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有機薄膜を用いた電子デバイス、及びそれを含有してなる電子機器

国内特許コード P180014844
整理番号 (E114P05)
掲載日 2018年4月17日
出願番号 特願2014-561596
登録番号 特許第6272242号
出願日 平成25年8月21日(2013.8.21)
登録日 平成30年1月12日(2018.1.12)
国際出願番号 JP2013004954
国際公開番号 WO2014125527
国際出願日 平成25年8月21日(2013.8.21)
国際公開日 平成26年8月21日(2014.8.21)
優先権データ
  • 特願2013-024097 (2013.2.12) JP
発明者
  • 福島 孝典
  • 庄子 良晃
  • 石割 文崇
  • 関谷 毅
  • 染谷 隆夫
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 有機薄膜を用いた電子デバイス、及びそれを含有してなる電子機器
発明の概要 本発明は、絶縁体と有機半導体の極めて均一な界面を形成することで、高性能、高均質、高安定な電子デバイス、及びそれを用いた電子機器を提供する。
本発明は、トリプチセンの正三又形状の骨格が互いにかみ合い、当該トリプチセン骨格に2次元分子配列の一方の面外に伸びる第1の分子を付加することにより、規則正しく幾何学的な2次元分子配列を形成させた有機薄膜を構成要素として含有してなる電子デバイス、及び当該電子デバイスを電子機器内部に含有してなる電子機器等に関する。
従来技術、競合技術の概要


半導体を用いた薄膜トランジスタは、絶縁体表面に半導体薄層を積層し、この絶縁体と半導体との界面近傍の半導体薄層中を電子またはホールが移動する。有機半導体材料の場合は、有機半導体材料を加熱し材料を蒸発させて絶縁体表面に付着させる。このとき、絶縁体表面のミクロな状態、詳しくは表面粗度、表面吸着物質、表面分子欠陥などが薄膜トランジスタ性能に影響し、多くの場合性能を著しく劣化させる。また、有機半導体材料を溶媒に溶かした溶液を絶縁体表面に塗工し、溶媒を除去することで有機半導体材料からなる薄膜を形成する塗布方式が知られている。この塗布方式は大面積基板への展開が容易で、大面積有機エレクトロニクスデバイスを実現する有効な手段である。しかし、塗布方式は溶媒が絶縁体基材表面を変質させ界面を劣化させるため、作成された有機薄膜トランジスタは駆動電圧の上昇やリーク電流の増加の性能低下が生じる場合がある。



このような性能低下を防ぐために、絶縁体基材表面に特殊な表面処理を施し、表面および積層後の界面を均質にしようとする試みがなされている。より具体的には、自己組織化単分子膜(以下、SAMともいう。)を絶縁体と有機半導体の界面に形成する方法が知られている。
しかし、従来のチオール基(-SH)を有するSAMでは、金等の金属などに限定された表面にしか形成できなかった。
また、最近では、リン酸基またはホスホン酸基を有するSAM材料が提案されている(非特許文献1参照)。
この新しいSAM材料は、多種多様な金属酸化物表面と相互作用し、組織化された単分子膜を形成することが可能である。しかし、有機材料の表面への形成は限定される。
このように、従来のSAM材料は形成できる表面が限定され、また表面状態に大きく影響を受ける。特に有機半導体を形成する絶縁層として金属酸化物を適用する場合は、表面の凸凹によりSAMが正常に形成されない異常が生じ易く、特に大面積化に対して品質不良が避けられないという問題を有している。
このように、薄膜トランジスタでは、絶縁体と有機半導体界面の品質管理が重要であるにも関わらず、付加的処理は製造方法を複雑にし、また品質の管理が困難であるという課題を有している。更に、作成の初期には期待される特性を有していても、デバイスの駆動とともに界面が変化し、使用時間が経るとともに性能が変化、低下してしまうという問題点も有している。



また、SAMを形成する分子の一方に機能性官能基を結合させることにより、固体基板の表面に特定の機能を付与することもできる。例えば、電子移動・酸化還元反応、触媒作用、光誘起電子移動、電気化学的発光、イオン・分子の認識、バイオセンサー、バイオ分子デバイス、太陽光発電、などの様々な機能をSAMの形成により固体基板の表面に付与することが可能となり、これらの分野での応用が期待されている。
例えば、アルデヒド部分を有する糖や、カルボキシル基を有する化合物を固定するために末端基としてアミノ基を有するアルキレンチオール化合物を材料としたSAMの形成(特許文献1参照)、末端基にシアノアリール基などの電子受容性官能基を有するアルキレンチオール化合物などを材料としたSAMの形成(特許文献2参照)、末端基にポリフェニレン基を有するアルキレンチオール化合物などを材料とした紫外線耐性を有するSAMの形成(特許文献3参照)、ビス(アダマンチルメチル)ジスルフィドを用いた剛直なアダマンタン表面膜構造を有するSAMの形成(特許文献4参照)、アルキレン鎖の途中に比較的長波長の光で感光する官能基を導入し、長波長の光でパターン化が可能となるリソグラフィー用のSAMの形成(特許文献5参照)、ピロール環拡張ポルフィリンとフラーレンを共有結合した化合物を用いた太陽電池及び光電荷分離素子用のSAMの形成(特許文献6参照)などが報告されている。

産業上の利用分野


本発明は、絶縁体と有機半導体の極めて均一な界面を形成する膜を構成要素として含有してなる電子デバイス、並びにそれを含有してなる回路基板及び電子機器に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次の一般式[I]


(式中、3つのRは同じ基であって、Rは、炭素数2から60の飽和又は不飽和の2価の炭化水素基を表し、当該炭化水素基は1つ又は2つ以上の置換基を有してもよく、また、当該炭化水素基の中の1つ又は2つ以上の炭素原子が酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、又は-NR-(ここで、Rは、水素原子、炭素数1~10のアルキル基、又は炭素数6~30のアリール基を表す。)で置換されていてもよく、
3つのRは、同一又は異なっていてもよくそれぞれ独立して、かつ基-X-R-Zとは異なる基であって、Rは、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノアルキル置換アミノ基、ジアルキル置換アミノ基、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルケニル基、置換基を有してもよい炭素数2~10のアルキニル基、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキルチオ基、ホルミル基、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキルカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよい炭素数1~10のアルキルカルボニルオキシ基、置換基を有してもよい炭素数6~30のアリール基、又は窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる群から選ばれる1~5個のヘテロ原子を有し炭素原子を2~10個有する5~8員の置換基を有してもよいヘテロアリール基を表し、
3つのXは同じ基であって、Xは、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる1~5個の原子及び水素原子で構成される2価の原子団からなるリンカー基を表し、
3つのZは同じ基であって、Zは、水素原子、又は窒素原子、酸素原子、硫黄原子、炭素原子、リン原子、ハロゲン原子、及びケイ素原子からなる群から選ばれる1~15個の原子及び水素原子で構成される1価の原子団からなる末端基を表す。)
で表されるヤヌス型トリプチセン誘導体を含有してなる有機薄膜を構成要素として含有してなり、当該有機薄膜が絶縁層の上に形成された、電子デバイス。

【請求項2】
電子デバイスが、トランジスタ、コンデンサ、ダイオード、サイリスタ、電気発光素子、センサー、又はメモリーである、請求項1に記載の電子デバイス。

【請求項3】
トランジスタが、薄膜トランジスタである請求項に記載の電子デバイス。

【請求項4】
薄膜トランジスタが、基板上にゲート電極、ソース電極、ドレイン電極、及びゲート絶縁層を含む有機薄膜トランジスタである、請求項に記載の電子デバイス。

【請求項5】
ゲート絶縁層が、絶縁材料及び前記一般式[I]で表されるヤヌス型トリプチセン誘導体を含有してなる有機薄膜で構成されてなる、請求項に記載の電子デバイス。

【請求項6】
ゲート絶縁層が、絶縁材料と前記有機薄膜の積層体からなることを特徴とする、請求項に記載の電子デバイス。

【請求項7】
前記ゲート絶縁層の絶縁材料が、有機絶縁材料である、請求項からのいずれかに記載の電子デバイス。

【請求項8】
薄膜トランジスタが、さらに半導体からなるチャネル層を含む、請求項からのいずれかに記載の電子デバイス。

【請求項9】
前記チャネル層が、有機半導体層である、請求項に記載の電子デバイス。

【請求項10】
有機薄膜とチャネル層の半導体が積層している、請求項又はに記載の電子デバイス。

【請求項11】
薄膜トランジスタが、ゲート絶縁層と有機半導体層との境界部が請求項1に記載の有機薄膜で構成されていることを特徴とする、請求項又は10に記載の電子デバイス。

【請求項12】
ゲート絶縁層、有機薄膜、及び有機半導体層が、積層構造をしている、請求項11に記載の電子デバイス。

【請求項13】
有機薄膜が、一般式[I]で表されるトリプチセン誘導体の-X-R-Zの側が前記ゲート絶縁層側に、一般式[I]で表されるトリプチセン誘導体のRの側が前記有機半導体層側に配向していることを特徴とする、請求項11又は12に記載の電子デバイス。

【請求項14】
薄膜トランジスタのソース電極及び/又はドレイン電極が、前記有機薄膜と前記チャネル層との間に形成されていることを特徴とする、請求項から13のいずれかに記載の電子デバイス。

【請求項15】
チャネル層が、有機半導体層である、請求項14に記載の電子デバイス。

【請求項16】
電子デバイスが、コンデンサである、請求項に記載の電子デバイス。

【請求項17】
コンデンサが、電極間に請求項1に記載の有機薄膜からなる誘電体層を有するコンデンサである、請求項16に記載の電子デバイス。

【請求項18】
誘電層が、さらに第二の誘電体を含有している、請求項17に記載の電子デバイス。

【請求項19】
第二の誘電体が、有機誘電体である、請求項18に記載の電子デバイス。

【請求項20】
有機薄膜と第二の誘電体が、積層構造をしている、請求項18又は19に記載の電子デバイス。

【請求項21】
請求項1から20のいずれかに記載の電子デバイスを、電子回路中に含有してなる回路基板。

【請求項22】
請求項1から20のいずれかに記載の電子デバイスを、電子機器内部に含有してなる電子機器。

【請求項23】
電子機器が、電子ペーパー、有機ELディスプレイ、又は液晶ディスプレイである、請求項22に記載の電子機器。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) ERATO 染谷生体調和エレクトロニクス 領域
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