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陽極酸化ポーラスアルミナ及びその製造方法、並びに陽極酸化ポーラスアルミナスルーホールメンブレン、その製造方法 UPDATE

国内特許コード P180014819
整理番号 S2016-0890-N0
掲載日 2018年2月27日
出願番号 特願2016-127396
公開番号 特開2018-003048
出願日 平成28年6月28日(2016.6.28)
公開日 平成30年1月11日(2018.1.11)
発明者
  • 益田 秀樹
  • 柳下 崇
出願人
  • 公立大学法人首都大学東京
発明の名称 陽極酸化ポーラスアルミナ及びその製造方法、並びに陽極酸化ポーラスアルミナスルーホールメンブレン、その製造方法 UPDATE
発明の概要 【課題】細孔周期が、700nmを超えるほどに大きく、しかも大面積や曲面でも製造可能な陽極酸化ポーラスアルミナ、このような細孔周期を有し、大面積に対して適用可能であり、ロール状の地金に対しても適用可能なポーラスアルミナの製法方法を提供すること。
【解決手段】細孔の周期が720nm以上であり、規則配列した細孔が縦、横4個×4個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている陽極酸化ポーラスアルミナ及びアルミニウム材を陽極酸化する陽極酸化工程を具備し、該陽極酸化工程において、陽極酸化に用いる酸性電解液が、基本となる酸と、電解液全体中1重量%以下のリン酸またはリン酸塩とを含む陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


アルミニウムを酸性浴中で陽極酸化することにより得られる陽極酸化ポーラスアルミナは、サイズの均一な細孔が配列したホールアレー構造を有するために、フィルターや触媒担体、鋳型材料等、様々な応用が期待できる機能性材料である。
陽極酸化ポーラスアルミナの特徴の一つに、適切な条件下で陽極酸化を行うと細孔が自己組織化的に規則配列を形成することがあげられる(非特許文献1)。
陽極酸化ポーラスアルミナの細孔周期は、陽極酸化電圧に依存にして変化するため、各電圧条件下で電解液の種類、濃度、浴温、陽極酸化時間等の各種条件を最適化することで35nmから500nmの範囲で細孔が規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナの作製が可能であることが明らかとなっている(非特許文献2)。
また、陽極酸化によって形成されたポーラスアルミナの細孔径は細孔周期の1/4~1/3のサイズを有しており、酸性水溶液を用いたエッチング処理により細孔壁の溶解を行えば、細孔径を拡大することも可能であるため、用途に応じて細孔周期、細孔径が制御された高規則性ポーラスアルミナの作製を行うことができる。自己組織化的な細孔の規則配列はアルミナ皮膜の成長とともに進行することから、高い細孔配列規則性を有するポーラスアルミナの作製を行うためには、最低でもアスペクト比(細孔深さ/細孔周期の値)20以上のポーラス層を形成する必要がある。500nm以上の細孔周期を有するポーラスアルミナの作製については、これまでにも、クエン酸やリンゴ酸、酒石酸等の水溶液を用いて高電圧条件下で陽極酸化を行うことで作製が可能であることが報告されている(非特許文献3~8)。



しかしながら、これまでの検討では、アスペクト比が20を超えるポーラスアルミナの層の形成は報告されておらず、その結果として細孔が自己組織化的に規則配列したポーラスアルミナ層の形成も実現されていない。最近の報告において、菊地らがエチドロン酸を用いた陽極酸化において、細孔周期710nmのポーラスアルミナにおいてアスペクト比が20を超える皮膜形成が可能であり、その結果として自己組織化的に細孔が規則配列したポーラスアルミナが得られることが報告されている(非特許文献9)。
しかしながら、エチドロン酸を用いた陽極酸化では、細孔周期が710nmより大きなポーラスアルミナの形成は難しく、細孔周期が720nmを超える高規則性ポーラスアルミナの作製は実現されていない。
他方、陽極酸化に用いるAl材の表面にあらかじめテクスチャリング処理を施し、細孔発生の開始点として機能する窪みを形成することで、細孔が規則的に配列したポーラスアルミナを作製することもできる(非特許文献10)。
このようなテクスチャリングプロセスに基づき、細孔周期が1μmから3μmの範囲で規則的に配列したポーラスアルミナの作製が可能であることが報告されている(非特許文献11)。
テクスチャリングプロセスによれば、窪み部分から細孔発生を誘導するため、比較的容易に高規則性ポーラスアルミナの作製を行うことができるが、得られる試料のサイズが用いるモールドサイズに制限されるため大面積の試料を作製することが困難であるといった問題点がある。加えて、テクスチャリングプロセスは曲面に対して適用することが難しく、例えばロール状Alの表面にテクスチャリング処理にもとづき高規則性ポーラスアルミナを形成することは困難である等、製造上の制約も大きいという問題がある。

産業上の利用分野


本発明は、細孔が微細かつ高い規則性をもって配列した陽極酸化ポーラスアルミナおよびその製造方法に関し、様々な機能デバイスへの応用が可能な陽極酸化ポーラスアルミナ、その製造方法、陽極酸化ポーラスアルミナスルーホールメンブレン、その製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
細孔の周期が720nm以上であり、規則配列した細孔が縦、横4個×4個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項2】
上記細孔が縦、横5個×5個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている請求項1記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項3】
上記細孔が縦、横6個×6個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている請求項1記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項4】
上記細孔が縦、横7個×7個以上の範囲で理想三角格子状に配列されている請求項1記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項5】
膜厚が15μm以上であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナ

【請求項6】
膜厚のもっとも厚い部分と薄い部分との差が、最も厚い部分の厚みの20%以内であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナ

【請求項7】
上記の各細孔の細孔壁面に形成される横穴の個数が一つの細孔に対して5個以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項8】
銅濃度が30ppm以下であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項9】
上記銅濃度が20ppm以下であることを特徴とする請求項8記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項10】
上記銅濃度が10ppm以下であることを特徴とする請求項9記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項11】
細孔の周期が、750nm以上であることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項12】
細孔の周期が、1μm以上であることを特徴とする請求項11に記載の陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項13】
アルミニウム材を陽極酸化する陽極酸化工程を具備し、該陽極酸化工程において、陽極酸化に用いる酸性電解液が、基本となる酸と、電解液全体中1重量%以下のリン酸、またはリン酸塩とを含むことを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。

【請求項14】
上記の基本となる酸としてクエン酸、リンゴ酸および酒石酸のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項13記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。

【請求項15】
上記酸性電解液が、水と混和可能な有機溶媒を含む溶液を含有することを特徴とする請求項12~14のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。

【請求項16】
上記有機溶媒が、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミンおよびジメチルスルホキシドからなる群より選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項15記載の陽極酸化ポーラスアルミナの製造方法。

【請求項17】
請求項1記載の陽極酸化ポーラスアルミナを選択的に溶解除去し、当該陽極酸化ポーラスアルミナの製造時と同一の電圧条件下で再度陽極酸化してなる、表面から細孔が規則的に配列した陽極酸化ポーラスアルミナ。

【請求項18】
請求項1~12のいずれかに記載の陽極酸化ポーラスアルミナにおける各細孔が貫通した陽極酸化ポーラスアルミナスルーホールメンブレン。

【請求項19】
請求項18記載の陽極酸化ポーラスアルミナスルーホールメンブレンの製造方法であって、
陽極酸化によってアルミニウム地金表面にポーラスアルミナを形成した後、電解液を濃硫酸として、所定電圧条件下で陽極酸化をおこない、皮膜底部に溶解性の高いアルミナ層を形成し、当該アルミナ層を優先的に溶解除去する除去工程
を具備することを特徴とする陽極酸化ポーラスアルミナスルーホールメンブレンの製造方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 公開
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