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多置換芳香族化合物及びその製造方法 NEW コモンズ

国内特許コード P180014975
整理番号 (NU-612)
掲載日 2018年5月23日
出願番号 特願2017-520793
出願日 平成28年5月25日(2016.5.25)
国際出願番号 JP2016065516
国際公開番号 WO2016190374
国際出願日 平成28年5月25日(2016.5.25)
国際公開日 平成28年12月1日(2016.12.1)
優先権データ
  • 特願2015-129027 (2015.6.26) JP
発明者
  • 山口 潤一郎
  • 伊丹 健一郎
  • 鈴木 真
出願人
  • 国立大学法人名古屋大学
発明の名称 多置換芳香族化合物及びその製造方法 NEW コモンズ
発明の概要 一般式:



[式中、R1~R8は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R1~R8のうち5個以上は異なる基である。]
、又は一般式:



[式中、R9~R16は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R17~R18は、水素原子、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R9~R18のうち5個以上は異なる基である。]
で表わされる多置換芳香族化合物を提供する。
従来技術、競合技術の概要


ナフタレン及びアントラセンは、それぞれベンゼン環2個又は3個が縮合した有機分子であり、その多彩な機能と高い安定性のために、蛍光材料、有機エレクトロニクス材料等に使用されている。一方、ベンゼンは分子式がC6H6である六角形の有機分子であり、その構造の単純さと美しさ(亀の甲)から有機化学のシンボルと言われてきた。また、ベンゼンは、その多彩な機能と高い安定性のために、医農薬、香料、染料、プラスチック、液晶、エレクトロニクス材料に最もよく用いられる構造単位にもなっている。このため、ナフタレン、アントラセン及びベンゼンにさらに様々な機能を付与することが試みられている。



ナフタレン及びアントラセンに様々な機能を付与するためには、ナフタレン及びアントラセンが有するベンゼン環に結合している水素原子を様々な置換基に置き換えることが求められる。一方、ベンゼンに様々な機能を付与する鍵は、ベンゼン環に結合している6つの水素原子を様々な置換基に置き換えることにある。どのような置換基をどのような配置で導入するかによって、置換芳香族化合物の性質は大きく異なる。このため、所望の置換基をナフタレン、アントラセン及びベンゼンに導入する手法の開発は化学の発展を支える最重要課題の1つとなってきた。しかしながら、多置換ナフタレン、多置換アントラセン及び多置換ベンゼンの破格の構造多様性のために、多置換ナフタレン、多置換アントラセン及び多置換ベンゼンを意のままに合成することは困難であった。この点は「多置換ベンゼン問題」等として、長年化学の未解決問題とされてきた。



多置換ナフタレン、多置換アントラセン及び多置換ベンゼンの構造多様性は著しく多い。例えば、多置換ベンゼンの構造多様性は、n種類の置換基の組み合わせから考えられる置換ベンゼンの分子数Nは、N=(2n+2n2+4n3+3n4+n6)/12で表され(バーンサイドの定理)、その構造多様性は有機分子の中でも突出している。具体的には、多置換ベンゼンを意のままに合成することができれば、理論上は、10種類の置換基の組み合わせからは8万以上の、50種類の置換基の組み合わせからは13億以上の多置換ベンゼンが生成可能となる。このため、多置換ナフタレン、多置換アントラセン及び多置換ベンゼンを作り分けすることができれば、その汎用性は非常に高く、インパクトも絶大である。



しかしながら、前述した合成の難しさから、多くの異なる置換基を導入した置換ナフタレン及び置換アントラセンはこれまで合成及び単離されたことがなく、その物性等は依然として未知のままである。一方、多置換ベンゼンは、ベンゼンの6つの水素原子を全て芳香族置換基(アリール基又はヘテロアリール基)で置換したヘキサ(ヘテロ)アリールベンゼンは、様々な光電子機能性材料となるばかりでなく、近年ではナノグラフェンの前駆体としても注目を集めている分子群である。しかしながら、前述した合成の難しさから、これまで研究されてきたヘキサ(ヘテロ)アリールベンゼンは1~2種類のアリール基で置換された対称性の高いものばかりであった(例えば、特許文献1等)。特に、6種類の異なるアリール基又はヘテロアリール基で置換された完全非対称ヘキサ(ヘテロ)アリールベンゼンはこれまで合成及び単離されたことがなく、その物性等は依然として未知のままである。



こうしたなか、様々な多置換有機分子のプログラム合成法の開発研究が盛んに行われている。プログラム合成とは、合成標的とする有機分子において「全ての対象分子構造を意のままにプログラムされた様式で作り分ける」ことを可能にする方法論である。こうした目標設定の中、多置換チオフェン等の様々な多置換有機分子のプログラム合成は確立されている(例えば、非特許文献1等)。しかしながら、その最終目標とも言える多置換ナフタレン、多置換アントラセン及び多置換ベンゼンのプログラム合成は困難を極め、その手がかりすらほとんど得られなかったのが現状である。

産業上の利用分野


本発明は、多置換芳香族化合物及びその製造方法に関する。特に、本発明は、完全非対称多置換芳香族化合物及びその製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1):
【化1】


[式中、R1~R8は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R1~R8のうち5個以上は異なる基である。]
、又は一般式(2):
【化2】


[式中、R9~R16は置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R17~R18は、水素原子、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示す。R9~R18のうち5個以上は異なる基である。]
で表される多置換芳香族化合物。

【請求項2】
前記一般式(1)において、R1~R8が全て異なる基である、請求項1に記載の多置換芳香族化合物。

【請求項3】
前記一般式(2)において、R17~R18が水素原子であり、R9~R16が全て異なる基である、請求項1に記載の多置換芳香族化合物。

【請求項4】
前記一般式(2)において、R17~R18が置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基であり、R9~R18が全て異なる基である、請求項1に記載の多置換芳香族化合物。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の多置換芳香族化合物の製造方法であって、
一般式(3):
【化3】


[式中、R1~R4は前記に同じである。]
で表される四置換チオフェンS-オキシド化合物と、
一般式(4):
【化4】


[式中、R5~R8は前記に同じである。R19及びR20は片方はカルボキシ基で他方がアミノ基であるか、片方がシリル基で他方がトリフルオロメタンスルホナート基である。]
で表される化合物、又は一般式(5):
【化5】


[式中、R13~R18は前記に同じである。R21及びR22は片方はカルボキシ基で他方がアミノ基であるか、片方がシリル基で他方がトリフルオロメタンスルホナート基である。]
で表される化合物とを反応させる工程
を備える、製造方法。

【請求項6】
前記一般式(4)で表される化合物は、一般式(6):
【化6】


[式中、R5~R8は前記に同じである。]
で示される化合物と、マレイミドとを反応させる工程、及び
前記工程で得られた化合物と、酸化剤及び第1塩基とを反応させた後に、さらに第2塩基と反応させる工程
を備える方法で得られる、請求項5に記載の製造方法。

【請求項7】
前記一般式(5)で表される化合物は、一般式(7):
【化7】


[式中、R13~R16は前記に同じである。]
で表される化合物と、一般式(8)
【化8】


[式中、R17~R18及びR21~R22は前記に同じである。R23はシリル基である。]
で表される化合物とを反応させる工程、及び
前記工程で得られた化合物の水酸基をトリフルオロメタンスルホナート基に置換する工程
を備える方法で得られる、請求項5に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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