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イオン源 UPDATE 新技術説明会

国内特許コード P180014953
掲載日 2018年5月21日
出願番号 特願2017-197041
公開番号 特開2018-063946
出願日 平成29年10月10日(2017.10.10)
公開日 平成30年4月19日(2018.4.19)
優先権データ
  • 特願2016-200401 (2016.10.11) JP
発明者
  • 鷹尾 祥典
  • 長尾 昌善
  • 村上 勝久
出願人
  • 国立大学法人横浜国立大学
  • 国立研究開発法人産業技術総合研究所
発明の名称 イオン源 UPDATE 新技術説明会
発明の概要 【課題】ドロップレットの発生を抑えつつ、原料液を効率よく供給することを可能とし、かつ、供給された原料液からイオンを効率よく引き出すことを可能とする、イオン源を提供する。
【解決手段】本発明のイオン源100は、一端に開口101aを有するタンク101と、開口101aを覆うエミッタ電極層102と、エミッタ電極層102上に積層された絶縁層103と、絶縁層103上に積層されたゲート電極層104と、を備え、エミッタ電極層102、絶縁層103、ゲート電極層104が、それぞれ、互いに重なる位置において、タンク101の外側に突出し、先端が尖った中空の凸部102a、103a、104aを有し、凸部102a、103a、104aの先端は、互いに連通する開口部を有していることを特徴とする。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、超小型人工衛星の打ち上げ数が爆発的に伸びている。これは、小型化によって開発費や開発期間を大幅に削減できるようになったこと、超小型人工衛星を利用した様々なサービスがビジネス化されるようになってきたことによる。超小型人工衛星には、小型の推進システムが必要であるが、推進システムは、大きく分けると次の4つの系から構成される。(1)推進力を生み出すスラスタ系、(2)スラスタに推進剤を供給する推進剤供給系、(3)太陽電池で発生した電力を各系に必要な電力に変換する電力変換系、そして(4)各系に必要な指令を行う制御系である。このうち(1)、(2)の系は、小型化・省電力化が難しいとされている。



50kg級の超小型人工衛星には、すでに小惑星探査機「はやぶさ」に使われたイオンスラスタを小型化したものが搭載され、宇宙空間における実証も行われている。この超小型衛星は、推進剤のキセノンガスをマイクロ波電力によりプラズマ化し、そのプラズマからイオンを引き出すことで推力を得ている。しかし、推進剤としてガスを用いる場合、高圧タンクを含むガス配管系を備える必要がある。そのため、これ以上の小型化は難しく、また、仮に小型化できたとしても、放電室体積に対する表面積の割合が増大する結果、プラズマ生成効率が悪化するため、推進効率が著しく低下する。



さらに、イオンスラスタに代表される従来の静電加速式スラスタでは、正イオンを放出し続けることによる人工衛星の帯電を防止するために、電子放出も同時に行う必要があり、電子放出用の機構(電子源)のスペースを設ける必要がある。ただし、電子放出を行ったとしても、電子は質量が極めて小さくて推力には寄与しないため、電子源に必要な電力、推進剤、および、スペースが推進機の性能低下に直結する。



こうしたスペースと低効率の問題の両方を同時に解決し得るスラスタの一つとして、イオン液体を推進剤に利用する、エレクトロスプレー式マイクロスラスタが知られている。イオン液体は、蒸気圧がほぼゼロであるため、液体状態のままでも真空中での貯蔵や扱いが容易であり、かつ導電性を有することから電気的に制御することができる。放出するイオンの加速は、針状電極と引き出し電極から構成される強い電場により、イオン液体を高速で引き出すエレクトロスプレー現象を利用して行う。プラズマを生成するための電力を必要しないため、電力消費を大幅に低減することができる。



また、イオン液体は、カチオン、アニオンという正負の電荷を持ったイオンのみから構成されるため、引き出し電極に両極性の高電圧パルスを印加すれば、正負両方のイオンを放出することができる。いずれのイオン放出も推進力に寄与し、なおかつ、正負両方のイオンの放出による自己中和可能であるため、推進効率も高くなる。



さらに、エレクトロスプレー式マイクロスラスタでは、推進剤にガスを用いないため、体積の大きくなりがちな高圧ガスタンクやレギュレータ等を必要としない。電荷を持ち、表面張力が大きいイオン液体を用いるので、MEMS技術等を用いて微細なキャピラリを作製することで、毛細管現象と電極間にかかる電場だけで流量制御が可能となり、推進剤供給系の大幅な小型軽量化が可能となる。

産業上の利用分野


本発明は、イオン液体または液体金属からイオンを引き出すイオン源に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
電界により、イオン液体、液体金属からイオンを引き出すイオン源であって、
一端に開口を有するタンクと、
前記開口を覆うエミッタ電極層と、
前記エミッタ電極層上に積層された絶縁層と、
前記絶縁層上に積層されたゲート電極層と、を備え、
前記エミッタ電極層、前記絶縁層、前記ゲート電極層が、それぞれ、互いに重なる位置において、前記タンクの外側に突出し、先端が尖った中空の凸部を有し、
それぞれの前記凸部の先端は、互いに連通する開口部を有していることを特徴とするイオン源。

【請求項2】
前記エミッタ電極層の凸部、前記絶縁層の凸部、前記ゲート電極層の凸部の突出方向に沿った断面視において、前記エミッタ電極層の凸部の側面と、前記ゲート電極層の凸部の側面とのなす角度が、10度以下であることを特徴とする請求項1に記載のイオン源。

【請求項3】
前記エミッタ電極層の凸部の開口部の内径が、1μm以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のイオン源。

【請求項4】
前記エミッタ電極層の凸部、前記絶縁層の凸部、前記ゲート電極層の凸部が、いずれも、上底と下底とが開放した中空の円錐台の形状を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のイオン源。

【請求項5】
前記エミッタ電極層の円錐台の底面の直径が、3μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のイオン源。

【請求項6】
前記エミッタ電極層の凸部の開口端と、前記ゲート電極層の凸部の開口端との距離が、10μm以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のイオン源。

【請求項7】
前記エミッタ電極層の前記タンク側に、炭素系材料からなる膜が積層されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のイオン源。

【請求項8】
前記ゲート電極層が、絶縁層を挟んだ多層構造を有しており、いずれの絶縁層も、前記凸部の先端と重なる部分が開口していることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のイオン源。

【請求項9】
前記エミッタ電極層の凸部、前記絶縁層の凸部、前記ゲート電極層の凸部の重なり構造が、500個/cm以上の面密度で並んでいることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のイオン源。

【請求項10】
前記エミッタ電極層の凸部の内側に、前記凸部の先端側に頂点を有する円錐状の部材が配されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のイオン源。

【請求項11】
複数の前記凸部の先端が向く側において、複数の前記凸部と対向するように延在する加速電極を有し、
前記加速電極が、その延在方向と交差する加速電極孔を有し、
前記加速電極孔と重なる位置ごとに、複数の前記凸部の重なり構造がグループを形成して分布していることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のイオン源。

【請求項12】
それぞれの前記グループと重なる位置に、集束電極が配されていることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のイオン源。

【請求項13】
それぞれの前記グループにおいて、中央の前記凸部の重なり構造側に、周囲の前記凸部の先端の向きが傾いていることを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載のイオン源。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017197041thum.jpg
出願権利状態 公開
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