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イヌiPS細胞の作製方法 NEW 新技術説明会

国内特許コード P180015041
整理番号 (S2015-1659-N0)
掲載日 2018年5月24日
出願番号 特願2017-524884
出願日 平成28年6月19日(2016.6.19)
国際出願番号 JP2016068194
国際公開番号 WO2016204298
国際出願日 平成28年6月19日(2016.6.19)
国際公開日 平成28年12月22日(2016.12.22)
優先権データ
  • 特願2015-123775 (2015.6.19) JP
発明者
  • 稲葉 俊夫
  • 西村 俊哉
  • 田中 恵里菜
  • 鳩谷 晋吾
  • 杉浦 喜久弥
出願人
  • 公立大学法人大阪府立大学
発明の名称 イヌiPS細胞の作製方法 NEW 新技術説明会
発明の概要 【課題】長期にわたり安定して継代できるイヌiPS細胞株を、極めて簡単な組成の培養液を用いて作製する。
【解決手段】 核初期化因子であるOCT3/4、SOX2、KLF4及びC-MYCの4つの転写因子を、例えばドキシサイクリンにより前記転写因子の発現を制御できる薬剤誘導性のベクターにより導入したイヌ体細胞を、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の存在下でLIFのような分化多能性維持因子(塩基性線維芽細胞増殖因子は含まれない)、さらに好ましくはMEK抑制因子、GSK3β抑制因子などの分化抑制因子を含まない培養液で培養して、イヌiPS細胞を得る。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


イヌは、マウスやラットなどのげっ歯類と比較して生理学的にヒトに近いことに加え、大型であり、また寿命も長いため、比較的多量の薬物などの投与が可能で、長期間の実験にも適している。また、ヒトと同様の環境で生活していることからもヒトの疾患モデル動物としてより重宝されている。さらに、イヌで見られる遺伝性疾患の半数以上が同じ遺伝子の変異によるヒト疾患に類似し、イヌゲノム配列が解明されたことからも、疾患モデルとしてのイヌの需要はさらに広がる可能性がある。



これまでに、イヌiPS細胞の作製例として種々の報告があるが、これらの報告においては、基本培地であるDMEM/F12(Dulbecco's Modified Eagle 培地とHam's F-12培地とを等量ずつ混合した培地)に、FBSなどの血清やKSRなどの血清代替物、さらにLIFのような分化抑制剤を添加した培養液が用いられていた。例えば、特許文献1では、基本培地にMAPKK(マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ)阻害剤であるPD0325901とALK(アクチビンレセプター様キナーゼ)阻害剤であるA-83-01とGSK(グリコーゲン合成酵素キナーゼ)阻害剤であるCHIR99021とLIF(白血病抑制因子)とHDAC(ヒストン脱アセチル化酵素)阻害剤であるバルプロ酸を混合した培養液が使用されている。また、特許文献2では、基本培地に血清代替物であるKSRとLIFとbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)を混合した培養液が使用されている。さらに非特許文献1には、基本培地にKSRとLIFとbFGF、さらにはGSK3β(グリコーゲン・シンターゼ・キナーゼ3β)抑制因子、MEK(ERK-MAP キナーゼ経路遮断剤)抑制因子、TGF-β(ベータ型変異増殖因子)拮抗薬を混合した培養液が用いられている。



一方、ヒトiPS細胞やマウスiPS細胞においては、bFGFを用いずに、基本培地であるDMEM/F12培地に神経細胞培養に使用されるN2サプリメント(商品名)を混合した培地とneurobasal培地にB27サプリメント(商品名)を混合した培地の混合培地にLIF、MEK阻害剤、GSK3β阻害剤を加えた培地が使用されている(非特許文献2、3)。これらの文献では、得られたiPSコロニーを酵素処理することで単一細胞を得ることができ、当該単一細胞も50代程度の継代培養ができたとある。



さらに、非特許文献4や5では、より未分化なマウスiPS細胞に類似した立体的なコロニー形成能を持つものことが報告されてはいるが、酵素を用いた継代法に耐えうることができず、各阻害剤を培地に添加しなければその形態は維持できない。また、長期間の継代培養ができていないことから、これらのiPS細胞の株化には至っていないと考えられる。



これまでのところ、LIFやSK3β阻害剤のような分化多能性維持因子やMEK阻害剤などの分化抑制因子を用いることなく、bFGFのような細胞増殖促進因子のみの存在下で、体細胞からイヌiPS細胞が作製され、しかも長期にわたって継代培養できるiPS細胞が作製されたとの報告はない。

産業上の利用分野


本発明はイヌiPS細胞の作製方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
イヌの体細胞からイヌiPS細胞株を作製する方法であって、
イヌ体細胞に核初期化因子を導入する工程と、
核初期化因子を導入したイヌ体細胞を、塩基性線維芽細胞増殖因子の存在下で分化多能性維持因子を含まない培養液を用いて培養をする工程を含む方法。

【請求項2】
前記培養液は、分化抑制因子を含まない培養液である請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記培養液は、N2B27培地を基本培地とする請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
イヌの体細胞からイヌiPS細胞株を作製する方法であって、
イヌ体細胞に核初期化因子を導入する工程と、
核初期化因子を導入したイヌ体細胞を、塩基性線維芽細胞増殖因子のみを含むN2B27培地を用いて培養をする工程を含む方法。

【請求項5】
前記核初期化因子は次の3つの遺伝子:OCT3/4SOX2KLF4であるか、当該3つの遺伝子にさらにC-MYCを含む4つの遺伝子である請求項1~4の何れか1項に記載の方法。

【請求項6】
前記核初期化因子の発現を、薬剤の添加により制御できる薬剤誘導性ベクターを用いて、前記核初期化因子をイヌ体細胞に導入する請求項1~5の何れか1項に記載の方法。

【請求項7】
フィーダー細胞の存在下又はフィーダー細胞の非存在下にあるマトリゲル上で、前記核初期化因子が導入されたイヌ体細胞を培養する請求項1~6の何れか1項に記載の方法。

【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載の方法で作成されたイヌiPS細胞。

【請求項9】
イヌ体細胞に核初期化因子を導入する工程と、
核初期化因子を導入したイヌ体細胞を、塩基性線維芽細胞増殖因子の存在下で分化多能性維持因子を含まない培養液を用いて培養して、イヌiPS細胞株を得る工程と、
培養で得られた細胞を分化誘導する工程を含む、イヌ体細胞の製造方法。

【請求項10】
前記イヌ体細胞は、間葉系幹細胞である請求項9に記載のイヌ体細胞の製造方法。

【請求項11】
前記イヌ体細胞は、骨芽細胞又は神経幹細胞である請求項9に記載のイヌ体細胞の製造方法。

【請求項12】
内因性のOCT3/4KLF4SOX2の少なくとも1つの遺伝子、好ましくは全ての遺伝子とNANOG遺伝子の発現が見られ、かつ分化多能性を有する生体から分離されたイヌ体細胞由来の細胞。

【請求項13】
さらに、GBX2の遺伝子の発現が見られる請求項12に記載のイヌ体細胞由来の細胞。

【請求項14】
ドキシサイクリンの存在下で、外因性遺伝子のOCT3/4KLF4SOX2の少なくとも1つ、好ましくは全ての遺伝子の発現、さらにC-MYCが導入された場合にはこれら4つの遺伝子の発現が見られる請求項12又は13に記載の細胞。

【請求項15】
酵素処理により単一細胞に分割可能である請求項12~14の何れか1項に記載の細胞。

【請求項16】
請求項12~15の何れか1項に記載の細胞から分化誘導されたイヌ体細胞。

【請求項17】
請求項12~15の何れか1項に記載の細胞から分化誘導された間葉系幹細胞。

【請求項18】
請求項12~15の何れか1項に記載の細胞から分化誘導された骨芽細胞又は神経幹細胞。

【請求項19】
請求項12~15の何れか1項に記載の細胞を分化誘導して、イヌ体細胞を作製する方法。

【請求項20】
請求項12~15の何れか1項に記載の細胞を分化誘導して、間葉系幹細胞を作製する方法。

【請求項21】
請求項12~15の何れか1稿に記載の細胞を分化誘導して、骨芽細胞又は神経幹細胞を作製する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017524884thum.jpg
出願権利状態 公開
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