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板状蛍光体とそれを使用したディスプレイ UPDATE

国内特許コード P180014935
掲載日 2018年5月1日
出願番号 特願2006-250080
公開番号 特開2008-069290
登録番号 特許第5034033号
出願日 平成18年9月14日(2006.9.14)
公開日 平成20年3月27日(2008.3.27)
登録日 平成24年7月13日(2012.7.13)
発明者
  • 松本 泰治
  • 細井 栄
  • 後藤 義昭
  • 伊東 裕恭
  • 山田 隆之
出願人
  • 栃木県
  • 吉澤石灰工業株式会社
発明の名称 板状蛍光体とそれを使用したディスプレイ UPDATE
発明の概要 【課題】厚さ方向にはナノサイズであるが、面方向には十分な広がりの粒径をもった板状体の結晶体であって、低速の電子線や真空紫外線のような、比較的弱い励起電磁波によっても高い輝度の発光をするもの、特に使用中に環境から水分を再吸着しても発光特性が実質上低下しないものを提供し、それによって、次世代パネルディスプレイに対する要求を満たす。
【解決手段】K2O・Al23・2SiO2・xH2Oの組成を有し、六角板状の結晶形態をもつ「リンデQ」型ゼオライトを、希土類金属の可溶性塩の水溶液に浸漬して、ゼオライト中のKと希土類金属の3価または2価のイオンとのイオン交換を行なったのち、濾過、洗浄、乾燥をへて、200~900℃の温度で焼成する。蛍光スペクトルのピークは、希土類金属としてEuを用いたものは610nm(赤色)、Tbを用いたものは540nm(緑色)、Tmを用いたものは453nm(青色)。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


ゼオライトは、その細孔内に、発光中心となる希土類元素をイオン交換により均一に分散させることが容易であることから、ゼオライトを母結晶ないし原料に用いた蛍光体が、多数知られている。希土類金属のイオンを、ゼオライトキャビティに混入した配位子と錯体を形成させ、この配位子を希土類金属の発光輻射線より低い波長範囲において励起電磁線を吸収できるように、電子構造に関して選定し、かつ、配位子のトリプレットレベルを希土類金属の放射レベルより上にすることが開示された(特許文献1)。ゼオライト中の水分の存在は、励起を妨げるので、ゼオライトのイオン交換をしたのち、焼成して水分を駆逐することにより、蛍光体として機能するようになる。



希土類元素としてはさまざまなものが使用可能であるが、とくにユーロピウムEuが有用である。しかし、ゼオライトは、蛍光体の製造時に失った水分を環境から再度取り込み、その結果として、蛍光体は蛍光を発する機能を失う。そこで、この機能を維持させるため、ゼオライトに水分が再吸着しないような手段が考えられている。たとえば、ビピリジンのような有機化合物をEuとの錯体として、Y-ゼオライトの内部に位置させるということが試みられた(非特許文献1)。EuやTbのイオンを含むゼオライトに、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化ニオブ、酸化タンタルなどの遷移金属酸化物を加えたものも提案された(特許文献2)。



蛍光性能の維持という、上記の目的を達する技術としては、ゼオライト単結晶に発光マトリックス用金属酸化物、具体的にはスズ、亜鉛またはインジウムの酸化物に、発光中心用希土類金属との複合体を担持させたものもある(特許文献3)。発明者らの一部は、フォージャサイト型ゼオライトをEu3+でイオン交換したのち、焼成してなる蛍光体を開示した(特許文献4)。均一な粒子形状を有し、粒径の制御が容易であり、粒径が小さくても強い発光が得られる蛍光体を得るため、アルミノシリケート系非晶質マトリクス中に、セラミックスの結晶微粒子を分散させた複合体の提案もある(特許文献5)。



フィールドエミッションディスプレイ用の蛍光体に代表される、いわゆる次世代蛍光材料には、高解像度、高発光効率に加えて、低速電子線で励起できるという特性が要求される。この目的には、ナノサイズの蛍光体が適当であるが、従来の蛍光体を単にナノサイズ化すると、表面積の増大に伴う発光強度の減少が避けられない。この問題を解決する途は、蛍光体を厚さ方向にだけナノサイズであって、面方向には大きな板状体にすることであるが、既知の方法では、所望の板状蛍光体を製造することはできない。従来の酸化物系または硫化物系の蛍光体を製造する方法は、固相反応法やフラックス法であって、これらの方法で、結晶形態や粒径を制御することは困難である。



これまで板状の蛍光体として知られているのは、ホウ酸塩系のa(M11-x223・B23(MはY,LaまたはGd、M2はEu,TbまたはCe、0.005≦x≦0.2、0.5≦a≦2)の組成式により表される化合物であるが(特許文献6)、得られる蛍光体粒子は、最大径1~5μm、厚さ0.05~0.5μmとのことであるが、形態や粒径の制御は容易でない。
【特許文献1】
特開平05-194941
【特許文献2】
特表平11-504064
【特許文献3】
特開2003-246981
【特許文献4】
特開2005-048107
【特許文献5】
特開2005-314573
【特許文献6】
特開2002-309245
【非特許文献1】
Journal of Luminescence 72-74(1997)532-534

産業上の利用分野


本発明は、ゼオライトの希土類金属イオン交換によって得られる、板状の結晶体である蛍光体と、その製造方法に関する。本発明はまた、この板状蛍光体がその特性を発揮する塗膜の形成方法に関する。本発明はさらに、この蛍光体の三原色(RGB)の組み合わせを使用したディスプレイにも関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
2O・Al23・2SiO2・xH2Oの組成を有し、六角板状の結晶形態をもつ「リンデQ」型ゼオライトに、少なくとも20%の交換率でイオン交換を行なって希土類元素のイオンを分散させてなり、電子線または紫外線で励起されて蛍光を発する板状蛍光体。

【請求項2】
希土類元素のイオンがEu3+であり、蛍光のピーク波長が610nm(赤色)である請求項1の板状蛍光体。

【請求項3】
希土類元素のイオンがTb3+であり、蛍光のピーク波長が540nm(緑色)である請求項1の板状蛍光体。

【請求項4】
希土類元素のイオンがTm3+であり、蛍光のピーク波長が453nm(青色)である請求項1の板状蛍光体。

【請求項5】
賦活成分としてGd3+を添加した請求項2の板状蛍光体。

【請求項6】
請求項1に記載した板状蛍光体を製造する方法であって、「リンデQ」型ゼオライトを希土類金属の可溶性塩の水溶液に浸漬して、ゼオライト中のKと希土類金属の3価または2価のイオンとのイオン交換を行なって、少なくとも20%の交換率で希土類金属のイオンを存在させたのち、濾過、洗浄、乾燥をへて、200~900℃の温度で焼成することからなる製造方法。

【請求項7】
請求項1に記載した板状蛍光体をビヒクルに分散させて形成した塗料を、板状体が基材の面に沿って配向される塗布手段を用いて塗布し、厚さ方向にナノサイズの板状蛍光体が存在する塗膜を得ることからなる板状蛍光体の塗膜形成方法。

【請求項8】
請求項2に記載した赤色の蛍光を発する板状蛍光体、請求項3に記載した緑色の蛍光を発する板状蛍光体、および請求項4に記載した青色の蛍光を発する板状蛍光体を組み合わせてなるRGB発光体。

【請求項9】
請求項8のRGB発光体に対して励起手段を与えて構成したディスプレイ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録


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