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ナスの下漬液からのアントシアニン系色素の精製方法

国内特許コード P180014938
掲載日 2018年5月1日
出願番号 特願2008-155343
公開番号 特開2009-298926
登録番号 特許第5317328号
出願日 平成20年6月13日(2008.6.13)
公開日 平成21年12月24日(2009.12.24)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発明者
  • 山崎 公位
  • 渡邊 恒夫
  • 伊藤 和子
  • 阿久津 智美
  • 大山 高裕
  • 荒井 一好
  • 角張 文紀
  • 吉成 修一
  • 宇田 靖
  • 橋本 啓
出願人
  • 栃木県
  • 国立大学法人宇都宮大学
  • 株式会社荒井食品
発明の名称 ナスの下漬液からのアントシアニン系色素の精製方法
発明の概要 【課題】 ナスの漬物を製造する過程で発生する下漬液から、食品産業に有益なナスニンを主としたアントシアニン系色素を変質させずに効率良く得る方法を提供する。
【解決手段】 ナスニンを主としたアントシアニン系色素を含むナスの漬物の加工工程で発生した食塩とアルミミョウバンを含む下漬液8を原液とし、スチレン-ジビニルベンゼン系の多孔質樹脂4にその原液を通液して食塩とアルミミョウバンを含む無機成分等を洗浄し、次いでナスニンを主としたアントシアニン系色素の吸着した多孔質樹脂4に酢酸液を通液してナスニンを主としたアントシアニン系色素を多孔質樹脂4から分離してアントシアニン系色素含有液を得る。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


ナスの塩漬を製造する工程で発生する多量の下漬液には食品産業にとって有益なナスニンを主とするアントシアニン系色素が多量に含まれていることが知られていたが、これまではそれを有効に回収する手段がなく、殆ど捨てられてしまっているのが現状である。
その回収に有効な手段が見いだせない理由は以下の如くに推察される。
従来、アントシアニン系色素を分離する技術としては、多孔質樹脂に通して、アントシアニン系色素を分離する技術が知られており、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載される技術がある。
特許文献1には、赤キャベツや赤シソなどの塩漬を製造する工程で発生する下漬液を、多孔質樹脂に接触させてアントシアニン系色素を吸着し、次にそのアントシアニン系色素を吸着した多孔質樹脂をアルコール水溶液に接触させてアルコール水溶液にアントシアニン系色素を溶出させるという手法でアントシアニン系色素を分離させようとする手段が記載されている。
また特許文献2には、赤キャベツに含まれるアントシアニン系色素を無機酸又は有機酸によりpH1.5~3.0に保って植物特有の色を安定させてから多孔質重合体樹脂で赤キャベツ色素を製造する方法が記載されている。この方法は、多孔質重合体樹脂に赤キャベツ色素を吸着させてから次に赤キャベツ色素の多孔質重合体樹脂からの分離をエタノールなどの親水性有機溶媒で溶出させて行うというものである。



しかし、上記特許文献1及び特許文献2の技術を、そのままナスの下漬液のナスニン等のアントシアニン系色素の分離に用いても、有効な分離効果は得られない。
その原因は、変色し易いナスの漬け物には、ミョウバン等の金属成分を添加してキレート結合によって安定化させているが、そのキレート化されたナスニンは上記多孔質樹脂に吸着してしまい、多孔質樹脂による色素の分離が困難になってしまうからである。



また、色素の多孔質重合体樹脂からの分離をエタノールなどの親水性有機溶媒で溶出させようとすると、上記特許文献1及び2で使用されるエタノールなどの親水性有機溶媒は、食品において濃度によって毒性や安全性に問題があり、加えて濃度によっては可燃性による危険があって安全管理上の扱いには注意を要すものであり、さらに多孔質重合体樹脂からのアントシアニン系色素の分離には多量のエタノールを使用しなければならないので高コストとなるのはもとより、使用液の濃縮にも多量の熱エネルギーを消費するので、その分CO2の排出などによる環境負荷が大きくなるという難点もあった。
また、上記の如くエタノールを用いてナスのアントシアニン系色素を回収しようとしてもアントシアニン系色素の回収効率が30%程度と低すぎるので工業化することが困難となる。



また、これに関連して、下記特許文献3には有害性のある有機溶媒を使用せずに植物性色素などのポリフェノール類をスチレン-ジビニルベンゼン共重合体などに吸着させた後、水酸化ナトリウムなどのアルカリ性水溶液で植物性色素を脱着させるポリフェノールの精製法が提案されている。
しかしこの方法では、ナスに含まれるアントシアニン系色素を得ようとした場合には、主成分のナスニンがアルカリ性水溶液によって変質を起こし、pH値が高くなるに応じて青紫から全く異なる黄色に変ってしまうという難点がある。



【特許文献1】
特開2007-145945号公報
【特許文献2】
特開平9-255888号公報
【特許文献3】
特開2002-335911号公報

産業上の利用分野


本発明は、ナスの漬物の加工工程で発生した下漬液からアントシアニン系色素を分離精製する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
アントシアニン系色素を含むナスの漬物の加工工程で発生した食塩とアルミミョウバンを含む下漬液を抽出する工程と、
該抽出液を多孔質樹脂に通液して該多孔質樹脂にアントシアニン系色素を吸着させ、その他の無機成分等を分離除去する工程と、
該多孔質樹脂にカルボン酸液を通液して吸着したアントシアニン系色素を多孔質樹脂から分離する工程と、
から成ることを特徴とするナスの下漬液からのアントシアニン系色素の精製方法。

【請求項2】
多孔質樹脂がスチレン-ジビニルベンゼン系、アクリル酸系又はメタクリル系の多孔質重合体のうち少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載のナスの下漬液からのアントシアニン系色素の精製方法。

【請求項3】
カルボン酸液が酢酸、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸からなる群の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のナスの下漬液からのアントシアニン系色素の精製方法。

【請求項4】
カルボン酸液が酢酸であり、該酢酸液の濃度が1M~10Mであることを特徴とする請求項3に記載のナスの下漬液からのアントシアニン系色素の精製方法。



国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008155343thum.jpg
出願権利状態 登録


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