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癌治療薬剤ならびに治療方法

国内特許コード P180015043
整理番号 (S2015-1669-N0)
掲載日 2018年5月24日
出願番号 特願2017-524803
出願日 平成28年6月2日(2016.6.2)
国際出願番号 JP2016066393
国際公開番号 WO2016208348
国際出願日 平成28年6月2日(2016.6.2)
国際公開日 平成28年12月29日(2016.12.29)
優先権データ
  • 特願2015-128139 (2015.6.25) JP
発明者
  • 新森 加納子
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
  • 国立大学法人東京工業大学
発明の名称 癌治療薬剤ならびに治療方法
発明の概要 【課題】肺小細胞癌をはじめとする神経分化を示す癌において,Matrin-3をはじめとする幹細胞制御因子の役割を明らかにするとともに,その役割をもとにした癌の治療に有用な薬剤等の開発。
【解決手段】癌幹細胞制御機構を有する癌のうち,分化能を示す癌においては,正常細胞と比較して,幹細胞維持因子と分化促進因子が共に高発現しており,特有のバランスを保持している。また,未分化性の癌においては,正常細胞と比較して,幹細胞維持因子が高発現しており,特有のバランスを保持している。癌幹細胞制御機構が存在する癌においては,これら正常細胞と異なる特有の幹細胞制御因子のバランスが存在するものであり,本発明の癌治療薬剤ならびに癌治療方法では,この幹細胞制御因子のバランスを破綻させることにより,癌の増殖性を抑制するものである。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


肺小細胞癌は,他の癌細胞と比較すると細胞のサイズが小さいことから,そのように命名されている。
肺小細胞癌の特徴としては,肺癌の中でも最も進行が速く,低分化で急速に増殖する。そのため,肺小細胞癌では,早い時期からリンパ節や他臓器への転移が見られ,殆どの場合,進行癌の状態で発見される。結果として,肺小細胞癌は,他の癌と比較しても,致死率が高いことが知られている。



現在,肺小細胞癌の治療としては,抗癌剤や放射線による治療が行われている。しかしながら,これらの治療は,余命の延長には寄与するものの,完治は極めて困難なのが現状である。肺小細胞癌において,肺小細胞癌の早期発見,腫瘍の成長の抑制,転移の抑制が可能になれば,治療成績が飛躍的に向上すると考えられる。しかしながら,肺小細胞癌の分子基盤については未解明な点が多いため,高い治療効果が期待できる有効な治療法が無いのが現状である。



このような特徴を有する肺小細胞癌であるが,もう一つの特徴として,神経分化を示すことが知られている。
神経分化とは,幹細胞が幹細胞維持因子により,神経系の細胞へと分化する現象である。この神経分化がどのようにコントロールされているかについて研究が行われているものの,明らかにはなっていない。また,神経分化が,肺小細胞癌の病態と関係するか否かについては全く明らかになっておらず,当然のことながら,治療薬の開発にはつながっていない。



一方,Matrin-3は,最近,重要な知見が立て続けに報告されていることで,注目が集まっている分子である。
Matrin-3は125-kDaの核内蛋白質であり(非特許文献1,非特許文献2),chromatin organisation, DNA replication, RNA processingなどの機能を有することが知られている(非特許文献3)。Matrin-3は,これまで,Neuroscienceのフィールドではほとんど解析されてこなかった分子であった。しかしながら,最近ではMatrin-3の遺伝子に変異があるとfamilial amyotrophic lateral sclerosisになることや(非特許文献4),Matrin-3ネットワークが,ホメオドメイン転写プログラムに必須であること(非特許文献5)などが報告されている。

産業上の利用分野


本発明は,癌を治療する薬剤ならびに治療方法等に関する。より詳細に説明すると本発明は,Matrin-3などの幹細胞制御因子の発現やリン酸化をコントロールすることにより,肺小細胞癌など特定の癌において存在する幹細胞性維持機構・神経分化機構を破綻させ,結果として,癌の増殖を抑制することをメカニズムとする癌治療薬剤ならびに癌治療方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
分化能を示す癌,並びに,未分化性を有する癌において,癌幹細胞制御機構を破綻させることにより,癌細胞の増殖を抑制することを特徴とする癌治療薬剤


【請求項2】
癌幹細胞制御機構の破綻が,幹細胞制御因子もしくはリン酸化幹細胞制御因子の発現量を抑制することにより行われることを特徴とする請求項1に記載の癌治療薬剤


【請求項3】
癌幹細胞制御機構の破綻が,幹細胞制御因子のリン酸化を阻害することにより行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の癌治療薬剤


【請求項4】
前記幹細胞制御因子が,癌細胞における核内に存在する幹細胞制御因子であることを特徴とする請求項1から3に記載の癌治療薬剤


【請求項5】
前記幹細胞制御因子の発現量の抑制が,抗幹細胞制御因子抗体を有効成分とする薬剤によりなされることを特徴とする請求項2に記載の癌治療薬剤


【請求項6】
前記リン酸化幹細胞制御因子の発現量の抑制が,抗リン酸化幹細胞制御因子抗体を有効成分とする薬剤によりなされることを特徴とする請求項2に記載の癌治療薬剤


【請求項7】
前記幹細胞制御因子の発現量の抑制が,幹細胞制御因子に対するsiRNAを有効成分とする薬剤によりなされることを特徴とする請求項2に記載の癌治療薬剤


【請求項8】
前記siRNAが,配列番号1から6に記載される配列であることを特徴とする請求項7に記載の癌治療薬剤


【請求項9】
前記幹細胞制御因子が,Matrin-3,INI1,hnRNPK,MBD3,SFRS3のいずれか又は複数から選択されることを特徴とする請求項1から8に記載の癌治療薬剤


【請求項10】
分化能を示す癌,並びに,未分化性を有する癌が,神経内分泌腫瘍であることを特徴とする請求項1から9に記載の癌治療薬剤


【請求項11】
分化能を示す癌,並びに,未分化性を有する癌が,肺小細胞癌,白血病,乳癌,大腸癌,胃癌,直腸癌,皮膚癌,前立腺癌,卵巣癌,子宮体癌,膵臓癌,骨肉腫,神経芽細胞腫癌のいずれかから選択されることを特徴とする請求項1から9に記載の癌治療薬剤


【請求項12】
分化能を示す癌,並びに,未分化性を有する癌において,癌幹細胞制御機構を破綻させることにより,癌細胞の増殖を抑制することを特徴とする癌の治療方法


【請求項13】
癌組織における幹細胞制御因子の発現を調べることにより,癌治療薬の治療効果を予測することを特徴とする癌の体外診断用キット


【請求項14】
生検により採取された癌細胞を含む生検サンプルから組織切片を作製し,幹細胞制御因子の免疫染色を行うことにより,幹細胞制御因子の発現を調べ,癌治療薬剤の治療効果を予測することを特徴とする治療効果予測方法

国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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