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尿中の急性腎障害マーカーの測定方法 UPDATE コモンズ

国内特許コード P180015059
整理番号 FU725
掲載日 2018年6月13日
出願番号 特願2017-082836
公開番号 特開2018-179873
出願日 平成29年4月19日(2017.4.19)
公開日 平成30年11月15日(2018.11.15)
発明者
  • 糟野 健司
  • 横井 靖二
  • 岩野 正之
  • 淀井 淳司
出願人
  • 国立大学法人福井大学
  • 特定非営利活動法人日本バイオストレス研究振興アライアンス
発明の名称 尿中の急性腎障害マーカーの測定方法 UPDATE コモンズ
発明の概要 【課題】急性腎障害の診断を迅速に、しかも安定かつ正確に行うことができる尿中の急性腎障害マーカーの測定方法を提供することである。
【解決手段】尿検体に含まれる急性腎障害マーカーを測定する方法であって、尿検体を動物血清入り緩衝液で希釈し、尿検体のpHを6~9の範囲内に維持する前処理工程と、前処理した前記尿検体に含まれる急性腎障害マーカーを、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法)を利用して測定する工程と、を含む。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要


急性腎障害は、死亡率が50%を上回る予後不良な疾患である。従来から、急性腎障害の診断は、酵素法による血清クレアチニンの測定と尿量とによって行われている。しかし、血清クレアチニンは、腎不全が完成して2~3日後に変化が現われる遅い指標であるため、急性腎障害の治療開始が手遅れとなることが予後改善の障壁となっている。



血清クレアチニンに代わるマーカーとして、発症後2時間で上昇するNGAL(好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン)やKIM-1(Kidney injury molecule 1)が提唱されている。
しかし、尿中NGALでは、化学発光免疫測定法 (CLIA法)(chemiluminescent immunoassay)により診断に35分、尿中KIM-1ではELISA法(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay法)により診断に6時間を要する。そのため、急性腎障害の予後改善のために、より迅速な診断法の開発が求められている。



本発明者は、先に、尿中のチオレドキン(TRX)が急性腎障害で特異的に高値を示し、急性腎障害の発症後約2時間という非常に早期に尿中で検出されることを発見した。尿中のチオレドキンによる急性腎障害の診断能力は、特定のカットオフ値にてAUC0.94、感度0.88、特異度0.88であった。(非特許文献1)。さらに、本発明者は、化学発光酵素免疫測定法(Chemiluminescent Enzyme Immunoassay法、以下、CLEIA法と略称することがある)を用いた診断システムを開発した(非特許文献2)。この方法では合成TRXや血液検体のようなpHや塩濃度が一定或いは振れ幅が狭い場合のみ測定が可能であったが、急性腎障害を診断法するためには様々な疾患背景を持つ振れ幅の大きい臨床尿検体に幅広く対応することが要望されている。
また、尿に含まれるチオレドキン以外の他の急性腎障害マーカー、例えばNGAL(好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン)およびKIM-1(Kidney injury molecule 1)などについても、同様に迅速で正確な安定した測定法が要望されている。

産業上の利用分野


本発明は、急性腎障害の迅速な診断を行うことができる、尿中の急性腎障害マーカーのCLEIA法等による迅速測定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
尿検体に含まれる急性腎障害マーカーを測定する方法であって、
尿検体を緩衝液で希釈し、尿検体のpHを6~9の範囲内に維持する前処理工程と、
前処理した前記尿検体に含まれる前記急性腎障害マーカーを、免疫学的反応を利用して測定する工程と、
を含むことを特徴とする、尿中の急性腎障害マーカーの測定方法。

【請求項2】
前記急性腎障害マーカーの測定が、検出系に化学発光反応を用いる方法である、請求項1に記載の測定方法。

【請求項3】
前記急性腎障害マーカーの測定が、化学発光酵素免疫測定法である、請求項1または2に記載の測定方法。

【請求項4】
尿検体に含まれる急性腎障害マーカーを測定する方法であって、以下の(イ)および(ロ)の工程を含むことを特徴とする、尿中の急性腎障害マーカーの測定方法。
(イ)尿検体を緩衝液で希釈し、尿検体のpHを6~9の範囲内に維持する前処理工程。
(ロ)以下の(A)に記載された(a)から(e)の工程、または、(B)に記載された(a)から(d)の工程を含む、前処理した前記尿検体に含まれる前記急性腎障害マーカーを測定する工程。
(A)
(a)前記(イ)工程で前処理された尿検体と、この尿検体に含まれる前記急性腎障害マーカー(抗原)に特異的に結合し且つリガンドが結合された第一の抗体を含む溶液とを接触させて、前記抗原と第一の抗体との複合体を形成する工程。
(b)前記複合体を含む溶液を、前記リガンドの補捉剤が結合された多孔性フィルタの表面に滴下して、前記複合体のリガンド部分を前記リガンド補捉剤に結合させる工程。
(c)前記多孔性フィルタの表面に、前記抗原に特異的に結合する、酵素で標識された第二の抗体の溶液を滴下して、第二の抗体を、リガンド補捉剤とリガンド部分とを介して多孔性フィルタに結合している第一の抗体と抗原との複合体に結合させる工程。
(d)多孔性フィルタを洗浄し、多孔性フィルタに結合していない試薬を除去する工程。
(e)多孔性フィルタに結合した前記酵素の活性を、発光基質を用いて測定する工程。
(B)
(a)前記(イ)工程で前処理された尿検体と、この尿検体に含まれる前記急性腎障害マーカー(抗原)に特異的に結合し且つリガンドが結合された第一の抗体と、前記TRX抗原に特異的に結合する第一の抗体とは別の抗体であって、第一の抗体と同じもしくは異なる部分で抗原に結合する、酵素で標識された第二の抗体とを接触させて、第一の抗体と第二の抗体と抗原との複合体を溶液中にて形成する工程。
(b)前記複合体を含む溶液を、前記リガンドの補捉剤が結合された多孔性フィルタの表面に滴下して、前記複合体のリガンド部分を前記リガンド補捉剤に結合させる工程。
(c)多孔性フィルタを洗浄し、多孔性フィルタに結合していない試薬を除去する工程。
(d)多孔性フィルタに結合した酵素の活性を、発光基質を用いて測定する工程。

【請求項5】
前記急性腎障害マーカーが、TRX(チオレドキン)、NGAL(好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン)またはKIM-1(Kidney injury molecule 1)である請求項1~4のいずれかに記載の測定方法。

【請求項6】
尿検体が酸性である場合に、この尿検体をpH6~9の範囲内に調整し、緩衝液で希釈する請求項1~5のいずれかに記載の測定方法。

【請求項7】
前記緩衝液が、動物血清入り緩衝液である請求項1~6のいずれかに記載の測定方法。

【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の、尿中の急性腎障害マーカーを測定する方法に用いるためのキットであって、少なくとも
(i) 前処理用の緩衝液、
(ii) 前記尿検体に含まれる急性腎障害マーカー(抗原)に特異的に結合する第一の抗体、
(iii)前記尿検体に含まれる急性腎障害マーカー(抗原)に特異的に結合する第二の抗体、
(iv) 未結合の検体・抗体を除去するための洗浄液、および
(v) 多孔性フィルタに結合した酵素の活性を測定するための発光基質
を含むことを特徴とするキット。
国際特許分類(IPC)
画像

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