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複合体、試料中の対象核酸の検出方法及びキット

国内特許コード P180014815
整理番号 S2016-0582-N0
掲載日 2018年2月27日
出願番号 特願2016-123934
公開番号 特開2017-225396
出願日 平成28年6月22日(2016.6.22)
公開日 平成29年12月28日(2017.12.28)
発明者
  • 大石 基
  • 杉山 聡深
出願人
  • 国立大学法人 筑波大学
発明の名称 複合体、試料中の対象核酸の検出方法及びキット
発明の概要 【課題】対象核酸を簡便に検出する技術を提供する。
【解決手段】第1の核酸構造体を介して第1の粒子と第2の粒子とが結合した複合体であって、前記第1の核酸構造体の足場依存型鎖交換反応によって、前記第1の粒子と前記第2の粒子との結合が解離する、複合体。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年の分子生物学の急速な発展に伴い、疾病に関与する様々な核酸(DNA及びRNA)の存在が明らかになりつつある。特に、タンパク質をコードしていない約20塩基の1本鎖の非翻訳RNAであるマイクロRNA(miRNA)が、自身の配列と相補的な配列を持つmRNAの翻訳を制御していることが明らかとなっている。miRNAは、癌、循環器疾患、神経系疾患を含むヒトの様々な疾患に関与していることからもその重要性が広く認識されつつある。



近年、疾患に関与するmiRNAがエクソソーム(脂質膜で構成された大きさ30~100nmのベシクル)に封入された状態で血中に安定に存在することが報告されている。したがって、臓器と比ベてアクセスしやすい血中からmiRNAを高感度にその場で検出することができれば様々な疾病に対する早期診断が可能になると考えられる。



現在、血中miRNA等の対象核酸を検出する手法としては、RT-PCR(ReverseTranscriptase-Polymerase Chain Reaction:逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応)法等が用いられている(例えば非特許文献1を参照。)。



また、より簡便な対象核酸の比色検出システムとして、DNA化金ナノ粒子を用いた手法が数多く報告されている(例えば、非特許文献2を参照。)。これらは、金ナノ粒子表面に存在するDNAと対象核酸がハイブリダイゼーションすることでDNA化金ナノ粒子が凝集(架橋)し、溶液の色が赤色から紫色に変化する現象を利用したものである。また、DNA化金ナノ粒子を用いた手法にシグナル増幅機能を付与した検出システムも報告されている(例えば、非特許文献3を参照。)。

産業上の利用分野


本発明は、複合体、試料中の対象核酸の検出方法及びキットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
第1の核酸構造体を介して第1の粒子と第2の粒子とが結合した複合体であって、前記第1の核酸構造体の足場依存型鎖交換反応によって、前記第1の粒子と前記第2の粒子との結合が解離する、複合体。

【請求項2】
前記第1の粒子が光学的に識別可能である、請求項1に記載の複合体。

【請求項3】
前記第1の粒子に水溶性高分子化合物が結合している、請求項1又は2に記載の複合体。

【請求項4】
遠心分離又は磁石を近接させることにより前記第2の粒子が凝集する、請求項1~3のいずれか一項に記載の複合体。

【請求項5】
下記式(1)で表される、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合体。
【化1】


[式(1)中、X又はXは一方が前記第1の粒子を表し、他方が前記第2の粒子を表し、γ及びδ’はそれぞれ任意の塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表し、γ’は前記γと相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]

【請求項6】
下記式(2)で表される、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合体。
【化2】


[式(2)中、X、X、γ、γ’及びδ’は前記式(1)における定義に同じであり、α及びβはそれぞれ任意の塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表し、α’及びβ’はそれぞれ前記α又は前記βと相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]

【請求項7】
下記式(3)又は下記式(4)で表される、請求項1~4のいずれか一項に記載の複合体。
【化3】


[式(3)中、X、X、α、α’、β、β’、γ、γ’及びδ’は前記式(2)における定義に同じであり、εはそれぞれ任意の塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表し、ε’は前記εと相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]
【化4】


[式(4)中、X、X、α、α’、β、β’、γ、γ’、δ’、ε及びε’は前記式(3)における定義に同じである。]

【請求項8】
第1の核酸構造体を介して第1の粒子と第2の粒子とが結合した複合体であって、前記第1の核酸構造体の足場依存型鎖交換反応によって、対象核酸が生成される、複合体。

【請求項9】
前記第1の粒子が光学的に識別可能である、請求項8に記載の複合体。

【請求項10】
前記第1の粒子に水溶性高分子化合物が結合している、請求項8又は9に記載の複合体。

【請求項11】
遠心分離又は磁石を近接させることにより前記第2の粒子が凝集する、請求項8~10のいずれか一項に記載の複合体。

【請求項12】
下記式(5)で表される、請求項8~11のいずれか一項に記載の複合体。
【化5】


[式(5)中、X、X、α、α’、β’、γ、γ’及びδ’は前記式(3)における定義に同じであり、δは前記δ’又と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]

【請求項13】
下記工程(a)~(c)を備える、試料中の対象核酸の検出方法。
工程(a):前記試料と、請求項1~7のいずれか一項に記載の複合体とを含む混合液をインキュベートする工程であって、前記混合液中で、前記試料中の対象核酸が前記第1の核酸構造体と足場依存型鎖交換反応を行い、その結果、前記第1の粒子と前記第2の粒子との結合が解離する工程。
工程(b):工程(a)の後に、解離した前記第2の粒子及び未反応の前記複合体を凝集させる工程であって、その結果、解離した前記第1の粒子が前記混合液中に分散する工程。
工程(c):工程(b)の後に、前記混合液中の前記第1の粒子の存在量を測定する工程であって、測定された前記存在量が前記対象核酸の存在量に対応する工程。

【請求項14】
工程(a)における前記複合体が請求項5~7のいずれか一項に記載の複合体であり、前記対象核酸がγ-δ[但し、γは前記式(3)における定義に同じであり、δは前記式(3)における前記δ’と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]の塩基配列を有する一本鎖核酸断片である、請求項13に記載の検出方法。

【請求項15】
前記工程(a)が、前記試料と、請求項6又は7に記載の複合体と、α-β-γ[但し、α、β、γは、前記式(3)における定義に同じである。]の塩基配列を有する一本鎖核酸断片とを含む混合液をインキュベートする工程であって、
前記混合液中で、前記試料中の対象核酸が前記第1の核酸構造体と足場依存型鎖交換反応を行い、その結果、前記第1の核酸構造体からβ-γの塩基配列を有する一本鎖核酸が解離する工程(a1)と、
α-β-γの塩基配列を有する前記一本鎖核酸断片が前記第1の核酸構造体と足場依存型鎖交換反応を行い、その結果、前記第1の核酸構造体からαの塩基配列を有する一本鎖核酸及び対象核酸が解離することにより、前記第1の粒子と前記第2の粒子の結合が解離し、更に対象核酸が再生される工程(a2)とを含む、請求項14に記載の検出方法。

【請求項16】
下記工程(aa)、(bb)及び(cc)を備える、試料中の対象核酸の検出方法。
工程(aa):前記試料と、請求項12に記載の複合体とを含む混合液をインキュベートする工程であって、前記混合液中で、足場依存型鎖交換反応により前記第1の粒子と前記第2の粒子との結合が解離するとともに対象核酸が増幅される工程。
工程(bb):工程(aa)の後に、解離した前記第2の粒子及び未反応の前記複合体を凝集させる工程であって、その結果、解離した前記第1の粒子が前記混合液中に分散する工程。
工程(cc):工程(bb)の後に、前記混合液中の前記第1の粒子の存在量を測定する工程であって、測定された前記存在量が前記対象核酸の存在量に対応する工程。

【請求項17】
前記工程(aa)が、前記試料と、下記式(6)で表され、第1の核酸構造体を介して第1の粒子と第2の粒子とが結合した第1の複合体と、下記式(7)で表され、第2の核酸構造体を介して前記第1の粒子と前記第2の粒子とが結合した第2の複合体と、下記式(8)で表される第3の核酸構造体と、λ-γ-β-γ[但し、λ、β、γは、下記式(8)における定義に同じである。]の塩基配列を有する一本鎖核酸断片とを含む混合液をインキュベートする工程であって、
前記対象核酸がγ-δ[但し、γは前記式(3)における定義に同じであり、δは前記式(3)における前記δ’と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]の塩基配列を有する一本鎖核酸断片であり、
前記混合液中で、前記試料中の対象核酸が前記第3の核酸構造体と足場依存型鎖交換反応を行い、その結果、前記第3の核酸構造体からα-β-γの塩基配列を有する一本鎖核酸が解離する工程(aa1)と、
α-β-γの塩基配列を有する前記一本鎖核酸断片が前記第1の核酸構造体と足場依存型鎖交換反応を行い、その結果、前記第1の核酸構造体からαの塩基配列を有する一本鎖核酸及びγ-δの塩基配列を有する一本鎖核酸断片が解離することにより、前記第1の粒子と前記第2の粒子の結合が解離し、更に対象核酸が生成される工程(aa2)と、
λ-γ-β-γの塩基配列を有する一本鎖核酸断片が前記第3の核酸構造体と足場依存型鎖交換反応を行い、その結果、前記第3の核酸構造体からθ-λ-γの塩基配列を有する一本鎖核酸及び対象核酸が解離することにより、対象核酸が再生される工程(aa3)と、
θ-λ-γの塩基配列を有する前記一本鎖核酸断片が前記第2の核酸構造体と足場依存型鎖交換反応を行い、その結果、前記第2の核酸構造体からθの塩基配列を有する一本鎖核酸及びγ-δの塩基配列を有する一本鎖核酸断片が解離することにより、前記第1の粒子と前記第2の粒子の結合が解離し、更に対象核酸が生成される工程(aa4)とを含む、請求項16に記載の検出方法。
【化6】


[式(6)中、X、X、α、α’、β’、γ、γ’及びδ’は前記式(3)における定義に同じであり、δは前記δ’又と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]
【化7】


[式(7)中、X、X、γ、γ’、δ及びδ’は前記式(6)における定義に同じであり、θ’及びλ’はそれぞれ任意の塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表し、θは前記θ’と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]
【化8】


[式(8)中、α、β、β’、γ、γ’、δ’は前記式(3)における定義に同じであり、θ及びλはそれぞれ任意の塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表し、λ’は前記λと相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]

【請求項18】
請求項1~12のいずれか一項に記載の複合体を備える、試料中の対象核酸の検出キット。

【請求項19】
請求項6又は7に記載の複合体と、α-β-γ[但し、α、β、γは、前記式(3)における定義に同じである。]の塩基配列を有する一本鎖核酸断片とを備え、前記対象核酸がγ-δ[但し、γは前記式(3)における定義に同じであり、δは前記式(3)における前記δ’と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]の塩基配列を有する一本鎖核酸断片である、請求項18に記載のキット。

【請求項20】
前記式(6)で表され、第1の核酸構造体を介して第1の粒子と第2の粒子とが結合した第1の複合体と、前記式(7)で表され、第2の核酸構造体を介して前記第1の粒子と前記第2の粒子とが結合した第2の複合体と、前記式(8)で表される第3の核酸構造体と、λ-γ-β-γ[但し、λ、β、γは、前記式(8)における定義に同じである。]の塩基配列を有する一本鎖核酸断片とを備え、前記対象核酸がγ-δ[但し、γは前記式(3)における定義に同じであり、δは前記式(3)における前記δ’と相補的な塩基配列を有する一本鎖核酸断片を表す。]の塩基配列を有する一本鎖核酸断片である、請求項18に記載のキット。

【請求項21】
増感剤を更に備える、請求項18~20のいずれか一項に記載のキット。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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