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マグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法、そのマグネシウム粉末冶金焼結体およびマグネシウム粉末冶金材料 新技術説明会

国内特許コード P180014880
掲載日 2018年4月23日
出願番号 特願2014-092371
公開番号 特開2014-231638
出願日 平成26年4月28日(2014.4.28)
公開日 平成26年12月11日(2014.12.11)
優先権データ
  • 特願2013-095732 (2013.4.30) JP
発明者
  • 岩岡 拓
出願人
  • 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
発明の名称 マグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法、そのマグネシウム粉末冶金焼結体およびマグネシウム粉末冶金材料 新技術説明会
発明の概要 【課題】マグネシウム粉末冶金材料中のマグネシウム粉末同士間の結合力を強化し、当該材料の組織を維持したまま、その組織を緻密化したマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法、その焼結体および材料を提供する。
【解決手段】マグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法は、マグネシウム粉末と添加元素粉末を混合してマグネシウム粉末冶金材料を調製する混合工程S1と、当該材料を成形型内に充填する粉末充填工程S2と、当該材料を圧縮しながら、マグネシウムの融点未満の温度で焼結して、マグネシウム間に添加元素の液相、または該液相およびマグネシウムと添加元素との共晶融液が混在する液相、もしくは当該共晶融液のみの液相のいずれかを介在させる焼結工程S3と、冷却して、液相を固相化する冷却工程S4と、その後、焼結体を成形型から取り出す取り出し工程S5を含む。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要 マグネシウムは、軽量の金属元素であり、そのマグネシウム合金は、その軽量性に加えて、高強度、高延性、高制振性および高放熱性等を示すことから、工業製品の構成材として用いられている。
マグネシウム合金は成形性に乏しいため、製品等への加工に際しては、マグネシウムと他の金属元素とを溶解して合金化した上で、その溶融状態の合金あるいは固相化した合金に所定の形状を付与する方法が用いられている。その合金製造や形状付与の手段としては、鋳造法あるいはダイカスト法(金型鋳造法)が主流である。

ところが、鋳造法等では、製品の小型化や薄肉化等の要求を満たすように設計された複雑形状の金型に、溶解したマグネシウム合金を充填させる際に、湯流れ不良や凝固割れ、金型への焼付きなどの問題(以下、溶融-凝固問題という)が生じることがある。このような溶融-凝固問題に関連すると考えられるマグネシウム合金の溶湯流動性を改善して、その鋳造性を高めるために、種々の元素を添加しても、その元素添加による高強度化効果は低い。また、高強度化のための強加工や複雑形状の付与のための後加工も必要となる。
つまり、鋳造性と機械的性質を両立させながら、マグネシウム合金を用いて鋳造品を製造することは容易でないため、鋳造法等での合金設計を困難にしているのが現状である。

一方、粉末冶金法は、固体である粉体を混合することで、溶解させることなく固相のまま、ある程度自由に合金組成を決定することができる混合工程と、半流体とも言うべき粉体を冷間で金型成形することで、複雑な三次元形状を与える圧粉成形工程と、例えばベルトコンベアによって連続的に加熱処理をする焼結工程を含む方法である。この粉末冶金法では、原料の粉体を溶解させないことから、上述の鋳造法等における溶湯流動性を考慮する必要がなく、溶融-凝固問題も生じることがなく、しかも、流動性に優れた粉体をそのまま成形できることから、複雑な形状の製品を寸法精度よく、且つ、経済的に製造可能であることが最大の特長である。
例えば、ギアなどの歯車形状の焼結機械部品は、その形状を得るための切削等の後加工を大幅に削減できる点で、粉末冶金法による象徴的な製品であるといえる。

また、鋳造法等では、上述した溶融-凝固問題に加えて、凝固過程で、例えばマグネシウム等の母相中に粗大な脆化相が生じるという問題もある。これに対して、粉末冶金では、原料粉末が固相のまま、圧粉成形されることや粉末内部が微細な組織であることから、当該原料粉末から得られる焼結体での粗大な脆化相の発生が抑制され、且つ、組織微細化による高強度化が可能であるなどの特長もある。

しかしながら、粉末冶金法は、これまで、マグネシウム粉末冶金焼結体の製造には適さない手法であるとされてきた。
つまり、マグネシウムは、非常に活性な金属であるから、その粉末表面には強固な酸化皮膜が形成される。一方、粉末冶金法は、上述したように、原料粉末をその固相のまま、溶解させずに焼結する手法であるから、この粉末冶金法をマグネシウム粉末からの焼結体の製造に適用しようとする場合、マグネシウム粉末表面全体を覆う酸化皮膜の介在によって、マグネシウム粉末同士が直接的に接触する機会が減るため、その状態で、マグネシウム粉末を焼結しても、その酸化皮膜がマグネシウム粉末の焼結を阻害するという問題があったからである(例えば、非特許文献1の第178頁左欄の第5行~第9行)。

このような粉末冶金法によって、マグネシウム粉末からマグネシウム粉末冶金焼結体を製造する場合には、酸化皮膜による焼結の阻害、すなわち焼結性の問題を解決する必要がある。
このため、本発明者は、マグネシウムの焼結性を改善するため、酸化皮膜の破壊を促す方法として温間成形の適用を試みたところ、その温間成形では、マグネシウムの降伏強さの温度依存性を利用して、マグネシウム粉末の塑性変形を促し、粉末同士を接触させることで酸化皮膜の一部を破壊し、これによって金属結合が生じ、焼結の促進を確認することができた(非特許文献2)。
産業上の利用分野 本発明は、マグネシウム粉末冶金に関するものであり、より具体的には、マグネシウム粉末冶金材料からのマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法、そのマグネシウム粉末冶金焼結体および当該マグネシウム粉末冶金材料に関するものである。
特許請求の範囲 【請求項1】
粉末状のマグネシウムと、該マグネシウムとの共晶反応が可能である、または、前記マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末を混合させてなるマグネシウム粉末冶金材料を圧縮しながら、前記マグネシウムの融点未満の範囲の温度で焼結して、前記マグネシウム間に、前記添加元素の液相、または該液相および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液が混在する液相、もしくは前記マグネシウムと前記添加元素との共晶融液のみの液相のいずれかを介在させた後、冷却して、前記液相を固相化することを特徴とするマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。

【請求項2】
前記添加元素は、少なくとも、スズ、亜鉛及びアルミニウムのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。

【請求項3】
前記添加元素は、少なくとも、アンチモン及びビスマスのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体の製造方法。

【請求項4】
粉末状のマグネシウムと、該マグネシウムとの共晶反応が可能である、または、前記マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素を含み、
前記マグネシウム間に、少なくとも、前記添加元素および前記マグネシウムと前記添加元素との共晶のいずれかが介在してなることを特徴とするマグネシウム粉末冶金焼結体。

【請求項5】
前記添加元素は、少なくとも、スズ、亜鉛及びアルミニウムのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体。

【請求項6】
前記添加元素は、少なくとも、アンチモン及びビスマスのいずれかであることを特徴とする請求項4に記載のマグネシウム粉末冶金焼結体。

【請求項7】
粉末状のマグネシウムと、該マグネシウムとの共晶反応が可能である、または、前記マグネシウムよりも低い融点を示す添加元素の粉末を混合させてなることを特徴とするマグネシウム粉末冶金材料。

【請求項8】
前記添加元素は、少なくとも、スズ、亜鉛及びアルミニウムのいずれかであることを特徴とする請求項7に記載のマグネシウム粉末冶金材料。

【請求項9】
前記添加元素は、少なくとも、アンチモン及びビスマスのいずれかであることを特徴とする請求項7に記載のマグネシウム粉末冶金材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2014092371thum.jpg
出願権利状態 公開


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