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タンパク質又は病原体の新規検出方法 新技術説明会

国内特許コード P180014964
整理番号 (S2015-0897-N0)
掲載日 2018年5月22日
出願番号 特願2017-515481
出願日 平成28年4月15日(2016.4.15)
国際出願番号 JP2016062081
国際公開番号 WO2016175049
国際出願日 平成28年4月15日(2016.4.15)
国際公開日 平成28年11月3日(2016.11.3)
優先権データ
  • 特願2015-093132 (2015.4.30) JP
発明者
  • 佐藤 智典
  • 松原 輝彦
  • 栄長 泰明
  • 山本 崇史
出願人
  • 学校法人慶應義塾
発明の名称 タンパク質又は病原体の新規検出方法 新技術説明会
発明の概要 タンパク質又は病原体の新規検出方法を提供する。
本発明は、タンパク質又は病原体を認識する素子が表面に固定化された導電性ダイヤモンド電極及びこれを用いるタンパク質又は病原体の検出方法に関する。より詳細には、本発明はウイルス又はそのタンパク質を認識する素子が表面に固定化されたダイヤモンド電極及びこれを用いるウイルスの検出方法に関する。
従来技術、競合技術の概要


従来より、目的の病原体、病原性細菌、ウイルスやそれらのタンパク質を高感度で検出することが望まれてきた。例えばインフルエンザウイルス(IFV)は世界的流行の可能性があり、迅速かつ正確なインフルエンザウイルスの検出が求められている。現在用いられているIFVの検出方法には、IFV認識デバイスとして抗体を用いたイムノクロマトグラフィー、糖鎖を用いた糖鎖アレイによる検出、遺伝子を用いたRT-PCR法、赤血球を用いた赤血球凝集アッセイなどがある。しかしこれらは時間やコストがかかる上に、専門的な知識や技術を要する。



Grabowskaらはハイブリダイゼーションを用いたIFV検出法を報告している(非特許文献1)。この方法は金チオール結合を介してAu電極の表面に、2つの異なるオリゴヌクレオチドプローブを固定したセンサーを用いるものであり、これによりヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)双方のオリゴヌクレオチドターゲットを同時に検出することが可能である。またKamikawaらは、電気活性があるポリアニリンで覆い、表面にH5N1型HAモノクローナル抗体を修飾した磁性ナノ粒子を用いたIFV検出を報告している(非特許文献2)。この方法では、H5N1ウイルスと相互作用したナノ粒子を強力な磁力(MPC)で血清中から回収し、電気化学測定によりウイルス結合量が定量されている。



Sakuraiらは、蛍光免疫クロマトグラフィーを用いた季節性インフルエンザの迅速かつ高感度な型分類を報告している(非特許文献3)。臨床で使われているIFVの検出手法であるイムノクロマト法は検出感度が1000pfuであり、感染初期の検出が困難である。同文献においてSakuraiらは、ウイルスの補足抗体と増感剤を標識した検出用抗体の両方を用いてウイルスをサンドイッチ型に捕捉し、さらにデンシトメトリー分析装置や蛍光イムノクロマト測定装置を用いた検出を行うことにより従来の100倍の感度の向上を達成したことを報告している。しかしながら、ハイブリダイゼーション用の相補的オリゴヌクレオチドや基板に固定化する抗体は、作製に膨大な手間とコストを要し、保存安定性の問題がある。



Hassenらは、電気化学インピーダンス分光法を用いたインフルエンザAウイルスの定量を報告している(非特許文献4)。この文献では金電極表面に抗体-糖鎖除去アビジン-チオール構造物を固定したデバイスを用いて、インフルエンザAウイルスが検出されている。



一方でホウ素ドープダイヤモンド電極は、ガラス性炭素や白金電極などの他の従来型の電極材料と比較して特性が優れており、近年、注目を集めている。熱伝導性が高いことや硬度が極めて高いというダイヤモンドの周知の特性の他に、ホウ素ドープダイヤモンド電極は、広い電位窓、小さいバックグランド電流、及び吸着耐性が高く、化学的に不活性であるといった魅力的な特性を有する。また、ホウ素ドープダイヤモンド電極は物理的、化学的に安定で耐久性に優れる。



ダイヤモンド電極を備えたセンサーとしては、カテコール又はカテコール誘導体の正確な定量を行うことが可能なダイヤモンド電極及び当該ダイヤモンド電極を備えるセンサーが報告されている(特許文献1)。この文献では4-ペンテン酸修飾されたダイヤモンド電極を用いてシュウ酸が電気化学的に検出されている。



ウイルスのみならず各種病原性細菌、病原体についても、抗体や高価な装置を使用しない、高感度な検出方法が望まれている。

産業上の利用分野


本発明は、タンパク質又は病原体を認識する素子が表面に固定化された導電性ダイヤモンド電極及びこれを用いるタンパク質又は病原体の検出方法に関する。より詳細には、本発明はウイルス又はそのタンパク質を認識する素子が表面に固定化された導電性ダイヤモンド電極及びこれを用いるウイルスの検出方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
タンパク質又は病原体を認識する素子が表面に固定化された導電性ダイヤモンド電極。

【請求項2】
タンパク質又は病原体を認識する素子が、インフルエンザウイルス、DNAウイルス、RNAウイルス、2本鎖DNAウイルス、1本鎖DNAウイルス、2本鎖RNAウイルス、1本鎖RNA(+)鎖ウイルス、1本鎖RNA(-)鎖ウイルス、1本鎖RNA逆転写ウイルス、2本鎖DNA逆転写ウイルス、ノロウイルス、ロタウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス、RSウイルス、ヘルペスウイルス、肝炎ウイルス、アデノウイルス、口蹄疫ウイルス、狂犬病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、マイコプラズマ菌、ボツリヌス菌、百日咳菌、破傷風菌、ジフテリア菌、コレラ菌、赤痢菌、炭疽菌、病原性大腸菌、ブドウ球菌、サルモネラ菌、ウェルシュ菌又はセレウス菌を認識する素子である、請求項1に記載の電極。

【請求項3】
タンパク質又は病原体を認識する素子が、病原体タンパク質を認識するペプチドを有する、請求項1又は2に記載の電極。

【請求項4】
タンパク質又は病原体を認識する素子が、インフルエンザウイルスのヘマグルチニンタンパク質(HA)、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)、M1タンパク質若しくはM2タンパク質、マイコプラズマ細菌のP1タンパク質、膜抗原タンパク質若しくはリボソームタンパク質L7/L12、ボツリヌス毒素、百日咳毒素、破傷風菌毒素、ジフテリア毒素、ウェルシュ菌のα毒素、コレラ菌毒素、ベロ毒素、炭疽菌毒素、大腸菌由来エンテロトキシン、ブドウ球菌由来エンテロトキシン、サルモネラ菌由来エンテロトキシン又はセレウス菌由来エンテロトキシンを認識するペプチドを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電極。

【請求項5】
タンパク質又は病原体を認識する素子が、タンパク質又は病原体を認識する分子及びリンカー部分を有し、該タンパク質又は病原体を認識する分子が該リンカー部分を介してダイヤモンド電極の表面に固定化されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の電極。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の電極を備えた、タンパク質又は病原体を検出する装置。

【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載の電極又は請求項6に記載の装置を用いた、タンパク質又は病原体を検出する方法。

【請求項8】
サイクリックボルタンメトリー測定又は電気化学インピーダンス測定によりタンパク質又は病原体を検出する、請求項7に記載の検出方法。

【請求項9】
導電性ダイヤモンド電極の表面に、タンパク質又は病原体を認識する分子を固定化してタンパク質又は病原体を認識する素子を形成する工程を含む、タンパク質又は病原体検出用導電性ダイヤモンド電極の製造方法。

【請求項10】
リンカー分子をダイヤモンド電極の表面に固定化する工程、及びリンカー分子とタンパク質又は病原体を認識する分子とを連結する工程を含む、請求項9に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 公開
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