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急速進行型孤発性ALSの検査方法、検査キット、及び医薬のスクリーニング方法 コモンズ

国内特許コード P180014966
掲載日 2018年5月22日
出願番号 特願2017-506465
出願日 平成28年3月8日(2016.3.8)
国際出願番号 JP2016057071
国際公開番号 WO2016147942
国際出願日 平成28年3月8日(2016.3.8)
国際公開日 平成28年9月22日(2016.9.22)
優先権データ
  • 特願2015-051093 (2015.3.13) JP
発明者
  • 祖父江 元
  • 熱田 直樹
  • 渡邉 はづき
  • 平川 晃弘
  • 中杤 昌弘
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 急速進行型孤発性ALSの検査方法、検査キット、及び医薬のスクリーニング方法 コモンズ
発明の概要 ALS、特に孤発性ALS患者の病態、病因を解明することにより、病気の進行を抑止する治療薬、治療方法を開発することを課題とする。孤発性ALS患者を発症後の病態進行により類型化し、4つの類型に分類した。ゲノムワイド関連解析を行い、4つの類型のうち急速に増悪化する急速進行型と関連する7つのSNPsを見出した。これらSNPsはチチン発現に関連していることも明らかとなった。これらSNPsやチチン発現を急速進行型ALSのマーカーとし、さらに、これらマーカーを用いて病態抑止治療予防法の開発を行うことができる。
従来技術、競合技術の概要


ALSは、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす進行性の神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種である。ALSは、極めて進行が速く、呼吸麻痺、嚥下障害、四肢麻痺をきたし、発症後半数ほどが3年から5年で死亡もしくは呼吸器装着に至る。我が国からの最近の報告では1年間に人口10万人あたり2.2人程度が発症し、有病率は9.9人/10万人と推計されている。稀な疾患ではないものの治癒のための有効な治療法は現在確立されていない。



ALSの5~10%が家族性であり、多くが孤発性であるといわれている。単一の遺伝子の変異により発症する家族性ALSは、近年、新規遺伝子の発見が相次いでいるものの、孤発性ALSに関しては、病態、原因の解明は遅れている(非特許文献1)。孤発性ALSの中にも、家族性ALSで発見された遺伝子の突然変異が見出せるものもあるが、多くの孤発性ALSは多因子が関与していると考えられており、その原因は明らかにされていない。



一塩基多型(single nucleotide polymorphisms, 以下、SNPsと記載することもある。)をマーカーとしたゲノムワイド関連解析(Genome Wide Association Study, GWAS)が孤発性ALSに関与する遺伝子研究のために行われてきた(非特許文献2)。しかしながら、報告されている関連遺伝子多型は、オッズ比が1.5程度と低く、孤発性ALSの疾患モデルを構築するのには不十分であったり、また、再現性に欠けるとされている(非特許文献3)。



また、ALSの治療については、多くの臨床試験が試みられているが、いまだに効果のあるものがなく、進行を抑制させる疾患修飾療法も満足のいくものがないのが現状である。ALS患者の機能低下の経過は個々で大きく異なることが報告されており(非特許文献4、5)、病気の進行の多様性がALSの臨床試験の解析結果を困難にし、効果的な治療法を見出せない原因となっている。

産業上の利用分野


本発明は、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis;以下、ALSと記載することがある。)の進行を類型化し、急速に進行する急速進行型の患者群に見られる遺伝子多型を用いた検査方法、検査キット、及び医薬のスクリーニング方法に関する。また、遺伝子多型の解析より、急速進行型の患者群では横紋筋の構造タンパク質チチンの発現低下が明らかとなったことから、チチン発現を指標とする検査方法、検査キット、医薬のスクリーニング方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ALS患者の発症後の進行の類型を検査する方法であって、
ALS患者のリファレンスSNP ID番号:rs12052983、rs23114582、rs2303537、rs4894020、rs6453709、rs600176、rs957875の少なくともいずれか1つの一塩基多型を検査し、
前記一塩基多型がマイナーアレルである場合に急速進行型のリスクが高いと判定することを特徴とする検査方法。

【請求項2】
ALS患者の発症後の進行の類型を検査する方法であって、
ALS患者のチチンの発現量を測定し、
チチン発現量が閾値より低い場合、急速進行型に進行するリスクが高いと判定することを特徴とする検査方法。

【請求項3】
請求項2に記載のALS患者の発症後の進行の類型を検査する方法であって、
前記チチンの発現量は、mRNA及び/又はタンパク質発現量を測定することを特徴とする検査方法。

【請求項4】
請求項3に記載のALS患者の発症後の進行の類型を検査する方法であって、
前記チチン発現量はmRNA発現を定量的PCRで測定することを特徴とする検査方法。

【請求項5】
請求項3に記載のALS患者の発症後の進行の類型を検査する方法であって、
前記チチンの発現量はタンパク質発現を抗チチン抗体によって測定することを特徴とする検査方法。

【請求項6】
請求項1~5いずれか1項記載のALS患者の発症後の進行の類型を検査する方法であって、
患者から得られたリンパ球を用いて検査することを特徴とする検査方法。

【請求項7】
ALS患者が急速進行型ALSに分類されるかを検査するキットであって、
リファレンスSNP ID番号:rs12052983、rs23114582、rs2303537、rs4894020、rs6453709、rs600176、rs957875の少なくともいずれか1つの一塩基多型を検出するためのPCRプライマー、チチン発現量を解析するための定量的PCRプライマー、チチン発現量を定量するための抗体の少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする検査キット。

【請求項8】
急速進行型ALSの進行を抑制する医薬をスクリーニングする方法であって、
被験物質を培養細胞に接触させ、
チチン発現量の増加を指標として選択することを特徴とするスクリーニング方法。

【請求項9】
請求項8に記載の急速進行型ALSの進行を抑制する医薬をスクリーニングする方法であって、
前記培養細胞がリファレンスSNP ID番号:rs12052983、rs23114582、rs2303537、rs4894020、rs6453709、rs600176、rs957875がマイナーホモアレルであることを特徴とするスクリーニング方法。

【請求項10】
請求項8又は9に記載のスクリーニング方法であって、
上記培養細胞が急速進行型ALS患者の末梢血から樹立したリンパ球細胞株であることを特徴とするスクリーニング方法。

【請求項11】
請求項8~10いずれか1項記載のスクリーニング方法であって、
前記チチン発現は、mRNA及び/又はタンパク質を測定することによることを特徴とするスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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