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植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる方法、並びにその利用

国内特許コード P180014992
整理番号 (S2015-0722-N0)
掲載日 2018年5月23日
出願番号 特願2017-504936
出願日 平成28年2月12日(2016.2.12)
国際出願番号 JP2016054196
国際公開番号 WO2016143458
国際出願日 平成28年2月12日(2016.2.12)
国際公開日 平成28年9月15日(2016.9.15)
優先権データ
  • 特願2015-047699 (2015.3.10) JP
発明者
  • 西條 雄介
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる方法、並びにその利用
発明の概要 通常条件又はストレス存在下であっても植物の生産性を保持及び/又は促進しながら、植物の耐病性及び耐塩性を向上させる技術を提供する。植物において、配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子等の発現を増大させる。
従来技術、競合技術の概要


植物は、動物と異なる独自の生体防御システムを進化させてきた。例えば、微生物の細胞表層多糖及び分泌物質、植物の細胞壁構成多糖の断片、並びにペプチド等の物質がいわゆるエリシターとして作用し、様々な生体防御関連遺伝子の発現及び抗菌性物質(フィトアレキシン)の合成、並びに細胞壁構造の変化といった感染防御応答を起動させることが知られている。上述した植物細胞における感染防御応答は、細胞膜に存在するレセプターが、エリシター活性を有する分子(エリシター因子)を特異的に認識することで開始すると考えられている。例えば微生物由来のエリシター因子は、微生物固有の分子パターンという意味で、MAMPs(Microbe-Associated Molecular Patterns)と呼ばれる。また、植物自身もエリシター因子を放出し、当該エリシター因子を受容体によって認識し、免疫応答を増幅していると考えられている。このような内生エリシターは、DAMPs(Damage-Associated Molecular Patterns)と呼ばれる。



これまでエリシター因子を利用して耐病性を向上させた植物の開発が試みられている。例えば、特許文献1には、植物細胞においてキチン特異的にHR細胞死等の防御応答反応をより強く誘導できるキメラ遺伝子及び当該遺伝子を形質転換した植物が広範囲の病原菌に存在する物質を認識して強い防御応答反応又は病害抵抗性反応を引き起こすことが報告されている。また、特許文献2には、種々のエリシター因子を植物に形質転換して、病原体に対する耐性を付与する技術が記載されている。さらに、近年、シロイヌナズナの内生エリシターであるAtPep1の前駆体遺伝子PROPEP1遺伝子を過剰発現させることで耐塩性が向上することも報告されている(非特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる方法、並びにその利用に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
植物において、以下の(a)~(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子の発現を増大させる工程を含むことを特徴とする、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる方法:
(a)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1~34に記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号35~64のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。

【請求項2】
植物において、以下の(a)~(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子の有無、あるいは該遺伝子の発現が増大しているか否かを判定する工程を含むことを特徴とする、耐病性、耐塩性及び生産性が向上した植物の選抜方法:
(a)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号35~64のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。

【請求項3】
植物において、以下の(a)~(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子の発現を増大させる工程を含むことを特徴とする、耐病性、耐塩性及び生産性が向上した植物の生産方法:
(a)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号35~64のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。

【請求項4】
上記遺伝子の発現を増大させる工程は、上記(a)~(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子を導入して、形質転換植物細胞を作製する工程を含むことを特徴とする、請求項3に記載の耐病性、耐塩性及び生産性が向上した植物の生産方法。

【請求項5】
さらに、上記植物細胞から植物体を再生させる工程、を含むことを特徴とする、請求項4に記載の耐病性、耐塩性及び生産性が向上した植物の生産方法。

【請求項6】
以下の(a)~(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子が導入されていることを特徴とする、耐病性、耐塩性及び生産性が向上した形質転換植物:
(a)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号35~64のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。

【請求項7】
以下の(a)~(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子の発現が増大していることを特徴とする、耐病性、耐塩性及び生産性が向上した植物:
(a)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号35~64のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。

【請求項8】
以下の(a)~(e)からなる群より選択されるいずれかの遺伝子にコードされるタンパク質に対するリガンドを植物に投与する工程を含むことを特徴とする、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる方法:
(a)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列からなるタンパク質をコードする遺伝子;
(b)配列番号1~34のいずれかに記載されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸残基が置換、欠失、挿入及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(c)配列番号1~34に記載されるアミノ酸配列と80%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなり、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子;
(d)配列番号35~64のいずれかに記載される塩基配列からなる遺伝子;
(e)上記(a)~(d)のいずれかの遺伝子と相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズし、かつ、植物の耐病性、耐塩性及び生産性を向上させる活性を有するタンパク質をコードする遺伝子。
国際特許分類(IPC)
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