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繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法及びそのシステム UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P180014947
掲載日 2018年5月2日
出願番号 特願2017-239250
公開番号 特開2019-104861
出願日 平成29年12月14日(2017.12.14)
公開日 令和元年6月27日(2019.6.27)
発明者
  • 坂本 大輔
出願人
  • 埼玉県
発明の名称 繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法及びそのシステム UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】溶剤を使った常圧で、且つ、温和な条件下での溶解により、繊維強化樹脂複合材による廃材から無劣化の繊維(炭素繊維又はガラス繊維を含む)と樹脂(樹脂+溶剤)とを容易に分離できるようにする。
【解決手段】樹脂に繊維を混合させ強度を増してなる繊維強化樹脂複合材の廃材から、樹脂の溶解度の高い溶剤によって繊維を分離し、繊維分離後の溶解液から樹脂と溶剤とを分離回収する。すなわち、繊維強化樹脂複合材による廃材を溶剤によって溶解処理し、溶剤を含む樹脂と繊維とに分離する繊維樹脂分離工程Aと、溶剤を含む樹脂から溶剤と樹脂とに分離する樹脂溶剤分離工程Bと、繊維樹脂分離工程Aによって分離された繊維及び樹脂を別個に回収する繊維・樹脂リサイクル回収工程C1,C2とを有する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

樹脂にガラス繊維、炭素繊維(CF)等を混合させ強度を増した繊維強化プラスチック(FRP)は、浴槽から航空宇宙分野まで幅広い用途で利用されている。中でも、熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRTP)は、成形時間の短縮が可能であることから、今後、自動車産業を含め様々な産業への普及が見込まれている。一方、これら繊維強化樹脂の使用量の増加は、廃材の大量発生につながり、環境負荷の増大が懸念されている。

従来より、炭素繊維強化樹脂複合材から、再利用可能な状態で炭素繊維と樹脂とを分離回収する方法として、樹脂の種類によらずに500~700℃で熱分解する熱分解法、樹脂の種類によらずに超臨界流体による高温高圧で分解する超臨界流体法、溶媒と触媒により常圧で分離する常圧溶解法、破砕から再成形するマテリアルリサイクル法等が公知である。

上記した超臨界流体法としては、例えば、特許文献1に開示されているように、繊維強化樹脂を分解処理するための超臨界状態又は亜臨界状態の維持時間を短くして処理効率を向上させることができるリサイクル繊維の製造方法及びリサイクル繊維製造システムが提供されている。

すなわち、特許文献1によるリサイクル繊維の製造方法は、樹脂分解用溶媒を超臨界状態又は亜臨界状態とした反応処理容器内でマトリックス樹脂を分解した後、反応処理容器内に液体状態の樹脂分解用溶媒を導入して反応処理容器内の温度を低下させながら反応処理容器内の流体を排出させている。

具体的には、繊維強化樹脂を構成するマトリックス樹脂を超臨界流体又は亜臨界流体で可溶化した後、液体状態のアセトンからなる樹脂分解用溶媒を反応処理容器内に導入することによって反応処理容器内の温度を下げながら繊維強化樹脂を構成する繊維成分内や反応処理容器内で前記可溶化したマトリックス樹脂の分解生成物を溶解させている。これにより、繊維強化樹脂の分解処理過程において、超臨界状態又は亜臨界状態の短い維持時間の下で効率的に繊維部分を回収してリサイクル繊維を生成している。

産業上の利用分野

本発明は、廃棄処分となった、例えば、繊維強化熱可塑性樹脂複合材や炭素繊維強化ナイロン複合材等の繊維強化樹脂複合材から、有機溶剤を用いた溶解処理により、再利用可能な状態で分離回収する繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法及びそのシステムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
樹脂に繊維を混合させ強度を増してなる繊維強化樹脂複合材の廃材から、前記樹脂の溶解度の高い溶剤によって繊維を分離し、繊維分離後の溶解液から樹脂と溶剤とを分離回収することを特徴とする繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項2】
繊維強化樹脂複合材による廃材を溶剤によって溶解処理する溶解工程と、該溶剤を含む樹脂と繊維とに分離する繊維樹脂分離工程と、該溶剤を含む樹脂から溶剤と樹脂とに分離する樹脂溶剤分離工程と、前記繊維樹脂分離工程によって分離された繊維及び樹脂を別個に回収する繊維・樹脂リサイクル回収工程と、を有してなることを特徴とする請求項1記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項3】
繊維樹脂分離工程は、撹拌、振とう、超音波処理のいずれかであることを特徴とする請求項2記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項4】
樹脂溶剤分離工程によって分離された溶剤は、前記繊維樹脂分離工程に再利用する溶剤リサイクル工程を含むことを特徴とする請求項2又は3記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項5】
繊維樹脂分離工程に使用される溶剤は、ハンセン溶解度パラメータによる樹脂の溶解性評価データに基づき種類と配合比が決定される混合溶剤であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項6】
繊維強化樹脂複合材の樹脂は、ポリカーボネート、ポリアミド(ナイロン)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、アクリルを含む熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項7】
ポリカーボネートの溶剤は、1,3ジオキソラン、テトラヒドロフランを含む環状エーテル系有機溶剤を単独又は混合して用いたものであることを特徴とする請求項6記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項8】
ポリアミドの溶剤は、ベンジルアルコール、2-フェノキシエタノールを含む芳香族アルコール又は1,4ジオキサン、テトラヒドロフランを含む環状エーテル系有機溶剤に塩酸、硫酸を含む酸溶液又は水酸化ナトリウムを含むアルカリ水溶液を混合して用いたものであることを特徴とする請求項6記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項9】
ポリプロピレン、ポリエチレンの溶剤は、ベンゼン、トルエンを含む芳香族炭化水素又はオルトジクロロベンゼン(ODCB)を含む芳香族ハロゲン化炭化水素系有機溶剤を単独又は混合して用いたものであることを特徴とする請求項6記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項10】
ポリエステルの溶剤は、オルトクロロフェノールを含む芳香族ハロゲン化有機溶剤又はフェノール、クレゾールを含む芳香族有機溶剤を単独又は混合して用いたものであることを特徴とする請求項6記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項11】
アクリルの溶剤は、クロロホルム、塩化メチレンを含む脂肪族ハロゲン化炭化水素又はアセトン、メチルエチルケトンを含むケトン系有機溶剤を単独又は混合して用いたものであることを特徴とする請求項6記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクル方法。

【請求項12】
繊維強化樹脂複合材による廃材を溶剤によって溶解処理して溶剤を含む樹脂と繊維とに分離する溶解槽と、該溶解槽によって分離した繊維を溶剤によって洗浄して取出すための洗浄槽と、該溶解槽の樹脂溶解液及び洗浄槽の洗浄液を蒸留するための蒸留塔と、該蒸留塔による蒸留液から固液分離を行い樹脂と溶剤を分離する固液分離機と、該蒸留塔による低沸点溶剤及び固液分離機によって生じた高沸点溶剤を回収する溶剤回収槽と、を備えてなることを特徴とする繊維強化樹脂複合材のリサイクルシステム。

【請求項13】
溶解槽及び洗浄槽は、撹拌装置、振とう装置、超音波装置を備えてなることを特徴とする請求項12記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクルシステム。

【請求項14】
溶剤回収槽の溶剤は、溶解槽及び洗浄槽の溶剤として再利用することを特徴とする請求項12又は13記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクルシステム。

【請求項15】
溶解槽及び洗浄槽に使用される溶剤は、ハンセン溶解度パラメータによる樹脂の溶解性評価データに基づき種類と配合比が決定される混合溶剤であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか記載の繊維強化樹脂複合材のリサイクルシステム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017239250thum.jpg
出願権利状態 公開


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