続させてなる温度計測手段を、前記冷媒槽の外壁に、前記可撓性基板の他方の主面側が対向するように貼り付け、さらに、前記温度計素子および前記サーマルアンカーを伝熱部材で覆う工程を含むことを特徴とする超伝導加速装置の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
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