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LaBr3シンチレーション検出器及び特定イベント排除方法

国内特許コード P180015008
整理番号 (S2015-0691-N0)
掲載日 2018年5月23日
出願番号 特願2017-502057
出願日 平成28年2月10日(2016.2.10)
国際出願番号 JP2016054017
国際公開番号 WO2016136480
国際出願日 平成28年2月10日(2016.2.10)
国際公開日 平成28年9月1日(2016.9.1)
優先権データ
  • 特願2015-035788 (2015.2.25) JP
発明者
  • 石川 正純
  • 小川原 亮
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 LaBr3シンチレーション検出器及び特定イベント排除方法
発明の概要 LaBrシンチレータの発光に含まれるα崩壊等のイベントを同定し、γ線イベントだけを収集する。LaBrシンチレータ10と、光電子増倍管12と、オシロスコープ14と、コンピュータ18を備える。コンピュータ18は、電圧波形信号のピーク値Vp及び全電荷量Qtotalを検出し、ピーク値Vpと全電荷量Qtotalの比の誤差伝播式関数を算出する。この誤差伝播式関数を閾値関数として用いてα崩壊イベントを同定して排除する。α崩壊イベントは、ピーク値Vpと全電荷量Qtotalというリアルタイムで実測可能な計測値から同定される。
従来技術、競合技術の概要


近年、無機シンチレータの研究開発は日進月歩で進んでおり、性能が飛躍的に向上している。中でも、LaBrシンチレータは、時間分解能のみならず、エネルギ分解能に優れており、Cs-137(662KeV)のγ線に対して3%以下という特徴を持っている。また、大型の結晶を作成することも可能であり、コンプトン-ピーク比を大きくすることで、高検出効率での測定が期待できる。LaBrシンチレータの実効原子番号はやや低いが、密度が5.3g/cmと大きいため、高エネルギγ線の測定に適しており、高純度Ge検出器に代わる検出器として注目されている。



他方、LaBrシンチレータは、自己放射能として138La からのγ線(1436keV)と、227Ac 系列の残留放射能(5~6MeVのα線を放出)を有しているため、低アクティビティのγ線に対する測定では、自己放射能が大きな測定誤差の原因となっている。特に、1.7~2.4MeVに相当する領域にα崩壊に伴うスペクトルが存在するため、高エネルギγ線領域において、LaBrシンチレータの特性を十分に生かせない問題があった。



図12は、LaBr:Ceの自己放射能スペクトラムである。図において、横軸はエネルギ(MeV)であり、縦軸はイベント頻度である。1.7~2.4MeVにα崩壊に伴うスペクトルが多く存在することが分かる。測定したいイベントが、1.5~2.5MeV以外であればα崩壊のバックグラウンド(BG)は特に問題とならないと考えられるが、環境放射線や核反応は多数分布しており、これらは低係数率である場合が多いため問題となり得る。



α崩壊のバックグラウンド(BG)を単純に引き算してしまえばよいとも考えられるが、低係数率のイベントでは十分な統計を得るには時間を要し、また、一般的に高エネルギーのガンマ線に対する検出効率は低くなるため、計数率も低くなる場合が多い。



下記の非特許文献1には、LaBrシンチレータの発光シグナルがγ線イベントとα線イベントで違いがあることを利用し、部分的な電荷量と全電荷量を比較することでα線イベントを除外する方法が記載されている。

産業上の利用分野


本発明はLaBrシンチレーション検出器、及びその自己放射能によるα崩壊イベント等の特定イベントの排除に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
LaBrシンチレータと、
前記LaBrシンチレータの発光を電気信号に変換する光電変換器と、
前記光電変換器からの出力を電圧波形信号に変換する波形信号出力器と、
前記電圧波形信号のピーク値Vp及び全電荷量Qtotalを検出する検出手段と、
前記ピーク値Vpと前記全電荷量Qtotalの比の誤差伝播式関数を算出する算出手段と、
前記誤差伝播式関数を閾値関数として用いることで、γ線以外のイベントを特定し、該イベントを排除する処理手段と、
を備えることを特徴とするLaBrシンチレーション検出器。

【請求項2】
請求項1に記載のLaBrシンチレーション検出器において、
前記波形信号出力器から出力される前記電圧波形信号の高周波成分を除去するローパスフィルタをさらに備えることを特徴とするLaBrシンチレーション検出器。

【請求項3】
請求項1に記載のLaBrシンチレーション検出器において、
前記算出手段は、前記検出器で検出される前記ピーク値Vpを、前記全電荷量Qtotalに対して線形となるように補正して標準偏差を算出することを特徴とするLaBrシンチレーション検出器。

【請求項4】
請求項1に記載のLaBrシンチレーション検出器において、
前記算出手段は、1.5MeV以下のエネルギ範囲における誤差伝播式関数を算出する
ことを特徴とするLaBrシンチレーション検出器。

【請求項5】
請求項1に記載のLaBrシンチレーション検出器において、
前記処理手段は、前記閾値関数として、3σの誤差伝播式関数を用いることを特徴とするLaBrシンチレーション検出器。

【請求項6】
請求項1に記載のLaBrシンチレーション検出器において、
前記ピーク値Vpと前記全電荷量Qtotalの比は、Vp/Qtotalであることを特徴とするLaBrシンチレーション検出器。

【請求項7】
請求項1に記載のLaBrシンチレーション検出器において、
前記算出手段は、前記検出器で検出される前記ピーク値Vpを、前記全電荷量Qtotalに対して線形となるように補正し、補正されたピーク値Vpと前記全電荷量Qtotalの比であるVp/Qtotalの1.5MeV以下のエネルギ範囲における誤差伝播式関数を算出し、
前記処理手段は、前記閾値関数として、3σの誤差伝播式関数を用いる
ことを特徴とするLaBrシンチレーション検出器。

【請求項8】
LaBrシンチレータの特定イベントを排除する方法であって、
前記LaBrシンチレータの発光を電圧波形信号に変換して出力するステップと、
前記電圧波形信号のピーク値Vp及び全電荷量Qtotalを検出するステップと、
前記ピーク値Vpと前記全電荷量Qtotalの比の標準偏差を算出し、前記シンチレータの発光のうちγ線以外のイベントを含まない所定値以下のエネルギ範囲における前記標準偏差の誤差伝播式関数を算出するステップと、
前記誤差伝播式関数を閾値関数として用いて前記所定値以上のエネルギ範囲におけるイベントを特定し、該イベントを排除するステップと、
を備えることを特徴とする特定イベント排除方法。

国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 2G188BB04
  • 2G188BB06
  • 2G188CC21
  • 2G188EE01
  • 2G188EE07
  • 2G188EE12
  • 2G188FF02
画像

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JP2017502057thum.jpg
出願権利状態 公開
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