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ストレス耐性付与組成物、ストレス耐性付与方法、ストレス耐性体内増殖方法、及びストレス評価方法 NEW コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P180014990
整理番号 (S2015-0460-N0,H26-018PCT)
掲載日 2018年5月23日
出願番号 特願2017-508386
出願日 平成28年3月23日(2016.3.23)
国際出願番号 JP2016059169
国際公開番号 WO2016152911
国際出願日 平成28年3月23日(2016.3.23)
国際公開日 平成28年9月29日(2016.9.29)
優先権データ
  • 特願2015-059490 (2015.3.23) JP
発明者
  • 早川 洋一
出願人
  • 国立大学法人佐賀大学
発明の名称 ストレス耐性付与組成物、ストレス耐性付与方法、ストレス耐性体内増殖方法、及びストレス評価方法 NEW コモンズ 新技術説明会
発明の概要 昆虫類に対して耐ストレス性を付与する組成物及びその関連する用途を提供する
ストレス耐性付与組成物は、昆虫類にストレス耐性を付与するためのストレス耐性付与組成物であって、N-アセチルチロシン化合物及び/又はその誘導体を含む。
従来技術、競合技術の概要


従来から、商品価値の高い昆虫類が、外部から各種ストレスを受けることによって、当該昆虫類の生産性及び商品価値が低下することが問題視されている。



例えば、西洋ミツバチ及びカイコ等のような商品を産生する昆虫類、並びに、クワガタ及びカブトムシのようなそれ自体が商品としての昆虫類は、高温(熱ストレス)に弱いことが知られている。このため、昆虫類が高気温時に輸送される際には、昆虫類の生産性や商品価値の低下を防ぐために、温度管理や生育管理に要するコストが膨大となっている一方で、その効果も限定されたものとなっており、費用対効果の低い状況となっている。また、昆虫類は、農薬や溶剤等の化学薬品に接触すること(薬剤ストレス)によっても、ダメージを受けて弱体化しやすいことも知られている。



このようなことから、昆虫類に対して、簡易にストレス耐性を付与することが、強く望まれている。このため、従来から、昆虫類の耐ストレス機構(抗ストレス機構)に関する研究が活発に行われている。



例えば、従来では、寄生蜂(Cotesia kariyai)に寄生されたアワヨトウ蛾幼虫の死亡率は、セラチア属細菌(Serratia marcescens)感染により著しく増加するということが知られている。セラチアの分泌するmetalloproteaselikeinsecticide (MPLI)の毒性が、当該アワヨトウ蛾幼虫の血液リンパ系及び脳のドーパミン濃度増加と脳細胞のアポトーシス増加に起因しているという知見から、MPL1 が分泌される前に、3‐ヨードチロシンをアワヨトウ蛾幼虫に注射することによって、アワヨトウ蛾幼虫のドーパミン増加及び死亡率が抑制されたことが確認されている(非特許文献1参照)。



また、例えば、従来では、熱ストレス負荷系において、ストレス対応系を欠くクロショウジョウバエ(Drosophilavirilis)147 系は、平時は野生株(101 系)よりもDOPA、ドーパミン、オクトパミン、チロシン等の濃度が高いが、ストレス負荷で変動しないことが確認されている。また、チラミン濃度は両者で不変であり、染色体6の遺伝子変異がストレス応答性欠如に関与していたことも確認されている(非特許文献2及び3参照)。



また、例えば、従来では、ミールワーム幼虫に各種ストレス(高温、低温、酸化等)を負荷し、全てのストレスで脳や血液中にドーパミン様の生体アミン様物質の濃度上昇が確認されている。この物質は、幼虫の死亡率に相関があり、濃度が約10 ピコモル/脳に達すると24 時間以内にほぼ全ての個体が死亡したことが確認されており、フラグメント解析の結果では、C9H11NO5、分子量213という構造が予想されていることが開示されている(非特許文献4参照)。



また、例えば、従来では、オクトパミン(OA:チロシンの脱炭酸体)は、昆虫体内で主要なモノアミン系神経伝達物質として、ストレス負荷により、貯穀害虫コクヌストモドキ(Tribolium castaneum Herbst)虫体のOA含量は増加し、幼虫の生育が阻害されたことが確認されている。当該OA 作用性の農薬としてはクロロジメフォル(CDM)があり、これは、CDM がN-脱メチル化されたDCDM がOA アゴニストとして作用し、OA 感受性アデニレートシクラーゼ(AC)活性化、cAMP 増加を介して摂食阻害作用等を示すことが確認されている。その他、当該OA アゴニストの例として、NC-7、AC-6、及びHSO-786が知られている(非特許文献5参照)。



しかし、昆虫類に対して耐ストレス性を付与できるような有効成分は、未だ具体的には特定されていない。そのため、昆虫類に対して耐ストレス性を付与するような組成物は、現在のところ見当たらない。また、このような組成物を利用して、昆虫類の耐ストレス性を増強させる方法や、昆虫類が受けている各種ストレスの抵抗性を評価する方法等の耐ストレス性に関連する幅広い応用も期待されているものの、未だその実現には至っていない。

産業上の利用分野


本発明は、対象生物のストレス耐性を付与するストレス耐性付与組成物に関し、特に、昆虫類にストレス耐性を付与するためのストレス耐性付与組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
昆虫類にストレス耐性を付与するためのストレス耐性付与組成物であって、
N-アセチルチロシン化合物及び/又はその誘導体を含むことを特徴とする
ストレス耐性付与組成物。

【請求項2】
請求項1に記載のストレス耐性付与組成物において、
前記ストレス耐性が、温度抵抗性、薬剤抵抗性、感染抵抗性、寄生抵抗性、及び傷害抵抗性から成る群より選択される少なくとも1つの抵抗性であることを特徴とする
ストレス耐性付与組成物。

【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のストレス耐性付与組成物において、
前記ストレス耐性が、抗酸化酵素の活性を制御することによって付与されることを特徴とする
ストレス耐性付与組成物。

【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれかに記載のストレス耐性付与組成物において、
前記昆虫類が、アワヨトウ、ハスモンヨトウ、カイコ、キイロショウジョウバエ、ミツバチ、クワガタ、及びカブトムシから成る群より選択されることを特徴とする
ストレス耐性付与組成物。

【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれかに記載のストレス耐性付与組成物を前記昆虫類に導入する導入工程を含むことを特徴とする
ストレス耐性付与方法。

【請求項6】
請求項5に記載のストレス耐性付与方法において、
前記導入工程が、注射投与、経口投与、及び噴霧投与から成る群より選択される投与により導入されることを特徴とする
ストレス耐性付与方法。

【請求項7】
請求項1~請求項4のいずれかに記載のストレス耐性付与組成物として昆虫類中のN-アセチルチロシン化合物及び/又はその誘導体を、前記昆虫類の体内で増加させて、ストレス耐性を増殖させるストレス耐性体内増殖方法であって、
前記昆虫類にストレスを付加するストレス付加工程を含むことを特徴とする
ストレス耐性体内増殖方法。

【請求項8】
請求項1~請求項4のいずれかに記載のストレス耐性付与組成物の含有量として前記昆虫類中のN-アセチルチロシン化合物及び/又はその誘導体の含有量を測定する測定工程と、
前記含有量に基づいて、前記昆虫類が受けているストレスの度合いを評価する評価工程を含むことを特徴とする
ストレス評価方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 公開
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