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扁平金属粒子、扁平金属粒子を有する成形体、扁平金属粒子の製造方法、及び金属板の製造方法 NEW

国内特許コード P180015028
整理番号 (S2015-0960-N0)
掲載日 2018年5月24日
出願番号 特願2017-512561
出願日 平成28年4月13日(2016.4.13)
国際出願番号 JP2016061913
国際公開番号 WO2016167286
国際出願日 平成28年4月13日(2016.4.13)
国際公開日 平成28年10月20日(2016.10.20)
優先権データ
  • 特願2015-081986 (2015.4.13) JP
発明者
  • 本塚 智
  • 森永 正彦
  • 多賀谷 基博
出願人
  • 独立行政法人国立高等専門学校機構
  • 国立大学法人長岡技術科学大学
発明の名称 扁平金属粒子、扁平金属粒子を有する成形体、扁平金属粒子の製造方法、及び金属板の製造方法 NEW
発明の概要 扁平金属粒子は、メカノケミカル処理による集合組織を有する。扁平金属粒子の製造方法は、平均粒径0.1μm以上1000μm以下の金属粒子を含む金属粉をメカノケミカル処理することを含む。前記メカノケミカル処理では、前記金属粒子を扁平に変形する処理、扁平形状に形成された前記金属粒子を積層させる処理、及び複数の前記金属粒子からなる塊を扁平形状にする処理の少なくとも1つを含む圧延処理により、前記金属粒子から扁平な金属粒子を形成する。
従来技術、競合技術の概要


金属材料においては、その機能の向上のため、集合組織(textureまたはcrystal textureとも呼称される)の制御がなされる。電子部品に用いられる銅合金においては、製品のコンパクト化や高機能化のため、一層の加工性向上が求められるようになってきている。銅合金材を高精度で微小な部材に加工するには、銅合金材を良好な加工性を確保した状態に圧延して圧延合金とすることが望まれる。例えば、板面に平行に(111)面を配向させることが、圧延材のプレス成形性や曲げ加工性を向上させるのに重要であることが知られている(非特許文献1,非特許文献2,特許文献1参照)。また、非特許文献4は、集合組織を有する金属板に関して、曲げ加工をはじめとした塑性加工について開示されている。



また、鋼板の電磁気的性能向上のためにも、集合組織の制御が行われる。近年の地球環境問題の高まりから、電気機器においては小型、高出力、高エネルギー効率の向上が課題となっている。その解決手段として、電気機器中に組み込まれている電磁気部品には、電磁鋼板と呼ばれる低鉄損と高磁束密度を兼ね備えた材料が用いられている。この電磁鋼板による電気機器の特性の向上は、再結晶集合組織制御技術によって形成された、集合組織によるものである。再結晶集合組織制御の基本は、板面内に磁化容易軸を含まない{111}面を減じ、板面内に磁化容易軸を含む{110}面や{100}面を増加させることである。例えば、特許文献2および特許文献3には特殊な熱間圧延条件により集積させた{510}<001>方位を活用して{100}<001>方位を発達させる方法が提案されている。



さらに、金属材料においては、その形状を粒子状とすることでも機能の向上をはかることができる。近年、航空機内等において、携帯用電子機器による電磁波干渉の問題、具体的には、携帯電話による電磁波干渉が原因と思われる医療機器の誤動作が報告されている。こうした不要な高周波電波を抑制するものとして、電磁波吸収シートなどの電磁波ノイズ抑制体が用いられている。電磁波吸収シートは樹脂と粒子化した金属材料を複合化して製造される。電磁波ノイズ抑制体のノイズ抑制効果は、複素透磁率の虚数部"μ"が大きな値を示すものほど優れている。μは樹脂中の金属粒子の充填率に比例して高くなる。そのため、粒子状金属材料を扁平化し、射出成形により一方向に配向させて充填率を高める手法がとられる(特許文献4参照)。また、特許文献5には、金属粉末を用いて金属板を製造する方法(粉末圧延法)が開示されている。



また、電磁気部品の中には、低鉄損を達成するため、粒子を圧縮成型して作られるものもある。変圧器、電動機、発電機等、電磁気を利用した製品は、交番磁界を利用したものが多く、局所的に大きな交番磁界を効率的に得るために、鉄心をその交番磁界中に設けている。電磁気部品である鉄心には、磁界の周波数に応じて鉄心内部に生じる、渦電流損失を小さくすることが求められる。このような鉄心は、絶縁皮膜をコーティングした金属粒子を加圧形成して得られる。これは、渦電流発生領域を粒子界面の絶縁被膜によって細分化することによって、渦電流損失を低減できるためである(非特許文献3参照)。

産業上の利用分野


本発明は、扁平金属粒子、扁平金属粒子を有する成形体、扁平金属粒子の製造方法及び金属板の製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
メカノケミカル処理による集合組織を有する、扁平金属粒子。

【請求項2】
扁平面を有し、結晶の配向に方向性がある、扁平金属粒子。

【請求項3】
前記扁平面に沿う複数の層を有する
請求項2に記載の扁平金属粒子。

【請求項4】
前記扁平金属粒子の厚さが0.05μm以上100μm以下である
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の扁平金属粒子。

【請求項5】
前記扁平金属粒子の厚さをt、前記扁平金属粒子の厚さ方向と直交する方向における寸法である粒径をdとすると、当該扁平金属粒子のアスペクト比d/tは2以上である
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の扁平金属粒子。

【請求項6】
粉末X線回折法によって得られる前記扁平金属粒子の結晶面の極点図が、極もしくは帯状の強度分布を示す
請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の扁平金属粒子。

【請求項7】
前記扁平金属粒子は体心立方格子構造を有する金属を含み、
前記扁平金属粒子の粉末X線回折チャートにおいて低角側から5つの結晶面の回折ピークの全強度を100%としたとき、前記低角側から5つの結晶面の回折ピークのうち少なくとも1つの回折ピークの強度比は、集合組織を有しない金属粒子における回折ピークの強度比に比べて10%以上高い
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の扁平金属粒子。

【請求項8】
前記扁平金属粒子は体心立方格子構造を有する金属を含み、
前記扁平金属粒子の粉末X線回折チャートにおいて{110}、{002}、{211}、{220}、{310}の回折ピークの全強度を100%としたとき、{002}の回折ピークの強度比が20%以上である
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の扁平金属粒子。

【請求項9】
前記体心立方格子構造を有する金属は、Fe、V、Cr、Nb、Ta、及びWの群から選択される金属、または、Fe、V、Cr、Nb、Ta、及びWの少なくとも一つを含む合金である
請求項7または請求項8に記載の扁平金属粒子。

【請求項10】
前記扁平金属粒子は面心立方格子構造を有する金属を含み、
前記扁平金属粒子の粉末X線回折チャートにおいて低角側から5つの結晶面の回折ピークの全強度を100%としたとき、前記低角側から5つの結晶面の回折ピークのうち少なくとも1つの回折ピークの強度比は、集合組織を有しない金属粒子における回折ピークの強度比に比べて10%以上高い
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の扁平金属粒子。

【請求項11】
前記扁平金属粒子は面心立方格子構造を有する金属を含み、
前記扁平金属粒子の粉末X線回折チャートにおいて、{111}、{002}、{220}、{311}、{222}の回折ピークの全強度を100%としたとき、{220}の回折ピークの強度比が10%以上である
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の扁平金属粒子。

【請求項12】
前記面心立方格子構造を有する金属は、Al、Ni、Cu、Pb、Ag,Pt、Au、及びPdの群から選択される金属、または、Al、Ni、Cu、Pb、Ag,Pt、Au、及びPdの少なくとも一つを含む合金である
請求項10または請求項11に記載の扁平金属粒子。

【請求項13】
前記扁平金属粒子は六方最密充填構造を有する金属を含み、
前記扁平金属粒子の粉末X線回折チャートにおいて低角側から3つの結晶面の回折ピークの全強度を100%としたとき、前記低角側から3つの結晶面の回折ピークのうち少なくとも1つの回折ピークの強度比は、集合組織を有しない金属粒子における回折ピークの強度比に比べて10%以上高い
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の扁平金属粒子。

【請求項14】
前記扁平金属粒子は六方最密充填構造を有する金属を含み、
前記扁平金属粒子の粉末X線回折チャートにおいて、{10-01}、{0002}、{10-11}の回折ピークの全強度を100%としたとき、{0002}の回折ピークの強度比が20%以上である
請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の扁平金属粒子。

【請求項15】
前記六方最密充填構造を有する金属は、Ti、Co、Zn及びZrの群から選択される金属、または、Ti、Co、Zn及びZrの少なくとも一つを含む合金である
請求項13または請求項14に記載の扁平金属粒子。

【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の扁平金属粒子と、前記扁平金属粒子を覆う絶縁被膜とを有する扁平金属粒子。

【請求項17】
請求項16に記載の複数の扁平金属粒子を有し、前記扁平金属粒子の扁平面が同じ方向に揃えられている成形体。

【請求項18】
平均粒径0.1μm以上1000μm以下の金属粒子を含む金属粉をメカノケミカル処理することを含み、
前記メカノケミカル処理では、前記金属粒子を扁平に変形する処理、扁平形状に形成された前記金属粒子を積層させる処理、及び複数の前記金属粒子からなる塊を扁平形状にする処理の少なくとも1つを含む圧延処理により、前記金属粒子から扁平な金属粒子を形成する
扁平金属粒子の製造方法。

【請求項19】
前記扁平金属粒子の厚さをt、前記扁平金属粒子の厚さ方向と直交する方向における寸法である粒径をdとすると、前記メカノケミカル処理において当該扁平金属粒子のアスペクト比d/tを2以上にする
請求項18に記載の扁平金属粒子の製造方法。

【請求項20】
前記メカノケミカル処理では、前記金属粒子の集合組織化を促進させる助剤として潤滑剤が用いられる
請求項18または請求項19に記載の扁平金属粒子の製造方法。

【請求項21】
前記潤滑剤は、固形の炭素化合物または固形の二硫化モリブデンの群から選択される少なくとも1つである
請求項20に記載の扁平金属粒子の製造方法。

【請求項22】
前記メカノケミカル処理は、希ガス以外のガス雰囲気下で行われる
請求項21に記載の扁平金属粒子の製造方法。

【請求項23】
前記メカノケミカル処理は、酸素及び窒素のうち少なくとも一方を有する気体の雰囲気下で行われる
請求項22に記載の扁平金属粒子の製造方法。

【請求項24】
前記潤滑剤は、流動性を有する炭素化合物であり、
前記メカノケミカル処理の後、前記扁平金属粒子に付着する前記助剤を溶剤で溶解して前記扁平金属粒子から前記助剤を除去する
請求項20に記載の扁平金属粒子の製造方法。

【請求項25】
請求項1~請求項16のいずれか一項に記載の扁平金属粒子を含む金属粉を前記扁平金属粒子の扁平面が基準方向に対して所定角度範囲内で配向させてかつ前記扁平金属粒子が重なるように配置する配置工程と、
前記配置工程で配置された前記金属粉の群を基準方向から圧延する圧延工程とを含む金属板の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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