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(In Japanese)乳酸脱水素酵素阻害剤およびそれを含有する抗てんかん剤

Patent code P180014999
File No. (S2015-0530-N0)
Posted date May 23, 2018
Application number P2016-574804
Date of filing Feb 9, 2016
International application number JP2016053764
International publication number WO2016129583
Date of international filing Feb 9, 2016
Date of international publication Aug 18, 2016
Priority data
  • P2015-023572 (Feb 9, 2015) JP
Inventor
  • (In Japanese)井上 剛
  • (In Japanese)佐田 渚
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人岡山大学
Title (In Japanese)乳酸脱水素酵素阻害剤およびそれを含有する抗てんかん剤
Abstract (In Japanese)本発明は、既存の抗てんかん薬が効かない難治性てんかんを抑えることができる乳酸脱水素酵素阻害剤、およびそれを含有する抗てんかん剤を提供する。本発明に係る乳酸脱水素酵素阻害剤は、式 (III) で表わされる化合物、すなわちイソサフロールまたはイソサフロールを母核構造として有する化合物を含有し、本発明に係る抗てんかん剤は、それらの化合物を有効成分とする。
(式省略)
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

てんかんは、脳の電気活動の過剰興奮によって生じる神経疾患であり、特徴的な脳波(てんかん脳波) によって診断される。その有病率は、総人口の約1%と高い。てんかんの治療法としては薬物治療が主であり、20種類以上のてんかん治療薬が臨床現場で使用されている (非特許文献1)。しかしながら、約3割のてんかん患者に対し、これら既存のてんかん治療薬が奏功しないことが知られている。このような背景により、既存薬が効かない「難治性てんかん」に対する治療薬が、現在必要とされている。

てんかんは、過剰な神経電気興奮が原因で起きるため、その治療薬も電気活動を制御する分子を標的にするものが殆どである。具体的には、イオンチャネル、シナプス受容体、神経伝達物質トランスポーターである (非特許文献2)。一方、これらの既存薬が効かないてんかん患者の一部に対して、ケトン食療法と呼ばれる「食事療法」が効果的であることが、臨床的に知られている (非特許文献3)。最近になって、ケトン食による抗てんかん機構が次々と明らかにされている (非特許文献4~6)。すなわち、エネルギー代謝経路に作用する薬ができれば、難治性てんかん治療薬として有望である。

抗てんかん薬の一つに、スチリペントール(CAS: 49763-96-4, 4-ジメチル-1-[(3,4-メチレンジオキシ)-フェニル]-1-ペンテン-3-オール, 下記式(I)参照) がある。スチリペントールは最初、脳疾患薬として開発され (特許文献1)、その後難治性てんかんの一つであるDravet 症候群 (小児てんかんの一つ) に効くことが明らかにされた (非特許文献7,8)。現在、Dravet症候群の治療薬として、ヨーロッパ (2007年承認) と日本 (2012年承認) で、ディアコミットという商品名で臨床使用されている。しかしながら、Dravet症候群には成功したものの、それ以外のてんかん (特に成人てんかん) に対して、スチリペントールは臨床試験で成功していないのが現状である (非特許文献9)。

最近、スチリペントールが、乳酸脱水素酵素 (lactate dehydrogenase; LDH) の阻害剤であることが報告されている (特許文献2)。乳酸脱水素酵素とは、「エネルギー代謝経路上」に存在し、乳酸とピルビン酸を相互変換する「代謝酵素」である。乳酸脱水素酵素阻害剤自体は、これまで、主に抗マラリア薬開発 (非特許文献10,11)、および抗ガン剤開発 (非特許文献12,13) を目的として作られてきた。しかしながら、これらの乳酸脱水素酵素阻害剤が、抗てんかん作用を持つかどうかは不明である。すなわち、現段階において、スチリペントールは「乳酸脱水素酵素阻害作用」を持つ唯一の「抗てんかん剤」である。

【化1】
(省略)

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、イソサフロール(もしくはその誘導体)を有効成分とする乳酸脱水素酵素阻害剤および抗てんかん剤に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
式 (III) で表される化合物を含有する乳酸脱水素酵素の阻害剤。
【化1】
 
(省略)
式(III)中、
Raは、水素原子、ハロゲン原子またはハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基を表し、
Rbは、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基またはニトロ基を表すか、Rc、RdまたはRgと一体となって置換基を有していてもよい環状構造を形成する基を表し、
Rcは、水素原子またはカルボキシル基を表すか、Rb、Re・RfまたはRgと一体となって置換基を有していてもよい環状構造を形成する基を表し、
Rdは、水素原子または-X11-R11を表すか、RbまたはRgと一体となって置換基を有していてもよい環状構造を形成する基を表し、
X11はアルキレン基、-NH-CO-、-CH2-NR12-CO-または-S-を表し、
R11は、置換基を有していてもよいアリール基、カルボキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、またはヒドロキシアルキル基を表し、
R12は、ヒドロキシアルキル基を表し、
Re、RfおよびRgは、
(i)全てが水素原子を表すか、
(ii)ReおよびRfが一緒になって、=O、=NR21または=CR21R22を表し、Rgが、-X31-R31、-O-X32-R32、-N(-X33-R33)(-X34-R34)または-CR35R36R37を表し、
R21はヒドロキシ基を表すか、RcまたはRgと一体となって置換基を有していてもよい環状構造を形成する基を表し、
R22は、ニトロ基、または窒素原子に結合した水素原子がアルキル基で置換されていてもよいアミノカルボニル基を表し、
X31は、単結合、アルケニレン基、-CH2-O-CH2-CO-NH-、-CH2-O-CH2-CO-または-CO-を表し、
R31は、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を有していてもよい複素環式アミノ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、またはヒドロキシアルキル基を表し、
ただし、X31が単結合であり、R31が置換基を有していてもよい複素環式アミノ基である場合は、当該単結合は当該複素環式アミノ基の窒素原子以外の原子と結合しており、
X32は、単結合または-CH2-CO-NH-を表し、
R32は、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基を表し、
X33およびX34はそれぞれ独立して、単結合、アルキレン基、-CH2-CO-NH-または-SO2-を表し、
R33およびR34はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいシクロアルキル基、ヒドロキシルアルキル基、カルボキシル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基またはアルキニル基を表すか、Rb、Rc、RdまたはRe・Rfと一体となって置換基を有していてもよい環状構造を形成する基を表すか、R33およびR34はそれらが単結合であるX33およびX34を介して結合している窒素原子と共に一体となって置換基を有していてもよい複素環式アミノ基を表し、
R35、R36およびR37はそれぞれ独立して、水素原子または-X31-R31を表すか、、Rb、Rc、RdまたはRe・Rfと一体となって置換基を有していてもよい環状構造を形成する基を表し、
Rhは、水素原子またはハロゲン原子を表す。
ただし、RbとRcが一体となった環状構造、RbとRdが一体となった環状構造、RbとRgが一体となった環状構造、RcとRe・Rfが一体となった環状構造、RcとRgが一体となった環状構造、RdとRgが一体となった環状構造、Re・RfとRgが一体となった環状構造は、多くとも1つだけしか、式(III)中に形成されない。

【請求項2】
 
前記式(III)で表される化合物が、Rc、Rd、Re、Rf、Rgのすべてが水素原子である化合物である、請求項1に記載の乳酸脱水素酵素の阻害剤。

【請求項3】
 
前記式 (III) で表される化合物が、下記式(II)で表されるイソサフロールである、請求項2に記載の乳酸脱水素酵素の阻害剤。
【化2】
 
(省略)

【請求項4】
 
前記式(III)で表される化合物が、RbとRcが一体となった前記環状構造、RbとRdが一体となった前記環状構造、RbとRgが一体となった前記環状構造、RcとRe・Rfが一体となった前記環状構造、RcとRgが一体となった前記環状構造、RdとRgが一体となった前記環状構造、およびRe・RfとRgが一体となった前記環状構造のいずれも形成されていない化合物である、請求項1に記載の乳酸脱水素酵素の阻害剤。

【請求項5】
 
式(III)で表される化合物が、RbとRcが一体となった前記環状構造、RbとRdが一体となった前記環状構造、RbとRgが一体となった前記環状構造、RcとRe・Rfが一体となった前記環状構造、RcとRgが一体となった前記環状構造、RdとRgが一体となった前記環状構造、およびRe・RfとRgが一体となった前記環状構造のいずれか一つが形成されている化合物である、請求項1に記載の乳酸脱水素酵素の阻害剤。

【請求項6】
 
請求項1~5のいずれか一項に記載の乳酸脱水素酵素の阻害剤を有効成分とする抗てんかん剤。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2016574804thum.jpg
State of application right Published
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技術移転に関しては岡山TLOが窓口になります。


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