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抗マラリア活性を有するアザアルテミシニン誘導体及びその製造方法 UPDATE

国内特許コード P180014927
整理番号 150037JP01
掲載日 2018年4月27日
出願番号 特願2012-194910
公開番号 特開2014-051438
登録番号 特許第5994059号
出願日 平成24年9月5日(2012.9.5)
公開日 平成26年3月20日(2014.3.20)
登録日 平成28年9月2日(2016.9.2)
発明者
  • 大栗 博毅
  • 比留間 貴久
  • 大村 智
  • 乙黒 一彦
  • 岩月 正人
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
  • 学校法人北里研究所
発明の名称 抗マラリア活性を有するアザアルテミシニン誘導体及びその製造方法 UPDATE
発明の概要 【課題】抗マラリア活性を有する新規6-アザアルテミシニン誘導体及び短工程の該誘導体の製造方法の提供。
【解決手段】式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩:



(式中、Rは、H又は置換されてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、もしくはアシルを表し;Rは、H又は置換されてもよいアルキル、アシル、スルホンアミド、アリール、もしくはアリールアルキルを表し;Rは、H又は置換されてもよいアルキル、アルケニル、もしくはアルキニルを表し;及び、Rは、=O、OH、置換されてもよいアルキル、アルコキシ、カルボニル、もしくはカルボキシル、その他の置換基を表す)。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


マラリアは、世界中で多くの感染者が発生し続けている感染性疾患である。ヒトに寄生するマラリア原虫類には、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)が存在するが、その約80%は熱帯熱マラリア原虫によってひき起こされる。この寄生虫は、最も致死性の高い種類の熱帯熱マラリアの原因であり、重症の場合には脳性マラリアになって死に至ることが知られている。



これらのマラリア原虫類に対する既存の抗マラリア剤としては、従来、クロロキン、ファンシダール(ピリメサミンとスルファドキシンとの合剤)、メフロキン、キニン、およびプリマキン等が用いられていた。しかしながら、現在クロロキンやファンシダールに対する薬剤耐性マラリア原虫がマラリア流行地域に広く蔓延し、さらに、両者の多剤耐性株も出現しており、これらの抗マラリア剤としての有用性はマラリア流行地域で著しく低下している。



一方、このような薬剤耐性のあるマラリア原虫に対して感受性をもつ抗マラリア薬として、アルテミシニンが1980年以降に新規に開発された。アルテミシニン(アルテアヌイン,キンガオスとも呼ばれる)は、植物アルテミシア(Artemisia annua L.;ヨモギ属の植物、和名:クソニンジン)から単離されたセスキテルペンラクトンである。アルテミシニン分子は、エンドペルオキシド架橋を含み、当該エンドペルオキシド部分は、マラリア活性に重要であることが明らかになっており、これを欠いた類似体は不活性であることが分かっている。



天然のアルテミシニンは、植物中に低濃度でしか存在しないことから薬物としては比較的高価なものとなっており、また、アルテミシニンは水への溶解性が低いこと、及び治療薬としての作用としては速効性があるが完治せずに再発し易いなどという問題があった。そこで、アルテミシニンに基づく多様な合成誘導体に変換し、それによって水への溶解性や医薬的有効性等を改善することが試みられている。そのような公知のアルテミシニン類似体には、アルテスネート、ジヒドロアルテミシニン、アルテメーテル、アルテエーテル、プロピルカルボネート、ジヒドロアルテミシニンおよびアルテリン酸などがある。また、アルテミシニンのC9位やC10位に様々な置換基を有するアルテミシニン誘導体も製造されている(特許文献1等)。しかしながら、これらアルテミシニン誘導体は、安定性、バイオアベイラビリティーおよび起こり得る神経毒性に関連する問題があり、また、種々のマラリア原虫に対する広範な薬効を示す新たなアルテミシニン誘導体への要望も存在する。



これまで、発明者らは、多環式骨格とエンドペルオキシ導入位置を改変する合成戦略を案出し、アルテミシニンに匹敵する高い酸化度と構造の複雑性を有する低分子群の合成に成功し、それらが強力な抗トリパノソーマ活性を有することを報告している(非特許文献1及び2)。

産業上の利用分野


本発明は、新規6-アザアルテミシニン誘導体及びその製造方法に関し、より詳細には、抗マラリア活性を有する6-アザアルテミシニン誘導体及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩:
【化1】


(式中、Rは、H、又は置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、もしくはアシルを表し;Rは、H、又は置換されていてもよいアルキル、アシル、スルホンアミド、アリール、もしくはアリールアルキルを表し;Rは、H、又は置換されていてもよいアルキル、アルケニル、もしくはアルキニルを表し;及び、Rは、=Oを表す)。

【請求項2】
は、H、又は置換されていてもよいC1~10アルキルもしくはC1~10アシルを表し;Rは、H、又は置換されていてもよいC1~10アルキル、C1~10アシル、スルホンアミド、もしくはベンジルを表し;及び、は、H、又は置換されていてもよいC1~10アルキルを表、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

【請求項3】
以下の式(II)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化3】



【請求項4】
以下の式(III)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【化4】



【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩、及び薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。

【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を含む、マラリア原虫類の感染治療剤。

【請求項7】
マラリア原虫類による感染症を治療するための薬剤を製造するための、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。

【請求項8】
以下の式(I)
【化5】


で表される化合物を製造する方法であって、
以下の式(A)
【化6】


で表される化合物と以下の式(B)
【化7】


で表される化合物とを、トリメチルシリルアセチレン存在下で反応させることによって、以下の式(C)
【化8】


で表される中間体を得る工程を含む、該方法:
(いずれの式中においても、Rは、H、又は置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アルキニル、もしくはアシルを表し;Rは、H、又は置換されていてもよいアルキル、アシル、スルホンアミド、アリール、もしくはアリールアルキルを表し;Rは、H、又は置換されていてもよいアルキル、アルケニル、もしくはアルキニルを表し;及び、Rは、=Oを表す)

【請求項9】
前記式(C)で表される化合物をチタン錯体触媒の存在下で環化させて以下の式(D)
【化10】


得る工程、及び、前記式(D)の化合物を環化させて前記式(I)の化合物を得る工程を更に含む、請求項8に記載の方法。

【請求項10】
は、H、又は置換されていてもよいC1~10アルキルもしくはC1~10アシルを表し;Rは、H、又は置換されていてもよいC1~10アルキル、C1~10アシル、スルホンアミド、もしくはベンジルを表し;及び、は、H、又は置換されていてもよいC1~10アルキルを表、請求項8又は9に記載の方法。

【請求項11】
は、メチルであり;Rは、ベンジルであり;及び、は、Hであ、請求項8乃至10のいずれか一項に記載に記載の方法。

【請求項12】
は、メチルであり;Rは、p-メトキシベンジルであり;Rは、Hであ、請求項8乃至10のいずれか一項に記載に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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