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(In Japanese)真空チャネルトランジスタおよびその製造方法

Patent code P180015031
File No. (S2015-1431-N0)
Posted date May 24, 2018
Application number P2017-518012
Patent number P6341551
Date of filing May 13, 2016
Date of registration May 25, 2018
International application number JP2016064390
International publication number WO2016182080
Date of international filing May 13, 2016
Date of international publication Nov 17, 2016
Priority data
  • P2015-099497 (May 14, 2015) JP
Inventor
  • (In Japanese)横川 俊哉
  • (In Japanese)真田 篤志
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人山口大学
Title (In Japanese)真空チャネルトランジスタおよびその製造方法
Abstract (In Japanese)窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体を使用した真空チャネルトランジスタにおいて、電子放出の効率を向上させ、電子放出のためのしきい電圧を低下させた真空チャネルトランジスタを提供する。
ゲート電極をなす導体基板11と、前記導体基板の上に形成された絶縁体からなる絶縁層12と、前記絶縁層の上に形成されたソース電極131と、前記絶縁層の上に形成され、前記ソース電極と対向するように設けられたドレイン電極132とを有する。そして、前記ソース電極は、窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体のウルツ鉱型構造の結晶からなるものであり、電子の主要な放出方向と結晶構造のc軸方向とのなす角度が30度以下となるように配置されたものである。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

現在、電磁波の利用周波数の高周波化が進んでおり、光の周波数領域に近いテラヘルツ波は、次世代高速無線通信や監視用イメージング、遺伝子・たんぱく質機能解析の医療応用など多くの応用が期待されている。なお、一般的にはテラヘルツ波として周波数100GHz~10THzの電磁波を言う場合もあるが、ここではテラヘルツ波を1THz~10THzの電磁波とする。

この1THz~10THzの周波数範囲でのデバイス実用化に向かって、その低周波数側に関しては電子工学的な研究開発が推し進められており、その高周波数側に関しては光子工学(フォトニクス)的な研究開発が推し進められている。すなわち、電子工学的アプローチでは電子デバイスを高速化してその動作周波数が1THzを超えることを目指して開発が進められてきた。一方、フォトニクス的アプローチでは半導体レーザーや量子カスケードレーザーにおいて発生する光の波長を長波長化し10THz以下にまで発生電磁波の周波数を下げる試みがなされてきた。

しかし、電子工学的アプローチにおける電子デバイスの高速化には限界があり、いまだに1THz超える電磁波を実用的に発生できる電子デバイスは実現できていない。また、フォトニクス的アプローチでも光デバイスの低周波化には限界があり、10THz以下の電磁波を実用的に発生できる光デバイスは実現できていない。また、光デバイスに関しては、1THz~10THzの光子に対応する光学遷移のエネルギー準位差が室温の熱エネルギーに近い領域となり、室温の熱エネルギーによって擾乱を受けるため、光デバイスの室温での動作が難しくなると言う問題点がある。

このように、多くの応用が期待されているテラヘルツ波領域ではあるが、電子工学的アプローチにおいても、フォトニクス的アプローチにおいても、この領域の電磁波の発生を実用的に行うデバイスはいまだ実現されていない。周波数1THz~10THzの領域の電磁波に関しては、実質的に電磁波の発生や信号処理を行うことのできない空白領域として取り残されていた。

以上のようなテラヘルツ波領域における問題点の打開を目指すものとして、下記の非特許文献1に示すようなゲート絶縁型真空チャネルトランジスタが提案された。非特許文献1には、キャリアとしての電子が真空空間のチャネル中を走行する構造の電界効果トランジスタが記載されている。半導体中にチャネルが設けられた通常の電界効果トランジスタでは、動作速度の上限は半導体材料によって定まる電子の飽和速度に依存してしまう。しかし、真空中を走行する電子の速度には飽和速度はなく、理論的には電子を光速度近くまで加速することが可能である。

このため真空チャネルトランジスタによってテラヘルツ波領域の電磁波の発生が可能となることが期待できる。しかし、非特許文献1による真空チャネルトランジスタでは、実際の遮断周波数として0.46THzにとどまり、1THzの壁は超えることができなかった。この原因としてはソースから電子を放出する効率が小さいことが考えられる。非特許文献1の真空チャネルトランジスタでは、ソース電極の先端を先鋭形状として、さらにソースとドレイン間の距離も微小として電子放出の効率をそれなりに改善してはいるが、それでも十分な効率が得られているとは言えない。

ソースとドレイン間に電圧を印加して電流が流れ始める最小の電圧をしきい電圧と呼ぶことにすると、非特許文献1の真空チャネルトランジスタでは10V程度のしきい電圧を必要としており、しきい電圧の値が比較的大きい。これは、ソースにおける電子放出の効率がまだ十分ではないことを示している。非特許文献1はシリコン(ケイ素)に基づいたデバイスでありソース、ドレインの両電極もシリコンからなる。

シリコンは電子親和力が大きいので、シリコン電極において電子を電界放出するためには大きな電子親和力に相当するエネルギーを電子に与えなければならない。そのため、しきい電圧は高くなり、電子放出の効率は低くなり、消費電力は大きくなってしまう。また、微細加工により電極形状を先鋭形状とするなどして高い電界集中を発生させることも必要となる。

これに対して、窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体の電極を使用することにより、電子放出の効率を向上させようとする電子デバイスが提案されている。窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体における窒化アルミニウムの割合をxとする。ここで、割合xは、全体に対する窒化アルミニウムの分子数の比であり、0≦x≦1である。なお、x=0,1の場合の混晶半導体は実際には純粋な化合物となるが、本明細書では便宜上これらの場合も含めて混晶半導体と記載する。

すなわち、この混晶半導体は、AlxGa1-xNと表すことができる。割合xが0の場合は、この混晶半導体は窒化ガリウムとなり、電子親和力は3.3eV程度であり、正の電子親和力となる。窒化アルミニウムの割合xが増加するにつれて電子親和力は減少する。割合xが0.65程度で混晶半導体の電子親和力はほぼ0となる。そして割合xが1となる窒化アルミニウムでは電子親和力は負となる。

このような窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体を使用した電子デバイスとしては、下記の特許文献1のようなものがある。特許文献1には、電極の表面層として窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体を使用し、電極材料としてその電子親和力が0または負となる物質を使用することにより、電子放出の効率を改善するようにした電子デバイスが記載されている。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体を使用した半導体素子である真空チャネルトランジスタおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、電子親和力が小さな窒化物系半導体を利用して、低消費電力および低電圧駆動とするとともに、1THz~10THzの周波数範囲での動作を可能とする真空チャネルトランジスタおよびその製造方法に関するものである。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
窒化アルミニウムが分子数の比で全体の0.65以上となる窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体のウルツ鉱型構造の結晶からなる電極(131)を有し、
前記電極(131)は、電子の主要な放出方向と結晶構造のc軸方向とのなす角度が30度以下となるように配置されたものである半導体素子。

【請求項2】
 
請求項1に記載した半導体素子であって、
前記電極(131)は、電子の主要な放出方向が結晶構造のc軸方向となるように配置されたものである半導体素子。

【請求項3】
 
ゲート電極をなす導体基板(11)と、
前記導体基板(11)の上に形成された絶縁体からなる絶縁層(12)と、
前記絶縁層(12)の上に形成されたソース電極(131)と、
前記絶縁層(12)の上に形成され、前記ソース電極(131)と対向するように設けられたドレイン電極(132)とを有し、
前記ソース電極(131)は、窒化アルミニウムが分子数の比で全体の0.65以上となる窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体のウルツ鉱型構造の結晶からなるものであり、電子の主要な放出方向と結晶構造のc軸方向とのなす角度が30度以下となるように配置されたものである真空チャネルトランジスタ。

【請求項4】
 
請求項3に記載した真空チャネルトランジスタであって、
前記ソース電極(131)は、電子の主要な放出方向が結晶構造のc軸方向となるように配置されたものである真空チャネルトランジスタ。

【請求項5】
 
請求項4に記載した真空チャネルトランジスタであって、
前記導体基板(11)は、n型シリコンからなるものであり、
前記絶縁層(12)は、n型シリコン基板の表面に形成された二酸化ケイ素の層である真空チャネルトランジスタ。

【請求項6】
 
請求項5に記載した真空チャネルトランジスタであって、
前記ソース電極(131)は、当該ソース電極(131)に通電するための金属電極(21)が接続されたものである真空チャネルトランジスタ。

【請求項7】
 
請求項6に記載した真空チャネルトランジスタであって、
前記ソース電極(131)と前記金属電極(21)との間に、窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体からなり、窒化アルミニウムの割合が前記金属電極(21)側から前記ソース電極(131)側に向かって増大する結合層(151)を有する真空チャネルトランジスタ。

【請求項8】
 
請求項7に記載した真空チャネルトランジスタであって、
前記金属電極(21)と前記結合層(151)との間に、窒化ガリウムからなる接触層(161)を有する真空チャネルトランジスタ。

【請求項9】
 
窒化ガリウムのウルツ鉱型構造の結晶からなり、表面がm面である基板(14)に、窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体からなる半導体層(13)を結晶成長させる工程と、
n型シリコンからなる導体基板(11)の表面を酸化させて二酸化ケイ素からなる絶縁層(12)を形成する工程と、
前記絶縁層(12)の表面と前記半導体層(13)の表面を重ね合わせ、前記絶縁層(12)と前記半導体層(13)を結合する工程と、
前記基板(14)を前記半導体層(13)から剥離する工程と、
前記半導体層(13)をソース電極(131)とドレイン電極(132)として形成する工程とを有し、
前記半導体層(13)は、窒化アルミニウムが分子数の比で全体の0.65以上となる窒化ガリウム-窒化アルミニウム混晶半導体のウルツ鉱型構造の結晶からなるものであり、
前記ソース電極(131)と前記ドレイン電極(132)とは、電子の主要な放出方向と結晶構造のc軸方向とのなす角度が30度以下となるように形成されるものである真空チャネルトランジスタの製造方法。

【請求項10】
 
請求項9に記載した真空チャネルトランジスタの製造方法であって、
前記ソース電極(131)と前記ドレイン電極(132)とは、電子の主要な放出方向が前記半導体層(13)の結晶構造のc軸方向となるように形成されるものである真空チャネルトランジスタの製造方法。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2017518012thum.jpg
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