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コラーゲン様構造を有する重合ペプチド及びゲル NEW

国内特許コード P180015042
整理番号 (S2015-1677-N0)
掲載日 2018年5月24日
出願番号 特願2017-524969
出願日 平成28年6月23日(2016.6.23)
国際出願番号 JP2016068667
国際公開番号 WO2016208673
国際出願日 平成28年6月23日(2016.6.23)
国際公開日 平成28年12月29日(2016.12.29)
優先権データ
  • 特願2015-127450 (2015.6.25) JP
発明者
  • 小出 隆規
  • 市瀬 慎一郎
  • 竹内 俊吾
  • 能勢 博
出願人
  • 学校法人早稲田大学
  • コラジェン・ファーマ株式会社
発明の名称 コラーゲン様構造を有する重合ペプチド及びゲル NEW
発明の概要 コラーゲンは医療材料として有用であるが、ヒトへの使用はアレルギー及び人畜共通伝染病の危険がある。そこで、人工コラーゲン等が医療材料として検討されている。しかし、従来の人工コラーゲンは必ずしも物理的な強度や、加熱すると変性する、シート状に加工できない等の点で十分とは言えず、実用性の点で問題があった。本発明は、複数のシステイン(Cys)残基を含むペプチド鎖の3本鎖からなる三重らせん構造を有するコラーゲン様ペプチドを、酸化架橋させて、重合ペプチドとして製造される。本重合ペプチドは、ヒドロゲル及び薄膜シートに加工して使用でき、かつ、生体高分子上に存在する機能性アミノ酸配列を組み込むことによって、細胞接着性などの特定の生理機能を付与できる。さらに、本発明は、前記重合ペプチド等の製造方法、並びに、これらを使用した細胞培養、創傷被覆、再生医療材料及び研究用材料等の組成物としての用途を提供する。
従来技術、競合技術の概要


コラーゲンは、-(Xaa-Yaa-Gly)-の基本単位を繰り返してなる一次構造のアミノ酸配列を有するペプチド(Xaa及びYaaは任意のアミノ酸残基を表す)の3本鎖が、三重らせん構造を形成するタンパク質の総称であり、動物組織の細胞間に存在する細胞外マトリックスの主要構成成分である。動物結合組織中に豊富に含まれ、組織の骨格構造を構成している。ヒトのコラーゲンタンパク質は28種あることが報告されている。一方、上記一次構造のアミノ酸配列中に生理活性を有するモチーフが組み込まれており、例えば、創傷等の組織損傷時に組織中のコラーゲンが血液に曝露されることにより、インテグリンα2β1受容体及びglycoprotein VI(GPVI)受容体を有する血中の血小板の創傷部位への結合をトリガーとして血液凝固系の活性化を惹起し、止血及び創傷治癒促進等の活性を有する(非特許文献1)。



そこで、コラーゲンが有する強度や生理活性を活用し、家畜や魚類等から採取されたコラーゲンを水で加熱抽出して製造されるゼラチンが、止血や褥瘡潰瘍を適用とする医薬品及び医療材料に、カプセル剤等の原料に、さらに化粧品原料及び食品材料等として広く使用されている。



しかし、コラーゲンを採取する家畜にヒトと共通して感染する例えばプリオン病等の発症を認めると、安全性の確保のために家畜からのコラーゲンの供給は規制され、関連する産業分野へのコラーゲンの供給が不安定になる。



また、天然のコラーゲンは、上記インテグリンα2β1受容体等を介した血小板に対する作用のみならず、ジスコイジン受容体、シンデカン受容体及びフィブロネクチンを有する細胞を接着する等の多様な活性を有する(非特許文献1)。したがって、天然のコラーゲンでは、所望の生理活性に選択的な活性を有するコラーゲンを取得して利用することは実質的に困難である。



そこで、コラーゲンのこれらの特性に着目し、コラーゲン様の構造及び活性を有する非天然のコラーゲン様ペプチドを製造し、研究材料や医療材料等への応用が試みられている(特許文献1、2)。

産業上の利用分野


本発明は、コラーゲン様ペプチドからなる重合ペプチド、該重合ペプチドを含むゲル及び重合ペプチド薄膜、並びにそれらの製造方法及び用途に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
重合ペプチドであって、
三重らせん構造を有する3本鎖ペプチドを繰り返し単位として有し、酸化架橋で重合され、
前記3本鎖ペプチドを構成する各ペプチド鎖は、同一であっても又は相互に異なっていてもよく、
各ペプチド鎖は、-(Xaa-Yaa-Gly)-を基本単位として少なくとも5回の繰り返し構造を有する三重らせん形成用ペプチド基と、アミノ末端及びカルボキシ末端の各々から10残基以内に少なくとも2残基のシステイン(Cys)残基を含む架橋形成用ペプチド基とを有することを特徴とする、重合ペプチド。
[Xaa及びYaaは、それぞれ独立して、プロリン(Pro又はP)残基、ヒドロキシプロリン(Hyp又はO)残基、アルギニン(Arg又はR)残基、リシン(Lys又はK)残基、バリン(Val又はV)残基、ロイシン(Leu又はL)残基、イソロイシン(Ile又はI)残基、セリン(Ser又はS)残基、トレオニン(Thr又はT)残基、アラニン(Ala又はA)残基、グリシン(Gly又はG)残基、フェニルアラニン(Phe又はF)残基、メチオニン(Met又はM)残基、グルタミン酸(Glu又はE)残基、アスパラギン酸(Asp又はD)残基、アスパラギン(Asn又はN)残基、グルタミン(Gln又はQ)残基、ヒスチジン(His又はH)残基、トリプトファン(Trp又はW)残基又はチロシン(Tyr又はY)残基から選択され、プロリン残基はアミノ基又はフッ素原子で修飾されていてもよく、Xaa位及びYaa位にはN-イソブチル基グリシン残基を用いてもよい。]

【請求項2】
請求項1に記載の重合ペプチドであって、
前記ペプチド鎖は、
(i) 少なくとも1つの前記三重らせん形成用ペプチド基と少なくとも1つの架橋形成用ペプチド基からなるペプチド鎖、
(ii) 少なくとも1つの前記三重らせん形成用ペプチド基と少なくとも1つの架橋形成用ペプチド基、及び生理活性を有するモチーフを有する少なくとも1つのペプチド基を含むペプチド鎖、及び、
(iii) 少なくとも1つの前記三重らせん形成用ペプチド基と架橋形成用ペプチド基、及び、アミノ酸残基の側鎖にリンカーを介して生理活性を有するモチーフを結合させた少なくとも1つのペプチド基を含むペプチド鎖
からなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする、重合ペプチド。

【請求項3】
請求項2に記載の重合ペプチドであって、
前記生理活性を有するモチーフの2種類以上を組み合わせて製造されることを特徴とする、共重合ペプチド。

【請求項4】
請求項1に記載の重合ペプチドの製造方法であって、
(Xaa-Yaa-Gly)を基本単位として少なくとも5回の繰り返し構造を有し、アミノ末端及びカルボキシ末端の各々から10残基以内に少なくとも2残基のシステイン(Cys)残基を含む相互に異なっていてもよいペプチド鎖を溶媒に溶解する工程、
自己集合により前記ペプチドの3本からなる三重らせん構造を有する3本鎖ペプチドを形成する工程、
該3本鎖ペプチドを繰り返し単位として有し、酸化架橋で重合させる工程、
を含むことを特徴とする、製造方法。
[Xaa及びYaaは、それぞれ独立して、プロリン(Pro又はP)残基、ヒドロキシプロリン(Hyp又はO)残基、アルギニン(Arg又はR)残基、リシン(Lys又はK)残基、バリン(Val又はV)残基、ロイシン(Leu又はL)残基、イソロイシン(Ile又はI)残基、セリン(Ser又はS)残基、トレオニン(Thr又はT)残基、アラニン(Ala又はA)残基、グリシン(Gly又はG)残基、フェニルアラニン(Phe又はF)残基、メチオニン(Met又はM)残基、グルタミン酸(Glu又はE)残基、アスパラギン酸(Asp又はD)残基、アスパラギン(Asn又はN)残基、グルタミン(Gln又はQ)残基、ヒスチジン(His又はH)残基、トリプトファン(Trp又はW)残基又はチロシン(Tyr又はY)残基から選択され、プロリン残基はアミノ基又はフッ素原子で修飾されていてもよく、Xaa位及びYaa位にはN-イソブチル基グリシン残基を用いてもよい。]

【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載の重合ペプチドの少なくとも1種を含むことを特徴とする、ゲル化剤。

【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の重合ペプチドの少なくとも1種を含むことを特徴とする、ゲル。

【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載の3本鎖ペプチドを重合単位として、少なくとも2種の3本鎖ペプチドを組み合わせた重合ペプチド含むことを特徴とする、請求項6に記載のゲル。

【請求項8】
システイン残基を含まない3本鎖ペプチドの少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする、請求項6又は7に記載のゲル。

【請求項9】
請求項6~8のいずれか1項に記載のゲルであって、
ゲルが、ヒドロゲルであり、選択的な細胞を培養するための基材として使用されることを特徴とする、ゲル。

【請求項10】
請求項6~9のいずれか1項に記載のゲルを乾燥させて製造される、重合ペプチド薄膜。

【請求項11】
請求項6~9のいずれか1項に記載のゲル又は請求項10に記載の重合ペプチド薄膜を含むことを特徴とする、再生医療材料。

【請求項12】
請求項11に記載の再生医療材料であって、
創傷治癒促進用組成物であることを特徴とする、再生医療材料。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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