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カテコール含有接着性ハイドロゲル、接着性ハイドロゲル作製用組成物、及び該接着性ハイドロゲルを応用した組成物

国内特許コード P180014981
整理番号 (K105P13)
掲載日 2018年5月23日
出願番号 特願2017-520807
登録番号 特許第6663150号
出願日 平成28年5月26日(2016.5.26)
登録日 令和2年2月18日(2020.2.18)
国際出願番号 JP2016065634
国際公開番号 WO2016190400
国際出願日 平成28年5月26日(2016.5.26)
国際公開日 平成28年12月1日(2016.12.1)
優先権データ
  • 特願2015-106809 (2015.5.26) JP
発明者
  • 藪 浩
  • 西澤 松彦
  • 長峯 邦明
  • 齊藤 祐太
  • 亀井 潤
  • 島崎 立彬
  • 千原 駿
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 カテコール含有接着性ハイドロゲル、接着性ハイドロゲル作製用組成物、及び該接着性ハイドロゲルを応用した組成物
発明の概要 水溶性主鎖モノマー、架橋剤、重合開始剤及び側鎖に少なくともカテコール基を有する接着性モノマーを構成要素とすることにより、材料表面に接着するハイドロゲルを提供する。
従来技術、競合技術の概要

ハイドロゲルは高分子が架橋して形成される3次元網目構造体である。ハイドロゲルは含水性、柔軟性を備え、吸収性に富み、体積相転移を示すことなどから医療材料、工業製品等、様々な分野で利用されている。例えば、医療材料としては、組織を接着する創傷治癒材、インプラントの接着、薬物送達システム(DDS)用マトリックス等、様々な応用が検討されている。

近年では、その目的に応じて種々の機能をハイドロゲルに付与し、所望の目的に応用することが検討されている。また、熱、電気、光、pH等、外界からの刺激を感知してゲルが自律的に機能する「スマートゲル」の開発も盛んに行われている。このように、種々の機能が付与されたハイドロゲルが開発されているものの、ハイドロゲルが金属等、他の材料表面との接着性をほとんど備えていないことが応用を限られたものとする原因となっている。

ハイドロゲルが他の材料表面への接着性を備えていない理由としては、ハイドロゲルの架橋高分子の3次元網目に水が担持されており含水率が高いこと、容易に構造変形することが主な原因となっている。そこで、ハイドロゲルに接着性を付与する種々の試みがなされている。今までに基板にフェニルアジド基などの光開始基を導入しハイドロゲルを固定したり、エキシマレーザーでゲルの一部を分解させた後に付着させる方法が開示されている(非特許文献1、2)。

また、高分子主鎖を化学修飾して、接着性を有する基を導入する方法が開示されている。特許文献1には、ドーパ(3,4-dihydroxyphenylalanine、DOPA)、又はドーパ誘導体との結合を通じて組織接着力を有する生体注入型組織接着性ハイドロゲルが開示されている。ドーパ誘導体は、ムール貝などに代表されるイガイ類が、湿った環境や激しい潮にさらされる環境下でも、岩、木、金属、コンクリート構造物等、様々な材料表面に付着することから見出された接着物質である。イガイが、足糸腺から分泌するドーパに含まれるカテコール基は水中であっても多様な材料に強固に接着することができる。特許文献1は、ドーパ誘導体をハイドロゲルの主鎖に持つ化合物を連結させることによって、接着性を備えたハイドロゲルを作製するものである。

特許文献2には、主鎖にポリアクリレート構造等を有し側鎖に鎖状オリゴアルキレンオキシド構造を有するポリマーを基材多孔質膜に含浸させることによって、接着性を備えた高分子ゲルの作製方法が開示されている。

産業上の利用分野

カテコール基を含有した接着性ハイドロゲル、接着性ハイドロゲル用組成物、ハイドロゲルを含む接着剤、生体用粘着剤、医療用接着剤、船底防汚塗料、水系潤滑剤、防汚用被覆材に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
(1)水と、
(2)(a)水溶性ビニル基含有モノマーである水溶性主鎖モノマーからなる主鎖を形成する構造単位と、(b)側鎖にカテコール基を有する接着性モノマーからなる構造単位と、(c)重合性二重結合によって三次元架橋構造の全部または一部を導入し得る多官能のビニル系モノマーであるハイドロゲル形成のための架橋剤からなる架橋部を形成する構造単位とを有する重合体と、
を含む、接着性ハイドロゲル。

【請求項2】
前記カテコール基が、ドーパ又はその誘導体に由来する、請求項1記載の接着性ハイドロゲル。

【請求項3】
前記カテコール基が、
水溶性主鎖モノマーが主鎖を形成するために有する官能基と反応せず、主鎖との連結に関与しない、請求項1又は2記載の接着性ハイドロゲル。

【請求項4】
前記接着性モノマーの全部または一部は、一般式(3)で示される接着性モノマー
【化1】
(省略)
である、請求項1~3いずれか1項記載の接着性ハイドロゲル。
(ここで、Yはアミド、又はエステルを表すが、含まれていなくてもよい。R3は、水素、炭素数1~20のアルキル基を表し、直鎖状、分岐状、あるいは環状のいずれでもよく、pは0又は1~10の整数を表し、当該接着性モノマーに導入されていてもよい1つ以上の置換基であるR4~R6は、同一または異なり、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、及びカルボニル基から選択される置換基で置換されている基である。)

【請求項5】
さらに電解質及び/又は極性溶媒を含む、請求項1~4のいずれか1項記載の接着性ハイドロゲル。

【請求項6】
請求項5に記載の接着性ハイドロゲルを含む、生体用粘着剤。

【請求項7】
水、
水溶性ビニル基含有モノマーからなる水溶性主鎖モノマー、
重合性二重結合によって三次元架橋構造の全部または一部を導入し得る多官能のビニル系モノマーであるハイドロゲル形成のための架橋剤、
及び側鎖にカテコール基を有する接着性モノマーを含む接着性ハイドロゲル作製用組成物。

【請求項8】
さらに重合開始剤を含む請求項7記載の接着性ハイドロゲル作製用組成物。

【請求項9】
前記カテコール基が、ドーパ又はその誘導体に由来する請求項7、又は8記載の接着性ハイドロゲル作製用組成物。

【請求項10】
前記カテコール基が、
水溶性主鎖モノマーが主鎖を形成するために有する官能基と反応せず、主鎖との連結に関与しない請求項7~9のいずれか1項記載の接着性ハイドロゲル作製用組成物。

【請求項11】
前記接着性モノマーの全部または一部は、一般式(3)で示される接着性モノマー
【化2】
(省略)
である、請求項7~10いずれか1項記載の接着性ハイドロゲル作製用組成物。
(ここで、Yはアミド、又はエステルを表すが、含まれていなくてもよい。R3は、水素、炭素数1~20のアルキル基を表し、直鎖状、分岐状、あるいは環状のいずれでもよく、pは0又は1~10の整数を表し、当該接着性モノマーに導入されていてもよい1つ以上の置換基であるR4~R6は、同一または異なり、水酸基、ニトロ基、カルボキシ基、及びカルボニル基から選択される置換基で置換されている基である。)

【請求項12】
さらに電解質及び/又は極性溶媒を含む、請求項7~11のいずれか1項記載の接着性ハイドロゲル作製用組成物。

【請求項13】
請求項7~12のいずれか1項記載の接着性ハイドロゲル作製用組成物を含む接着剤。

【請求項14】
請求項13記載の接着剤が、
前記水溶性主鎖モノマー、前記架橋剤、前記重合開始剤、及び前記接着性モノマーを一液中に含む一液型接着剤、
又は前記水溶性主鎖モノマー、前記架橋剤、及び前記接着性モノマーを第一液に含み、前記重合開始剤とを第二液に含む二液型接着剤として使用される、ハイドロゲルを含有する接着剤。

【請求項15】
請求項13又は14記載の前記接着剤が、
骨、歯、若しくは軟組織の接着、又は骨、歯、若しくは軟組織と医療用部材との接着に使用される、医療用接着剤。

【請求項16】
前記医療用部材が、
検知電極、刺激電極、インプラントである、請求項15記載の医療用接着剤。

【請求項17】
請求項7~12いずれか1項記載の接着性ハイドロゲル作製用組成物を含有する、船底防汚塗料。

【請求項18】
請求項7~12いずれか1項記載の接着性ハイドロゲル作製用組成物を含有する、水系潤滑剤。

【請求項19】
請求項7~12いずれか1項記載の接着性ハイドロゲル作製用組成物を含有する、防汚用被覆材。

【請求項20】
水溶性ビニル基含有モノマーからなる水溶性主鎖モノマー水溶液、重合性二重結合によって三次元架橋構造の全部または一部を導入し得る多官能のビニルモノマーであるハイドロゲル形成のための架橋剤、重合開始剤、及び側鎖にカテコール基を有する接着性モノマー水溶液を含む接着性ハイドロゲル作製用組成物を含有するプレポリマー水溶液を調製する工程と、
前記プレポリマー水溶液に重合開始反応を行う重合開始工程を含む接着性ハイドロゲル合成方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) さきがけ 分子技術と新機能創出 領域
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